2019年11月2日土曜日

「冴えない彼女の育て方Fine」美しく終わったので祝福

「冴えない彼女の育て方Fine」を公開一週間遅れで観ました.

わたし+奥さん+子供で新宿バルト9へ向かう前に、カラオケ館で冴えカノOPED挿入歌を歌って気分を高揚させまして、上映開始ギリギリにスクリーン8へ入りました.
観終わってからは、居酒屋で反省会を行いました.

結論:2019年のアニメの話題作はこれでおしまいだぁー、これから何を心の支えに生きればいいのだろうか?

↓1週目と2週目の劇場配布グッズの一部.冊子は原作者書き下ろし小説で1年後と2年後の後日談.これが7週連続で続くんだから伊織くんも真っ青なえげつないプロモってとこ? なんだかなーだよもう.

それでは「冴えカノFine」について思いつくままに書いちゃおうっと.

奇麗に終わってよかった
美少女ゲームの加藤恵ルートが終わりました.こんな風に奇麗に短期間で終わるアニメって近頃少ないですから、爽やかに終わってよかったよかった.

だらだらと続く「名探偵コナン」、なかなか終わらない「エヴァ新劇」、メディアミックスすらやる気の無い「謎の彼女X」「風夏」「ドメスティックな彼女」←講談社め.アニメファン軽視の作品が多い中で、冴えカノには良心があるなぁ.
(2020年は「進撃の巨人」が奇麗に終わりそうな気配ですね)

加藤めんどくさい女
Fineは意外なくらいベタついた恋愛映画でした.
劇場には女子の観客がほとんど居ませんでした.あれを女子が観ても仕方ないわな.

劇場のグッズ売り場では加藤恵の商品が売り切れていることから、やっぱり加藤は人気ですな.でもわたしは加藤は苦手.「めんどくさいなぁ安芸君は」というセリフがアニメ1期に在ったけれど、ひら的には「めんどくさいなぁ加藤は」と言いたい.
仔細には忘れたが、加藤に告白した倫也が「加藤になら何でも言えるんだ」とか言ってたと思う.そうかなぁ?

加藤は童貞が萌えるために設定されたキャラで、原作・脚本の丸戸史明の思惑通りという気がします.それはそれでいいでしょう.

EDロールの後の続編シーンでは加藤が別れを切り出して、加藤ならあのくらいやりかねないと思っちゃいましたがな.

CVの安野希世乃さんの声は新作アニメでまた聴きたいですね.

英梨々
倫也には英梨々がお似合いだと思います.ヒラサカの経験から導き出された法則によると、共通の趣味でドロドロしていられる女子が楽でいいぞ.

加藤と倫也が付き合い出してから、英梨々と加藤の絡み、英梨々と倫也の絡みがありましたが、あのせいで詩羽先輩の序列が下がってしまったように思われ、それは残念だったかしら?

脚本よく出来ました
TV2期で、「小説家はゲーム脚本を書けない」というテーゼがありました.
わたしがTVアニメを観ていてしばしば感ずる不満にも似たところがありまして、わたしは「ゲーム脚本家にはアニメ脚本は書けない」とよく思います.ゲームのプロットに沿ってアニメ化しちゃった結果、storyが唐突でガタガタな作品がよくあります.

本作の脚本を書いた丸戸史明はゲームシナリオライターだそうですが、アニメの脚本も全く問題なかったです.
TV1期はラブコメ、TV2期は大人のセカイ、劇場版は恋愛story と書き分けられていて良かった.
それでいて、アニメの全体骨格は「美少女ゲームの恵ルート」以上でも以下でもない造りになっているところは巧みでしたなぁ.

もうひとつ、美少女ゲーサークルなんつう超地味な設定でよくもこんだけドラマチックな作品に仕上がったもんです.感心、感心.

紅坂朱音
「オナニーしろよ、もっと気持ちいいオナニーしろよ」と生天目仁美が叫ぶシーンは相変わらず過激な姉さんで良かった.
一緒に仕事をするメンバーとして朱音さんみたいな人種がわたしは好きですね.
ソニーに勤めてた時のわたしは朱音さんみたく振舞っていましたし.
「AIT5に命を捧げろ」「死んでもやれ」みたいな.

高畑勲
劇場版Fineのプロモのため、4~9月にはTV版冴えカノが再放送されていました.
第2期が放映されていた789月には、高畑勲のことをずーっと考えながら冴えカノを観ていました.「なつぞら」が並行して放映されていたのも理由でしたけど.

「高畑勲はどうして恋愛を描かなかったのだろう?」

高畑勲は「子供だけじゃなく大人も観れるアニメ」を目指していました.
富野由悠季も同じ目標を持っていたけど活動期は高畑の方が先でした.
その高畑が死ぬまでどの作品にも恋愛を描かなかった.

恋愛どころか、高畑は仕事も趣味も描かなかった.ペーターは羊飼いだったし、ロッテンマイヤーさんは召使い長で、ペッピーノさんは人形劇団長だったけど、彼らは仕事上の葛藤を体現する役割ではありませんでした.

しかしながら現実の大人のセカイは、金と仕事と趣味と恋愛で出来ています.
「冴えカノ」は金と仕事と趣味と恋愛を全部描いていますから、とりわけ第2期は大人の作品でした.

大人にも観れるアニメを志向したのに高畑勲は、金も仕事も趣味も恋愛も抜きの作品ばかり遺しました.「大人」を志向するならそれは失敗だったんじゃないかなぁ? 無意味なこだわりだったんじゃないかなぁ? 茨の道だったんじゃないかなぁ?
高畑が「子供向け」を大前提にしていたから金も仕事も趣味も恋愛も抜きを徹底したのでしょうか? それは違います.「ぽんぽこたぬき」「かぐや姫」などは子供向けを捨ててましたから.

やっぱ「冴えカノ」は大人向きで偉い.


#来週の土曜日にまた観ようと思います.倫也が加藤を好きになったくだりが良く判らなかったのでチェックしまぁす.

かしこ

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