地元の町内会に出入りし始めてまもなくの頃、町内会関係者が「社共のXXさんが、、、」というのを聞いて、「何が社共だこいつら気味悪い」とドン引きした事が何度かありました.
しばらくして、シャキョウは社会党共産党の省略形ではなく、どこの自治体にもある社会福祉協議会の省略形だと知りました.なので社協が正しい漢字ですね.どこの自治体でも役人の天下りポジションになっていると思います.仕事は何をやってるのかなぁ? 福祉だの補助金だのに関連してよく社協を耳にしますが.
同音異義語についてもう一つ、、、、
インターナショナルを歌った経験はありますかぁ? わたしはありますよォ!
さすがに歌詞やメロディを暗記はしてないので歌えといわれても無理なんですが、学生時代のマンガ研究会に民青に属する先輩が居て、その人が作った歌集に「インターナショナル」が入っていて、飲み会で歌いました.革命なんかにあこがれてんじゃねぇよバカメとしか言えんがなw
その「みんせい」ですが、どこの自治体にも組織されて存在します.ただし共産党の青年組織を指す民主青年同盟(民青)ではなく、民生委員のことです.(かつては何が民青だとドン引きしてました)
民生委員とは、木っ端役人の手先になって、老人の困り事相談をしてあげる尊いお役目でございます.我ながらカルチャーショックなのですが、理系の冷徹な実利主義者であるこのわたくしがですよ、この度、民青じゃなかった民生委員になってしまったのです.町内会で他に成り手が居なくてね、仕方なく引き受けたんです.
やる気はないですよ.だって老人福祉なんかわたしの好きなセカイじゃないもん.わたしの性格を知っている人にこう云われました.「しがらみで嫌々参加する人の方が長続きするんだよ、むしろ辞めちゃうのは希望に溢れて手を挙げた人なんだ」.わたしの場合は拒絶型のATフィールド全開かもしれないのでしがらみの域を超えてると思うのですがねー.
今日は民生委員の任命式で、都立大跡地のパーシモンホールに出頭しました.
民生委員長の祝辞+事務連絡ぐらいだろと思っていたので、Tシャツ+ジャンパー+安全靴な姿で行くつもりだったのですが、ネクタイ着用と言われたのでそうしました.目黒区長以下の役人と、目黒区議員が壇上から「民生委員にご協力いただきありがとうございます、皆さんは素晴らしい方々だ」と繰り返し祝辞を述べます.厚生労働大臣からの委嘱状を受け取ります.記念写真を撮ります.
あ~そういう場なのね、とシラ~っと見てました.どういう場なのかというと、お上にお褒め頂く場なんです.お上とは区長や役人や区議のことです.民生委員というボランティア労働を提供した見返りに、お上から褒められればもうお釣りが出るくらい嬉しいのですな、ド庶民は.そういう晴れがましい場なので、Tシャツ+ジャンパー+安全靴で出席するわけにはいかないと.
もちろんわたしも庶民だけど、区長や役人や区議なんか別にただのそういう職業でしょとしか思わないもんね.いつもより着飾ってお上に褒められに行く民生委員の皆さん、、、それが嬉しい理由が1mmも理解できませんでした.
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民生委員の設立法があって、ボランティアであり給料は支払われないと位置づけられています.ボランティアなのに、町内会には民生委員を推薦する義務があるんです.ここ数年間は1名欠員状態だったので、ヒラサカに矢がグサッと刺さったのでした.
民生委員の成り手が居ないのは当然ですよ.常時暇で緊急対応可能で、人の話を聞く能力があり、行政との繋ぎ役ができ、身元がしっかりしている人というのが民生委員の人材要件です.今時そんな奴がプラプラしてるわけないだろ.民生委員の定年が73→75歳に延ばされる.ヒラサカみたいな反乱分子を推薦せなあかんほど成り手が居ない.民生委員制度を持続できると思ってる人が居たらどんだけお目出度いのかと小一時間問いつめたい.
民生委員を廃止して、代わりに派遣社員を雇って、年に2度戸別訪問させりゃいいじゃん.
目黒区の民生委員には毎月¥13000の交通費が支払われます.目黒区全体で220人の民生委員が居るので、年間予算は3432万円と計算されます.
一人の民生委員は30名ぐらいの老人を担当しているので、戸別訪問対象は6600人と計算されます.派遣社員に毎日10人を訪問させると、派遣社員の工数は660人日=33人月.派遣社員の単価が50万円/月と仮定すると、33人月=1650万円.年間2回個別訪問するならば、3300万円/年.民生委員でも派遣社員でも予算額は同じくらいと計算されます.
役人とか木っ端役人のやる事を見る機会が近年多いわたしとしては、無意味だから止めてしまえ!と思う行事がたくさんあります.区の末端組織が新年会をやると、どれだけ多くの役人を呼べるかに血道をあげてたりする.公立学校が10周年毎にやる記念行事は、木っ端役人による役人の接待にしか見えない.でも、前例踏襲主義な役人達には止める裁量権なんか無いんですな.まして民生委員においておや.
それでも民生委員なんか廃止しちゃえと主張すると、大規模災害時の備えという反論を頂戴することが予想されます.
へ~、東京大震災が起きたら、民生委員一名あたり30名の災害弱者を救済するの? どうやって救済するの? 民生委員の家に残っているお米を薪で焚いて、おにぎりを30名に3食配布しろっていうの? 民生委員のどこが非常時組織体制なの? 平常時組織体制じゃん.バカなの?
こんな風に議論をふっかけると、一瞬黙って話題を変える系の人達かなっていう匂いはすでにしてるんです.
民生委員候補者の面接があるんです.その面接でのやりとりです.
ひら 「独居老人家庭を訪問したら死んでいた.わたしは死亡事案の第一発見者になってしまうわけですよね? 警察からは容疑者扱いの取調べを受けますよ? そういう場面で、民生委員は組織としてわたしを守ってくれるんですか?」
面接官 「そういう場合は、警察に連絡してください.一人で行動しないでください」
↑この回答ですからね、がっくし、失格ですよ.
訪問先の庭で人が倒れていたら「おい!」と声をかけるでしょう.そうしないで110番するのが民生委員の身の処し方なんですか? へ~、そりゃ一般人未満の冷たい対応ですな.バカなの?
模範解答はこうです.
面接官 「全力で貴方を守ります.弁護士を行かせます.警察になんか好きにさせません」
だいたいねぇ、区長+副区長+議長+議員+他役人をパーシモンに呼んで「ありがとう、皆さんは素晴らしい人だ」って言わせときゃ満足するだろ程度にしか考えてないわけだから.観客はおだてられて喜んでいるド庶民なわけだから.どっちもどっちなレベルです.
