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2025年4月22日火曜日

辞めた会社の影

数10年前に辞めた会社との縁が巡り巡って復活しそうなこの頃です.

辞めた会社をR社(仮名)とします.

いまアートワークしている基板が、R社に持ち込んで使うための物だというこの状況には因縁を感じざるを得ません.

R社が存在する土地と関わると不幸に見舞われるという確固たる実績があるので、その土地に足を運ぶこと自体を避けたいのですが、、、昨年就職した北の会社とR社がトモダチ状態だったんです...(震え声)

数ヶ月以内にR社に行くことになるでしょう.

どうやら数10年前の面子がまだ居るみたいなんですよね.
↓こんな会話をするんだろうなぁ
 ひら 「どうも、久しぶりじゃん、ひらちゃんだよ~ん」
 面子 「おおっ、ヒラサカじゃん、どうしたの?」
 ひら 「またここに就職したんだ、というのはウソ、ちょっと縁ができてね」
 面子 「なんの縁よ?」
 ひら 「あれさ」 (装置を指さす)
 面子 「ふ~ん」
 ひら 「他の人はまだいるの? XXさんとか」
 面子 「YYもZZもいるよ」
 ひら 「変わらんねぇ、みんな....」 (軽く嘲笑)
 面子 「そうだな」
 ひら 「麻雀やってる?」
 面子 「最近はやってないよ」
 ひら 「そうかぁ、この先もちょくちょく来そうなんだよね、そうだ、名刺渡しとくよ」

20歳代から60歳超えても同じ場所に居続けるとか、わたしには全く考えられません.
ポコポコ離職して場所を変えないと新鮮な体験が尽きてクソ飽きるからね.

フィットで東名を走ってR社をご訪問だ~

ーーーー
こんなこともありました.

ソニーでサーバ機器を開発していた時の海外パートナー企業の技術リーダーの人をブライトさん(仮名)とします.ブライトさんはパートナー企業では有名な人だったらしい.

その後わたしは日本HPに転職して、HDD関連装置の開発をしてた.
ある日、HDDの技術的アドバイスを聞くというテレコンに呼ばれて、英語よくわからないなと思ってたら、相手が自己紹介で、「HP-UKのブライトです」と言い出したんです.

げーっ、ブライトさんが出てきちまった...
 「Hirasakaさん、なんでそこにいるの?」
とか言われちゃったら面倒だぞこりゃぁ.

幸い、日本サイドのメンバー紹介はしなかったので、ブライトさんに気付かれることはなくテレコンは終わりました.

その数年後、ソニーに出戻りしたわたしは、またブライトさんに会いましたとさ.何度UKに行った事か.... でも日本HPでの事は喋りませんでした.

かしこ

2024年10月29日火曜日

サラリーマンと自営の兼業の年末調整ってなんじゃら?

10月からベンチャーに就職しました.雇ってくれてありがとうございます.でも自営業も継続してます.

サラリーマン恒例の年末調整書類を会社に提出する季節になりました.

年末調整とか源泉徴収とか消費税とか、法人に手間やらせる日本の仕組みはゲスい.人を雇うのがめんどくさくなる.独り自営業の免税業者しかやる気になりません、わたしは.
それに比べたら、人物金税社会保険などに汲々としつつもIPO長者を目指すベンチャーの人々には頑張って欲しいもんです.夢を抱いて前進しようとする人を助けたいものです.

さて、年末調整について、疑問が生じたので以下に書きます.

疑問1:
自営業の確定申告は2月に必ずやる.
だとすると、会社でする年末調整って不要じゃん.
ヒラサカが自分で申告するので、会社は源泉徴収票だけ発行してくれればいいよ.

経理・総務・税理士辺りの見解:
主たる収入が会社ならば、ひとまず年末調整を会社が行う必要がある.

↑ヒラサカの感想 「無駄な事をするもんだ」
だってさ、自営業部門の収入を追加して行う確定申告でガラガラポンになるんだよ、後日に.いみねー

疑問2:
年末調整の社会保険控除をどうするか?
今年のわたしは、健康保険ひとつ取っても、
 A)1~9月は国民健保
 B)10~12月は社保
のように分裂しています.
Bは会社が給料から天引きしてるので会社が把握しています.でもAはヒラサカ個人が支払ったものなので、「国保支払い証明書」を年末調整に添付するのが筋です.でも、まだ10月ですから証明書なんか届いてませんよ.無理じゃん!

↑ゆえに年末調整はAをすっ飛ばすしかないわけで、ますます年末調整の意味が薄いわ.「今年は自分で確定申告するので年末調整はすっとばします」という仕組みがあってもいいんじゃね?

なんだかなーの無駄な仕組みにクラクラしてしまいました.全員自分で確定申告しろ.

かしこ

2024年9月30日月曜日

明日からサラリーマン

明日からリーマンに復帰します.戸惑う事が多い.

さっき就職先からメアドのサーバ認証云々の連絡が来て、普段gmailばっか使ってるのでメーラーソフト入れなくちゃダメなのかなどと戸惑っているところです.

在宅勤務です.
早起きして朝ご飯食べて9時に机に座って17時まで在席するのを守ろうと思っています.だとするとお昼ごはんを何処で食べたらいいんだろ? office街や工場と違ってお昼処ないもんね.戸惑うわ~

コアタイムにブログ更新してもよかですか?

やりたい事がたくさんあるわたしにとっては、拘束されない、自由になんでも出来る境遇が合ってるんだと今にして思ふ.
やりたい事というと、、、
15年前、ヘリカルスキャンが終わってしまってソニーでやりたい事が無くなったから辞めて、暇だったのでSTM8Sをしゃぶり尽くし、その後STM32でDCCを自作しました.それで組込CPU界隈のテクを習得したわけですが、今般の就職案件はその知識のおかげです.「system設計からsoftまで全部やってお願い、在宅でもいいから」ですからねぇ.芸は身をタスク

給料については、在宅勤務で申し訳無いので、こちらから申し出て安めに設定してもらいました.しかし年金支払うのが超ムカつくゲロ.

就職前ですけど、先週から打ち合わせに参加していて、やろうとしてる事の難易度の高さを知って「やべぇ〜」とアタマ抱えています.戸惑うどころじゃない.
アニメの故事に喩えると、詩羽先輩に泣けるシナリオを書いてもらい、エリリに激萌えのイラストを描いてもらって、冬コミで頒布するスケジュールを打診したところ、「無理」「無茶」と一蹴されてしまったような状況です.あははー

時間は有限だけど、お金は湯水のごとく使わしてくれ〜と、就職前にお願いしてたりする

さらば自由の日々よ

かしこ

2024年8月21日水曜日

働き方はハードコアを推奨

ヒラサカのことを「いつも上から目線でムカつく」と思っている人が多数だと思います.振り返ると小学生の頃から上から目線だったんだ俺って.今日も上から目線全開でーす.

楽天の三木谷がたまにゃいいこと言うもんで、数日前のtwitterより.
「国家が『一元的に』単純な時間制限を押し付けるのは、仕事を通じて挑戦したり、より働いて自分の力をあげたり、収入を増やしたいという人の自由を奪う愚策だと思う」

電通の自殺女子の後で残業規制を一律に厳しくしたのはあれは大間違いよ.ハードコアしたい奴は好きにすればいい.社会を弱者基準で設計するのは間違い.あまつさえ、強者基準で組織を動かそうものなら労基に処罰されるとか、アタマオカシイ.どこの社会主義国だよ.

「社会を弱者基準で設計するな」にカチンとくる人が多数だと思うけど、全部シルバーシートの通勤電車なんか作らないだろ.それと同じで鬱病予備軍基準で労務体系を作ったら会社廻りませんぜ、、、ってそれはJOKEにしかならないんだよな.なぜなら現在、国家をあげて「ホワイト労働」体制に転換しようとしているのだから.なんだその気持ち悪い社会は???

「労働を強要して良いのか?」とカチンとくる人が多数だと思うけど、俺はこんな風に働いてきた.完全にキレキャラw
・バカな仕事を拒否するのも自分のスキル
・バカ上司を批判し喧嘩するのも自分のスキル
・上司を教育するのも自分のスキル
・談判破裂したらいつでも辞めてやる

もちろん、そんな風につっぱっても逆襲されないくらいハードコアで働いたけどね.ヒラ的にはハードコアが日常なので、常にハードコアで構わない.
逆に自分がハードコアしなかったらどうなったか、、、技術的全体像が掴めない、組織の諸問題も見えてこない.「XXXやらして」と上司に掛け合うのもできない.プアマンのまま歳とるだけ.そんなのやだ.
ハードコアの結果でこんな↓行き当たりばったりな職歴になったけど、報酬と経験値を得たのでべつに後悔はない.
小学生回路ヲタク→22歳回路屋→31歳転職→33歳転職→46歳無職→自営業→59歳就職予定

ところがいま、「ホワイト労働でなければ会社でない」が常識になっている.これを唱えている者達は悪質だし、それを首肯している者達はロクなことにならないぞ.

数日前のtwitterから、2名の経営コンサルのポストを引用する.

コンサル1:
なんでこいつベンチャーにいるの?って思う人
・お盆とかGWガチで休んでる人(脳みそお花畑でつらい)
・何がしたいか分かりませんって人(逆に何しに来た?)
・定時に帰る人(もうずっと寝ててください)
・会議で何も話さない人(存在価値0)

コンサル2:
・お盆とかGWに休むことを悪だと思ってる人(脳みそ昭和マインド&労基法も理解してなさそうでつらい)
・何がしたいか分かりませんって人しか集められない人(逆に何で採用した?)
・定時に帰ることをユルいと勘違いしてる人(長時間労働に頼った働かせ方しかできない経営者はもうずっと寝ててください)
・会議で何も話せないようなネガティブ雰囲気を放置してる人(心理的安全性を確保できない経営者は存在価値0)

読者が味方するのは、コンサル1:コンサル2=1:9 ってとこだろう.
ヒラサカが賛成するのはもちろんコンサル1だ.

