2013年11月1日金曜日

アニメ「サムライチャンプルー」を改めて観てやはりこれは名作と思う

「サムライチャンプルー(2004年)」というアニメがあります.「カウボーイビバップ(1998年)」でジャズ系のBGMをかっこよくつかったキレのある演出でアニオタを大いに湧かせた渡辺信一郎が次に作った作品です.DISKを整理していて改めて観まして、永遠に語り継がれて欲しい作品であると思った次第ですのでご紹介をば.  http://www.samuraichamploo.com

あらすじ
時は江戸時代.フウとムゲンとジンの3人が江戸から長崎まで旅をするという、いわゆるロードムービーってジャンルになります.
↓ヒロインのフウ.たぶん18歳ぐらいか? 父は失踪、母は死亡.失踪した父を捜す旅に出る.
↓旅といっても金がないので、旅先でアルバイトして金の工面をします.でもたまに大金が転がり込んで食いだめをすると、このようになってしまう特技があります.ムゲンには「軽く化け物」だと批判されます.
↓琉球出身のムゲン.喧嘩殺法がめちゃくちゃ強い.特徴的なCVは中井和哉.本作以降でアニメで頻繁に見かけるようになりました.もしや出世作?
↓道場の師範を斬り殺した罪で追われている浪人ジン.剣の腕前は当代随一.
流れ者のムゲンとジンは出会った途端に「お前を切るのは俺だ」という闘争心な間柄になる.ムゲンとジンが処刑されるところを町屋の娘のフウに助けられ、「ひまわりの匂いのするお侍さん」を探すため長崎へ向かう用心棒になる.とはいえ3人ともお互いを束縛する理由は無いので、裏切ったり裏切られたりを繰り返しつつも、旅の途上でだんだん仲良くなってゆく.各話にはギャグあり、人情話あり、悲壮な人生ありで、ムゲンもジンも容赦なくバッサバッサと斬り殺します.
単に旅のエピソードが綴られただけではなく、幕府のキリシタン狩りのために放たれた隠密や刺客との暗闘という側面が次第に明かされてゆきます.そして最後には、、、、、、

作画の優れたところ
↓アニメの動きが優れているので2点紹介しますと、まずこれは第壱話から.スピード感のある殺陣です.ムゲンの喧嘩殺法とジンの剣法を区別した動きがすげえです.
↓そしてこれは第拾話の殺陣シーンなのですが、このシーンはアニオタのわたしにとって重要問題な場面なのです.動画の動きが優れていようといまいと、アニメの動きの設計意図は見ればわかるのが通常です.Aが斬りつけてBがそれを避けて翻って斬りつける、みたいなのが設計意図です.ところが、この場面はまったくその意図を解析できません.こんな解析不能なカットは他に思いつきません.何度見て考えたことか、、、それだけスゴイカットなのだと思っています.理解が追いつかなくてくやしいよぅ.
各話からチャチャっと抜粋
↓第五話には喜多川歌麿さんが出てきます.フウは歌麿さんのモデルになります.
↓第九話では、偽造パスポートで箱根の関所破りをしようとして処刑されそうになりますが、
↓山賊に捕らえられていたムゲンが山賊のアジトを焼き払ったら、そこで栽培されていた大麻が燃えて処刑場へ煙が流れて行き、関所の役人も下手人にも一夜の幸福が訪れ、フウとジンは命拾いしましたとさ.なかなか秀逸なギャグ.
↓第11話は、女郎屋に売られ身投げしようとしていた紫乃さんをジンが助け出す人情話.このラストシーンはBGMがとてもGOODです.
↓紫乃さんのCVの鶴ひろみさんは「超時空要塞マクロス(1982年)」のキムちゃんのはずですが、全然声が違うのでエンドテロップを見るまで気づきませんでした.懐かしい.
↓第14話のラストシーンから.この女性はムゲンと同郷のコザ.強いオトコに頼ってしか生きられないオンナ.ムゲンを裏切ったコザはムゲンに斬られると覚悟するがムゲンはコザを斬らない.頼るオトコを失って「殺してよ」という叫ぶコザの声が耳にこびりつく、まことに後味の悪い回.ここのBGMもGOODです.
↓第15話の場所は大阪.通天閣もきちっとライトアップされとります.これには笑いました.
↓この女性は幕府の隠密、名は八葉.といってもフウ達を探るのが目的ではなくて、偽小判製造を内偵していたのです.偽小判を拾ったフウ達は結果的に隠密を手助けすることになります.
↓いろいろとあった旅も長崎でおしまい.最終26話で「ひまわりの匂いのするお侍さん」に逢えますが、病気は重く、自分と母を捨てた苦情を言うこともままなりません.
昔のテレビはいろいろなアニメを再放送していましたが、いまはアニマックスとかAT-Xのような有料チャンネルでしか再放送されなくなっていますので、こういう名作が次第に忘れ去れてゆくのは残念です.この記事が、サムライチャンプルーを語り継ぐ役に少しでも立てば幸いです.

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追記 2018年5月30日
なんと、5年ぶりの追記です.いつの間にやらこの記事のPVが3万を超えています.ありがとうございます.
サムライチャンプルーのBGMについて、最近になって知りました.本作のBGMはLofiというジャンルの曲であり、Nujabesという日本人の曲が多く使われているそうです.サムライチャンプルーは海外でも有名だそうですね.

↓上で「第11話のラストのBGMが好き」と書きましたが、これはNujabesの「Counting stars」という曲でした.時代劇のあの殺陣シーンにこの曲を使うというアイデアは何処から出てきたんだろうと思います.さすがは渡辺信一郎!
↓もうひとつ第14話のラストシーンのBGMはこれでした.「The Million Way of Drum」という曲です.う~ん、、、卓越した演出!
(埋め込み画面だと見れないらしい.youtubeへジャンプしてね)
かしこ

5 件のコメント:

  1. 川澄綾子のフウは、15歳の設定です。

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    1. 江戸時代では適齢期でしょうか.しかし中学生にはハイリスクな旅でした.

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  2. OPコンテは、名義がちがうけど細田守だったと思います。

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    1. あら、そうですか.全然気づかなかった

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  3. X喜多川歌麿
    菱川師宣 https://www.anime-planet.com/characters/moronobu-hishikawa

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