ひら的には身の処し方をこう考えました.
行政と老人の橋渡しをするという民生委員の本分だけは果たしましょう.毎月の連絡会議にも出席しましょう.あのおだてイベントにはもう行かない.1月18日に老人会の新年会のお手伝いがあると今日聞いたけど、それは民生委員の業務ではないのでお断り.親睦旅行も行かない.
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民生委員の初仕事は、老人へのお金配りです.
この配布金の原資に、赤い羽根募金の5%が充てられているのだそうです.
なんで老人にばかりそんなに手厚いんだ? 納得いかんなぁ.
というか、銀行振り込みにしろっての.非効率で腰が抜けるー.
なんかムカつくー、、、そうか辞めればいいんだ!
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自己紹介:1964年生、O型、海老名市出身、目黒区在住、既婚、趣味 アニメ/回路設計/リフォーム、最終学歴 東京都立大学マンガ研究会、現職業 不動産賃貸/アルバイト、社歴 ソニーマグネスケール/日本HP/ソニー、2010年末失業、好きなアニメ 未来少年コナン/チェンソー/四月は君の嘘/WA2/冴えカノ、異常に器用、スポーツ/虫/キュウリが苦手、よろぴくね~ リンクはご自由にどうぞ.https://twitter.com/MuskeyNorm https://www.pixiv.net/users/83487768
2016年11月30日水曜日
2016年11月29日火曜日
【にわかAVマニアの歪率】 Ucd方式D級アンプを改善する
D級アンプを作ってみようと思います.ここ数日間は家に居る時間はこの回路のシミュレーションばかりやっています.
前回書いたUcd方式のD級アンプを調査しているのですが、どうにも歪率(THD)が良くありません.
Ucd方式のTHDを改善するにはどうしたら良いかについて、面白いコトがわかりました.結論から言うと、THD=0.00068%をSPICE simで得ました.
【小信号THDの問題】
↓前回の回路simにて、Ucd方式のアナログ→bitストリーム変換のコンパレータ入力波形がこんなになっているコトが判りました.詳細は前回をみてほしい.
この波形を見ると、正弦波とも三角波ともどちらともつかぬ微妙な波形です.コンパレータとて万能の神様ではありませんから、大振幅応答は良くても小振幅応答は劣化するんじゃないの?とこの波形を見て思ったわけです.
そこで、入力音声信号を2Vと20mVの2条件でTHDを計算しましたら、やはり小信号はボロボロ.
入力2V → 0.085% いまいち!
入力20mV → 1.27% だめだこりゃw
↓ちなみに、sim回路はこれです.
この回路の問題点として、コンパレータが差動出力でない、コンパレータの素性(ヒステリシスがあるとか)、FETドライバIRS20954が差動入力でないなどと、粗探しすればキリがありません.
【差動回路で改善】
↓そこで、なるべく差動信号処理できるようにこの回路をsimることにしました.IR2011のSPICE modelはここからDLしました.DLにはID登録が必要です.
http://www.diyaudio.com/forums/class-d/58476-my-non-discrete-sodfa-class-d-amp-12.html
回路の改善ポイントとしては、コンパレータが高速かつ差動出力である、FETドライバが一応は差動入力である.(内部は差動ではないみたいだけど)
この回路で、音声入力信号2Vと20mVのTHDを計算しましたら、不満足ですが大きな改善を得ました.
入力2V → 0.0085% 一桁改善に成功!
入力20mV → 0.458% 小信号応答はダメじゃ
まだ満足は出来ません.
【フィードバック波形を正弦波に】
Ucd方式の性能はフィードバック回路によって左右されると、ご本家Philipsの論文に書かれています.それは何を意味しているのか?
↓ひら直感ですが、どうしてもこのコンパレータ入力波形のゲスさが気になって仕方ありません.グリーンがフィードバック波形ですが、一体これは正弦波であるべきなのか、三角波であるべきなのか? そこに問題の核心があるのではないか?
↓そこでまず、この回路を試してみました.なんと、フィードバックループにBPFを挿入したんです.回路図の左上のLC共振回路がそれ.無謀ですが実験というコトで許してくれ.この回路で知りたいのは、フィードバック波形を強制的に正弦波にしてTHDを評価することです.
入力2V → 0.0168% 悪化しちゃった
入力20mV → 0.76% 悪化しちゃった
フィードバック波形正弦波攻撃はダメでした.
【フィードバック波形を三角波に】
だとすると、フィードバック波形は正弦波ではなくて三角波であるべきなのではないでしょうか? これならば三角波比較方式のD級アンプと方向性が一致します.
↓PWMに一致した三角波を取り出すには、出力フィルタのLの電流を増幅すればOKです.コイルに流れる断続電流は三角波になりますから.回路図右側のオペアンプU1U5U7が三角波を作るアンプです.U8の+入力に接続されているのはスピーカー電圧です.U8の出力がそのまま入力へフィードバックされ、コンパレータへ接続されます. (オペアンプ2ヶで足りるがsimでは4ヶの方がTHDがGOODだったのでそうした)
この回路にて、THDは一気に2桁改善しました.小信号入力ですと馬脚を顕し気味ですがなんとか0.03%台をキープしています.もう1桁改善したいですが.
入力2V → 0.00068% これなら文句云わない!
入力20mV → 0.034% もう1桁改善したいが、まぁ許す!
というわけで方向性としては当たりだったみたいです.
-----
フィードバック回路によりけりと御本家の論文に書かれていますが以上の結果からそれは、フィードバック回路の位相応答を調整した結果、フィードバック波形が三角波に似た波形に整形されたからではないかと、わたしは推測します.
「PWM電流フィードバック型Ucd方式D級アンプ」は特許になるかなーと思ってこの記事を公表するのを躊躇したのですが、ちょろっと特許検索したら既にヤマハが同じコンセプトの特許出願をしてました(特開2016-025475).残念でした~
今後は、小信号THDに着目して低歪率化を図りたくおもいます.小信号歪率の悪さはAB級アンプにおけるクロスオーバー歪の悪さに通じるものがあります.クロスオーバー歪の悪さはオープンループゲインが低いD級アンプにつきまとう性質の様な気がするので、治癒できるのかどうかは定かではないが...
前回へ 次回へ
かしこ
前回書いたUcd方式のD級アンプを調査しているのですが、どうにも歪率(THD)が良くありません.
Ucd方式のTHDを改善するにはどうしたら良いかについて、面白いコトがわかりました.結論から言うと、THD=0.00068%をSPICE simで得ました.