ただしコンサル1が通用するための付帯条件はいくつかある.
・ストックオプションなどの餌があればの話
・起業の初期メンバーだけに通用する話
・安定期になって一般社員を増やす段階では(今日の世情では)通用し難い
・経営者志向(自由主義的傾向)

コンサル2には欠陥がある.
・起業初期からホワイト属性でいられるわけがない、無い物ねだり
・理念先行の現場を知らないコンサル
・働きバチの権利擁護志向(社会主義的傾向)
コンサル2の経歴から御用コンサルみたいな人で、そうゆうpositionの商売でしょう.

コンサル1と2の論争を見ている外野がまた寒いんだよ.

なぜ寒いのかを解説しよう.今回の投稿の主要部分だ.

静岡県知事だった川勝が新卒採用者向けスピーチで炎上したことがあった.
 「皆さんは農家のおじさんじゃないので高い視点で働いてね」
知事が言ったら失礼な話だ.
ヒラサカも期例会同で似たような話をしたことがある、
 「皆さんはマクドナルドのバイトではない.マクドナルド本社でマニュアルを作る側の立場の人々です.なので各位で小さなものでいいから自分の目標を定めてそれを達成するよう自律的に働いてね」

今日の社会はこの2つにくっきりと分かれている.
 経営者サイドの人(高給・仕組みを作る人)
 労働者サイドの人(非正規・バイト・マニュアル労働・低給)
コンサル2の主張は、専ら労働者サイドの権利擁護なわけだけど、労働者の権利をいくら高めたって、経営者サイドの待遇には達せないのが現実だ.
コンサル2だってそれを知ってるはずなのだから、誠意があるならこう言うべきなんだよ.
「労働者である限り、ジタバタしたって無駄だよ」
「経営者サイドになりたけりゃハードコアしろ」
「ハードコアしたって経営者サイドになれる保証はない」
「それが嫌なら最初から低給は確定」
「それでも労働者でいたいならわたしは労働者を擁護する」

ところがコンサル2は「ホワイト労働でなければ会社でない」の旗を立てて誘導する.すなわち、労働者擁護という仮面を被りつつ、労働者の自己研鑽を喚起せず、諸悪の所在を企業のブラックさにのみ帰するという社会主義的誘導なのだ.資本家を攻撃する.階級対立を煽る.
それに誘導された夥しい外野の労働者達がコンサル2を賞賛する.
「安い給料で働く気にならんわ」
「企業がブラックだから悪い」
いやいや、楽してお金稼げるわけないでしょ.会社帰責にして不満タレてりゃ済むと思ってるのか? 社会主義的誘導に踊らされてたら身を滅ぼすぞ.

日本国は一丸になってコンサル2を志向している.厳に警告する.

結論:ハードコアしろ (冒頭の三木谷に賛成)

ーーーー
追記:こう思ってムカつく人々が多数だろうなぁ.
「だって景気が悪くて就職できなかったんだもん」
「ヒラサカは好景気な昭和世代だろ」
「ブラック礼賛すな」

その通り、ヒラサカは逃げ切り成功世代なんだ.しかもぎりぎりで.
1)高度成長のラストラン世代
2)残業規制が緩くていくらでも働けた
3)後輩世代は「ゆとり」だの「ホワイト」だので成長を阻害される

この状況をどう捉えるべきなのか?

まずは「ツイてたヒラサカしね」だろう.それは甘んじて受ける.正しい認識だ.

たださ、老人を憎んでみたって目先仕方なくて、今を生きるアンタは目先どうすんの?

昭和のヒラサカよりも生き延びるのが難しい世代なのはアンタらも認めるわけだよな.

だったら、「会社がブラックなのが諸悪の根源」というサヨクアジを飛ばすコンサルに賛同してる暇なんか無いよな?
逆だよな?
ヒラサカよりもハードコアしなくちゃ生き延びられないって粛然とするはずだよな?
ちがう?

だからハードコアしろ (冒頭の三木谷に賛成)

かしこ

2024年8月20日火曜日

まさか履歴書を書くことになろうとは

履歴書を持参して、スーツ着て面接に行くことになりそうです.

46歳で失業者になってどこにも所属せずプラプラして60歳が近づきました.いま頃になって、就職することになりそう.技術者としてです.

なんつうことでしょう、笑っちまいます.

事情を語ることはできないので語りませんが、外国のあやしい会社とか根腐れNPOではないです.

せっかく60歳超えたら映画料金が割引になるのに、平日に映画館に行けなくなるなぁ.失業者・自営業の最大の旨味は平日フリーだと思うんだけど、数年間はそうゆうのなくなるんでしょう.

就職してもこのブログは続けます.この内容で.

ハードコアでいきましょ

かしこ

2023年3月2日木曜日

技術者は管理職になった方が良いか?

コメント欄で技術者論があったので面白いのでそんな事を自分視点で書きます.

10年以上前の当ブログで、リーマン技術者としてのわたしの22~45歳までの事を書きました.ほとんどヘリカルスキャンばかりやってきました.
純粋に技術者だったのは39歳までで40~45は管理職とかPLがほとんどでした.しつこく設計もやってたけど平均すると体の1/10ぐらいだったか....

以下では、技術者業務と管理職業務の相克とかについてです.

人に指図するのは楽しい
部下に指図するのは当然なのでどーでもよい事です.そうじゃなくて他部署とか社外がわたしの言う通りに物を作ってくれるのは便利でいいやという意味です.
ヘリカルスキャンには特殊なヘッドが必要です.
1989年でしたか、入社3年目のわたしが仙台のヘッド事業部長に「強い業務用ヘッドを作ってくれ」と頼みに行った時にはけんもほろろな対応でした.それもそのはず、当時は8mm videoのヘッドで儲かりまくっていたので、数量の少ない業務用ヘッドなんかに興味がなかったわけです.
ところが、わたしが管理職だのPLだのをやってた2005~2010年の時期には、ヘリカルスキャンの開発部隊は世界中で我々が唯一になってしまったため、テープ/ヘッドの人たちが藁にも縋る思いでこちらの言いなりで動いてくれました.「新しいMRヘッドを作ってくれ」とわたしが言えば、ヘッド技術者の雇用を5名かそこら延命する名目が立つんですからホイホイと従ってくれました.
感謝しとるぞ > あの頃のヘッド屋さんテープ屋さん

人が寄ってくるうちが花
社外の営業さんがよく来ました.わたしは分け隔てなく営業さんと会ってた方だと思います.それに、営業マンの日報に「X月X日:ソニー平坂Bと面会」と書けば体裁を繕いやすいとかさ、あるんじゃないのそうゆう渡世の諸々がさ.
あと、薄々感じた事なんですけど、ソニーのコンスーマー部署では社内外を問わず迂闊に人に会うなというpressureがあるっぽかった.機密保持のためかなと思います.他社の人に会えば新商品のSPECを探られたりしますからね.だけど、技術者をタコツボに閉じ込めるのは成長を阻害すると思います.

組織はマネーで動いている
予算がつかないと何もできない.
事業計画はただの積み上げ.(旅費までも)
リストラも予算次第.
中期計画はアホくさかった.

支出承認権限は楽しい
支出の承認権限を持つと、座ってるだけでいろんな情報が集まってくるので楽しいものです.

マネーに野放図ではいけない
管理職は金目に関与します.大まかに4つの段階があります.
 1)事業計画の予算を立てる(積み上げ)、承認していただく
 2)執行する、支出を承認する
 3)期中の予算消化を監視する
 4)予算が余るか予算超過する
3番目が野放図な管理職って結構居ると思う.支出承認を求められたときに『あの予算はまだ500万ぐらいしか使ってないよな』などと思い描いている管理職って少ない気がする.4番目で予算超過が発覚したりする(笑)

というような管理職に対する認識を元にして、
管理職になるのは技術者のキャリアパスとして適切か?
人に指図されるのが好きなタイプが管理職になるとキツいと思います.
わたしは、人に指図したり、人に文句言ったり、机を叩いたりするのが嫌じゃない人なので、管理職になっても戸惑うことはありませんでした.自分の権限が立場なりに拡大したんだなとしか思いませんでした.
ただ、管理職になると技術者でいられる寿命が短縮されます.管理業務のしわ寄せで設計業務が減ります.だから技術者のキャリアパスと管理職とは相反すると思います.プレイングマネージャーはなかなか難しいです.
それでもあえて理想を言うならば、管理業務や予算執行権限を経験してから技術者に戻るのがベストだと思います.金目の話がつかないと何事も進まないから.まぁでも一度金目に首を突っ込んでしまうと「パワポ作ってくれ」が際限なく舞い込むのでしょうが.

ーーーー
以上で書いたことは管理職の件ばかりで技術者のことについて触れてないじゃないかと思われるでしょう.

確かにそうなのですが、、、ここで技術者のスタンスを定義したいと思います.
 タイプ1)技術者は、自分の裁量で出来る範囲の事をするものだ
 タイプ2)技術者は、自分の裁量で収まらない事をやるために周囲を巻き込むものだ
わたしはタイプ2なんです.

