故障した火力発電所の復旧状況は芳しくなく、フル稼働になるのは11月までかかってしまうと北海道出身者に聞きました.それってもう雪が降る季節なので電気で暖房するご家庭では寒さがヤバイかと思います.
そんな背景を受けて、原発推進派の人々が「ほ~ら泊原発を動かしておけばこんなことにならなかったんだ」と原発再稼動を支援する発言が昨今多く見られるようになりました.
ヒラサカ的には、「泊原発が動いてればこんなことにならなかった」の意味は何だろう?と考えるわけです.
2つの解釈が成り立ちます.
1)泊原発が動いてれば全道ブラックアウト自体起きなかった
2)泊原発が動いていても全道ブラックアウトは避けられなかったが、復旧は短時間で可能だった
これって、2は正解ですけど、1はちょっと言い過ぎだろうな.わたしが考えるに、泊原発が動いていたとしても、北海道の場合は全道ブラックアウトした可能性が高い.
以下にその推測の根拠を書きます.
わたしが全道ブラックアウトが起きてビックリした理由は簡単です.
3.11で福島が瞬時に止まったのに、東京はブラックアウトしなかったから
だって、北海道電力のピーク出力は500万kwであるのに対し、東電のピーク出力は6500万kwぐらいあるんですから、東電の方が巨大でヤバそうだもんねー.でもちょっと考えてみたら、北海道は500万kwと小規模だから全道ブラックアウトしたのだと気づいた次第です.なんか北海道不幸だなぁ.
どういうことかというと、、、
泊原発が稼動していたパラレルワールドを想像してみる.
9月6日AM3時の北海道の消費電力は夜中ですから300万kwだったと仮定する.
泊原発の最大出力は200万kwである.
原発は出力調整が遅いので常時最大出力で安定運用すると云われる.
よって発電アロケーションはこうなっていたと考えてみる.
泊原発: 200万kw (フル出力)
苫東厚真発電所: 50万kw (ミドル出力)
その他水力火力発電所: 合計で50万kw (少しづつ)
地震が起きて苫東厚真発電所が落ちたら瞬時に50万kwが失われて、300万kw→250万kwへと17%も出力がおちる.瞬時に17%落ちはキツイので、連鎖反応的に各地の発電機が送電系統から切り離されてしまい、全道ブラックアウトになってしまった、、、かもしれない.
このように試算すると、たとえ泊原発が稼動していたとしても、北海道ではどのみちブラックアウトしちゃった可能性が高いと予想できます.
北海道でブラックアウトが起きないようにするには、30~50万kwぐらいの小規模発電所を10箇所ほど分散配置すればよいでしょう.しかしそれは不経済なので電力会社は好まないと思いますが.
ところで東京電力では3.11震災で福島原発の1234号機が落ちて、280万kwが一瞬で失われました.巨大な電力喪失ですが、2011年3月11日PM3時の全電力消費が5000万kwだったと仮定すると5000万kw→4720万kwへ5.6%の減少で済みます.東電の発電網はこの程度の喪失になら耐えたんでしょう.
つまり、北海道より10倍以上巨大な消費地である関東地方では、東電が大規模発電所をポコポコ建設すれば自動的に分散配置になっていると考えられます.らっきぃなんだなぁ.
まとめ:
・ブラックアウト回避策は、発電所の分散配置が本質であって、原発再稼動は本質ではない.
・むしろ原発は巨大なので分散配置には反する.先日わたしが見学した柏崎刈羽原発はフルパワーで850万kwもある.これが一瞬で落ちた日にゃ東電管内であってもブラックアウトするかもよ.
・しかし発電所の分散配置は不経済なので難しいと思う.
・既存火力発電所の耐震性強化はやっといてほしいな.
初雪の前に北海道の電力が完全回復しますように...
かしこ
福一は最初から動いてなかった仮説もあり得ると思います~🌠
返信削除でたー、あっちのほうの説ww
削除実際放射能被害出とらんしな~
削除その説明がつかんよ