ADC/DACのICには24bit品とか16bit品とかいろいろあるわけですが、電気エンジニアのわたしとしては、24bitの分解能を持ったADCもDACも存在しないという通念を持っています.例外的には、業務用のADCで精密なトリミングをやって24bit精度を実現した超高級装置はあるかもしれません.でも、コンスーマ用途のアンプに搭載されるIC風情には、24bit精度を実現したものなんかないはずなんです.
というわけで、アナログデバイセズのAD1955というSACDにも使えるDACの仕様を読んでみると、 http://www.analog.com/static/imported-files/jp/data_sheets/AD1955_JP.pdf
信号対ノイズ比(20Hz~20kHz)
差動出力(Aウエイト、RMS)(ステレオ) 120 dB
差動出力(Aウエイト、RMS)(モノラル) 123 dB
シングルエンド出力(Aウエイト、RMS)(ステレオ) 119 dB
なんていうスペックが載ってます.おおまかに、1bitあたり6dBに相当しますので、120dBだとするとこのDACは約20bit相当の分解能しか持ってないということになります.製品としては24bitなんですが、性能は20bitしか出せてないですぅ、とおおっぴらに語っています.でもこれは恥ずかしいことではなく、この程度が通常のICの性能であって、リッター50km走るハイブリッド車なんかないのと似て、物理的に無理なモノは無理っていうオーダーです.
なので、24bitのハイレゾオーディオとか言ってますけど、24bit精度の音を聴いたことのある人はほとんどいないはずです.たいていは20bitぐらいの精度の音どまりと思います.つまり下4bitは得体の知れないノイズの中に埋もれてるわけです.もったいないですね.
ところが、いまのHiFi AudioシーンにおいてDACはこれでキマりっといわれるほど評判の良いESSのDACってやつがあるらしいですね.最新機種のAVアンプには載ってることもあるみたいです.たぶんこの会社のことなんでしょう. http://www.esstech.com/?p=products_DAC
このDACの仕様には133dBなんていう、とんでもないスペックが記載されています.これだと22bit相当の音を聴ける計算です.フツーのDACよりも4倍の高精度な音を聴けることになります.なるほど、これならESSのDACでキマりっと言われるだけのことはあるでしょう.
ESSのDACにはどんな技術があるのか? こちらのページに英文和訳調の日本語で詳しく解説されています.http://www.teddigital.com/ES9008B_tech.htm
詳細な理解はできかねますが、画期的な技術でできているわけではなく、DACのノイズ発生源を愚直に改善してできあがっているみたいです.
中国の通販で何$ぐらいで入手できるのかをちょっと調べましたが判りませんでした.
いつか24bitを楽に超える精度のDACが出現するのだろうか??? 高難易度すぎてあまり期待しないほうがいいように思います.
かしこ
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ちょっとトンチンカンかもしれないけど記録再生特性測定の時のシステムノイズってアンプゲインを差し引くと-120~-130dBくらいではなかったかな?
返信削除だからダイナミックレンジが計算上144dBでもS/Nでは120~130dBが限界ということ?
これもスペアナが20bit相当の分解能だから?と意見を言っているようで質問ばかりになってしまいました。
若い頃はCDで最後フェードアウトする曲なんか終わりの方が”チリチリ”聞こえるのが不快でした。
よくご記憶で.システムノイズはそんなものだったかもしれません.ただしその場合の120dBはたぶんRBWを変えると増えたり減ったりする、いわゆるスペアナ画面の直読みのことかと思います.DACのデータシートなどで120dBと呼んでいるのは、ノイズフロアを全部加算した電圧をノイズとしている指標なので、スペアナの読みを少し数値計算して出した数字になります.すると、計算過程でRBWに依らない120dBとかいう数値が出てきます.それをSN比と呼んでいます.
削除質問の「計算上144dBでもSNは120dBなの?」はまさにその通りでございます.寂しいもんです.
