2013年11月12日火曜日

【にわかAVマニアの増幅】 ソニーAVアンプ STR-DN840インプレッション

8月以来、AVアンプはYAMAHA DSP-AX1400を使って来ました.当ブログで知り合った方から無償で譲っていただいたものでしたが、HDMI端子がついていないやや旧型機種ということで、Linear PCM 5.1chを受信できない(dtsに変換して受信するなら可)という仕様だったため、ここらで新型機種に投資することにしました.
YAMAHA,Pioneer,ソニーあたりの廉価な機種をと考えて、ソニーのSTR-DN840に決めました.ネット通販で¥29730でした.
 
STR-DN840にした理由はただ一つ.音場補正機能(DCAC)のスペシャルファンクションであるA.P.M.が欲しかったからです.一口に音場補正機能といっても、どこまでやるか?はそれこそ千差万別、うっすらとしかやらなくてグライコに毛が生えた程度なのかもしれないし、インパルスレスポンスをギンギンに補正してるのかもしれません.そういうblack-boxさが音場補正の危ういところなのですが、STR-DN840のインパルスレスポンスの補正前/補正後を見ると、A.P.M.ならば”ギンギンに補正”していることがわかりました.信号処理屋のわたしとしては、インパルスレスポンスをこうして一目で見せてくれるのはとても有り難いです.それで、A.P.M.機能のあるAVアンプで最廉価のSTR-DN840に決めました.もうワンランク安価なSTR-DH740にはA.P.M.がないようです. (YAMAHAやPioneerでも同等のことをやっているのかは知りません)    http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20091026_324492.html 
そんなわけで、わたしのaudio systemはこんなことになりました.上からPS3、中段がSTR-DN840、下段がサブウーハー.偶然ですがオールソニー製になりました.
以下、導入&インプレッションです.

STR-DN840の外観
金色ですごく重たいDSP-AX1400に比べると、STR-DN840は軽くて、ただ黒いだけのシャーシは質感が乏しく感じます.フロントパネルがフタのように開閉するのかと思いきやそうではありません.見た目のこれで操作スイッチの全てです.あまり面白さはないデザイン.
displayには不満があります.2ch/5.1ch/7.1chをグラフィカルに表示しないので、「あれれ2chになってやがる」みたくしくじることがあります.様々なstatusを表示するものの、文字が小さすぎて、2~3m離れた視聴位置からは視認できません.こういう設計ポリシーをわたしは好みません.
リアパネルは簡素でよろしいかと思います.棒状の物体は無線LANのアンテナです.
リモコンは安っぽいです.音量ボタンの配置は決して間違えない左下になっていて、使いやすくてよろしいかと思います.
設定画面
設定画面はこんな風に、HDMI経由で画面にオーバーレイされます.操作レスポンスは良好です.設定項目はたくさんありますので、一通り理解するには半日ぐらいの習熟を要します.無線LANのkey codeを入力する場面等でのアルファベット入力は、リモコンのテンキーでやります.
音場補正
音場補正につかうマイクは直径4cmぐらいのこんなモノです.どこのメーカーでも似たようなもんです.これを視聴位置に置いて、setting menuからstartさせると、昔のアーケードゲームのボーナスステージみたいな軽妙な音楽(ゼビウスっぽい)が流れまして、正味20秒ぐらいで完了してしまいます.所要時間がすごく時間が短いです.これはソニーの信号処理屋の努力を褒めてあげたいです.
音の第一印象
それが第一印象はあまり良くなかったんです.すごく極端にいうと、DSP-AX1400で聴いていたピアノの音が、ポロ~ンポロポロだったとすると、STR-DN840のピアノ音はコキ~ンコキンコキンと一音一音が分離して、堅い音楽に聞こえます.dtsとlinearPCMの音質差も含むとは思いますが、なんかぎくしゃくした感じの音なのでこんなもんなのかなぁと思ってしまいました.
しばらく聴いていて、たぶんSTR-DN840の方がアタックレートとかディケイレートが高速なので、そういう風に聞こえるのだろうと納得し、こういう音もいいかなぁと思っています.
にわかAVマニアのわたしですから、審美眼(審美耳)にはまるで自信がありませんけれども.どうやらわたしは、高速応答な音よりも、ぼんやりした音が好みらしいので傾向的にはDSP-AX1400が好みなのかもしれません.あと真空管アンプとかも好みなのかもしれません.

USB機能
フロントパネルにUSBの挿し口があり、そこにUSBメモリを挿すとMP3やWAVファイルを再生できます.取説によるとDSD系ファイルは再生できないみたいです.ロスレス圧縮のFLACは再生できます.
USB機器のファイルを再生する機能はいろいろな機種に搭載されていますが、重要なのは使い勝手だと思います.具体的には、フォルダやファイル名のスクロールレスポンスが早いかどうか?をわたしは気にします.レスポンス次第で、”非常時用のUSB再生”なのか、”常時使えるUSB再生”なのかが決まります.STR-DN840のUSB再生は、残念ながらレスポンスが遅く、非常時にしか使う気にならない程度のオマケ機能でした.これは少々残念に思います.PS3を起動せずに、USB接続したHDDから再生するのを常とするという使い方があってもよいかと思ったのですがね.

network機能
試していません.DLNAクライアント機能があるそうです.レスポンスよく使えるといいですね.

音の第2印象
最終的に音質には大変満足しているのですが、しかしdefault設定だと正直イマイチでした機能を一通り使いこなして、初めて満足のゆく音質を得られました.STR-DN840のように機能豊富なAVアンプは、DSPで音場を創ることで音質を高めるのですから、機械オンチがdefault設定で使って音質がプアだなどと断定しかねないので、公正な評価を得るのが難しい機種だと思いました.わたしが気づいた音質上重要な機能を以下に挙げます.