なぜか?
ヘリカルスキャンが異様にたくさんの技術の集合体だからです.
 板金、ダイキャスト、精密加工、樹脂、金型、製造技術
 アナログ、デジタル、LSI、信号処理、NFC、サーボ、モーター、電源
 firmware、interface、RTOS、PC
 テープ、ヘッド
存在しない技術分野は表示デバイスぐらいかもしれない.

この中で技術者ヒラサカが自分でできるのは太字の5つだけです.その他の技術アイテムは他人を巻き込まなくちゃ進みません.だから「ヘッドくれ」「テープくれ」と頼んだり、他社の営業マンとお話したり、机を叩いたり、あいつを追放しろ、担当変えろ、とか恨みを買う事もいろいろやりました.でもそうしないと「わたしが思い描く最高のヘリカルスキャン」を実現できないんだもん.

困ったことにR&Dの人が典型的なタイプ1で、なーんも考えずなーんもやらない引き籠りで、「お前がサボるからこんな酷い目に遭ってるんだ、どうしてくれるんだ?」とドヤしつけましたら、その人とは意思疎通すらできませんでした.その後の大惨事を考えるだに最悪なR&Dでした.

業務成果と人格は別なのか?
一緒です.人格が成果を左右します.「人を憎んで罪を憎まず」が正しいです.設計者はマックのアルバイトとは違います.弱気な設計者は弱気な成果しか出せません.独創的な成果は強気な者から産み出されます.キチガイ上等ですよ.

改めてこの問を考えてみますと、、、
管理職になるのは技術者のキャリアパスとして適切か?
タイプ1は管理職には向きません.本人も部下も不幸になります.
かといって、タイプ2なら管理職になるべきかというとそうでもないです.管理職に成らずともタイプ2の職務を果たせますから.
しかしタイプ2が願望達成のため管理職を受け入れざるを得ない場面があります.わたしがそのパターンでした.リストラで人数が減って、ヘリカルスキャンに拘る変態が居なくなり、わたしにタイプ2技術者で居させてくれる上司も消えて、わたしに管理職のお鉢が回ってきました.
子供を私立に通わせたい、週末はレクサスでゴルフ、そういう技術者は管理職になればいいでしょう.技術ヲタクでない時点で求道的技術者ではありませんから世俗の幸福を得られるんじゃないですか?

まとめ
求道的技術者 →タイプ1 →管理職は不幸
求道的技術者 →タイプ2 →管理職は務まる可能性が高いが寿命短縮(ヒラサカ)
 只の技術者 →タイプ1 →管理職は不幸
 只の技術者 →タイプ2 →管理職向き

最後に、
わたしは求道的技術者として幸福だったのか?
わたしは23年間のサラリーマン時代に、貪欲に技術的修練を求めました.しかし、その求道的姿勢に報いるだけの運を天が授けてくださったかどうかにはやや不満があります.なので、わたしは技術者として不運だったと思っています.
客観的に技術者のaverageと比較するなら、わたしの技術者人生は世間の水準以上だったとは思います.冒険が出来たという意味で.

かしこ

2019年12月16日月曜日

早期退職後何をしたらいいの?という記事について

あ、オレのことだ、と思った.

当ブログのタイトル通りわたしも早期退職で失業した者のうちの一人だ.46歳になってすぐに失業し、それから2ヶ月後に東北大震災が起きた.なので失業してからかれこれ9年経つかな.

上で引用した記事は、早期退職してヒマ~になって、しかしお金が無いけど何をやったらイイのかな?っていう身近なテーマについてアドバイスをしている.
まぁでも、引用記事を読んでもそれで貧乏ヒマ有り生活に活路を拓く秘策が書かれているわけではない.書かれているのは一般論なのだから、個々人向けの具体策を書けるわけがないのは無理からぬところ.

ところで失業後のpotentialは早期退職と定年退職で随分違うと思う.
定年退職は60歳か65歳だろう.もうすっかりジジイだ.ジジイになって頭脳が衰えてやる気も減退してしまってから突然ヒマ~になって、そこから心機一転とかはもう難しいんじゃないだろうか?
それはわたし自身が46歳に成りたてでヒマ~になった時点で考えた事でもあった.失業して何処にも所属せず自己完結してるしかなくなるには思考が柔軟な若い方がイイと思った.40歳代で切り替えるのと、60歳代で切り替えるのはしんどさが桁違いだろうなぁと、失業当時にそんな風に考えた.

失業後のメンタルを健全に保つ秘訣を自己啓発物みたくわたしも考えてみた.わたしの実体験による.

・若い頃から持続している趣味に回帰するのがフツーである.だから若い頃から自己完結したいわゆるヲタク趣味を持つ者は幸いである.趣味は野球とかいうパンピーは年配になって野球を再開するハードルは高いんじゃないかね?

・無理して新しい事を始める必要は無いと思う.スイミングクラブ通いで女の水着を見てたってすぐに飽きるさ.

・日がな一日グダーっとTV見てたって、グダーっとyoutube見てたって、毎朝起きるのが11時だっていいじゃないか.それを問題行動だと思うならとっとと誰かに雇われなさい.

・組織に所属してないと不安になるタイプにはご愁傷さま.失業後には辛い生活が待っている.とっとと誰かに雇われなさい.安心と、少ないけどお金を貰える一石二鳥だ.

・失業後の貴方の労働市場における価値は低い.年収1000万円以上の価値なんかない.相当マジメに働いても年収500万円ぐらいなんじゃないの?

・長年ビジネスの場で過ごしてきて、部下が何人いたとか、仲人をたくさん努めたとかは貴方の誇らしい思い出ではあっても、そういう機会はもう貴方には巡って来ない.

・承認欲求は捨て去ること.というかいい歳になって承認欲求なんか大切に抱えてるバカはしね.

・人手不足ゆえ地域社会は貴方を待っている.地域社会は貴方を歓迎してくれる.だが長い目で考えると地域社会には関わらない方がいい.地域社会は多かれ少なかれ腐っているからだ.マトモな判断力や正義感を備えた人の居場所ではない.

・くだらない人脈をバッサバッサと切れ.

・失業後の貴方は独りきりである.

・以上を読んで「そんなのは嫌だ」「詰んでいる」と思う貴方にとっては失業後のセカイは灰色だろう.

以上、いつものようにバカはしね的なテンションで語ってみた.

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個別用件は誰の参考にもならないが、わたしが失業後に始めた事を書いてみる.打ち切ったこともある.

・資本金10万円の株式会社を作ったが、あまり活動せずに潰した.

・回路設計で少し稼がせていただいた.(元々の趣味の延長)

・住宅リフォーム職業訓練に通い、室内リフォームはほぼ何でも出来る完全体に進化した.自宅をかなり改造した.(元々の趣味の延長)

・職業訓練の縁で建築調査系の事務所に出入りするようになり、日本全国を旅して廻る.ついでに各地の酒を呑む.

・にわかAVマニアになった.(元々の趣味の延長)

・サラリーマン時代はソフトウェアやCPU周りの業務を避けて生きてきた.失業後に今時のCPUを骨までしゃぶってみようと思い、STM8Sをしゃぶり尽くした.一品をしゃぶり尽くせば他のCPUも似たようなもん.(元々の趣味の延長)

・地域社会活動を3年間ぐらいやったが、町内会も民生委員もバカなので縁切りした.

・近日に自宅でカフェを開業する.リフォームは自分でやった.固定費ゼロの経営に胡座をかいている.夫婦で経営するが、二人共飲食店勤務経験はゼロである.ゆえにお客様には実験体になっていただく orz

・おっと忘れてた.当ブログも失業を機会に始めたのだった.駄文をダラダラ書くのは元々得意だった.何を書くかは多少考えた。自分の半生を書く.赤裸々に書く.本名晒して書く.悪口も書く.政治問題も書く.技術ネタも書く.アニメも書く.反論苦情には1mmも譲歩しない.PV数最大化や広告収入を目指さない.など.


結論: 寂しがり屋には失業は向かない.不幸になる.

かしこ

2019年9月2日月曜日

電機業界さんと建築業界さん、働き方の比較

わたしはいくつかの仕事をしています.

1つの仕事で家族を養い、子供を私立大学へ通わせるには、企業で管理職をやってるのが手堅くてオススメでしょう.

いまのわたしはそんなに家族を養っていないし子供を私立大学へ通わせる気も無いので、企業の管理職はやってません.というか失業しちゃったしね.早期退職金で住宅ローン完済したから別に文句を言う筋合いじゃぁないわ、えへへ.

いまのわたしは自営業、横文字的にはフリーランスなのですが、たった1つの仕事で楽しく食ってゆくのはやや難しいです.なのでいくつかの仕事をしています.当ブログによる収入も少しですが仕事の一つと言えるでしょう.

いくつも仕事をやっていると、疎遠になって消えてゆく仕事があるかと思えば、もう無いだろうと思ってた方面が復活したり、縁切りしたり、といろいろです.呼ばれたときに暇だったら行くけど、他にやるコトがあったら行かない.そんな根無し草モード.
「どこかの組織に所属して無いと不安で死にそうになる人」っていますよね.そーゆー人には根無し草モードは耐えられないと思いますが、わたしにはそーゆー神経が無いので平気です.

ソニーを退職して根無し草モードになって9年目を過ごしていますが、この9年間は建築業界の仕事をする場面が多かったです.ご縁がありまして.

つい最近になって、板金工場の仕事が新しく追加されました.ご縁がありまして.作ってる部品は電機業界向けのものばかりですから、板金工場も電機業界の一部と看做せると思っています.昔過ごした電機業界に舞い戻った感覚があります.

