2018年12月19日水曜日

リフォームのはなし

住宅リフォームの話題なので興味の無い方は飛ばして下さい。

知人の建築設計事務所で「いわゆる手元作業者」が必要だという事情でアルバイトとしてあっちゃこっちゃに出張し、稼ぎの半分を地元に還元する方針で飲み食いしているわたしだが、言うまでもなく昼間はけっこうマジメに手元働きしているのである。

今日は、鳶の人が2名だとちょっち足りないので、手元ヒラサカが3人目として追加投入となった。小型足場を組む業務を初体験してとても勉強になった。まぁその経験をprivateで活かせる機会があるとは思えないが。それに高所は怖いし。

我々の様な遠征作業者が現場で足場を組むには、足場部材をレンタルする。足場レンタル屋に「12月18日09:00」に現場着などと指示する。
足場部材を積んだトラックが来て、部材を下ろすまでがレンタル屋さんのお仕事。そこから先の、2階へ部材を運んで、組み立てて、バラして、地上に下ろすのは我々の仕事となる。運んだり組み立てたりする作業にわたしが手元要員として動員されたという事情である。

現場にいると電気のトラブルがたまにある。
建築用機器は扱いが乱暴なので可動部分のコードがちぎれてご臨終ってのが多い。日程の限られた現場でレンタル機器が故障するとかな〜り致命的。そういう時にはレンタル会社に電話して、代用機器を手配して、、、ウソダヨーン、そんな悠長な時間はないわ。その場で応急処置しちゃうのだ。建築屋には電気の知識が無いので治すとビックリされる。でもそれがわたしの本業なんですがー。

わたしはアルバイトの手元要員という設定で雇われているわけだが、手元の仕事を超えてるんじゃね?って思った事があった。

調査のため建物の下部に開けた穴をモルタルで塞ぐ作業は豊島園さん(仮名)が済ませてあった。残る復旧作業は、モルタルと外装材の2cmぐらいの隙間にコーキング材を充填するだけという状況だった。
多忙な豊島園さんは別の現場へ行くので、
「ヒラサカさんコーキングやっといてくれます? 必要な物はバッグに入れてありますんで」。
コーキングなんか、マスキング→ガンでブチューッ→ヘラで平滑化、で完了だから、
「わかりましたー。ガンもバッグに入ってますよねー」
という会話で一旦終了。

コーキングなんか30分で終わると信じていたわたしだったので、コーキングに着手せずにいた。最終日にチャチャっとやればいいさって。
ところが作業日程的にあと1.5日という段階になり、構造担当の多摩川園さん(仮名)が言うの、
「そろそろコーキングやりましょうか?」。
多摩川園さんがそう言うのなら他の作業を中断してコーキングしようと思ったわたしは、豊島園さんが置いてったバッグの中身を見て、おやおやぁ〜?と思ったのだった。

バッグの中身を思い出せる限り書こう。
・マスキングテープ
・直径10mmぐらいでフカフカしたフィラメント状の詰め物 (隙間埋め用)
・エポキシ接着剤
・プライマー (有機溶剤サイコー!)
・刷毛
・シリコン接着剤(ガン用)
・ガン
・変性シリコン コーキング剤
・平滑化ヘラ
・白い水性ペンキ
・水性塗料数色 (色合わせのため)

こいつらを見て、はぁ〜??? そうゆう作業をお求めですか、豊島園さんwww
リフォーマーにならわかると思うんだけど、これじゃ最終日の30分じゃ終わらんわ。多摩川園さんが「そろそろやりましょうか」と言うわけだわ。。。

これ全部使う方向性でやるんかと、この作業一式を手元にやらせるんかと、豊島園さんの気持ちを確認するために豊島園さんに電話した。
「あのーバッグの中身を見たらマジなんですけど、そうゆうやり方しますか?」
豊島園さんとヒラサカで作業内容について5分ほどやりとりして、わたしは、
「はーい、フル真面目でやるんですね」
と言って電話を終了した。

上に書いたバッグの中身の順序で作業を行う。
しかしながら、複数の接着剤を使う時点で作業に時間がかかるのは必然である。エポキシは30分ぐらいで実用強度に達するとしても、シリコンはそうはいかないので、多摩川園さんに促されてから始めたコーキング作業はガンでシリコン注入したところで作業中断。残務は翌日に持ち越し。

翌日、日程的には最終日、変性シリコンを表面層に塗るのが取り敢えず午前中の作業となった。

15時頃、変性シリコンが固まったかなという頃合いに、色塗り作業を行う。
ホワイトの水性ペイントに絵の具を一滴づつ投入して既存の周辺部分と同じ色に合わせて塗るのであるが、なかなか色が合わないのだ。やってみれば判ると思うのだが、黒と黄色と茶色の投入が行き過ぎてドス黒くなってしまったりという失敗配合を捨てたりした。

トラブルはそれだけではなかった。色配合中に、大型犬を放し飼いで散歩させてるオバサンが通りかかり、わたしに向かって「ハフハフバウゥー」と大型犬が襲い掛かって来たのだ。色合わせサンプルをぶちまけたら大変だと防御する。大型犬の湿った息がわたしの顔に掛かる。おぞましさで気が遠くなるわたし。。。

失神から目覚めてから変性シリコンの上に塗装したのであった。

一連の作業を通じてひら的には、豊島園さんの度胸に感心したのである。
なぜなら、フツーの人には、塗装するために変性シリコンを使うっていうコトバ自体が通じないと思うのだ。通常のシリコン接着剤は撥水性なので塗装できない。塗装するなら親水性の変性シリコンを使う。だがそれを承知してる一般人って10ppmぐらいしか存在しない気がする。もしもわたしが「豊島園さんが何言ってるかわかんないよ」とシンジ君みたいな泣き言を言ったら豊島園さんはどうする気だったんだろ?

手元++でよろw

かしこ

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