そういえば、設定メニューが全部英語なので、機械オンチだけでなく英語オンチのことも拒絶してますな.STR-DN840のATフィールドはかなーり強いですw

音場補正
ただ”start”するだけなので特に問題は生じません.必ずやるべし.

スピーカセッティング
ホーム→settings→speaker settings→manual setup とメニューを下降するとSizeという項目があります.ここはLarge/Smallの択一ですが、わたしの場合はSmallにするのがgoodでした.Largeだと低音があまり出ないのが不満でした.取説によると、ここがLargeだと低音の電力供給が主にLCRスピーカーに行き、サブウーハーへの電力供給が少なくなります.Smallだと逆にサブウーハー依存気味になります.わたしのスピーカーは8cmフルレンジですので、サブウーハー依存気味のセッティングにするのが低音再生の点でgoodだという事情にマッチした設定でした.
サウンドフィールド
疑似的に残響音を作り出す、今時のAVアンプにお馴染みの機能です.いろいろと試しましたが、HD-D.C.S/Theaterがお手頃だと思いました.HD-DCS/Dynamicは残響音のタイムラグが大きすぎてドローンとした音になりすぎ.HD-DCS/Studioは残響が少なすぎで面白味に欠けました.
印象深かったのはStadium音響でした.遅延時間が0.5秒ぐらいありそうです.相当激しく音像をいじっているのですが、不自然さが少なく、本当にstadiumにいるような音響になります.これだけ激しくいじっても破綻が少ないのは、STR-DN840の音場補正(DCAC/APM)が優秀だからだと推測します.
Dolby PLII系の音響は、何を意図した音響なのかが不明なので使いたいと思ったことがないんですが、どうなんでしょ? 有っても無くてもいつもわたしには無関係です.
calibration type
音場補正のターゲット特性を指定します.Flat/Engineer/Frontから選びます.音源によって差違が微妙と感じることもあるし、大きく違うと感じることもあります.Flatは平坦特性.Engineerはソニーの設計リファレンス特性.FrontはFrontスピーカーの特性にリアスピーカー特性を一致させるそうです.おかしな音に聞こえることがあるのでFrontは避けて、FlatまたはEngineerにして使っています.
equalizer
EQを変えるためにmenuの深いところを変更しなければならないのが不便です.フロントパネルにEQツマミがあると便利です.
いろいろといじってみましたが、とりあえず全て0dBにすることで落ち着きました.低域ゲインを稼ぐには次の「sound optimizer」任せにしています.
sound optimizer
昔よくあった”ラウドネス”みたいな機能ですが、ラウドネスのシャカシャカ・ドローンとした下品な音とは違って、sound optimizerはもっと上品に帯域ブーストしてくれているように感じます.どんな信号処理をしているのかは不明ですが、これをオンにした時の低音増強はかなり強いです.よほど大音量で視聴するときを除いて、常時オンにして使っています.Normal/Lowの音質の差違はよくわかってません.
まとめ
YAMAHA DSP-AX1400と、STR-DN840の比較をしますと、
・dtsによる5.1chサラウンド(DSP-AX1400)と、LinearPCM5.1chによるサラウンド(STR-DN840)の差違は、あるけど大きくはないのでとりあえず無視しておきます.
・STR-DN840の方がクッキリスッキリな音に感じます.好みはDSP-AX1400ですが、STR-DN840が嫌いなわけではないので不満ではない.
・音場補正をどれだけ強烈にやるか? たぶんですけどDSP-AX1400はあまり強烈な補正はしてないように思います.STR-DN840は強烈に補正していると思います.STR-DN840の方がgoodだと思います.
・サウンドフィールドの完成度は、STR-DN840の方がはるかにgoodだと思います.遠くから跳ね返ってきた残響音のsimulationが良く出来ています.
・STR-DN840導入の目的はLinearPCM5.1chでしたが、それよりも、音場補正とサウンドフィールドの出来の良さでSTR-DN840を気に入りました.買ってよかったです.

かしこ


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6 件のコメント:

  1. 平坂さんは外階段なんかの簡易補修とかできませんか?
    鉄製のもので、溶接なんかが必要になりますが。

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    1. 溶接ですか.溶接は未体験ゾーンなんです.やってみたいんですけども.

      というか、家の中はだいたいできるので、次は外構と屋根を習得したいと思います.でも習得する機会なんかないのです.ざんねんー

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    2. ご返信ありがとうございます。
      そうですか。残念。

      私は昔、溶接機を売ってた事業部にいたのに使えません。
      残念。

      http://www.youtube.com/user/jimmydiresta
      こんな人になりたけど、なかなか23区じゃ、むずかしそうです。

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    3. いい工具というか設備を持ってます.この工房がうらやましいです.

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  2. 溶接はミグでしたら簡単です。
    画像の方のコンターの使い方はうまいですね、以前台湾から16万(溶接機付き)で買って、鋸歯は日本製のバイメタルを使いました。

    鉄管をきって、鉄板の蓋も切り、ミグで着けて、トランスのシールドケースを作ったことがあります。

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  3. 今は安物のスズキットを床って居ます。1mm以下の手棒は却って難しいですね。
    2mmの方が相手が厚いと簡単ですが、薄いと穴が空きやすい。

    先にちょんづけで位置を決めたりコの字になったクランプグリップで押さえたりしています。
    頻度が少ないので上達しません。

    20年前はバイクのフレームをミグを借りて遊んでいました。
    3/4サイズの125ccTDRはかるく100kを超すのと、オフタイヤを着けていたので、交差点で(田舎は殆ど交通が無く。見晴らしも良い)ハングさせてもハイサイドが起こらないのでこけたことはありません。
    一度砂で前輪が滑ったとき内足で蹴って立て直せました。

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