【小信号THDの問題】
↓前回の回路simにて、Ucd方式のアナログ→bitストリーム変換のコンパレータ入力波形がこんなになっているコトが判りました.詳細は前回をみてほしい.
この波形を見ると、正弦波とも三角波ともどちらともつかぬ微妙な波形です.コンパレータとて万能の神様ではありませんから、大振幅応答は良くても小振幅応答は劣化するんじゃないの?とこの波形を見て思ったわけです.
そこで、入力音声信号を2Vと20mVの2条件でTHDを計算しましたら、やはり小信号はボロボロ.
入力2V → 0.085% いまいち!
入力20mV → 1.27% だめだこりゃw
↓ちなみに、sim回路はこれです.
この回路の問題点として、コンパレータが差動出力でない、コンパレータの素性(ヒステリシスがあるとか)、FETドライバIRS20954が差動入力でないなどと、粗探しすればキリがありません.
【差動回路で改善】
↓そこで、なるべく差動信号処理できるようにこの回路をsimることにしました.IR2011のSPICE modelはここからDLしました.DLにはID登録が必要です.
http://www.diyaudio.com/forums/class-d/58476-my-non-discrete-sodfa-class-d-amp-12.html
回路の改善ポイントとしては、コンパレータが高速かつ差動出力である、FETドライバが一応は差動入力である.(内部は差動ではないみたいだけど)
この回路で、音声入力信号2Vと20mVのTHDを計算しましたら、不満足ですが大きな改善を得ました.
入力2V → 0.0085% 一桁改善に成功!
入力20mV → 0.458% 小信号応答はダメじゃ
まだ満足は出来ません.
【フィードバック波形を正弦波に】
Ucd方式の性能はフィードバック回路によって左右されると、ご本家Philipsの論文に書かれています.それは何を意味しているのか?
↓ひら直感ですが、どうしてもこのコンパレータ入力波形のゲスさが気になって仕方ありません.グリーンがフィードバック波形ですが、一体これは正弦波であるべきなのか、三角波であるべきなのか? そこに問題の核心があるのではないか?
↓そこでまず、この回路を試してみました.なんと、フィードバックループにBPFを挿入したんです.回路図の左上のLC共振回路がそれ.無謀ですが実験というコトで許してくれ.この回路で知りたいのは、フィードバック波形を強制的に正弦波にしてTHDを評価することです.
入力2V → 0.0168% 悪化しちゃった
入力20mV → 0.76% 悪化しちゃった
フィードバック波形正弦波攻撃はダメでした.
【フィードバック波形を三角波に】
だとすると、フィードバック波形は正弦波ではなくて三角波であるべきなのではないでしょうか? これならば三角波比較方式のD級アンプと方向性が一致します.
↓PWMに一致した三角波を取り出すには、出力フィルタのLの電流を増幅すればOKです.コイルに流れる断続電流は三角波になりますから.回路図右側のオペアンプU1U5U7が三角波を作るアンプです.U8の+入力に接続されているのはスピーカー電圧です.U8の出力がそのまま入力へフィードバックされ、コンパレータへ接続されます. (オペアンプ2ヶで足りるがsimでは4ヶの方がTHDがGOODだったのでそうした)
この回路にて、THDは一気に2桁改善しました.小信号入力ですと馬脚を顕し気味ですがなんとか0.03%台をキープしています.もう1桁改善したいですが.
入力2V → 0.00068% これなら文句云わない!
入力20mV → 0.034% もう1桁改善したいが、まぁ許す!
というわけで方向性としては当たりだったみたいです.
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フィードバック回路によりけりと御本家の論文に書かれていますが以上の結果からそれは、フィードバック回路の位相応答を調整した結果、フィードバック波形が三角波に似た波形に整形されたからではないかと、わたしは推測します.
「PWM電流フィードバック型Ucd方式D級アンプ」は特許になるかなーと思ってこの記事を公表するのを躊躇したのですが、ちょろっと特許検索したら既にヤマハが同じコンセプトの特許出願をしてました(特開2016-025475).残念でした~
今後は、小信号THDに着目して低歪率化を図りたくおもいます.小信号歪率の悪さはAB級アンプにおけるクロスオーバー歪の悪さに通じるものがあります.クロスオーバー歪の悪さはオープンループゲインが低いD級アンプにつきまとう性質の様な気がするので、治癒できるのかどうかは定かではないが...
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かしこ
都議の後援会にて、果たして陣営は引き締まったのか?
近所の家々に、目黒区の行事でよく見かける公明党都議のポスターが貼られているのを見て、ずいぶん早いなぁと思ったのは先月(10月)のことでした.都議の選挙は来年の7月ごろなんです.なのに前年の10月にはもう都議会選挙の助走が始まっているわけです.早いねぇ.
11月の某日、とある都議会議員の後援会から、XXさんを応援する会へのお誘いというDMが届きました.会えば目礼するぐらいには双方顔見知りではあるのですが、あれ~オレの住所知ってるんだと思いました.まぁどのルートからわたしの住所を知ったのかの見当はつくのですがねw
公明党だけでなくて自民党も選挙運動の季節なんだなと思われ、一口3万円とかいう高額パーティー券ではなかったので見学しました.近所の人も数名来てました.
その都議の選挙区情勢分析からすると、次の選挙は厳しいといってましたが、とりわけ小池新党が候補者を立ててきたら1議席は小池新党がもぎ取るだろうから厳しいとの予想でした.
いま、自民党都連は小池都知事と全面戦争はしていないどころか、大人しくしていますけど、後援会の壇上でしゃべる人々は異口同音に、小池都知事の批判をしていて、水面下では暗闘が繰り広げられているんだなぁと思わせました.
どうやら、都連が大人しくしている理由は、時間は都連に味方する方式であるようです.豊洲問題については、いずれはマスコミも飽きる、そして毎日4億円とも云われる水産業者への賠償金が蓄積する中、築地へ戻ることが出来ずどのみち豊洲へ回帰するはずなので、都連としては小池都知事を放置しておくに限る.他県の施設利用を調査中のオリンピック施設についても、どのみち従来計画に回帰するはずなので、都連としては小池都知事を放置しておくに限る.小池都知事がgive-upするまで待つ.そんな力加減のようです.
一方で小池陣営としては、予算決定権限を都知事が握ることによって、利益関係でこれまで都連を支援してきた後援会の切り崩しを図っているらしく、都庁の小池側近達は第一種戦闘配置状態みたいですw
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161128/plt1611281130002-n1.htm
追記: 都連も第一種戦闘配置状態になったらしい~ 2016.12.9
後援会の人々は、先の都知事選においても自民党公認だからという理由で増田を支援したという、良くも悪くも自民党の方針に従順な人々なわけです.小池に投票したわたしとは行動原理が異なる人々です.
