2013年11月4日月曜日

【にわかAVマニアの感涙】 インターナショナルオーディオショー見学

聴くだに悲しくなる音、そんな音があるのか....
出来が悪いから悲しいのではなくて、楽曲の気持ちが心に染み込んでくるので悲しくなるという意味であります.鮮烈な体験をいたしました.

有楽町の国際フォーラムで開催された「インターナショナルオーディオショー」を見学しました.このイベントは、普段聴くことの叶わないハイエンドシステムの音をたくさん聴けるという意味で、大変有意義なイベントです.行って良かった.残念ながら12~14時過ぎまでしか居られなかったのでごく一部しか見学できませんでしたが、それでもハイエンドオーディオの何たるかをまざまざと見せつけられました.

JBL
わたしですら知っている超有名メーカーですが、どういう音を志向する会社なのだろうか? それを知りたいと常々思っていました.
最初に聴いたのはこのスピーカーでした.vocalがぶ厚い印象の音.低音域の音量が大きくなった時に他の帯域がマスキングされるような感覚だったので、こんなもんなのかなぁ~と思いました.あとで調べたら4万円/本で変える機種らしいので、その値段だとそんなものなのでしょう.でも、コストパフォーマンスはすごく高いと思いました.
これはJBLの最高峰エベレストシリーズ、250万円/本の商品です.この音はすごかったです.チューンナップされたホーンシステムの音はかくなるものなのか? たとえ大音量でも、音と音がぶつかること無く、ストレス無く音が耳へ届く.オレが今まで聴いてきた音は何だったのか? とすら思いました.感服したわたしが五体投地でエベレストの周りを回っていたら、係の人に止められました.(ウソです)
”にわかAVマニア”の戯れ言ということでお許しいただきたいのですが、JBLの音って、アメリカ流近代合理主義の音がするように思いました.ホーンスピーカーをギチギチにチューンして音を創る.発祥がシアターのPAシステムなのでリスニングポジションを一点限定するようなことはしない.音声もオーケストラもバランス良く発音できるセッティング.すごいんだけど、後で述べるVoxativのような泣ける音とは限らない....

「風立ちぬ」を観たあとなんで、ゼロ戦とグラマンF6Fヘルキャットのことを思い出してしまいました.ゼロ戦に勝つには、パイロット保護の装甲が必要で機体が重くなるから2000馬力のエンジンが必要とかなんとか考えて、実際にそんなモンスターマシンをこしらえてしまったアメリカというシステムの合理性.それと同じ匂いをJBLの音からは感じます.AVマニアの諸先輩方、この見解をお許しください. orz orz orz

FOSTEX
FOSTEXのフラッグシップモデルのG200aをデモっていました.70万円/本の機種です.ツィーターとスコーカーのコーンはマグネシウムで出来ています.

試聴した感想は、ウーハーが鳴っているのか、スコーカーが鳴っているのか、ツィーターが鳴っているのかが、判ってしまいます.発音体の音を聴取している実感はあるのですが、音楽を聴いている実感が伴いません.測定器で観測した特性は素晴らしいのでしょうけど、何を聴かせたくてこのスピーカーを開発したのか、その意図が不明な音でした.

海外のピアノコンクールに出場した日本人の子供に対して、すごい技術だが、楽曲の何を表現したいのかがわからないと評されることがあるそうですが、それと似た現象と思いました.技術はあるが心がない.まるで「ミクロイドS」のギドロンみたいじゃなイカ?

Voxativ
ドイツの新興スピーカーメーカーの第一作目にして海外のオーディオランキングで1位を穫ってしまったという注目モデルです.Ampeggio Signatureというモデル名らしい.STEREOSOUND誌の2013年ランキングでも1位になったと解説の人が言ってましたが未確認です.

外観は高さ1m強のこんな形状です.フルレンジ一発のバックロードホーンという竹を割ったようなさっぱりとした素性です.表面はピアノブラックで塗装されていて艶々しています.価格は確か450万円/ペア.
ピアノとオーケストラを試聴しましたが、そこで音楽が奏でられている音がします.近代合理主義の音ではなく、一途に測定器スペックを追及した音でもなく、楽曲の心を再現したいという開発者の意図が感じられました.こんな音があるもんなんですねぇ.わたしが欲しい音もこういう音なわけです.なんのてらいもなく、楽曲の心を再現したくてスピーカーを創れる、それはオーケストラ発祥の地であるヨーロッパの歴史のなせる技なのかと思いました.懐が深いっつうかなんつうか.

面白いことに、このフルレンジスピーカーを単品売りもしています.効率が100dBってスゴイです.値段は58万円/本と高嶺の花です.でも欲しいです.



秋のオーディオイベントは楽しかった順に、こうでした.
  インターナショナルオーディオショー         音を聴ける.感動した!
  真空管オーディオフェア                        秋葉のジャンク屋のごときカオス感がおもしろい
  オーディオ・ホームシアター展                 オススメしない.音を聴けない.
来年のインターナショナルオーディオショーは丸一日見学したいと思います.

振り返ると7月8日にSTEREOSOUND社で「言の葉の庭」の試聴会に参加して以来、AVマニアに再参入していろいろな音を聴いてきましたが、本年のオーディオ修行はここらでおしまいかと思います.

