毎回が神回なアニメ「謎の彼女X」ですが、第8話はその中でもとりわけネ申指数が高いと、うならされました.
いままで観てきたアニメの中で、好きだなぁ、楽しいなぁと思ってくりかえし何回も観た作品はたくさんあります.「ルパン」「ヤマト」「コナン」「ガンダム」「発動編」「カリ城」「ビュードリ」「マクロス」「エヴァ」「攻殻」「イノセンス」「ハルヒ」「パトレイバー劇場2」などなど.
これらは皆、ただ単におもしろかっただけでなく、制作者が様々な制約を打ち破って達成した、日本のアニメの地平を拓いてアニメ業界に貢献した作品だったと思うんです.「アニメでこうゆうことができるのかー」と認識を新たにさせてくれた作品でした.これらの作品の影響を受けた後の作品は自ずと一定の進歩を遂げたと感じられました.
アニメ業界への貢献という点で今一歩弱い存在だったのは「まどか★マギカ」でした.もちろんとてもすばらしかったし大好きですが、地平を拓くところまでは行けなかった.90~00年代のオタク要素を大棚ざらえ的に収集して作られた良作の域に留まった、と思われます.
先日マンガ原画展を見学した大友克洋のアニメは海外では評価が高いですけど、それはオタク文化を理解できない外人でも理解しやすい程度のオタク度だから海外でウケただけであって、オタク文化の系譜中にあっては大友アニメの価値なんか箸にも棒にもかからない程度でしかありません.マンガ家としての高い知名度を活用して、現存するアニメ業界の最高のリソースを結集し、ひとまず売れるアニメ映画を作ったというプロデュース成功譚を越える何物も大友アニメからは伝わって来ません.
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さて、「謎の彼女X」 第8話です.これはアニメの地平を拡げたと言えるのではないでしょうか? なまじの官能小説よりもエロかったと思われます.アニメ漬けの日々を送るわたしですが、90年代に発祥したいわゆる萌えにはほとんど何も反応しないわたしです------強いていえばメガネ属性ぐらいか-------. ラナちゃんよりもモンスリーが、綾波よりもミサトさんが好きなわたしですから、反応傾向はリアル素人女子萌えでありますが、しかし
リアル素人女子萌えを真っ直ぐに狙った作品は「謎の彼女X」の他に記憶がありません※.しかもそれを80年代テイストで2012年にやれるとは思わなかったなぁ.演出の渡辺歩はシンエイ動画で「ドラえもん」を作ってきた人だそうで、この80年代テイストはそれゆえかと合点がいきました.
※訂正 : ひとつだけあったのを思い出しました.「海が聞こえる」 です.なんとジブリです.
ちなみに、「エヴァ」においてリアル素人女子萌え方面で好きなシーンは、加持さんが死んでミサトが泣き崩れるこちらのシーンです.再生ボタンを押そうと震える指、ダイニングテーブルに体が当たった衝撃でズレる食器とSEによって、心を動かされます.
「謎の彼女X」第8話のこちらのシーンは、ほとんど
官能小説ばりに女王様にいたぶられるM男クンな様相となっています.エロくて直視できん..... というのはウソです、直視できますw.
①雷鳴に驚いてコケた卜部さんの胸に掌を伸ばそうとした椿クン
②女王様のパンツはさみ発動! 光り輝く女王様のパンツ
③椿クン、ドサクサに紛れてなにをするつもり? と冷たく言い放つ女王様
④昨夜の夢で女王様の胸を触ってから悶々としていると白状させられるM男クン
⑤夢で触った胸の感触を女王様に問われ、それも白状させられるM男クン
⑥自分の胸の感触を確かめてからよだれをM男クンに与える女王様
⑦夢よりもいい感触を精神感応して泣いてしまうM男クン
⑧なにも泣くことはないのよ、と女王様
この作品の卜部家の画面のトーンは暗すぎだと思うんですが、いかがなものか? もっと明るいトーンにしてもバチは当たらないと思いますよ? > 制作者殿 (ここのキャプチャは明度補正してあります)
それはさておき、官能シーンはまだつづきます.
