今回は、当ブログ読者のうちごく一部存在する磁気記録専門家向けに、スターウォーズトリビアから入りましょうか.EP1で子供時代のアナキンが地元のポッドレースに出場するシーンがあります.いろんなレーサーメカがいるわけですが、アナキンのポッドにビンビンに反応してしまったわたしがいます.
↓これがアナキンマシンです.放電電極を拡大するとすごい物が、、、、
↓これが放電電極です.これって、すげー古いIBMのウインチェスターディスクの廃物利用じゃないでしょうか? まだ酸化鉄の塗布型メディアで、磁気配向なんかどーしてるんだろってな時代の産物です.やがてこれがHDDへと進化してゆきます.a long long time ago and far awayなタトゥィーンでウインチェスターディスクを目撃するとはねぇ、わたしにとってはオーパーツでした.気づいた人は他にいるのだろうか??? http://pc.nikkeibp.co.jp/article/trend/20081210/1010445/
HDDというと、昔々まだMACのCPUが68020とか68040だったころ、HDDの容量が20MBだったというのがHDDについてのわたしの一番古い記憶です.それ以前からHDDは存在していたのでしょうけど、わたしの手に届く価格帯に下落したのは20MBぐらいでした.たった20MBで何が出来たのか、もはや思い出すことが出来ません.
今日、HDでビデオコレクションする趣味をお持ちの方にとっては、1TBなんていう容量は小さくて困ってしまうと思われます.10TBをミラーリングするぐらいを欲しいかと.でも今旬なHDDは2TBですから、10TBのミラーを用意するのは物量的にやる気が起きません.
そんな中、目を惹いたのはこちらの記事.6TBHDDが秋葉に登場したそうです.へ~っと思って読むと値段が6万円もするんだそうで、とても普及価格帯とは言えません.しかも、プラッタが7枚だそうです.空気の粘性抵抗を低減するためにヘリウムを封入.そりゃぁ高価なわけだわ. http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20140208_634479.html
もはやHDDの大容量化に行き詰まりを感じます.せいぜいプラッタあたり2TBが限界で、あとはプラッタの枚数を増やすだけしか出来ないとしたら、10TBを¥8000で買える日なんか永久に来ないんじゃなかろうか? いずれは4K/8Kの放送も始まるだろうに、HDDのビット単価の低廉化がこのスローテンポじゃぁストレージが不足してしまいます.垂直記録を実用化してしまったので、技術的に行き詰まっているのが原因なわけですが、光記録はもっとダメだし、いったいストレージの未来はどうなってしまうのでしょう? ストレージの未来は値段が安くならないという意味で暗そうです.
昔の仕事で調べたことがあるんですが、たぶん無理ですがゲノム(DNA)をストレージに使えないかと考えると、意外にDNAシーケンサってのは高速なんです.2年で10倍ぐらいの高速化が進展していて、現在の最新機種では10MByte/Sぐらいの読み取り速度になってるんじゃないかなぁ? これが100MByte/Sになったらいっぱしのストレージと言えなくもない.まぁシーケンシャルアクセスしか出来ないから実用的ではないけれど.(泣)
10TBを¥8000で提供できるストレージを発明できたら億万長者になれます.
かしこ
人気ブログランキングへ
HDDの記憶に興味が有り楽しく読ませて頂きました。
返信削除私、最近PCが壊れ修理して貰いました。
HDDは500GBなのですが、修復に失敗したからかも知れませんが、非常に時間がかかり
異常と思い、メ-カ-修理に出しました。3日でHDD交換で戻って来ました。
昔ですが、FDISK,FORMATを何度もやりましたが、容量の大きいHDDをやるたびに時間がかかるのを覚えています。1TBのHDDを初期化するのにどれくらい時間がかかるので
しょうかね-?
メ-カ-修理は、オ-ダ-が有って初期化していたら時間がかかるし、作業性が悪いので
初期化したHDDを準備しておき交換という方法で対処しているのではと、想像しています?
