既に存在自体が忘れ去られていようが、ただいま上映中の「未来のミライ」は総スカン状態のようで、TOHO劇場では朝8時台の1回だけしか上映されてないよ.ざまーみろ.
でも、わざわざ朝イチの回の「未来のミライ」を観たのよ、さっき.
観たくなった理由は、、、
日本TV放映網によって宮崎駿の後継者と神格化され、一般大衆も細田を優秀なアニメ監督と認知した状況で細田作品はどれも好業績だったわけだ.そういうマーケティングに嵌まった一般大衆はさほどドラスティックには嗜好を変えないのが通常だ.したがって「未来のミライ」も出来不出来とは無関係に、好業績は確定していたはずだったのだが、予想に反して総スカンなのが実情.
マーケティングに嵌まった一般大衆が、掌返しの総スカン判定をするというのはよほどの問題が「未来のミライ」にはあるに違いない、それは何だろう? それを知りたくて劇場に行ったのだった.
理由はわかった.
・みみっちい内容である (子育てはこうあって欲しいという大人の願望)
・みみっちいなりに破綻はしていない.「おおかみこども」の方が破綻は酷い
・訴求対象となる観客層が著しく狭い
・本作の家族設定(※はひら予想)
-夫婦ともに大卒 ※
-共働きで年収2000万円 ※
-職業は、アーキテクトおよびエディター
-東京近郊に広い一戸建てを自己所有(中庭あり、巨大な子供部屋あり)
-クルマは外車
-近所に親が住んでいる(実家は地元の開業医)
-子供は2人
-私立校など教育投資に熱心 ※
-ヲタク趣味には無縁 ※
-要するにプチブル
・以上から、本作が反感を持たれたであろう理由は単純だ.
-アニヲタにプチブル物語なんかウケるわけがない
-子育て世代にならウケたのか? 呆れるほど広い子ども部屋を持つ若夫婦の子育て願望物語は、反感を買っただけだったようだ
細田、ミスったな.勘違いもいい加減にしろ.
直近の1~2週間ぐらいの出張中に、「『未来のミライ』はなぜ失敗したのか」を分析した記事をチラ読みしていた.印象に残ったのは2つ.
1)男子にはツライ話しだ
2)プチブルマーケティングは観客層が狭い
1については、育児はあんなもんなので、その通りでしょう.
2については、ヒラサカと100%意見が一致したね~
どこで読んだのかは忘れちゃったのでリンクできないけど.
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詳細を述べる.
冒頭の10分ぐらいかな.未来ちゃんが生まれて、産科医院から母と未来ちゃんが帰宅する.祖父祖母が未来ちゃんを見に来る.
細田ぁ~またまたファミリー路線かよ.未来ちゃんのドアップ画面を見てアホくさくて帰ろうかと思ったよ.
家族設定を読み取りつつ観る.うるさ型の母親と、努力型の父親.母親は間もなくエディター職に復帰する.父親は脱サラした建築設計士.
ケッ、おめでたい設定だぜ.なんだこのプチブル設定は.ムカつく.
主人公のくんちゃんが克服すべき課題とは?
3歳ぐらいのくんちゃんには様々な課題があると描かれる.
・父母祖父母の関心が未来ちゃんに集中し、くんちゃんには無関心である
・くんちゃんは自転車に乗れない
・くんちゃんはおもちゃを片付けできない
しょーもない大人目線だ.アルプスの少女ハイジを少しは見習え.
くんちゃんは課題をどのように克服するのか?
家の中庭で、くんちゃんの目前に幻が現れる.
その幻には、飼っている犬だったり、先祖だったりと、くんちゃんに縁の有る人や動物が登場する.JKバージョンの未来ちゃんは、そういった幻の登場人物達のone of themに過ぎないのだ.
その幻で目撃するのは、母や父や未来ちゃんや曽祖父や犬の「大人の事情」や「情けない部分」や「カッコイイ部分」である.それを見聞したくんちゃんは少し成長する.自転車に乗れるようになったりする.
要するに「未来のミライ」は幼児教育論文映画by細田なのである.
といっても、子供目線なわけでは全く無い.
子供にとっての課題が何であるかは、細田という大人によって設定されている.
そしてその問題解決は、幻を通じた他者による教育によって親の知らぬ間に達成される.
ギャハハー、そんなプアな教育論を映画にする価値はないだろう.あまた在る幼児教育書が勝手にホザいてれば必要十分だ.
上で述べたプチブルの件と、他者による教育とを合体させれば「未来のミライ」をつくった細田の心象風景が透けて見えてくるのだ.
それはこういうことだ.
子供にとっての課題は、大人によって分析され尽くしている.大人は、子供が課題を克服できるよう促すことができる.それが優れた幼児教育だ.
だがしかし、そういう幼児教育は誰もが行えるほど簡単ではない.
ゆえに幼児教育専門家に任せるのが良い.高額月謝を支払って有名私立幼稚園に子供を通わせるのが正統なやり方だ.親にはできない幼児教育を有名私立幼稚園が行ってくれるはずだ.
なお、高額な教育費のためには、大卒・共働き・世帯年収2000万円・祖父母のサポートが必要になる.ゆえに東京近郊に住むプチブルであるべきなのは言うまでも無い.
どうよ、この心象風景を吐露してしまった映画が反感を買わずに済むと思うか?
こんな欠陥、脚本会議で判りそうなもんだけどな.
というわけで、「未来のミライ」はゲス確定ということでよろぴく~
かしこ
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