⑨どうしてもというならあたしの胸に直接触ってもいいのよ.ただし、3秒以内よ
⑩ゴメンと叫んで卜部の胸に触る椿クン
⑪なんでこんなことにつきあってるんだかという表情の卜部さん
⑫そのまま卜部さんを押し倒す椿クン.よしっそれでいいぞ!
⑬ちょっと椿クンやめて
⑭なんと、耳を攻める椿クン.よしっそれでいいぞ!
⑮自我崩壊してしまい、もはやパンツはさみを発動できない卜部さん
⑯やがて涙を流してしまいます
⑰もぞもぞする卜部さんの生足のカット (たははっ)
⑱つぎは唇を奪おうとする椿クン.よしっそれでいいぞ!
⑲がっ、はっと我に返ると、
⑳卜部さんは泣いていました
(21) なんと椿くんは自己嫌悪のあまり帰ってしまいます. オイッそりゃないよ!
(22) 椿クンを無表情に見やる卜部さん
(23) 卜部さんは、耳を触ると涙が出てしまう体質になってしまったのです. おおっ!
すごくドキドキします.このシーンはアニメ史に残る金字塔になったと思います.「くりぃむれもん媚妹ベイビー」を観たときの驚きを超えました.
このシーンを動画で追確認していただきたいと思ったので、編集してyoutubeにupしようとしましたが、titleに謎の彼女Xという文字があると全面的に非公開になる仕組みがyoutubeとking recordの間で作られているようで、upするのは断念しました.OPEDがupされていない理由もそれだったのです.この対処のためにking recordが費用負担していたとしたらこれぞまさしくマッチポンプ.
ところでいま、
アニメの企画マンたちは「謎の彼女X」の出現で騒然となっていると思います.アニメ企画マンは90年代からず~っと、こぞって萌えアニメを作り続けてきました.その行き着いた果てには、地上波では放映できないとされた「キスxキス」や「かのこん」を生み出しました.けどそれは、次こそはとことんまで萌え萌えにするぞ~っという企画で繰り広げられたチキンレースの連続に過ぎなかったように思います.すなわち、
女子キャラをヘルスのお姉さん的商品と位置づけたサービス競争か、あるいは女子キャラをロリ系少女と位置づけておじさんの好みの女性に染め上げる願望を充足させようとするか? -------男言葉を喋る燐家の幼なじみに毎朝たたき起こされる設定は前者の派生です--------
そのチキンレースの行き詰まりさを、リアル素人女子萌えにフォーカスした「謎の彼女X」はついに露呈させてしまったのではないでしょうか? もちろん、女性を商品として扱うのも、ロリ願望を持つのも好き勝手にすリャいいんですが、そればっかしだったという企画の貧困さをアニメ企画マンたちはいま鋭敏に感じ取っているに違いないと思います.
マンガ原作者の植芝理一は自分の高校生時代の1980年代を当作品の舞台設定にしているそうです.わたしも同年代ですので、女の子にキスするのも一苦労っていう「なかなかHさせてくれないお堅い世代」です.5月19日のイベントに参加した方のレポートによると集まったファンの年齢層は30歳台だったそうで、すぐにやらしてくれる現代の20歳台にはリアルさを感じられない男の子と女の子の追いかけっこなのかもしれません.そこんところはわたしは20歳台じゃないのでわかんないところです.
そろそろ本日のブログはおしまいです.最後に、岡さんの餌付けシーンを.宮崎地鶏焼鳥のベーコン巻きを卜部さんに与えると、卜部さんは珍しくよだれをデザートとして岡さんに与えます.そのよだれで精神感応した岡さんは、胸がドキドキして体が熱くなって、自分の湯気でメガネが曇ってしまいました.このシーンはゲラゲラ笑ってしまいます.
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