2019年6月26日水曜日

飛行機の映画 セッション(95点)、ララランド(普通)、運び屋(不要)

シカゴで9時間足止め、そして終電で帰宅。暇だったり慌ただしかったりでまったくもうだった。飛行機が遅れるのは初体験だった。遅延のお詫びに女性CAによるハグサービスなんてのがあるんだね。(妄想)

飛行機で観た映画の感想をば。

【セッション】
これはイイ映画に出会えた。
95点という高評価を与えたい。

この作品は軽い気分で観るに適すると思う。
音楽学校が舞台で、コンペティションに出場する一軍生徒と指導教官のスポ根映画である。
ただし軽い気分で見始めたとしても、中身は全く軽くないので注意が必要だ。
指導教官のパワハラ指導が星一徹を3倍ぐらい強烈にした感じなので、観客は指導教官の激烈パワハラに耐えなければならない。結果としてちっとも軽い映画じゃないんだ、実際は。

指導教官曰く、才能を開花させるにはpressureを与える必要があるとの事で、今日流行の褒めるコーチングとは真逆の指導方針なのだ。だから生徒のメンタルをどんどん壊してどんどん潰す。まずそれが気持ちイイ。人がゴミのようだ。

主人公はドラムス奏者で、潰れはしなかったが逆に指導教官に歯向かって退学処分。指導教官もトラブルの責任でクビ。
元指導教官の誘いで主人公は別のバンドで演奏するが、そこには指導教官の罠が仕掛けられていたのである。
主人公はそのピンチをどうやって克服するのか??? (ネタバレせず)

わたしにとっての映画のstoryのストライクゾーンは「ラストで破れかぶれの感情の大爆発」である。「言の葉の庭」が好きで好きでたまらないのはそのせいだ。

本作品はまさしく「ラストで破れかぶれの大爆発」なんだよ。しびれるわー

それと、画面の構図とカメラワークがカッコイイですな。ラストステージで指導教官がアツくなって上着を脱ぐところなんかはイイぞ。

5点減点した理由は、ラストで主人公が「演奏が楽しい的な表情」になったからだ。求道者にとっての道を究める苦しみの境地に達して終劇とした方が引き締まったに違いない。

【ララランド】
なななんと、セッションと同じ監督による作品。
ウ~ンこれでアカデミー賞まで到達するものかねぇと思った。

今回の旅行で読もうと思って持って来た本が「承認欲求」という本で、ちょうどそれを読んだtimingでセッションとララランドを観てしまう偶然には少し驚いた。何故かというと、2作とも承認欲求が物語のベースなんだもの。この監督の得意技なのだろう。

誰からも承認されないまま悶々としている男女が若い頃の一時期付き合う。お互いが成功の糸口を掴みかけて、しかしそれがキッカケで疎遠になってしまう。
10年ぐらい経って、男はJAZZレストランの経営者になり、女は女優として成功し別の男と結婚し一児をもうけている。
レストランのライブで偶然二人は再開し、もしもあの時別れずに結婚し子を授かっていたら、、、というフラッシュバックが走る。言葉は交わさず、うなずきあって別れる。fin.

そのラストはハートウォーミングで良いのだが、、、もしも元彼女と結婚してたらどうなっていたかなオレ、という妄想はあまりにもフツー過ぎる妄想であって、わざわざ映画にする程の事もなし。

【運び屋】
クリント・イーストウッド主演作。
予告編で観たいと思ってたので観た。
とくに観なくていいだろう。

サスペンスタッチでは無い。

善良な年金生活老人が知人の紹介で謎の積荷を運搬した。それが麻薬だとすぐに気づくが給料の良さに負けて本業になってしまう。麻取の内偵でお縄になり、刑務所へ。

それだけ。実話だからってどーってことなし。

かしこ

2 件のコメント:

  1. セッションは大好きで5回くらい見返しました。よくある厳しいしごきに耐えて成長していく青春ものかなと思ってみていたらすごい内容でした。観客を大人扱いして、何の教訓も講釈も垂れないのが最高にかっこいいです。なかなこういう映画に巡り会わないですね。

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    1. 5回!そんなに体質的にマッチしましたかw
      あれ観て絶賛しない人にまだお目にかかってません。
      ラストがぶちっと終わるところもすきー

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