わたしもFDISKやりました.なぜか今はやらなくなりましたが.
削除今のHDDは2TB一台 もう一台の予備PCは1TBです。
削除(両方ともスリムタワーなんで 1台しか付きませんが1台はEXTSATAがありそれが使え、もう一台はDVDを外してそこに繋ぎました)
データやOSのクローンはWDかSGに付いてくる Acronis True Image WD Edition などで入れますが 領域確保をマニュアルで指定すると位置の変更がある程度出来、フォーマットやチェックは勝手にしているようです。
他には外部にNASが3台有り、
NETGEAR 160GB ライド1
LinkStation 500GB ライド1
LinkStation 3TB ライド無し
時々、バックUPしています。
backupへ力が入っているようですね.
削除わたしの実家(伊勢原)には、PCもワープロもありません.CDはありますけどHDDはありません.地デジTVと新聞以外にはメディアもストレージも存在しない限定情報空間です.それゆえ、彼らが実在を信じているセカイは単純で、自分らのセカイ観に強固な自信を持っているようです.
当時のHDDの塗布ってスピンコートなんでしょうか。
返信削除結局垂直記録は遅咲きのピッチャーのようなもので活躍できたのは年を取ってからだけど引退までの期間が短かったという感じで。
最近は応用磁気学会の学術講演会の内容なんかも見てないから、磁気記録の領域がどうなっているか全然わかりません。
感覚的な予感ですが、フォトレジストよりも塗布媒体はベタついてる気がするのでムラになってスピンコートに向かないのではないかと、素人感想ですが.べたーっと塗ってから仕上げ工程で砥石で磨いていたんじゃないかとか、邪推ですが.
削除ずーっと実用化できなかった垂直記録もいつのまにやらHDDで実用化されましたね.白金下地のメディアとは上手い物が見つかったものです.
10TB¥8000のためになにかリリーフ技術があるとよいのですが.
スピンコートは幕厚が有るので、おそらくスパッタリングではないこと思うんです。
削除垂直磁化は最初はバリュー無フェライトで後から、素材にビスマスかなんかを入れた合金を使うと、配向がそろって出来たらしいです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130403/274696/
しかし、一番最初に入手した、5MBの電電公社出と思われるHDDは炊飯器の半分位有って、結局動作はさせられなかったのですが、この時代ならスピンコートもあったのではと思います。(高さから考えてドラム式だったかもしれない)
垂直記録は今でも生きているのでしょうか?それとも、新しい記憶方法?
返信削除TOSHIBAのFDDですが、ワ-プロ製品に採用し、評価した事が有ります。
埃を大変きらうdeviceでした。
今売られているHDDは垂直だと思います.遅咲き.
削除東芝のFDDは、BaFeメディアだったような?
BaFeですか。懐かしいですね。今では(次の?)LTOのメインかな?
削除その昔、BaFeも秘密裡ではないですがやっていたんですよね。中途半端に終わっていたサンプルをもらって評価して、当時の私の上司だったOさんが塗布メディアのGpにプレゼンしたけど見向きもされなかった。当時は開発のメインはスパッタの部署だった事もあったことと今の磁性粉のサイズでなんとかやっていけるという自信があったのでしょう。Oさんは「全然わかっていない!こんな事やっていたら終わってしまう」と嘆いていました。
今ではBaFeに大きく水をあけられていますからね。2003年頃だったからもう少し広い目で開発を進めていれば少しは良かったのかも。
ただ会社もこれからはメディアの時代ではないからと予算を減らされ、自前での磁性粉の開発も止めたので自前での開発は考えられなかったという理由もあるとは思います。
そういう意味では他のカテゴリーで言われるように、昔の成功体験が邪魔をして先が見通せなかったという事がテープメディアにも言えたのかもしれません。
ただBaFeも磁性粉(鉄)の限界を補うだけで、短命のリリーフで終わるのではないか?と思ったりもします。IBMの描くLTOのマグレーションはそろそろスパッタのGenerationだったような記憶があります。
当然ですが、今この時期にどのような動きがあるのかは知る由もありません。情報も入りませんし、聞いても教えてもらえないでしょうから。
これはOサンが上司でしたか.coating屋は保守的ですからね.