電機業界と建築業界では、置かれた条件がいろいろと異なるので、働き方がいろいろと異なります.以下では働き方について書こうと思います.

わたしが新卒で電気設計者をやり始めてサラリーマンを廃業するまでの23年間没頭した電機業界の特徴は、
1)大量生産
2)労働者は品質管理システムの奴隷
3)労働者の競争相手は中国人やタイ人やバングラ人(及びそいつらの給与水準)
4)給料安い
5)常勤者ばっかし  (フリーランスは基本的に不在)

その後の9年間にわたしがうろちょろした建築業界の特徴は、
1)単品生産  (家もビルも一軒毎にちがう施工)
2)労働者が品質管理の主役
3)国内産業なので発展途上国との競争なし
4)給料高い (電機と比較して)
5)現場で働いているのが全員フリーランスだったりする  ←ぎゃはは

さて、ヒラサカはどっちが好きかというと、1~5の全ての面で建築業界が好きです

電機業界は1990年代から一貫して1~5が劣化し続けた結果、今となっては電機業界の1~5なんかホントに旨味が無くなったと思いますよ.(昔の電機業界は魅力的でしたが)

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そういう背景事情がある中で、9月になって建築業界から仕事のオファーがドカッと来ました.もう来ないかと思ってたんだけどな~、上期何してたんだろう.わたしはフリーランスですから、行けるなら受けるけど、行けないならお断りするだけです.

そこでう~ん、、、と考えるのは、ダブルブッキング状態になってしまってる板金工場の仕事と建築業界の仕事のどっちを選ぶんだい?ってことですね.

答えは簡単.わたしはフリーランスですから、冷酷に給料が高いほうを選ぶだけです.建築業界の方面に「謹んで全部出席いたします」と返答しました.えへへ

それで建築業界に自分のスケジュールをガッツリ割いて、残ったスケジュールを板金工場に割きます.その結果、板金工場への9月の出席日数がほんの数日間しかなくなっちゃいました.フリーランスは非情だ....

上で書いたとおり、板金工場は電機業界の体質を持ちますから、板金工場がヒラサカに期待する働き方は、月~金まで常勤することなわけです.しかしそれはフリーランスの働き方ではありません.この状態って一種の「雇用のミスマッチ」になっているような気がするんですよね.

9月のヒラサカの出席日数があまりにも酷いので、このまま放置しとくのもどうかと思ったので、昼飯のときに、わたしの雇用主である板金社長に聞いたんです.
「建築業界はフリーランスばっかしで、オレはそうゆうフリーランスだから、来れる時しか来ない.結果9月は酷い.だけど、量産工場では通常はフリーランスを許さないでしょ? こんなオレでもいいのかな?」
板金社長は言いました.
「ヒラサカさんみたいな非固定費労働力もkeepしておきたい」

というわけで、フリーランスのわがまま勤務は続くことになったようでぇす.

#久々に「失業理由」枠でおおくりしました

かしこ

2017年9月17日日曜日

サラリーマン時代のヒラサカの年収を公開

皆さんこんにちは.フリーエネルギー研究家のヒラサカです.(うそ)

勝谷誠彦さんの有料メルマガの昨日の記事で、「サラリーマンの生涯賃金・生涯年収特集」というのが引用されていて、へーこんなのあるんだ?と思いました.平成22年なのでちょっと古い統計ですが、大卒男子で生涯年収が2.5~2.8億円だそうです.資料の出所は政府系機関のようですので、信頼度は高そうです.

わたしは1987年4月~2010年12月までの約23年間をサラリーマンとして過ごしました.(その9ヶ月後に当ブログを始めました)    23年間のリーマン給与明細のほとんど全部を保存してありました.現物を保存してたというよりも雑にスキャンしたデータがほとんどでしたが.

会社を辞めた直後に確定申告しなくちゃいけないので、遡ること数年分の源泉徴収票に目を通したりしていて、フト「オレって45歳で辞めるまでの累計年収いくらだったんだろ?」と思いました.給与明細データはあるので、excelにポチポチと入力して計算したんです.

というわけで今回はヒラサカの各年年収と累計を公開します.読者の所属業界によっては、高給取りでしたねと思われるかもしれないし、こんなクソ貧乏な年収公開してバカじゃないのかと思われるかもしれませんが、100%リアルデータという事でお楽しみいただけたら幸いです.

それで計算結果がこれ.22歳~45歳までの23年間で約2.6億円稼いでいるとわかりました.製造業は全般的に給料が安いうえ、わたしは45歳でリタイヤしたわけですから、あまり稼げてなかっただろうなと予想していたのですが、完全平均年収が1000万円超えてたのかオレは、、、と庶民のヒラサカとしては少し驚きました.

1987~1996年までの年収が400~500万円で低空飛行してたのは、ソニーマグネスケールの給料が安かったからです.辞めてよかった.もっとも、現在はソニーマグネスケールという会社は無く、別の企業傘下のマグネスケールという会社に変わってます.なので給与水準が上がったかもしれません.ご留意のほどをよろしく.

1996~1998年は日本ヒューレットパッカード(神戸)に居た時期です.1000万円にタッチするかどうかというぐらいの給与水準.日本HPは年収1000万円にはすぐに達するけどその後はあまり上がらないと聞いた事があります.でも体験せずに転職してしまいましたから真偽は不明です.

1998~2010年はソニーに居た時期です.1000~1500万円ぐらいというところ.ソニーは給料高かったですね.2010年の一番最後にグラフがボコッと上ぶれしているのは早期退職金のせいです.(住宅ローンの一括返済で全部消えました)


給料について一番思い出深いのは2008年です.まさにリーマンショックの年です.上のグラフを見ると2008年に最高年収になっています.1600万ぐらいでした.これって何を意味しているかと云うと、小泉政権が始まった2001年から徐々に景気は良くなっていたんです.ヒラサカ自身の実感でも、2008年の上期は会社業績も良かったし、テープストリーマ事業部は余剰人員を結構抱えていられたし、測定器を買うのも結構自由に出来ていました.ところが2008年9月15日に始まったリーマンショックで下期は一気に暗転し、FY2008通期の会社業績は大きなマイナスに転落しました.(景気が給料に反映されるには半年ぐらい遅延するので2008の年収は高止まりだった)
麻生内閣の自民党は選挙で負けて民主党政権が始まり、日銀の白川総裁は¥80を割る超円高を注視してるだけ.わたしが会社を辞めた2010年は民主党政権で製造業氷河期の時期でした.
リーマンショックと民主党と日銀白川はオレの運命を変えたよ (怨)

それで会社を辞めてフリーエネルギー研究家になったわけですが(うそ)、その後の年収は全然ショボイので、扶養控除をスパスパ適用すると所得税ゼロみたいな身の上でございます.

トータルの経験としては、、、
収入が高いときは、それだけの責任を負っているし、会社に束縛されるし、海外出張に行かなくちゃいけないし、転勤を命じられることもある.
収入が低いときは、責任を回避させていただくのは当然だし、束縛は無い.

胆力をフル活用して得る高収入と、無責任な低収入と、どっちが喜ばしいかというと、今は後者だなぁ.

責任が大きいのに低収入っていうのは最悪ですね.

かしこ

#サービスショット     自転車のカゴでカマキリがこちらにガン飛ばしてた.

2012年6月12日火曜日

回路設計の仕事の始め方 (参考にはならないが)

以前、回路設計の仕事をはじめたと当ブログに書きました.回路設計のアルバイトをどうやったら始められますか? というご質問をいただいたので、ここで回答いたします.

がっ、ご参考になる自信は甚だしくございません.どんな分野が得意なのか? どんな人脈があるのか? などによって対処方法は様々に異なると思われます. なので、あくまでもわたしの場合、ということで書きます.

経緯
そんなにバシバシオファーを受けているわけでもないですし、いくつも仕事を仕上げたわけでもありませんが、経緯はいつもこんなかんじです.

ソニーをリタイヤした方が経営してられる設計事務所とお友達です.その方々はかつての同僚社員だったりした方です.そういう会社のところには、友達の友達は友達的に、こんな仕事があるんだけどそっちでやらない?みたいなメールが飛び交っています.ソニーをリタイヤして技術コンサルタントをやっているけれど、自分では設計しない-----いわば口先商売------を経営している方にとっては、実際に手を動かして設計してくれる人が欲しいわけですので、こんな仕事があるんだというメールが飛び交う下地があるわけです.

で、今手一杯だけどヒラサカならやるかなぁと思った誰かが、わたしのところに連絡をくれるとそれがきっかけとなります.わたしはとくに営業活動はしておりません.

オファーの内容
ただし、なんでもかんでも仕事を受けるわけではありません.諸般の事情で忙しかったりするし、自分の得意分野でなかったりとか、理由はいろいろです.昨日も1件断りました.

自分の技術的得意分野は、verilogで記述する信号処理回路なんです.もちろん他にもいろいろとアナログでもなんでもやりますけど、大得意は信号処理だということです.弱電の電気技術者って、80%が制御系で20%が信号処理系だと思います.ロクな担当者がいない手薄なところを攻めて来たら結果的に一貫して信号処理ばかりやってきました.
そのかわり、多くの電気技術者が経験するCPUやソフトをガシガシ開発する仕事にはあまりタッチしなかったので、CPUやソフトについてはそんなに詳しくはありません.こちらのSTM8Sのサイトを作るために1chipマイコンを使ったのが新鮮な体験だったくらいですから.PICもホビーで触った程度ですし.