ひら的にはそういう従順な支持者がとても気の毒に思えました.実績的には問題ない猪瀬を都連が使い捨て、舛添という正体第三国人を都連が担ぎ出して使い捨て、増田という正体アンチ東京を都連が担ぎ出して落選し、、、ミスチョイス三連発を繰り出したあげくに小池都知事を出現させてしまって困った困った言ってるのは他でもない自民党都連なわけでしょ.
それでも懲りずに支持を貫き通してくれる後援会の人々に「小池には困った」「勝たせて欲しい」と訴える前に、次回の選挙を厳しくしちゃった自滅都連への自己批判は無いのかよと思いました.わたしとしては「都連の自業自得だろ」と醒めた目で後援会の流れを見ていましたよ.
わたしはその都議に次回も当選してもらいたいとは思いますけど、ミスチョイス三連発でも反省の色の無さげな都連のことは嫌いとしか言いようが無いし、そんな都連でも懲りずに支援し続ける後援会の人々がお気の毒でなりません.
都連にとってのせめてもの救いは、「時間は都連に味方する方式」は恐らく正解だっていうことでしょう.小池新党に橋下が賛同するような場面にはならないと思うので、小池新党は限定的で、各選挙区に小池の刺客が立つという都連にとっての悪夢は来ない気がします.
つまるところ、公明党のおかげでどれだけ現有勢力をキープできるかっていういつもの淡々とした試合を我々は見るんでしょうな.
追記: 都議会で公明が自民との連立解消? あらまびっくり、、、w 2016.12.16
エイメン
11月の某日、とある都議会議員の後援会から、XXさんを応援する会へのお誘いというDMが届きました.会えば目礼するぐらいには双方顔見知りではあるのですが、あれ~オレの住所知ってるんだと思いました.まぁどのルートからわたしの住所を知ったのかの見当はつくのですがねw
公明党だけでなくて自民党も選挙運動の季節なんだなと思われ、一口3万円とかいう高額パーティー券ではなかったので見学しました.近所の人も数名来てました.
その都議の選挙区情勢分析からすると、次の選挙は厳しいといってましたが、とりわけ小池新党が候補者を立ててきたら1議席は小池新党がもぎ取るだろうから厳しいとの予想でした.
いま、自民党都連は小池都知事と全面戦争はしていないどころか、大人しくしていますけど、後援会の壇上でしゃべる人々は異口同音に、小池都知事の批判をしていて、水面下では暗闘が繰り広げられているんだなぁと思わせました.
どうやら、都連が大人しくしている理由は、時間は都連に味方する方式であるようです.豊洲問題については、いずれはマスコミも飽きる、そして毎日4億円とも云われる水産業者への賠償金が蓄積する中、築地へ戻ることが出来ずどのみち豊洲へ回帰するはずなので、都連としては小池都知事を放置しておくに限る.他県の施設利用を調査中のオリンピック施設についても、どのみち従来計画に回帰するはずなので、都連としては小池都知事を放置しておくに限る.小池都知事がgive-upするまで待つ.そんな力加減のようです.
一方で小池陣営としては、予算決定権限を都知事が握ることによって、利益関係でこれまで都連を支援してきた後援会の切り崩しを図っているらしく、都庁の小池側近達は第一種戦闘配置状態みたいですw
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161128/plt1611281130002-n1.htm
追記: 都連も第一種戦闘配置状態になったらしい~ 2016.12.9
後援会の人々は、先の都知事選においても自民党公認だからという理由で増田を支援したという、良くも悪くも自民党の方針に従順な人々なわけです.小池に投票したわたしとは行動原理が異なる人々です.
ひら的にはそういう従順な支持者がとても気の毒に思えました.実績的には問題ない猪瀬を都連が使い捨て、舛添という正体第三国人を都連が担ぎ出して使い捨て、増田という正体アンチ東京を都連が担ぎ出して落選し、、、ミスチョイス三連発を繰り出したあげくに小池都知事を出現させてしまって困った困った言ってるのは他でもない自民党都連なわけでしょ.
それでも懲りずに支持を貫き通してくれる後援会の人々に「小池には困った」「勝たせて欲しい」と訴える前に、次回の選挙を厳しくしちゃった自滅都連への自己批判は無いのかよと思いました.わたしとしては「都連の自業自得だろ」と醒めた目で後援会の流れを見ていましたよ.
わたしはその都議に次回も当選してもらいたいとは思いますけど、ミスチョイス三連発でも反省の色の無さげな都連のことは嫌いとしか言いようが無いし、そんな都連でも懲りずに支援し続ける後援会の人々がお気の毒でなりません.
都連にとってのせめてもの救いは、「時間は都連に味方する方式」は恐らく正解だっていうことでしょう.小池新党に橋下が賛同するような場面にはならないと思うので、小池新党は限定的で、各選挙区に小池の刺客が立つという都連にとっての悪夢は来ない気がします.
つまるところ、公明党のおかげでどれだけ現有勢力をキープできるかっていういつもの淡々とした試合を我々は見るんでしょうな.
追記: 都議会で公明が自民との連立解消? あらまびっくり、、、w 2016.12.16
エイメン
2016年11月27日日曜日
第一回 目黒シティマラソン開催
目黒区役所前~駒沢通り~自由通り~目黒通り~山手通り~目黒区役所 というルートで10kmのマラソンが開催されました.わたしは当然マラソンには不参加でして、ボランティアでダラっと参加しただけでした.町内会から人身御供、じゃなかった生贄、もといボランティアとして提供されたのです.
↓時刻は06:20、中目黒駅前から見た東の空はまだ夜明け前.眠い、早起きは万病の元であります.「吉そば」を食べようと思ったけど、ビルが取り壊されていて「吉そば」は綺麗さっぱり消滅してしまいました.仕方なく吉野家へ.
↓06:30の区役所にて、住民票を発行する場所には誰も居ません.しかし眠い.
↓マラソンには興味ありませんけど、中目黒小前の駒沢通りは歩行者天国みたくなって、クルマが走らないのは静かでよかった.こんなことなら毎週歩行者天国をやってくれないだろうか?
大人10kmマラソンのベストタイムは、32分台でした.かなり速い気がしました.ちなみに大人マラソンの出走者は3000人もいましたとさ.
出走8:30で、午前中で全てのイベントは終了しました.「高伸」で昼飯を食べました.