「スペアナの分解能」については、たしかに120dBなどという高SN領域ですとスペアナのアンプノイズの影響を受けてしまうかもしれませんが、averaging回数を増やすとかRBWを減らすとかして、影響を回避してると思います.スペアナの設定を変えるとスイープタイムが鬼のように遅くなったりすることを経験されたかと思いますが、あれがそういう都合を回避するためにスペアナに仕組まれたカラクリだったと思えばだいたい合ってるかと思います.
それと、ノイズを加算するときに周波数範囲をどこからどこまでにするかでSN比の結果が変わってしまいます.狭い周波数範囲だとノイズが小さいのでSNが高く計算されます.この周波数範囲のことをウエイティングなどと呼びますが、ウエイティング仕様は実はICメーカー各社で不統一なので、実際にプリント基板を作って同一条件で比較してみないと差違はわからんなんていうのが実状だったりします.
削除確かにRBWでC/Nは変わってしまいますね。測定では30KHzを使っていたと思いますね。
削除チリチリ聞こえるのは量子化の丸め誤差か?と思っていました。
私が持っているバグルス(ラジオスターの悲劇)のCDなんかヒスノイズが聞こえるんですよ。今現在売っているのはリマスターしているかも知れないけど。。。
返信削除なんかCDでヒスノイズを聴くというのは悲しいというか、ある意味ヒスノイズ自体を再現しているんだなぁと思うと妙な気持になります。
まだビートルズのリマスターの方が音がクリアです。
それはRadio kills radio stars.という歌だったような気がします.マスタリングでヒスノイズを削除できるというのはあれは都市伝説かと思いきや、ビートルズはやってたりして??? どういう原理なんでしょ?
削除Video Killed The Radio Starですね。
削除ヒスノイズってどうやるんでしょうね。ノイズと言っても磁性粉のばらつきなどに起因しているからある意味ノイズと言うよりテープの音って感じなのですが。
ヒスノイズではないけれどローランドでR-MIXなんてソフトがあります。
あああそうでした.videoがradioをkillするのでした.(汗だく)
削除ヒスノイズを除去できるのって、マクスウェルの悪魔的なテクニックのような気がしてしまいます.
マック数エルの悪魔と言えば、圧縮空気を旋回流に換えて、高温空気と低温空気に分離するのがあります。
削除確かに分離はしているのですが、どうも能書きとは違い原理のような気がして成りません。
もし違う原理であるなら、分離部分に工夫をすればもっと効率が上がったりするのではと思ったりしました。
ヒスノイズってバルクハウゼンノイズですか?それだったら小さな磁区が1コずつ反転するときのノイズですから、平均の分母を大きくする、つまり幅広テープでしか解決できないようです。
削除旋回流の遠心力で圧縮するのならばターボポンプみたいです.
削除ヒスノイズとバルクハウゼンは異なる物理現象です.情報1bitあたりの磁区が巨大すぎてガキガキ音を立てるのがヒスノイズと思えばだいたい合ってると思いますので、幅広テープで回避するしかないというのは正解と思います.
削除「遠心力で圧縮するのならばターボポンプ」
削除旋回流が外を流れ圧縮されて外壁を過熱し、管端の絞り弁から放出され、中心旋回気流は元の側に戻って流れ、旋回流の中心を通り抜けて、逆の熱絶縁出口から低温冷気となって出てきます。
サンワなどでコールダーとか言います。
おもしろそうだったら、探してみてください。
ボルテックスチューブとも呼ぶようですが、断熱圧縮ではなく、チューブ内を回転する空気の外周で加熱、内周で冷却が起きるそうで、どうも角速度が内外周で同一回転するならばエネルギー保存則的に加熱・冷却が起きるみたいなんですが、「学速度が内外周で同一回転」という前提条件が全然わからないので全然わかりませんでした.
削除なんかフリーエネルギーみたいな謎のマシンですね.興味アリ.というかすげー.