というわけで、CPUとC言語だけからなる制御回路------世間には最もありふれている-------のオファーには消極的です.とくに希望スケジュールがタイトだったりすると、お断りさせていただいてます.信号処理の開発要素があってスケジュールがタイトでなければ受けてもいいかなと.

世間に存在している仕事はどんな分野が多いか?
CPUとC言語だけしかできないけれど、PICもH8もPCもなんでもできる人には仕事がたくさんあると思います.わたしのように、信号処理が大得意でCPUとC言語はまぁフツーって人に適した仕事は少なくなります.そして、アナログ回路とか電源回路しか設計できない人には仕事はほとんどないと思います.

それはなぜか? 世間の中規模企業が困っていて設計をアウトソースしたくなるところは、systemです.systemというのは、PC上のアプリと連繋して動かすとか、組み込みCPUとか、RTOSのソフト開発とかのように、ソフトとハードにまたがった境界領域のことを指してます.なので、いくら高性能のアンプを設計する能力があっても、systemがわからないと仕事にはならないでしょう.systemがわかる人と一緒に仕事をしなくちゃにっちもさっちもいきません.したがって、自分がアナログ専業技術者なのだとしたら、プロデュース能力が無いと仕事にはならないと思います.

どんな価格と免責条件で仕事を受けるか?
日給2万円.1ヶ月あたり50万円.これ、世間の相場と比較したらとても安いです.まともな会社組織で、営業とかアシスタントとか雇っている会社だと1ヶ月あたり200万円じゃないでしょうか?
プリント基板の制作費用は実費請求します.
もしも、ヒラサカの瑕疵が判明しても、プリント基板の作り直し費用や、カスタマーへの賠償責任をヒラサカは負わないこととします.これ、タカビーに感じるかもしれませんけど、瑕疵責任をヒラサカが負うのならそのリスクを価格に上乗せしなくちゃいけませんので、1ヶ月あたり100~150万円にポンと値上げせざるを得ません.どっちがお得かと考えればうまくいったらラッキーで50万円のほうを採るんじゃないでしょうか?
検収条件はその案件ごとに考えます.
わたしは開発屋ですので、契約時点で仕様が100%決定されていることにはあまりこだわりません.そもそも、中規模企業でアウトソースしなくちゃ回らない会社にあらかじめ仕様を100%決定する能力はフツーないですから、ある程度はやりながら考えるってことになるのは承知してます.

部品調達、プリント基板、CAD
部品調達はRSとかdigiKeyとかです.あと中国のaribabaも利用したことがあります.
プリント基板はP版.comを使ったことがあります.さもなくばソニー時代にお願いしていた試作業者サンにするかも.
CADはeagleを使ったことがありますが、designsparkに乗り換えようかと思いつつ.

いままでで一番ひどかったオファーは?
とあるセンサの信号処理の開発で、提供してもらったセンサで軽く試作して性能も出せました.では本番ということで来た話が、、、、
   ●センサは特定できない、サンプル提供もしてくれない
   ●センサ開発用の万能評価systemを作ってくれ
万能評価systemなんて最もトラブる案件にバケてますのでお断りしました.「センサを変えたら動かないんですけどヒラサカさん直してください」というトラブル電話が来る度に出張することになるからです.現地出張費用とは別で300万円くれるならやってもいいけど、そんなリッチな話じゃありませんでした.だいたいセンサの素性に合わせて信号処理をtune-upするのが開発作業なんですけど、どんな素性のセンサにも対応してくれというんですから、ロケット開発の初号機で有人飛行を成功させよと言ってるようなもんで、ありえない要求でした.

スミマセン、全然参考にならんと思います.orz       前へ

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2012年2月25日土曜日

ハイアールサンヨーのTVCFに未来少年コナンが映っている

haierという中国の家電メーカーがSANYOを買収したようですね.わたしが当ブログで繰り返し指摘してきたように、円高に追われるように製造技術が流出しただけでなく、もはや、開発とかパテントもまるごと中国に移転する状勢になってきて、空洞化もここまできたかとくやしい思いがつのります.日銀が円高を放置しているのはひら的には容認できません.

さて、そのhaierが日本でのマーケティングを開始したようです.TVでキョンキョンが出ているCFのを目にされた方もいらっしゃると思います.さっそくyoutubeにupされていました.こういうのって、広告会社がupするんだろうね?   http://www.youtube.com/watch?v=9b63BXueyZo

そのCFの11秒ぐらいのところに一瞬「未来少年コナン」が出てきます.わたしは見逃しませんぞ-.CFの場面はこれです.1話か2話でおじいが死んだ後のシーンです.元のアスペクト比が4:3なのでかなりトリミングされてると思われます.

なんでコナンなんだろ? ひら的には「カムイ」、「海のトリトン」、「ダイターン3」あたりだとよりうれしかったなと思います.トリトンなら「トリトンが北に向かった~のクラゲ」を特に希望したい.

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2012年2月17日金曜日

経費節減の思い出-----何が効果的か?

世知辛い話題が続いているこのごろですが、つぶれる寸前の事業部で様々な経費節減をやった思い出について書きます.

●コピー
経費節減というと、コピーの節約っていうのが定番です.誰でも判っていると思いますけど、経費節減のシンボル的な意味はあれども、コピー用紙なんかケチってもその金額はショボくって全然意味ないです.トナーもたいした金額ではないです.
それよりも、同じ部署のたかが50mぐらいしか離れてない場所にコピーマシンが2台置かれているのはなんでだよ、これのリース契約切るのが先だろってな事の方が気になったりしたりして.

●旅費・出張費
計上する金額としては、かなり厚く計上するものです.あとで不足したら困るからね.

でも、中国に出張する場合は、エアチケットはそれなりに高価ではあるものの、現地での滞在費はホテル代が一泊¥3500なんで、日本国内出張よりも中国出張は安いんだよね.

ビンビンに高いのは、欧米への出張です.イギリスなんか一泊¥2万はザラですし.食費は高いし.タバコは高いし.一人が一週間出張したら、¥75万ぐらいかかります.数カ国をツアーすると¥150万とかかかってしまいます.

というわけで、予算計上するときは誰が何泊くらいするだろうかっていう予想を計算するんですけど、人数も回数も少ない欧米出張で旅費の大半が占められるなんつうことになります.

なので、出張禁止はそれなりに経費節減の役にたちます.事業部の規模にもよるけど、サクッと¥100万オーダーの節約になります.  ------だからコピー代なんかゴミなのよ-------

●通信費
経費節減のために通信費をもケチる上司があなたの上司だったら、その上司はバカです.信用してはいけません.見捨てて構いません.

通信費は、逆に投資しなくてはいけません.関連する拠点が複数あるとしたら、TV会議システムを何台も買いましょう.相手の予算が下りなくて買えないなら、こちらで買ったTV会議システムを相手に闇であげましょう.firewallのせいで繋がらない場合は、専用のADSLを契約してでも回線を確保します.そして、拠点同士を常時接続して、ドラえもんのどこでもドア状態にするんです.

常時接続してれば、わざわざ出張するよりも意思疎通はスムースになります.デメリットは飲みに行けないのが残念だっていうくらいだ.

わたしは自分の席の隣に中国の工場との常時接続TV会議システムを設置しました.そうすると、自然と皆がそこでTV会議をやるようになり、隣でやってる会話を聞いていると現場でなにが起きているかが自ずとわかるという便利な状況になりました.筒抜け~みないなw.

●CPUパワー
ケチるのは愚かです.いまどきのPCは安いですから.

LSI設計のためのPCは、最新のプロセッサが載ったPCをドカドカ買いましょう.simulation時間の短縮は設計期間の短縮と同義ですから.設計期間の短縮は設計品質の改善と同義です!

個人ユースのノートPCは、我慢して今のを使えと却下せずに、わたしは即答でOKしてました.経費節減の最中に買い換えたいと言うからには、HDDが満杯だとか、動作が遅いとか、壊れかけているとかいう切実な理由があるわけで、そんな部下の不自由さをたかが10万円で解消してあげられるんなら、経費承認権限を持った者としては受容してあげるべきだろうと思うからです.

壊れかけのPCを使っている人に、その人は自分の部下じゃなかったんですが、わたしが承認して買ったPCを与えたことすらありました.

もちろん、ヒラサカがPCをパコパコ買っているのは、管理屋にはバレるんですが、たかが毎月¥10万円程度の出費なんか、わざわざ管理が騒ぐほどのことなんかないんですよ.そこの読みが浅い奴が、ビビッてぜんぶ禁止なんてするから部下が不要な不自由をすることになるんだ.

●設備投資・測定器購入
これはおいしい経費節減です.測定器は¥10万~数100万しますから、そいつを凍結するのは効果的です.

だから、買いたい人の防衛策としては、新年度が始まったらすぐに見積もりをとって、決済申請して、速攻で買うべきなんです.さもないと、下期は円高でキツイので凍結指令が出てからじゃ買えなくなってしまいますから.

●試作・金型
ここは、経費節減の黄金郷・エルドラド・伏魔殿・特別会計・・・・・・・・

これを知ってしまうと、上で述べた経費節減なんかバカバカしくてやってられるかって気分になります.

設計の進捗管理を、予算消化の面からも細かく管理できていれば問題ないのですが、なかなか几帳面にはできないもんです.