第一回というからには来年もやるんだろうなぁ.ボランティアにもバイト料を支払って欲しいなぁ.
かしこ
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↓時刻は06:20、中目黒駅前から見た東の空はまだ夜明け前.眠い、早起きは万病の元であります.「吉そば」を食べようと思ったけど、ビルが取り壊されていて「吉そば」は綺麗さっぱり消滅してしまいました.仕方なく吉野家へ.
↓06:30の区役所にて、住民票を発行する場所には誰も居ません.しかし眠い.
↓マラソンには興味ありませんけど、中目黒小前の駒沢通りは歩行者天国みたくなって、クルマが走らないのは静かでよかった.こんなことなら毎週歩行者天国をやってくれないだろうか?
↓歩道橋の上から.よさこいとかチアリーディングが動員されていました.
↓子供マラソン部門は2kmぐらいです.この場所はマイバスケットの前.大人10kmマラソンのベストタイムは、32分台でした.かなり速い気がしました.ちなみに大人マラソンの出走者は3000人もいましたとさ.
出走8:30で、午前中で全てのイベントは終了しました.「高伸」で昼飯を食べました.
第一回というからには来年もやるんだろうなぁ.ボランティアにもバイト料を支払って欲しいなぁ.
かしこ
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2016年11月25日金曜日
【中華通販】 LCDとRaspberry pi3が届いた
語呂の似たスイートポテトという料理がありますが、スイートポテトはジャガイモ料理じゃないんですね.スイートポテトは薩摩芋の英語名であって、料理名ではない.ジャガイモですらない.
わたしがその事実を知った時の衝撃と云ったら、朝目覚めたら自分が女子高生になっていて隕石の直撃で死ぬぐらいの衝撃でしたよ.今から10年ほど前の出来事ですから、それまではスイートポテトがジャガイモ料理の一種だと信じていたのです.
-----
さて、さきほど中国からのお届け物が2つありました.
11/11の独身の日に注文した品物でした.粗暴な扱いの修羅場をかいくぐった荷物だと思われますが、外面的には破損も無く届きました.ピンヘッダが曲がっているぐらいは想定内です.
↓まずはRaspberry pi 3.外見はラズパイ2とあまり変わりませんが、無線LANがついたのと、CPUが64bitになったらしいです.ベンチマークは後日やってみようと思ます.ちなみにお値段は¥4000ぐらいなので日本で買うよりは安いです.願わくば¥2400ぐらいになって欲しい.そうしたら製作意欲がもっと出るのになぁ.
#Rasbian OSの64bit版はまだ出てないらしい...
#Rasbian OSの64bit版はまだ出てないらしい...
unixbenchでベンチマークしてみました.詳細はこちら
ラズパイ2 372 (ベストスコア)
ラズパイ3 416 (ベストスコア)
Atom D425 @ 1.80GHz DDR3-2GB Linux3.16.0-4-amd64 452
Corei7-4790 @ 3.60GHz DDR3-8GB Cygwin2.0.2 832
↓ラズパイのBOXにはなぜか電子部品通販会社の「RS」のマークが描かれているんですよね.中国から輸入したラズパイもRSです.RSのサイトを見ると、日本産のラズパイでやや高価なのが売られていたりもします.RSが一手に製造しているのでしょうか? 謎だ.
↓つぎは1280x800のLCDパネル.サイズは10インチだったかな? お値段は¥2000と安価ですが新品です.中華通販の担当者から品番について訊かれたけれど、どれでもOKみたいな答えを返したらこれが送られてきました.コネクタの電極が上付き下付きの違いでもあったのだろうと推測しています.
↓コネクタは36ピンFPCをザクッと挿すタイプです.0.5mm→2.54mmのピッチ変換は秋葉原のaitendoで売られている商品で目処がついています.問題はそのピッチ変換基板が¥900もするところです.LCD本体が¥2000なのにピッチ変換基板に¥900を支払いたくはありません.0.5mmピッチにリード線をハンダ付けする気迫はもっと希薄ですが.
↓品番はこれ.B101EAN01で検索すると仕様書があります.LCD部品をワールドワイドに販売し、仕様書がネットに出回ってしまうというのは何でも商売にしてしまう中国人ならではです.
さて、作るか、、、
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【にわかAVマニアの比較】 自励式D級アンプなんていうのがあるのよ
昨日に続きましてD級アンプの話題です.コテコテの回路の話題なのであしからず.
D級アンプの構成要素として、どうやってビットストリーム変換しているのか?を昨日は調べました.デルタシグマ方式だけじゃなくて、三角波タイプのD級アンプICが多数出回っているようですが、そんなんで音質は大丈夫なのかなぁ? 12bit相当ぐらいの音しか出てねぇんじゃね?と心配になります.24bitハイレゾ音源を12bit相当のダサいD級アンプで聴いてたとしたら笑ってしまう.
ひら的には、D級アンプについて2つ目の疑問がありました.それは、フィードバックはどうやってるんだろうね?でした.
驚くべきことに多くのD級アンプICは、言ってしまえばフィードバック無しです.(高級AVアンプまでもがそうなのかは不明ですが)
それはどういうコトかというと、ビットストリーム変換した後は、そのままFETをON/OFFさせてスピーカを接続してそのまんま行って来いよ~です.これがAB級アンプですと、スピーカ出力端子から、グルッとフィードバックしてますよね.なんか、D級アンプのひずみ率は永久にAB級アンプ未満で終わりなんじゃないかと心配になっちゃった.
ところが、世の中にはけったいな回路があるものです.それは、、、
1)D級アンプである
2)スピーカー端子からフィードバックする
3)自励式である (発振器内蔵せず)
なんかもう最初は意味が判りませんでしたよ.
そのけったいなD級アンプは「Ucd方式」と呼ばれ、Pilipsの特許のようです.こちらのページが参考になります.http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1400
【Ucd方式D級アンプ回路】
さて、何から説明しましょうか? いきなりSpiceで動かした回路を出しましょう.
#わたしはLTSpiceを使っています.IRS20954のSpice modelの入手先はこちらです.ユーザー登録が必要です.irs20954.zip (5.2 KB, 293 views)というのがそれです.
http://www.diyaudio.com/forums/class-d/83899-new-half-bridge-driver-ic-gnd-referenced-input-4.html
回路の特徴を記します.
・どこにも発振器がありません.
・一番左の発振器は1kHzの音声信号入力を発生させるものです.
・フィードバックのCRはAB級アンプで見かけるタイプと類似しています.元を辿ると確かにスピーカー端子からフィードバック信号を引っ張ってきています.
・いきなりコンパレータがあります.入力音声信号と、フィードバック信号を比較しています.これでいきなりビットストリームを生成しています.
