ですがたまに、正統に学術的にやってる事でもその怪しさときたらフリエネや陰謀論レベルじゃねえかと失笑を禁じえない物があります.たとえばいつまで経っても実用化しない核融合がそれ.イルミナティの陰謀でセカイがone worldになるのと、核融合発電が実用化されるのとどっちが早いんだろうねなどと思ってしまいます.ちなみにone worldっていうマイルがあるけど、たかがstar allianceすら滅ぼせんのかと、飛行機でいつも思います.(わたしはstar alliance派所属)
まぁ、核融合や闇の政府の件ならヨタ話ということでスルーしてりゃいいんですが、近頃、世界各国で2030年に全部電気自動車にするって続々と決まってるのはあれは何なのだ? バカバカしいな~.だってさ、13年後の商品企画を現時点の法律で縛る意味なんか無いじゃんw (石油メジャー支配から脱却したいという思惑だとしたって13年後にたかがガソリンからの脱却とはずいぶん気の長くて気の小さな話です)
既存のバッテリー技術はテスラやリーフのような高価でしかもかったるい運用を余儀なくされる未成熟な技術レベルでしかなく、何らかのブレークスルーが待たれます.だけどここでわたしはブレークスルーが必要だから2030年が非現実的だと批判したいのではないんです.
ブレークスルーっていうのは何時成し遂げられるか予想がつかないからブレークスルーなんです.だからもしかしたら、わずか3年後の2020年に全部の自動車を電気化できてしまうような画期的なバッテリー技術が登場するかもしれない.もしくは、2030年まで待っても登場しないかもしれない.
ガソリン車は旅先で3分間で満タンに出来て500km走行できますが、そもそも電気自動車ではそこまでの性能を達成する必要すら無いかもしれません.自動運転化された乗り捨て自動車を次々に乗り換えるシステムが普及したら急速チャージも航続距離も死活的でなくなり、陳腐なバッテリー性能でも済んでしまいます.それだってEV実現のブレークスルーの一つでしょう.
つまりどんな技術が颯爽と登場するかはなかなか予想できないものなんです.
「核融合発電は30年後」と科学者は言ったけど、30年後になっても科学者は同じコトを言っているのが実情.
ヒラサカは13年前に「HDDはもうおしまい」と思ったけれど、プラッタ増で3-4TBでまだ生存しているのが実情.
どうせNEWTONやPalmの二の舞だろと思ったiPod/iPhoneが世界を変えてしまった.その主要因は静電タッチパネルだが、通信インフラ・動画視聴・CPU等も相乗的に貢献した.
EVがどのような時期にどのような社会状況を背景にして普及するかを予想するのは、核融合やHDDや端末よりもはるかに難しいでしょう.
ところが、2030ガソリン車滅亡法を作る官僚や政治家がポコポコいる.一体あなた達はどんな未来予測に依拠しているのか? ノリで仕事してるだろ? 予測できない物事もあると知るのも賢いお前らの業務じゃないのかといいたいです.ともあれ、「2030年に全部EV」と言ったからには必ず達成してもらいましょう.中古ガソリン車価格が暴騰しないといいですね(皮肉).
やたらと前置きが長くなってしまいました.
連載1回目で、Bi-Toroid Transformerの結合係数は順方向と逆方向で異なるのではないかと予想しました.今回は実際にトランスを巻き巻きして実測してみました.
結論から述べると、予想通り、結合係数が順/逆で異なります.
まずはトランスのパラメータ測定方法をおさらいしておきます.
↓秋月で買った100uHのチョークコイルを巻きほどいてトロイダルコアとして使います.
↓これは普通に10:10のトランスとして巻いた状態です.
トランスのパラメータについての教科書的な知識としては、
・結合係数は右式で計算され、Lopenは2次側開放の1次側インダクタンス、Lscは2次側短絡の1次側インダクタンス
・相互インダクタンスMは、M=k・Lopen
・漏れインダクタンスLは、L=Lopen-M
・Lは1次側2次側で同じ
・Kは1次側2次側で同じ
上の写真の10:10の普通のトランスの実測値は、Lopen=5.7uH、K=0.7 でした.意外にKが低かったのが不満でしたが、値に誤りは無さそうでした.
このトランスパラメータ測定方法を、Bi-Toroid Transformerに適用してもグダグダのダメダメでした.結合係数が順/逆で異なる時点で上の測定方法はアウトですからね.
↓これがお試しで巻いてみたBi-Toroid Transformerモドキです.モドキですから構造はBTTと異なります.詳しくは連載1回目を参照のこと.巻き線比は10:10ですが、2次側には2段重ねのトロイダルコアを2ヶ追加してあります.
↓連載1回目の図と対比すると、大コア=コア2段重ね、小コア=コア単独、となります.つまり、2次側が発する磁束のうち1次側に到達するのは1/3であり、2/3は捨てられる手筈になります.その事が結合係数にも表れるはずです.
↓トランスパラメータのM,K,L1,L2を測りたいのですがどうやったらいいのかが判らないので、手始めにトランスの1次2次電圧を測って結合係数kを直接測定してみることにしました.1MHzをトランスに印加してオシロで1次2次電圧を測ります.
このような測定結果を得ました.
・1次→2次(順方向) kf=0.7
・2次→1次(逆方向) kr=0.243
順方向結合係数kf=0.7という測定値は、通常巻10:10トランスで得たk=0.7と同値であり、妥当な値であると思われます.
逆方向結合係数kr=0.243という測定値は、2次磁束の1/3しか1次に到達しないという構造によって、kf÷3=0.7÷3=0.233 の近似値なのだと考えると妥当な値であると思われます.
したがって、Bi-Toroid Transformerの特徴は2次側磁束の大部分を大コアに捨てる点だという予想には信憑性があるように思われ、その帰結として結合係数が順方向/逆方向で異なるように観測されたものと思われます.
ただし、ここでは電流を流さない実験ですから、電力測定まではやってません.ゆえに、2次側逆起電力が1次側へ還流しないという説の検証までは出来ていません.ましてover unityにおいておや.
↓本日最後に、Bi-Toroid Transformerモドキの等価回路を推定しました.
通常のトランスですと、左右の漏れインダクタンスは同値になるとされますが、このトランスではそれが異なります.その結果として、順方向結合係数=0.7になり、逆方向結合係数=0.24になっているようです.12.7uH > 4uH という2次側漏れインダクタンスの巨大さが「2次側磁束の大部分を大コアに捨てる」現象を作り出しています.
今宵はこれまでにしとうございます.
真正のBi-Toroid Transformerの構造はこうなっていますから、次はこの構造をトロイダルコアで作ってトランスパラメーターを推定してみたく思います.
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かしこ
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