削除DATのコンタクトプリントはBaFeで進めていたんです.ソニーマグネスケールがコンタクトプリント装置を販売する予定でしたが、発売を拒否ったので日の目を見ませんでした.売れるとこまで出来てたんですがね.ちなみにそれがわたしの最初の仕事でした.
Oサン曰く、BaFeの分散が難しく、Fujiは別の分散手法を持っているのではないかと言ってました.
当時のデータメディアってN部長だったのかなぁ。
削除意外とダメと最初から思うと全然話に耳を傾けない人でした。ただ、その数年前にはごく近い部署にいて喫煙所で本音(愚痴)を聞いたことありますよ。
Oさん、共通認識の人なのかは不明ですね。Oさんは結構バイタリティーはあるのですが、突っ走るところがあり、ついて行けずに数名が会社を辞めたという噂のあった人です。私もそのせいかどうかわかりませんが(たぶん関係ないけど)顔面神経麻痺になって入院しました。
N部長、名前は出てきませんがたぶんあの人かしら? セット側から観ると、大人しいメディア屋さんの中で、Oさんの行動力レベルはセット屋と相性が合いました.ヘッド屋にも顔が効きましたし(笑)
削除Oさんは実名は出せないけどなんとなくでOKWさんです。
削除思い描いている人と同じ人かな?
N部長のご婦人は盛田家とつながりがあったとか。ずいぶん前にNさんはガンで亡くなられました。
おっとそちら様でしたか.
削除平坂さんの思い描いているのは岡ちゃんでしょ。違うかな?
削除Oh, yes.
削除もちろんokwさんも存じております
削除OKWさんもご存知でしたか。残念ながらOKWさんは自滅してしまいました。
削除年齢も近かったせいか話のしやすい方でしたが。もちろん私が自滅に追いやったわけではないですよ。
2000年くらいからレコーディングメディアに入る新人の男性って京大や東大の出身者が多かったです。本人の希望もあったのかわかりませんが、この頃からアカデミックな事はなくなって来てましたので正直こういう新人にどういう仕事を任せるべきか困っていた(特に課長レベルで)状態でしたね。ある意味かわいそうに思えました。
そうですね.先日のvaio部隊売却なんか激烈で、長野の300人の中企業でする仕事が京大東大の出身者の仕事になるわけです.今時のPCの設計なんか、サプライチェーンと、ガイドライン従属なPCB設計と、デバドラのカスタマイズと、品質保証と、オフショア管理ぐらいしかないでしょう.もはや京大東大の卒業者がやるほどの仕事じゃないですから.
削除かつて同じくらいの規模のソニーマグネスケールにいたわたしは、新人のわたしが3年経って勉強することが無くなってしまいましたから、自分のキャリアの踏み台でしかなかったです.
電機メーカーはつまらなくなりました.
Mac SEあたりのHDDはソニー製でしたね。 made in Japanですね。 電源とFDDも。
削除http://pc.watch.impress.co.jp/img/pcw/docs/442/165/html/P4250678.jpg.html
プラッターは仙台製? ドライブはどこで作ってたんでしょう?
このころのMacって85万円ぐらいだったと思いますが、そんな高価な物を、よく買うなぁと思ったものでした。
あら懐かしいソニー製HDD.これって少しですがわたしの仕事にも因縁があった商品なのです...
削除BaFe ?
返信削除http://en.wikipedia.org/wiki/Barium_ferrite
容量が2.8MB位だったので垂直磁化でなく磁粉を小さくした?BaFeの様な気がします。
訂正。
2.8MBでしたか.BaFeは微妙に垂直っぽいと言われていたりします.
削除