・グリーンで囲った部分は保護回路なので無視してもらうと、FETドライバであるIRS20954がFET前段に在ります.
・終段MOS-FETがあります.高周波スイッチングを平滑化するLCがあります.その後の4Ωはスピーカー負荷としてつけてあります.
さ~て、これで動いてしまうD級アンプって理解できますか???
【自励発振の仕組み】
まず、どうして自励発振するのか?
ぶっちゃけ、このアンプは、わざとピーピー発振するように作られています.それを自励発振と言えばそうとも言える... ここで「超再生」とうめき声を発した貴方、是非お友達になりましょうw
上のSpice回路で、500kHzぐらいで発振するかな?
もちろん、500kHzでフィードバックループが正帰還になってしまうのは、失敗アンプが発振する理屈と同じです.位相遅れ要素(遅延要素)がどれなのか?を考えて見ますと、これが全部なんですよ.
1)コンパレータのTpd
LT1011というICを使っています.カタログスペックでは0.15uSecのTpdがある製品です.LT1011なんて古い型番だし、もっと高速のコンパレータに変えてみたくなるのが人情ですけど、それをやっちゃうと発振周波数が高くなりすぎて動かなくなってしまいます.LT1011必須という回路なんです.温度上昇で発振周波数が変わってしまうでしょうね.
2)FETドライバのTpd
カタログスペックはチェックしてませんが、このTpdに発振周波数が影響されるのはいわずもがなでしょう.温度上昇で発振周波数が変わってしまうでしょうね.
3)高周波スイッチングを平滑化するLC
LPFをキツくしようと、22uH→68uHに変えたりすると、発振周波数が変わってしまいます.
というわけで、自励発振周波数というキースペックが、パーツや温度依存で変化してしまうというリスクを抱えた回路なんですね.
【PWM変調の仕組み】
これは動作波形を見るのがよいと思います.
↓回路図のPWMとSPKの波形です.電源電圧=±30VなのでPWMは±30Vでビシバシ振れています.
↓PWM変換が何故上手く働くのかを観察するためにコンパレータの入力波形を見ます.ピンクは入力音声信号で、グリーンはフィードバック信号です.
へ~、フィードバック信号はこんな波形なんだ?と思うと思いますが、±30VのPWMをLCフィルタで平滑し、さらに抵抗分圧したのでこんな波形になります.フィードバックの結果として振幅は両者ほぼ同じです.
ただし、フィードバック信号には少しPWMの残滓があります.これが重要です.
両者を重ね合わせて1,2,3の場所を拡大してみます.
↓まず1の場所の拡大です.PWM残滓に対して、入力音声信号が上ブレしてますね.このせいでPWM dutyが100%に近づきます.
↓電圧0である2の場所の拡大です.PWM残滓の中央部を入力音声信号が横切っています.このせいでPWM duty=50%になります.
↓3の場所の拡大です.PWM残滓に対して、入力音声信号が下ブレして横切っています.このせいでPWM dutyが0%に近づきます.
以上のようにして、自励発振し、PWM変換までもがつつがなく行われるようです.なんつう微妙な回路でしょうか?
【この回路はデルタシグマ方式と云えるのか?】
そうだと云えそうです.
↓デルタシグマ方式ADCのブロック図はこれです.
↓このD級アンプの構造はこのようになっており、回路要素の順序は違いますが、等価だと云えるように思います.
【ひずみ率(THD)検証】
SpiceでTHDを計算しました.
↓スタートのこの回路でTHD=0.2%と悪い値でした.丸の部分がTHDに影響する場所です.
↓丸の部分の定数をいじってTHD=0.01%まで改善した状態です.
①~⑤でどうしてTHDが変化するのか?
①コンパレータ入力電圧を上げると良い.
改善版回路は、フィードバック抵抗でアンプゲインを下げました.その代わり入力音声信号を大きくしました.結果として、コンパレータ入力電圧が大きくなり、コンパレータ動作が安定したと推測します.
→D級アンプには大きな電圧ゲインを期待しない方が良さそう
②コンパレータ出力Rを小さくすると良い.
そもそもこのLT1011はオープンコレクタ出力なのでTrise/Tfallが非対称になりがちな懸念があります.せめてオープンコレクタの波形のキレを良くするためにPULL-UP抵抗を小さくしてみました.
→コンパレータに改善余地がある
③FETのデッドタイムは少ないほうが良い.
ICの仕様の範囲でしかデッドタイムを可変できません.デッドタイムが45nSよりも15nSの方がTHDが小さくなりました.
→FETドライバに改善余地がある
④出力LPFの時定数、FETパラCR
何に影響しているかというと、コンパレータ(-)へ与える信号の波形を改善しています.正弦波に近づけている効用なのか、三角波に近づけている効用なのか、良くわかりません.一方向的な改善ではなくて、最適値があるという悩ましい状況です.
→フィードバック波形に改善余地がある
⑤電源電圧を30V→100Vに上げると良い.
・電源電圧±30Vでスピーカー出力±15Vを得る. PWM変調度大
・電源電圧±100Vでスピーカー出力±15Vを得る. PWM変調度小
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D級アンプの構成要素として、どうやってビットストリーム変換しているのか?を昨日は調べました.デルタシグマ方式だけじゃなくて、三角波タイプのD級アンプICが多数出回っているようですが、そんなんで音質は大丈夫なのかなぁ? 12bit相当ぐらいの音しか出てねぇんじゃね?と心配になります.24bitハイレゾ音源を12bit相当のダサいD級アンプで聴いてたとしたら笑ってしまう.
ひら的には、D級アンプについて2つ目の疑問がありました.それは、フィードバックはどうやってるんだろうね?でした.
驚くべきことに多くのD級アンプICは、言ってしまえばフィードバック無しです.(高級AVアンプまでもがそうなのかは不明ですが)
それはどういうコトかというと、ビットストリーム変換した後は、そのままFETをON/OFFさせてスピーカを接続してそのまんま行って来いよ~です.これがAB級アンプですと、スピーカ出力端子から、グルッとフィードバックしてますよね.なんか、D級アンプのひずみ率は永久にAB級アンプ未満で終わりなんじゃないかと心配になっちゃった.
ところが、世の中にはけったいな回路があるものです.それは、、、
1)D級アンプである
2)スピーカー端子からフィードバックする
3)自励式である (発振器内蔵せず)
なんかもう最初は意味が判りませんでしたよ.
そのけったいなD級アンプは「Ucd方式」と呼ばれ、Pilipsの特許のようです.こちらのページが参考になります.http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=1400
【Ucd方式D級アンプ回路】
さて、何から説明しましょうか? いきなりSpiceで動かした回路を出しましょう.
