ニュートリノが光速を超えたとか、日銀がインタゲを採用したとか、信じがたい話が飛び込んでくるこのごろですが、またもや信じられんニュースがご登場です.
磁気単極子(モノポール)を生成する理論を日本人が考えたというのです.うっそー.
電気は、電子という荷電粒子が流れれば電流を生じるし、電子が一箇所に滞留すれば電圧を生じたりします.つまり、電気の正体である電子というマイナス粒子が存在します.
ところが、磁気は、磁石をどんなに小さく割っても、かならずN極とS極が小さい磁石の両端にできてしまって、N極あるいはS極単体の粒子を作ることはできませんでした.N極かS極のみの想像上の粒子のことを磁気単極子(モノポール)と呼びます.これまでの理論では、ビックバン直後の高エネルギー状態においてのみ磁気単極子が存在したと理論づけられているそうです.
ところが、いままで人工的には絶対に作れないと考えられていた磁気単極子を簡単に作れるというのです.
ニュースソースはこちらです.
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1202/27/news101.html
首都大学東京の発表文(日本語)
http://www.tmu.ac.jp/news/topics/4376.html?d=assets/files/download/thesis/press_120227.pdf
アブストラクト(英語)
http://jpsj.ipap.jp/link?JPSJ/81/033705/
ペーパー本体(英語)
http://jpsj.ipap.jp/link?JPSJ/81/033705/pdf
こんなペーパーを読解できる英語力と数学力がほしいです.
首都大学東京の発表文がとりあえず簡単に読めます.
その資料曰く、こういうことのようです.
「白金の下地に磁性体をスパッタした構造ですと、磁性体内部に磁気モノポールが流れる.磁気モノポールの流れは、白金内部に電流を生みます.逆に白金の電流が磁気モノポールの流れを生みます」
白金の下地に磁性体をスパッタした構造というと、今日のHDDで使われているディスクはみんなそんな構造をしているので、さほど珍しい構造ではありません.高温超伝導物質のような複雑な構造ではありません.
電磁気学のマクスウェル方程式のうち、次の式は、磁気単極子の不存在性を述べていると理解していますが、磁気単極子の存在を許す物質中では右辺が非ゼロになるってことでしょうか???
いやはや、こんな驚異的な物理によるデバイスはどんなすごい物が登場するのか、想像もつきません.半導体は固体イオンデバイスなわけですけど、この磁気単極子デバイスは磁気における半導体のようなイメージがするので、メモリとかCPUに桁違いの進歩がもたらされはしないかと、期待したいと思います.
あー。ネットで記事を斜め読みしただけだったんですけど、首都大の人だったんですね。まあ大学院だというから外部招聘かもしらんけど。
返信削除