バーブラウンだったかTIだったかのDACを持っていまして、
返信削除(サンプルでもらいました)そのうち作ろうと思っていたのですが、萎えてしまいました。
そのほか秋に新潟なんとかのプロセッサがあってそれは余りよく覚えていません。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02222/
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02223/
ほかにもパイオニアのが有ったようです。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01261/
元々24ビットと言っても16ビットからオーバーサンプリングで24ビット相当を補完して居るんです、ですから基本的には16ビットのギザギザを目立ちにくいだけだと理解していました。
削除フルエンシーの解説、
削除http://www.onken-audio.co.jp/daconverter.htm
比較解説です。
削除http://www20.tok2.com/home/easyaudiokit/FN1242A/FN1242A.html
おもしろいのでFN1241のデータシートをみたらSN=106dBしかありませんでした(泣).PD00601のデータシートは見つかりませんでした.
削除どうしても24ビットとこだわるなら、それれは期待外れです。
削除それと、フルエンシー比較の所にあるように方やSIN波にまとめ、方や標本化されたデータを連続値に戻すようにしている違いがあります。
一つは耳の構造や受音経路の曖昧さにあり、最終は脳が判断しますが、万人皆同じではないからです。
極端な話あの構造では聞こえないはずの音が、小さな毛の共振で別の毛を駆動し、音量相当を拡大して、増幅して聞いているので、聞こえているという秘密があります。
いわば猫の目の中心には高度な反射対(或いは発光しているかも)が有って、
ごく微量なフォトンでもとらえることが出来ます。
PD00601 は次にあります、
http://easyaudiokit.hobby-web.net/kit-room2/DACManual/DAC58Smanual.pdf
http://www20.tok2.com/home/easyaudiokit/DAC1794D-2/DAC1794D-2.html
http://shu-nkmr.sakura.ne.jp/SN-DAC0502.html
人間の耳のダイナミックレンジは約130dB
削除http://slashdot.jp/journal/347993/%E8%80%B3%E3%81%8C%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8100dB%E3%82%92%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E7%A7%98%E5%AF%86
長時間聞かないと仮定して、120dbのジェットエンジンおんが聞くことが出来ますが、そのときは小さい音は判別できません、つまり同時に120db幅を聞くことは出来ず、もっと小さく60db位の幅になります。
しかしマイクにはそのような機構がないので、実際には120dbを少し超えたくらいの幅しか無くて、録音装置には幅はあっても無理があるので、ミキサーがコンソールにかじりついて、スライダーをいじり回って居るんですが、逆にそれによって、演奏者の意図とは違う音を聞かされている可能性もあります。
マイクのダイナミックレンジが120dBというのをちょっと試算して確認しました.
削除仮定1) マイクの最大出力=10mVrms
仮定2) アンプの入力換算雑音=0.1nV/√Hz
仮定3) 帯域100kHz
仮定4) マイクの熱雑音はゼロとする
この条件ですと、SN比=110dBと計算されます.確かにマイクシステムのSN比は120dBとかそういうオーダーしかないですね.人間の耳は優秀だ.すげー
窒素冷却したマイクアンプならもっと高性能にできるかもw
こんなのもありました。
返信削除http://stereos.about.com/od/accessoriesheadphones/a/Do-Speaker-Cables-Make-A-Difference-Science-Weighs-In.htm
いまは細いスピーカーケーブルを使っているので、AVコードに変えてみようと思っています.定在波なんて言い出すとゲイン特性よりも位相特性の方が微妙に効くんじゃなかろうかと思ってます.
削除USBケーブルで音が変わるというオカルト説がありますが、それでも音は変わるのでオカルトは実在するようです.わたしはオカルトが大好きです.
USBケーブルの電源ラインで音が変わるのは事実かと思いますが、
返信削除PCやスマホの高周波ノイズが漏れてくる電源ラインを少しでも良くしようとケーブルを工夫するのであれば、
素直にUSBの電源ラインを使用せず、外部電源を使用できるUSBDACを使った方がいいでしょう。