#わたしはLTSpiceを使っています.IRS20954のSpice modelの入手先はこちらです.ユーザー登録が必要です.irs20954.zip (5.2 KB, 293 views)というのがそれです.
http://www.diyaudio.com/forums/class-d/83899-new-half-bridge-driver-ic-gnd-referenced-input-4.html
回路の特徴を記します.
・どこにも発振器がありません.
・一番左の発振器は1kHzの音声信号入力を発生させるものです.
・フィードバックのCRはAB級アンプで見かけるタイプと類似しています.元を辿ると確かにスピーカー端子からフィードバック信号を引っ張ってきています.
・いきなりコンパレータがあります.入力音声信号と、フィードバック信号を比較しています.これでいきなりビットストリームを生成しています.
・グリーンで囲った部分は保護回路なので無視してもらうと、FETドライバであるIRS20954がFET前段に在ります.
・終段MOS-FETがあります.高周波スイッチングを平滑化するLCがあります.その後の4Ωはスピーカー負荷としてつけてあります.
さ~て、これで動いてしまうD級アンプって理解できますか???
【自励発振の仕組み】
まず、どうして自励発振するのか?
ぶっちゃけ、このアンプは、わざとピーピー発振するように作られています.それを自励発振と言えばそうとも言える... ここで「超再生」とうめき声を発した貴方、是非お友達になりましょうw
上のSpice回路で、500kHzぐらいで発振するかな?
もちろん、500kHzでフィードバックループが正帰還になってしまうのは、失敗アンプが発振する理屈と同じです.位相遅れ要素(遅延要素)がどれなのか?を考えて見ますと、これが全部なんですよ.
1)コンパレータのTpd
LT1011というICを使っています.カタログスペックでは0.15uSecのTpdがある製品です.LT1011なんて古い型番だし、もっと高速のコンパレータに変えてみたくなるのが人情ですけど、それをやっちゃうと発振周波数が高くなりすぎて動かなくなってしまいます.LT1011必須という回路なんです.温度上昇で発振周波数が変わってしまうでしょうね.
2)FETドライバのTpd
カタログスペックはチェックしてませんが、このTpdに発振周波数が影響されるのはいわずもがなでしょう.温度上昇で発振周波数が変わってしまうでしょうね.
3)高周波スイッチングを平滑化するLC
LPFをキツくしようと、22uH→68uHに変えたりすると、発振周波数が変わってしまいます.
というわけで、自励発振周波数というキースペックが、パーツや温度依存で変化してしまうというリスクを抱えた回路なんですね.
【PWM変調の仕組み】
これは動作波形を見るのがよいと思います.
↓回路図のPWMとSPKの波形です.電源電圧=±30VなのでPWMは±30Vでビシバシ振れています.
↓PWM変換が何故上手く働くのかを観察するためにコンパレータの入力波形を見ます.ピンクは入力音声信号で、グリーンはフィードバック信号です.
へ~、フィードバック信号はこんな波形なんだ?と思うと思いますが、±30VのPWMをLCフィルタで平滑し、さらに抵抗分圧したのでこんな波形になります.フィードバックの結果として振幅は両者ほぼ同じです.
ただし、フィードバック信号には少しPWMの残滓があります.これが重要です.
両者を重ね合わせて1,2,3の場所を拡大してみます.
↓まず1の場所の拡大です.PWM残滓に対して、入力音声信号が上ブレしてますね.このせいでPWM dutyが100%に近づきます.
↓電圧0である2の場所の拡大です.PWM残滓の中央部を入力音声信号が横切っています.このせいでPWM duty=50%になります.
↓3の場所の拡大です.PWM残滓に対して、入力音声信号が下ブレして横切っています.このせいでPWM dutyが0%に近づきます.
以上のようにして、自励発振し、PWM変換までもがつつがなく行われるようです.なんつう微妙な回路でしょうか?
【この回路はデルタシグマ方式と云えるのか?】
そうだと云えそうです.
↓デルタシグマ方式ADCのブロック図はこれです.
↓このD級アンプの構造はこのようになっており、回路要素の順序は違いますが、等価だと云えるように思います.
【ひずみ率(THD)検証】
SpiceでTHDを計算しました.
↓スタートのこの回路でTHD=0.2%と悪い値でした.丸の部分がTHDに影響する場所です.
↓丸の部分の定数をいじってTHD=0.01%まで改善した状態です.
①~⑤でどうしてTHDが変化するのか?
①コンパレータ入力電圧を上げると良い.
改善版回路は、フィードバック抵抗でアンプゲインを下げました.その代わり入力音声信号を大きくしました.結果として、コンパレータ入力電圧が大きくなり、コンパレータ動作が安定したと推測します.
→D級アンプには大きな電圧ゲインを期待しない方が良さそう
②コンパレータ出力Rを小さくすると良い.
そもそもこのLT1011はオープンコレクタ出力なのでTrise/Tfallが非対称になりがちな懸念があります.せめてオープンコレクタの波形のキレを良くするためにPULL-UP抵抗を小さくしてみました.
→コンパレータに改善余地がある
③FETのデッドタイムは少ないほうが良い.
ICの仕様の範囲でしかデッドタイムを可変できません.デッドタイムが45nSよりも15nSの方がTHDが小さくなりました.
→FETドライバに改善余地がある
④出力LPFの時定数、FETパラCR
何に影響しているかというと、コンパレータ(-)へ与える信号の波形を改善しています.正弦波に近づけている効用なのか、三角波に近づけている効用なのか、良くわかりません.一方向的な改善ではなくて、最適値があるという悩ましい状況です.
→フィードバック波形に改善余地がある
⑤電源電圧を30V→100Vに上げると良い.
・電源電圧±30Vでスピーカー出力±15Vを得る. PWM変調度大
・電源電圧±100Vでスピーカー出力±15Vを得る. PWM変調度小
→無理の少ない後者の方がTHDが優れるようだ
いずれも言われてみれば当然だよねという物ばかりでした.
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2016年11月23日水曜日
【にわかAVマニアの変換】 サルでもわかる、デルタシグマ変調、ΔΣ方式DAC (長文)
2019年9月追記: この記事が度々PV上位に登場します.回路愛好者の皆様のご愛顧ありがとうございます!
ちょっちD級アンプを作ろうかな~と思いつつ、アナログ信号→ビットストリーム変換をどうやっているのだろう?という疑問が生じ、調べました.