どんな場面が起きるかというと、
・工場が中国の委託先の別会社で、納期が2ヶ月かかる部品を先行発注しなくちゃいけないけど、設計検証が完全には終わっていない中でリスク発注したものの、あとからその部品が使えないことが判ったために全部廃棄するので¥500万円の損失です.
・金型の修正費用が貯まっていて、請求額が¥3000万円になりました.
・試作のための部品なのに、資材が量産の発注数量単位で発注しちゃったので、量産に使えない部品が800個も余ってしまった.その償却に¥200万円です.

こういう超弩級の攻撃に晒される管理屋はお気の毒って気がします.当事者意識が強すぎたらノイローゼになりそう.まぁ、その設計費用管理責任が、設計PLにあるのか、管理屋にもあるのかっていうのはその組織によりけりでしょう.

だからさぁ、通信費とかPC代を律儀にケチったって仕方ないんだ.木を見て森を見ずだよ.

あ~書いていて疲れてきた.おしまい.

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2012年2月16日木曜日

いまの経営者が円高とかデフレに文句を言わない理由はなにか?

先日の電機メーカー総崩れ決算報告のときもそうでしたし、経団連だかなんだかの会長が会見するときもそうですが、悪いのは円高とデフレだっていう奴が全然いないっていうのが不思議であると、このブログで何回か書いたことがあります.

かつて1987年頃の円高不況の時には経営者が円高で死ぬ死ぬと騒いでいました.

この差は慣れですか? デフレに慣れたんですか? 円高に慣れたんですか? リストラに慣れたんですか?

日本人には、上に行くほど無謬性に足を取られてバカになるという特性があります.日銀が金融政策を転換しないのも、財務省が増税一辺倒なのも、その主因は諸先輩方の伝統を否定するなんてタブーを絶対に言えない出来ないっていうふうに自縄自縛してしまうからです.

ちなみに、民主党主流派はというと、労働組合員風情が政権取ったらアノミーになっちゃった状態なのでバカの程度は民主党主流派の方がはるかに深刻なわけですが、ここではそれはさておきます.

国内市場がデフレで交易条件が円高だっていう悪環境を変える必要があると経営者が発言したとしてもその経営者の手腕が疑われることなんかないと思いますけど、いまの経営者は、円高とデフレを所与の条件として受け入れ、より一層リストラに邁進いたしますとばかり言ってます.その理由は、日銀や財務省が自縄自縛的にタブーを作ってしまっているのと同じなんじゃないか? つまり、いまの経営者同士とマスコミがつくる社会において、グローバリズムを否定するような言説が自縄自縛的にタブーになっているんじゃないでしょうか? そのせいで、交易条件を変えるべきであるという日本国完結的ともとれる経営論理をひけらかすのは恥だという雰囲気になっていると.

なにせ、アメリカの真似をしてグローバリズムに乗れば好景気になるはずだと主張して20年間やってきた経団連ですから、いまさら修正しますとは言えないっていう自縄自縛にハマってるんじゃないかね? だとしたら、上に行くほど無謬性に足を取られてバカになっているのは官僚や御用学者だけではなく、今の経営者もバカになっているっていうことになります.

それで¥75の円高のせいでビジネスクラスにすら乗れなくなったりして?
そんでいいのかよ?

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2012年2月15日水曜日

会社を辞めてよかったこと

昨夜は22時ごろに寝ましたが、鼻閉症状で目が覚めて3時に起床してしまいました.最近はこんな高野山の修行僧みたいな生活になることが多いです.それでも、昼寝しようと思えばできるのであまり不都合はないんです.

そんな高野山の修行僧がなにをしているかというと、アニメかyoutubeか音泉を視聴しながら、2週間ぐらい前から始めた回路設計をやっています.回路設計は、寝る、食う、風呂、トイレ、外出、を除く全ての時間をPCの前でsimulationしたりするのに費やしていますが、そんだけやってるわりにあまり進まないのはなにがイケナイかというと、FPGA環境でsimulationするやりかたを全然知らない、DDR3のメモリコントローラの仕様がかったるい、FIRフィルタの仕様がかったるい、いやそもそも要求仕様がかったるい、そんなことが重なって2週間もかかってようやくsystemのclock treeを決めることが出来たとゆうところです.

アニオタ回路オタ、人づきあいがめんどくさくて、スポーツが嫌いなわたしにとって、この高野山の修行僧状態は理想的な境遇といえます.これで金が儲かったら最高なんですが.

会社員だった頃のわたしは設計だけしかやらんという意志を保持していたほうでしたけど、全在社時間のうち設計をやれてた時間は50%ぐらいだったように思います.とくに最期の5年間の設計比率はほぼゼロだったからなぁ.会社員から逸脱して、アニメと回路が意識の全てを占有する時を取り戻せたのはとてもGOODです.

あと、束縛の無さを謳歌して実存がグワワっと来るのは、平日のAM11:00ごろに秋葉原のK-BOOKSでエロマンガを物色している時です.一応は、平日に秋葉通いっていうライフスタイルに対する背徳感みたいなのは神経の一部にまだ残っているんだよな.だからなおさら喜びに感ずるという.
K-BOOKSにはスーツ着たリーマン風の男が平日でも結構うろうろしてるんで、あいつらも仕事サボって道草してるんだろうな.

追加>   3.11の後、電力不足で通勤電車のダイヤが乱れたため混雑でひどいことになっていたようですが、わたしは、就職活動も全部キャンセルして家に閉じこもって原発のニュースを固唾を飲んでみていました.失業者でよかったと思いました.

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2012年2月1日水曜日

在宅勤務開始

失業してから1年とちょっと経ちました.食い扶持稼ぎになるかどうか不明ですが、とりあえず回路設計のアルバイトのような事を始めました.ほぼ在宅勤務になります.子供の介助との両立を考えると、フルタイムの勤務はあまりうれしくないので、まずはこういう形で社会復帰してみました.

とある巨大な計測システムの一部で、1MHz→1kHzのサンプルレート変換、DDR3メモリ、PCI-Express などのハードウエアをFPGAに実装するっていうのが目先の課題.

というわけで、ブログタイトルも、失業中→在宅勤務中 に変更しました.

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2011年12月12日月曜日

材料メーカー VS ドリルメーカー 番組に見る生産財産業---日はまた昇る

こないだ、TVのバラエティー番組で、絶対に穴が空かない強靱な材料を開発した会社と、何にでも穴を開けられるドリルを開発した会社とが、対決するというコーナーをやっていました.結果は、穴は空きませんでしたが、ドリルもボロボロになってしまっていたので両方とも負けっていうかんじでした.

その番組を観ていて、日本の真の産業競争力である生産財産業だなあと思っていたわたしです.そのことを書きます.

この記事は、過去のこれらの記事にも関連しますので、そちらも併せて読んでいただけるとありがたいです.
---輸出製造業は自由貿易の夢を見るか?
---TTPだとぉ? 国なんか開かんで良いわ.円高・デフレをなんとかしろ
---円高・デフレから脱却できるってホント?

----
ヨーロッパではギリシャの国家破産が引き金になってユーロ崩壊か!?みたいな話題が喧しいこのごろです.ギリシャが破産しそうな理由は、外貨を稼ぐ産業が国内にないにもかかわらず、ユーロに加盟したので高いユーロをあぶく銭のように使える立場を得たので、おいしいおいしいと輸入しまくったから経常赤字になって、外国人に買ってもらっていた国債の償還ができそうにないからなわけです.

団塊の世代にありがちな、外貨を稼がなくちゃ日本はおしまいだなんていう短絡的な思考にはわたしは賛同しませんけど、まぁそれでも経常黒字がチビチビあるぐらいには潤ってないといろいろと困るのは事実だろうとは思います.

外貨を稼ぐ産業ってなにかというと、農業、鉱工業、工業、ドル あたりでしょう.ドルって何かというと、ドルという基軸通貨を刷るのは外貨を稼ぐのと同じってことです.USAはおいしいですね.北朝鮮製のニセ100ドル札はまさに外貨獲得産業ってわけですw.

日本における外貨を稼ぐ産業は工業なわけですが、ここでは工業を加工貿易と生産財産業にわけて考えることにします.加工貿易というのは、素材や部品を輸入して製品に加工して輸出する産業形態です.生産財産業というのは、工作機械や半導体製造装置をつくる産業です.

1980年までの日本は、加工貿易をしていたのはいうまでもありませんが、生産財も国内調達できたので、輸出産業の売り上げが全部日本国内に落ちていましたから、最強でした.

現在の日本は、円高のため空洞化したので、加工貿易部分は消滅したものの、生産財工業はまだまだ国際競争力を維持しつつ生きています.冒頭の番組の企業なんかがまさにそれです.

では、外国の事情はというと、いま中国は工業で儲けていますけど、それは加工貿易であって、中国に生産財産業はないです.韓国も同様です.韓国の大統領はしばしば「自国の生産財産業をてこ入れしたく」みたいな発言をするそうです.ゆえに、中国も韓国も、生産高を上げるために投資すると、生産財は日本から調達するしかないので、どうしても日本を潤してしまうという産業構造になっています.
(余談ですが、数年前の出来事.TVのバックライトを白色LEDにするために白色LEDを大量に調達したいが生産高が少ない.生産高を上げるためには東急目黒線不動前駅にある大陽日酸という会社が製造販売しているMOCVD装置が必要だ.ところが大陽日酸製のMOCVD装置がすでにSAMSUNGに売約済みになっていて、日本のTVメーカーが困ってしまったというエピソードがありました)

つまり、生産財産業を持たない国は自国完結的な輸出産業を構築できないので、外貨獲得力が最強にはなれないのです.

いま、生産財産業を持っている国はどこかというと、日本とドイツだけです.昔のUSAは生産財産業も強かったですけど、今はUSA製のNCマシンなんか聞いたことないのでずいぶん弱まっているのでしょう.

