「心霊現象」は幽霊が出るといわれる古城に分析器を持ち込んで温度や電磁波を測定してます~というネタ.こんなの日本の心霊バラエティでもやってるアバウトな手法で全然面白くありません.ダメだこの番組!とため息をついてしまいました.
「前世の記憶」はいくら事例を積み重ねたとしてもシャキッとしないネタです.過去の実在の人物の事実と、前世の記憶だとする幼児の主張が数10個も一致したとしても、そこから先に実証実験を進めることが出来そうにない、受け身の研究対象でしかないなぁという感じ.
かなり唐突めいて「超常現象」を特集するにしては、「心霊現象」「前世の記憶」じゃ話題がしょぼ過ぎて大丈夫なのかこの番組と、心霊現象の如く背筋が寒々としてしまいました.
「脳MRIの同調」は前二者に比べてまだ実証研究の手がかりが豊富なネタで、親しい被験者同士の脳活動がなぜだか同期するのだという実験事実を提示しています.どうせなら一卵性双生児で実験したらいいのにと思いましたが.心地よさや恐怖が伝搬する? 虫の知らせが本当にある? そんな話に発展したらいいですね.もしかしたら恐怖がわたしの脳に伝搬したのかもしれない経験があるわたしです.
ここまで観てショボイ番組だなぁ~と思っていたわたしでしたが、最後の「乱数の偏り」を採りあげたことでこの番組の評価が一気に高まりました.
「乱数の偏り」の件については詳細に解説した本があって、すでに絶版なのですが、たしか10年ぐらい前の本です.「量子の宇宙でからみあう心たち―超能力研究最前線」というタイトルです.発行の徳間書店はオカルト系の書籍をいろいろ出してるんですよね.アニメージュとスタジオジブリだけじゃない徳間書店です.さらにこの本には科学解説者の竹内薫が監修していて、竹内さんの際どさが窺えます.オカルトに足をつっこむと科学者としてはオマンマの食い上げですから、こういう本の監修なんかやるのには勇気が必要だったろうと思います.
この本は買って読んだのですが、引っ越しの時に捨てちゃって、また入手したいなぁと思っているんです.惜しいことをしました.
ところで乱数発生器にはいろいろな実現手段があります.無限数列で乱数モドキを作るのはPCの関数rand()でよく使われます.もう少し上等な手段だと熱雑音をAD変換して乱数を作ることもあります.rand()の初期値を決めるのに熱雑音を使うこともある.けれど、最上の乱数発生器は、放射性物質の粒子崩壊のランダムさという量子力学的ランダムさに依拠する方式です.似たモノで、粒子のスピンをランダムさとして使う装置が、SF小説「宇宙消失」に出てきます.
NHKの番組によると「乱数の偏り」の実験で使われた乱数発生器は、電子がトンネル効果でポテンシャルをすり抜ける確率が50%になるようにポテンシャルが調整された装置が使われたようです.これも量子力学的ランダムさと言えます.
ポテンシャルを通り抜けるか跳ね返されるかは、平均的に50%の確率なのがフツーなわけですが、その確率がどういうわけか酷く偏ることがある.NHKの番組では230万分の一の確率でしか起きない激しい偏りが生じたと言ってます.その偏りがどういう場面で生じたのか? USAのとあるイベント最高潮に達したまさにその時刻に激しく偏った、というのです.
それだけじゃありません、革命や戦争のような、人々が注目したり動揺したりするイベントがあると、世界中の乱数発生器が異常としか言いようのない偏りを生じる.
NHKの番組では、「いま一部の科学者が注目している現象です」と語っていますが、いまじゃなくて少なくとも10年かそこらの以前からこの現象は知られていたわけです.そして少なくともヒラサカはそれを知って少なからず興奮していたわけです.「乱数の偏り」とは地味な現象ですけれど、「前世の記憶」や「脳MRIの同期」よりも遥かにプリミティブな量子的現象に依拠している現象ですから、特異性の定量化が容易に出来るし、追試を行いやすい思われ、とても興味深いとわたしは思います.
今日この時にも世界中で乱数の偏りが観測されています.そして9.11や3.11のような大事件や大災害が起きると乱数が異常なまでに偏るという事実が積み上がりつつあるのです.