かしこ


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18 件のコメント:

  1. ソニーOB:佐藤2013年11月4日 16:54

    もう欲しくなっていてもたっても居られません状態になってませんか?
    私はこういうのは怖くて行けないです。その理由は2つあり、
    1.本当の高級な音と言うのが理解できない(区別できない)かも?との恐ろしさ
    2.理解できた時の欲しいという欲求を抑えられるかという恐ろしさ
    と言いつつ、ある程度のオーディオだとそれそのものにお金がかかるのはあたりまえだけど、その前にそれに似合ったリスニングルーム無いのにどうするんだという現実があるから諦めが付くかなとも思ったりもします。

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    1. 1について:
      わたしも音質を理解できないと思っていたんですが、すごいシステムを聴くとたいていの人は判ると思います.ちなみにわたしはクラシックに興味ないんです.
      2について:
      金の無さにより欲求を押しとどめられています.あと場所もないですし.農家の巨大な家に住んでたらと思うとヤバイ気がします.

      来年は安心してご参加くださいませ.

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    2. ソニーOB:佐藤2013年11月4日 17:17

      なーるほど、そうでしたか。
      特に東京だとお隣さんも近いからリスニングルームの広さだけでなく防音もほどこさなけえば行けませんしね。
      ただ何を聴くかによっても音の印象は変わりそうな気がしますね。ベンチマークの基準を何にするかが人によって違うし。お店なんかでも「ロックでお勧めはこのタイプで、ジャズならこれ、クラッシックならこういうのがお勧めです。」と違いますしね。

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    3. そうそう、防音部屋をつくるド根性の人がいます.ドアなんか値段高そうです.

      では来年は安心してご参加くださいませ.

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    4. 防音室、無響室は仕事で監督をしていました。
      ですから構造はほとんど判っています。
      一般で売られている防音室は基本的に手抜きをしているので、本来の性能を発揮できません。
      防音の基本は壁の平行度と吸音材(吸い過ぎてはだめ)ホルムヘルツレゾネータ壁、はまやかしで、重量のある鉄板と、ダンピングシートの併用で内外を遮断します、ドアは重いだけ、しっかりしたロック装置だけではだめで、しっかりしたパッキンと、通気装置(窒息しないように)、後は空調装置ですがこれをやると高く付くので、何処かで手を抜くしか有りません。

      仕事では全部付けて、BKの測定器を付けていたのでとっても高価でした。

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    5. 秋葉原で防音施工のショールームがあって施工説明会をやるので参加しようかと迷っているところです

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    6. 各面に数度の傾斜がないと定在波の原因になります。

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  2. 茶々を入れて申し訳ないですが、JBLはシアターシステムには採用されていません。
    それはアルテックで、そこに彼は居たんですが、その後自殺をしてしまいます。
    JBLのホーンで前面にアールの無い分が、プロ用機で、アールのある分やエッジがウレタンの分は高級オーディオ用です。
    有名はパラゴンは、やはりパラゴンであこがれにはなった物の、本当の音は出ませんでした。
    書いておられる Voxativ はがんばってダブルコーンにしていますが、ねだんの割に結構良いのですが、されどダブルコーンで、私の評価は高くありません。

    良いと思うのは15インチウーハ、1k近辺以上フラットホーン、を受け持つJBLかアルルテックマンタレーホーンです、後はエッセンス的にハイリーフツイータと言うところでしょうか?
    ホーンツイータを使う場合は、絶対200dbを超えないように確認しておく事です。
    (実はあるんです300db越えが、これは耳に悪いです)

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    1. ローサー、コーラル(今はない)フォステックス、すべてダブルコーンは最後に飽きられています。

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    2. いま、ランシングの伝記みたいなのを読んでいるのですが、彼は早死になんですよね.まだ死ぬところまでは読んでませんが、自殺だったのか.残念です.

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  3. 私も土曜日に行ってきました。個人的に良かったと思ったのは、
    Dyna、Audience、Voxativですね。

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    1. Dynaとか廻る時間がなかったので残念でした.来年はちゃんと廻ります.

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    2. ダブルコーンの雄と言えば元コーラルのベータシリーズですが、ローサーはいまいちでした、Voxativ は聞いていないので勝手に決めつけて申し訳ありません。

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    3. わたしもダブルコーンにはアレルギーがありまして、30年ぐらい前になんかいまいちとか思っちゃったので、Voxativの外観がダブルコーンなので、え~っとか思ってしまったのでした.でも音はGOODでした.

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    4. Voxativはローサー(ラウザー)と似たような傾向だったと思います。
      私自身はローサーに好意的なので、好みにマッチしたのかもしれません。

      同じフルレンジといえどもAudience A3は全く逆の低能率、
      金属振動板でしたが、これはこれで説得力のある音だったように思います。
      ネット上の高い評価にも納得しました。

      次に使うユニットはAudience A3にしようと思ってます。
      Voxativのユニットはさすがに買えませんし。

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    5. Audience A3 はコーンケーブですか、小生はあまり好みません。

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  4. 以前書いたか忘れた。
    http://www.youtube.com/watch?v=bxzesTt3Bs0
    画像中のリンクから次々と暴かれる。

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  5. AIDSとHIVの関連について。
    http://www.youtube.com/watch?v=9ChNy4Ow9ws
    AIDSは1つの症状であって、その中にHIVの存在を証明する物はなかったようです。
    直接の死因は、日和見感染症であって、当然ほかの製剤で対処できるのを、AZTを使うと10倍100倍DNAを破壊して死に至るようです。
    よく考えると、有史以前より存在していなかった物が急に出来るわけはないですね。

    ターゲットは、アフリカ、中共、日本ほか全世界的のようです。
    ちなみに検査法は国によってそれぞれ違い、また培養に、胎盤組織を使うので、その中には、HIVと同じ配列があるようです。(以前はMACと言われるループ型でした)
    また、電子顕微鏡で調べる時、患者由来のHIVを見つけた例はないそうです。

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