ドイツがユーロ圏で発言力を強めることは第三帝国の再来とかいわれて牽制されているようですけど、ギリシャのような浪費体質の国家がすねかじりのようにぶら下がったユーロ圏において、最強の外貨獲得力の国は生産財産業を持ったドイツなので、発言力が強まるのを止めることはできないだろうなぁ.

ところで、日本ドイツUSAというと、第2次世界大戦で暴れた張本人3人衆ですね.昔は何年間も戦争していたので、生産財産業を持った国しか戦争の張本人になれなかったってことだったと思います.生産財産業を持つドイツと日本が暴れて、生産財産業を持ったUSAにしかそれを止められなかったという図式.70年前の生産財産業トップ3の国のうちの2つが今でも生産財産業トップ2であるということは、経済的な発展段階のせいじゃなくて、文化的にそうなる理由があるんじゃないかと思うんです.

中国、韓国、インドでも生産財産業が発展するでしょうか?
わたしはこの3国では中国にしか行ったことがないのですけど、中国に行くとわかるんですけど、中国人って「オレが儲ける商人主義」です.商人にとっては、工作機械なんか自社開発しちゃいけないわけで、購入して償却するのが正常な行動様式です.
それに比べると日本人は「自分で作る職人主義」のような気がします.職人にとっては、工作機械を自社開発して生産するのが正常な行動様式です.
商人行動様式であるかぎり、中国では生産財産業は発展せず、いつまでも加工貿易のポジションから脱することはできないんじゃないかと思います.韓国の大統領さんもジレンマを感じているんでしょう.

だから、過去100年間、生産財産業を持つに至れなかった国家は、今後も生産財産業を持てはしない.わたしはそう思っているんです.だから、円安にさえなれば、日はまた昇ると思っているんです.

冒頭の番組の、絶対に穴が空かない強靱な材料の会社と、何でも穴を開けることが出来るドリルの会社には、円高にめげずに自信を持って永続してくださいと、エールをお送りいたします.きっと日はまた昇ります.

商人へと舵を切ったソニーには、それで永続できるんですか?と問いたいです.

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2011年11月28日月曜日

失業した理由シリーズ番外編 円高・デフレから脱却できるってホント?

失業した理由シリーズは一旦終了しましたが、今回は私が失業した理由である、円高・デフレに関する話題なので、失業した理由シリーズ番外編でお送りします.

先日のブログで、衆議院議員会館というところに行ったと少し書きました.なんでそんなところに行ったかというと、インフレターゲット(インタゲ)政策でデフレを脱却でき、ゆえに増税は不要であるということを主張している政治団体のシンポジウムに参加したからです.そこで学者とか政治家がしゃべっていたことを書きます.

インフレターゲット政策は昔から提唱されてきましたが、ハイパーインフレを招くオカルト学説扱いされています.そのシンポジウムはインタゲ論推進派の集まりなので、オカルト説を主張する者の意見はなかったことを念頭に置いた上で、以下のQ&Aをお読みいただければと思います.

ひら的には、
これまで新自由主義でやってみたけれどダメで、今デフレ容認増税路線を採ろうとしているわけですが、その前にインタゲしてみたらいいんじゃないかと思っています.

Q: デフレ容認増税路線の果てはどうなるの?

A: デフレ容認とはGDPが漸減することと同義であり、GDPが減ると税収も減る.消費税1%あたりの税収も減る.法人税も減る.すると、財政難になって増税したくなるというネガティブスパイラルに陥る.1997年の橋本政権増税によって、景気が冷え込んで税収が減ったのがその実例である.

Q: インタゲ政策の目標は何なの?

A: デフレを打ち切って、3%ぐらいの管理されたインフレに誘導すること.
仮に、1990年以降の失われた20年を、インタゲ政策によって、インフレ率3%かつ実質経済成長率1%で回したと仮定すると、今日の日本のGDPは1000兆円になる計算.これは今のGDPの2倍で、わたしが失業することもなかったと思われます.また、日米の長期金利差も縮小するので円高も是正されると試算されるそうです.インタゲ論がオカルトじゃなかったとしたら、すげえおいしい話ですね.

Q: インタゲ政策は具体的にどうするの? どうなるの?

A: 金融技術的にやることは、日銀がマネーサプライを40~60兆円ぐらい増やすこと.
と言われてもなんのことかさっぱりわからんのですが、こんな金の流れになるそうです.
1)政府が、国債を40~60兆円発行し、景気浮揚のための公共投資をする
2)金融機関が、40~60兆円の国債を全部買う
3)日銀が、金融機関保有の国債を買い取り、替わりに現金を金融機関に渡す(国債買オペ)
4)市中の現金が増える(マネタリーベース増加)と円の通貨価値が下がり、インフレになる
5)インフレになると、日米長期金利差が縮小し、円高が是正される

インフレ率を3%に誘導するために必要なマネタリーベースの必要額は60兆円であり、そのインパクトで円ドル相場は、1$=¥110 に修正されると試算される.←おいしいじゃん

Q: 国債を60兆円も発行すると財政赤字が増えるんじゃないの?

A: 政府機関である日銀が国債を買って、日銀に利払いするだけなので、差し引きチャラで問題ないそうです.

Q: 景気刺激策で、税収はどれだけ増えるの?

A: 景気刺激策だけではダメで、日銀のエンタゲ策だけでもダメです.両方同時にやらなくちゃいけないそうです.名目経済成長4%に誘導できて3年目の税収増は20兆円増と試算されていたと記憶しています.なので60兆円の国債発行が3年で元を取れる計算.

Q: 長期金利が上がると、国債の利払い費用が財政を圧迫するんじゃないの?

A: ここは、わたしもインタゲがオカルトなんじゃないかと疑うところです.よくわかりません.

Q: インタゲしたら円安になるの?

A: 上で述べたように、60兆円のマネタリーベース増で$1=¥110になると試算されています.

Q: インタゲすると財政赤字が縮小するの?

A: シンポジウムではそう主張されてました.デフレ容認増税路線には資本主義の未来が無いことはわかりますが、インタゲによる長期金利上昇による国債利払い費増による財政圧迫の影響があるのも事実だと思われ、国債利払い費増を超える税収増がもたらされるかどうかにかかっているのではないでしょうか? だから、インタゲ+景気浮揚策の両輪が必要なんでしょう、きっと.

Q: 日銀はどうしてインタゲしないの?

A: 戦後のハイパーインフレのトラウマから、日銀はインフレ抑止が中央銀行の存在理由であるという考えで固まっているそうです.そんな日銀ですから、ここでインタゲに切り替えるのは過去の先輩方の伝統を否定することになるので、プロパーの日銀マンにはそんなことはできないと考えているそうです.こういうところは、上層に行くほど無謬性に足を取られてバカになってゆくという日本文化の特徴だと思います.
ちなみに、第一次大戦後のハイパーインフレを味わったドイツの中央銀行も、国債の買いオペは絶対にダメと言っているそうです.ユーロがヤバイのにそんなこと言ってられるんでしょうか?

Q: インタゲするとハイパーインフレになるの?

A: 今の日本はデフレなので、ちょっとぐらいマネタリーベースを増やしてもハイパーインフレにはならないそうです.ただし、上で60兆円で3%というのは、ホントに当たるかどうかはよくわからないらしいです.なので、インフレが3%になるまでマネタリーベースを増やして、3%になりそうなところでパシッと打ち切ることが必要だそうです.インフレ指標のタイムラグにどう対処するのかはわたしは知りません.

Q: 戦前戦後はハイパーインフレになったではないか?

A: 高橋是清がインタゲ政策をとってうまくいったんですが、頃合いを見てインタゲをおしまいにして軍事費を減らそうとしたら2.26事件で暗殺されたので、歯止めがかからなくなったのがハイパーインフレになった真相なので、そこんところを正しく理解しましょうとのことです.

Q: 外国はインタゲしてるの?

A: アメリカのQE1,QE2はインタゲ政策だと思います.EUはインタゲしてるとは言えないんだろう.

Q: 大蔵省はどうかんがえているの?

A: 日銀と似て、先輩方の伝統を否定することはできないとの考えから、長年のインフレ時代の政策の柱である、政府支出抑制+増税路線から離れられない.

Q: 政治家はどうかんがえているの?

A: 3種類いるようです.少数派から順に、
まず、与謝野薫のような、インフレにさえならなきゃいいんだョっていう人.こういう人は、デフレ容認増税路線なわけです.与謝野薫が菅政権の中にいたことからわかるように、民主党の上層部はこのグループです.自民党の上層部もこのグループです.
つぎに、デフレ脱却議連メンバーのような、デフレ脱却のためにはインタゲでも国債でもなんでもやれっていう人.人数で150人ぐらいいるそうです.
最後に、最大多数は興味が無い人.どっちでもいいやと考えているので、それぞれの政党の上層部の考えになびきます.

Q: 日本でインタゲするには?

A: これがそのシンポジウムのテーマでもあったんですが、いまのままでは無理です.まず、日銀はやる気がない.白川日銀総裁をクビにする法律もない.民主党と自民党の上層部もやる気がない.デフレ脱却議連は過半数には達していない.なので、デフレ脱却議連メンバーが過半数を占めるようになり、日銀法を改正して、白川総裁をクビにして、政府は景気刺激をするようにして、というなが~い段取りを経なければならない.

というわけで、先の見えない円高とデフレで、皆さん苦しみましょう.
来年は1ドル¥65だっ!