まぁ「量子もつれ」がその原因だという仮説はちょっち飛躍しすぎだとは思います.脳を構成する原子同士が量子的にもつれるならば、一つのリンゴを何ヶ月も分け合って食べた人同士は「量子もつれまくり」ってしまうかもです.宇宙ステーションの搭乗員が閉じた物質循環で何ヶ月も生活したら「量子もつれ兄弟化」してテレパシーが発達してしまうかもです.もしかしてニュータイプの嚆矢ってことでしょうか? う~ん.
「これだけ客観的で物理的な結果が出ているのなら、意識が量子的作用を及ぼすことは証明できたも同然じゃないですか?」
「確かにそうなんだけど、それを言ってしまうと多くの科学者は干されて職を失ってしまうんだよ.だから正統科学と認められるにはまだ至っていないんだ」
ガリレオ・ガリレイを異端審問にかけたカトリック教会のことをあまり嘲ってもいられない事例は現代科学にもまだまだあるのです.
「心霊」「前世」「虫の知らせ」は超常現象の定番ネタですが、「乱数の偏り」を出してきた今般のNHKスペシャルはエライ.「乱数の偏り」を出したいのが番組の企画意図だったのではないかとすら個人的には思いました.
ハナシがまとまらぬままこれにて終了.
かしこ
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嫁さんと車に乗っていて「なに?」と聞かれることがあります。確かに何か言おうとして考えてはいるのですが、これがテレパシーか?と思う事があります。
返信削除でも会社の後輩に「佐藤さん鼻歌出てましたよ」と言われて自分でも気が付かないことがあるので無意識のうちに何かしゃべっているのかもしれません。
自覚なしで歌ってる時って、たいてい仕事でものすごく疲れている時ですので、ご自愛のほど.いまは蓄積するほどの疲労はないと思いますが(笑).
削除ところで、知財関係の資格試験はそろそろじゃないでしょうか?
わたしは明日、ガス可とう管施工の講習を受けに行きます.
知財は30問中2問足らずで不合格のようです。
削除真剣みが足らなかったようですが、1年に3回行われる試験だけに1度勉強しておけば次は覚えやすいかなと思っています。
次の試験まであまり間が空いていないという意味です。
削除1年に一度だとまた最初からって感じじゃないですか。まあ少しずつでも1年後に向けて勉強すればいいんでしょうが。所詮資格試験なんで効率良くって感じです。
あらそれは残念でした.でも4ヶ月後なら持続しますね.次回は鉄板でよろしく.
削除わたしは危険物はすっかり忘れました.
次は甲種狙いでしたっけ?
削除仙台も6月に危険物あるみたいだけど消防設備士も6月なので両方は無理だろうと思っているところです。2つとも受けない場合もあるけど。消防設備士だと甲1か甲5と言ったところです。
たしかまだストレートフラッシュにはあと2つぐらい不足だったか、、、ど忘れ.
削除消防設備士はこりごりです(泣)
危険物はストレートフラッシュしなくても甲種受けられたんじゃなかったっけ?
削除調べたら1or6、2or4、3、5類のようです。
消防設備士は甲5はテキストが少ないんですよね。
霊能者と呼ばれる連中はまったくの詐欺師だと思っています。
返信削除霊と話が出来るのなら未だに大震災で行方不明の方々がたくさんいるんだからボランティアで遺体の場所を探してほしいものですが、誰一人としてそういう事をする人は出てきません。
本当に可能であればこれほど良い自分の能力を示す機会でもあるのに。。
ユリゲラーも結局はなんにも役に立たない能力で終わりです。まあ、トリックやマジックの類だと思いますが。
ユリゲラーはマジックだと超能力信奉派の人が発言してました.
削除宜保愛子はもう亡くなりましたかな? 江戸時代の人の霊が憑依して江戸時代の読みで名乗ると吉さんは「きちさん」になるはずが、宜保さんは「よしさん」としゃべってしまい、それは台本通りだったとか.
皆さんナイスな職業でございます.
宜保愛子はずいぶん前に亡くなりましたね。
削除宜保愛子は晩年(いつを晩年と言うかは別にして)、自分はインチキ(ホットリーディング)であることを告白したとか聞いた事がありますね。
僕は、津波に飲まれたら自分の肉体を見つける自信無いです。
返信削除間違って女子の肉体に入ってしまう青春SFしたいですw
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