2011年11月4日金曜日

TTPだとぉ? 国なんか開かんで良いわ.円高・デフレをなんとかしろ

今朝のYahooニュースで、スマホエンジニアの争奪戦という記事がありました.久しぶりにエンジニアの売り手市場だっていう話で、1980年代の昔を懐かしんだ方はわたしだけではないと思われます.

ところで以前のブログで、自由貿易を不可侵の通念として扱うのはまぁ誤りではないにせよ、貿易の両輪である通貨が依然として極めて不公平な扱いのままだという矛盾にも気付けと書きました.

TPPの論議が喧しいこのごろですが、ドル・ユーロ・円の3極体制のもとで政略的に円高を演出されてる通貨環境下でTPPなんか推進するなと改めて主張させていてだきましょう.

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TPPに参加したら日本の農業が滅ぶ説の是非については、専門家でも諸説あるし、わたしにはよくわからないですが、少なくとも次のアラームは正しいと思います.

「USAもEUも、農産品への関税を撤廃する替わりに、何兆円もの農業補助金を出しているのです.つまり、農業保護策を推進するが、関税という形だと自由貿易の建前に反するので補助金という隠れ蓑を活用しているのがUSAやEU

これ、日本ではどうかというと、「農業補助金はナシで、関税かけます、USAやEUと競争しなくていいです」というのが現状.それがTPP参加後はどうなるかというと、「農業補助金はナシで、関税もなくします、それでUSAやEUと競争してください」と言ってます.こんなのありですか? わたしは滅ぶリスクを感じます.

ただでさえ、農産出荷の多い東北地方が震災で困っているときに、そりゃないでしょうというのは感情論なのでさておくとして、民主党が取り下げたかに見える「農家への戸別補償」という政策はなにも社会主義的政策ではなくて、あのUSAですら堂々とやっている政策なんです.来るべき農業開国に備えて整備しておくべきだった政策だったとはいえまいか?

日本の農業生産高なんかごく一部なんだからそんなの潰してすこしでも自動車とか電気業界に尽くせといわんばかりのTPP推進派政治家もいるようですが、そういう議論のすり替えは困りますね.経営者が困っている原因である円高はTPPでは改善されません.TPPを推進して得られる少しのメリットと、農村が荒廃する大きなデメリットを天秤にかける冷静さぐらい持って欲しいもんです.

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日銀をやる気にさせれば、日銀は通貨を大量に発行し国債を日銀が買い取って、一定のインフレ率に調整する政策を採ることが可能と思われます.傾向としては円安にもなります.しかし、日銀はそれをやらない.政府もそうさせない.経団連も火をつけない.

政府・日銀・経団連の円高・デフレへの対処の不熱心さは、アンチインフレ信者が多いからではなく、別の思惑があるのではないでしょうか?

円高・デフレへの熱意が低いのは、円高不況を悪化させることで国民に危機感を醸成し、増税、年金減額、TPP参加、ひいては移民受け入れ、などの経団連が好む政策成立の助けにしようとしているのではないでしょうか?

まぁ、日本人のことですから、誰もどこにも方針を決定している者はいないってのが真相かもしれませんが....  もしかしてホントにそんなにバカなのか? はははっ、、

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それにしても、民主党も見損なったもんです.
かつて、
 自民党は、経団連の味方、農家の味方、都市生活者の敵、   官公労の敵、   官僚の味方
でした.
 民主党は、経団連の敵、   農家の敵、   都市生活者の味方、官公労の味方、官僚の敵
でした.

これがさ、鳩山→菅→どじょうと推移するにつれて、
 民主党は、経団連の味方、農家の敵、   都市生活者の敵、   官公労の味方、官僚の味方
になってしまいました.公務員制度改革なんか吹き飛んじゃったもんね.マジョリティをここまで敵に回した与党ってそんなにないよね? どうしちゃったんでしょ? おい気を確かに持て、死んでるぞ.

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2011年10月30日日曜日

失業した理由シリーズ021 完結、これからどうしようか?

本シリーズはこれにて完結.

今自分が20歳ぐらいで、どんな仕事をしようかと考えたら、電機メーカーには就職しないと思う.国際的な格差で金を稼ぐ仕事、具体的には貿易なんかおもしろい気がする.転勤も海外も嫌いなわたしだが、そうも言ってられないだろう.--------そもそも仕事による自己実現という考え方は高度成長時代の古びた思想なんで、それに縛られていること自体が問題だとはわかっているのだが、私も古い人間だよねー.

その古びた思想の典型を感ずるのがTOYOTA マークXのこのCM、いまどきこれはないだろと思うんだ.24時間闘う上司のことを慕う美人社員の視線で描かれたCMだ.これを日本人が共通して信じた時代は終わっただろ.あぁ恥ずかしい.

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さて、今46歳の自分はこれからどうしようか?

住宅リフォーム職業訓練に4月~9月まで通ったのは、転勤リスクのある大企業とは打って変わって建設業は地域限定的職業だから転勤リスクがなくていいかなぁと思ったからだ.でも夏の暑さには耐えられないので建設業への就職はやめた.長袖の作業着で気温37度で作業ってのはわたしには絶対に無理.周囲の人よりも季節が2ヶ月ぐらいずれてるくらいの暑がりなので.

諸事情としては、
奥さんがフリーの司会業をやっているので仕事を増やせば収入は増える.
住宅ローンは完済した.
家を一軒貸しているので賃貸収入がすこしある.
子供の介助のため、昔のような多忙を極める働き方はできない.
必ずしも収入が多い必要はない.

なので、近隣の電気設計屋に雇ってもらおうか.特定派遣業もいいかな.いやアルバイトでもいいかなどと考えたりする.電気工事士試験は受験するつもりだ.

こういうとき、家業がある人はいいよね.うちの親父は公務員だったので家業はないんだ.知人の親戚が地方で3~4件のコンビニを親族で経営しているそうだ.親戚一同働ける者は全員でコンビニのレジに立っているので、拡大家族だけども昼間の家はもぬけの殻.おじいちゃんも店の掃除で働いている.4人で働いて世帯収入1000万円というと一人当たり収入は250万円と低収入の部類に入るけど、親族経営なのでリストラや転勤リスクなしってわけで、これでいいんじゃね?と思うね.

奥さんが不安心理の強い人だと、ソニーを辞めるといった時点で拒絶されるところだったろうし、仮に辞められたとしても早く働いてよぅとか怒られそうだけど、うちの奥さんはそういうところがちゃらんぽらんなので、こうして失業していられる.このファクターは大きい.おかげで考えたり、このブログで熱かった頃の自分を思い出したりできている.

こんなところで、この失業した理由シリーズは、何のオチもなく、失業状態のままおしまい.

読んでいただいてありがとうございました.

--おしまい--      でもつぎへ          前へ

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2011年10月29日土曜日

失業した理由シリーズ020 辞める潮時と思った理由

ヘリカルスキャンに殉教する必要もないのではないか? ヘリカルスキャンの開発がなくなったとしても、商品は他にもいろいろあるからだ.

ヘリカルスキャンが終わってしまったのは退職した理由の一つではあるが、”潮時”と思う他の理由がいくつもあったのである.

●コア技術がメカトロからプロセスやソフトウエアへ移ってしまった現在、メカトロに匹敵する興奮をIT技術で得られる気はしないし、ソフト技術者としての自分は無能だ.私はウィンウィン動いたり絵が出たりするものに興奮するのだ.

●かつて、植木等が「サリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」と歌っていたように、サラリーマンはおいしい稼業だったと思う.1980年代に10歳台を過ごした自分が進路を決めるにあたり、サラリーマンというロールプレイに将来像を設定して、人生に投資するのはあきらかにおいしく思われた.とりわけエンジニアは自分の得意分野だし、転勤したくないので製造業の設計者は比較的有利なポジションといえた.

だが、1990年代2000年代を通して、サラリーマンはハイリスクなくせに旨味のない商売に劣化してしまったように思われる.会社はいつつぶれるか判らない.退職金がもらえるかわからない.社内はどんどん世知辛くなってわがままが通らなくなる.海外勤務がなくなる.留学制度がなくなる.住宅補助がなくなる.転勤が多くなる.転勤した先の仕事はつまらない.世界一の成果を出せる仕事でなくなる.

天国の植木等は「サラリーマンは人生投資価値のない稼業ときたもんだ」と歌っているにちがいない.

わたしのわがまま勤労ポリシーが通用するのは業界全体が好景気で求人インフレしている時にしか通用しないわがままである.

経済崩壊でも起きない限り円安には戻らず、したがって輸出製造業の業績回復が望めないことがわかっている.

子供が障害者なので、転勤のリスクを完全に排除する必要に迫られている.

●ソニーに所属して、「設計だ設計だ」とわがままを言いつつ定年まで東京圏に勤務できる可能性は小さくなった.本シリーズ014で「青天井」「ヘリカルスキャン」「高い給料」「勤務地」を併せ持つソニーに漂着できてよかったと書いたが、これらのうち「青天井」以外が剥落すると予想された.

●私は2度転職しているので退職金をちびっとしかもらえないが、早期退職制度があっていまなら退職金が少々割り増しされる.

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わがまま勤労ポリシーが外部要因のせいで消滅するのだから、転勤リスクのある大企業には見切りをつけて、転勤リスクのない企業か業種に転進することに、もはやためらいはない.

高度成長的サラリーマンの性根に染みこんでいる「上を狙い、上に居続けよう」とする行動様式もやめちゃおう.(投資効率が悪いからだ)

そう考え、そうした.

--続く--       つぎへ         前へ

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