まさかまさか、アナログ信号と三角波を比較してビットストリームを取り出すなんていう粗雑なやり方だったとしたら怒るよ.だってそんなのまさかのモータドライバクオリティですから.しかしそれは杞憂でありまして、デルタシグマ方式DACと同じ方法でビットストリームに変換しているらしいので安心しました.なんてったってキモの部分ですからね.
追記: 三角波タイプのD級アンプICっていろいろあるらしいdeath
デルタシグマ方式、デルタシグマ変調、ΔΣDAC、、、いろいろな名前で呼ばれますが、つまるところ量子化誤差を高周波帯域に追い出してしまえる(ノイズシェーピング)というメリット追求のために使われる回路です.どうしてノイズシェーピングできるのか? そこら辺をサルでもわかるように数式を一切使わずに解説してみようと思います.
【ノイズシェーピングとは?】
通常のADCで生じてしまう量子化ノイズは左図のように全帯域にまったりと生じます.こんなのフィルタで除去なんかできません.
デルタシグマ方式ADCでは右図のように量子化ノイズを高域寄りにシェーピングできるので、LPFで除去しやすいというのがメリットです.カラクリは後述します.
【デルタシグマ? シグマデルタ?】
↓デルタシグマの名前の由来は、このような、微分回路=差分=デルタが一段目に在り、二段目は積分回路=加算=シグマになっている回路だからです.
この回路自体には意味はありません.だって入力=出力になりますから.
どうしてVin=Voutになるのか判りますでしょうか? 遅延素子が2つあります.どちらも中央部の同じ信号を遅延させていますから、同じ遅延信号なわけです.同じ信号を、1段目では引き算し、2段目では足し算する、そうすると引いて足しているのですから、チャラになります.だからVin=Voutになるわけです.
この、「同じ信号を引き足ししてチャラになる」という考え方が、デルタシグマを理解するために後々重要になるので覚えておきましょう.
↓次に、1段目と2段目を逆に置いて積分→微分の順序にしてみます.足してから引くので入出力は同じになります.つまり理論的に積分・微分の順序はどっちでもOKです.
というわけで両者は理論的には同じなのですが、現実はさにあらず.1段目が積分回路というのは回路実装上の問題があるので通常は嫌がられます.DC成分を含む入力信号を積分するとマッハの速度で電源電圧まで達してアンプが電源飽和して死んでしまうからです.そんな回路はいやだわ.
【デルタシグマ回路の波形】
まず遅延回路はどういう回路なのか? → いわゆるサンプルホールド回路です.FS発振器はビットストリームのサンプル周波数です.ここでは450kHzに設定しています.
spice sim回路はこうしました.
各部の波形はこうなっています.
↓入力信号Vinは50kHz正弦波に設定しました.
↓Vout=加算回路出力=積分波形=シグマ波形はこのようになります.SW点でのグリッチは無視してもらうとして、入力と同じ1Vの正弦波が出てきます.遅延回路出力を引き足ししたのですから当然です.
【シグマデルタ回路の波形】
結果は同じだと判っているのですが、途中経過がアレなので確認しておきます.
spice sim回路はこうしました.一段目が加算回路、2段目が減算回路になってます.
入力信号は上と同じなので省くとして、各部の波形です.
↓加算回路出力=積分波形=シグマ波形はこのようになります.動いていますけど、振幅が3.6Vまで上昇してアンプ飽和の萌芽が垣間見られてイヤ~な予感がします.
↓それでもってサンプルホールド出力はこのように3.0Vになってしまっています.
↓Vout=減算回路出力=微分波形=デルタ波形は入力と同じになります.(グリッチは無視してくれ)
というわけで、デルタシグマとシグマデルタは同じ結果を得られるが、アンプが飽和するかもしれないシグマデルタはやめておきましょう.
【デルタシグマ その2】
上で2つの知見を得ました.
1)同じ信号を引いて足してたらチャラになる
2)1段目はデルタが良い
それならば、というわけで、こんなひねくれ回路にしたらどうでしょうか? 1段目=デルタで、2段目=シグマで、同じ信号を引き足ししているからチャラであり、Vin=Voutになるという点で同類と言えます.この構成はデルタシグマDACの形状に近づきました.
これもspiceでsimってみます.
↓入力信号Vinは、20kHzの正弦波にしました.
グリーンはサンプルホールド波形です.S/H周波数は1MHzに設定しました.VoutをS/Hしたのですから階段波形になります.
ブルーは減算回路出力=デルタ波形です.
【思考実験】
ここで、デルタシグマDACにより近づけるために、この回路を変更する思考実験をしてみます.
↓まずこの回路について考えてみます.Voutの直前に16bitADCとDACを挿入してあります.(レイテンシ=0とする) AD/DAのサンプリング周期は遅延時間と同じとします.こうしても、Vin=Voutという点は同じですよね? (量子化誤差はさておくとして)
↓次はもう少し変形してこの回路を考えます.DACの位置を変えました.出力は16bitデジタルになります.これでデルタシグマ形DACがほぼ完成です.16bitデジタルをアナログに戻すとVinと同じ波形が得られるはずです.(量子化誤差はさておくとして)
↓さらに変形します.AD/DAを1bitタイプに変えました.ゼロクロスコンパレータの後段に遅延回路=サンプルホールドを配置することによって、サンプル周期で駆動される1bitADCを形成します.これでデルタシグマ方式の1bitDACの完成形となります.
↓1bitDACはこんな回路です.ガチガチの2値信号が出力されます.
アナログ回路に2値信号をフィードバックするというところがデルタシグマ方式1bitDACを理解しずらいところですが、1つ前の16bitAD/DAを想像すると理解し易いのではと思います.
【1bitデルタシグマDACのスパイスsim】
↓実際のデルタシグマ回路はスイッチトキャパシタ回路で実装されると思いますが、ここでは無理やりオペアンプで構成した下記の回路でsimりました.
入力は1kHzの正弦波.Fs=1MHzにしてあります.
コンパレータの電源電圧は±1.2Vにしてあります.これがアナログ入力レンジ=±1.2Vに規定します.
円満に動かすために重要な小技があります.積分回路のS/H駆動発振器FSは、システムのFsの逆位相で駆動しています.PULSE()の中の0.5uが180度位相ずらしパラメータです.これをケアしないとグリッチがループを回って波形が死にまくりますので要注意です.
↓そんなこんなで、2Vppの正弦波を1bitDAC変換した波形(=回路図のBS)がこのように美しく出ました.
あれれ? 通常のADCは16bit/48kHzで出てくるけど? と思った貴方は正しいです.
デジタル信号処理でこの1bitストリームを16bit/48kHzに変換するんです.
やり方は、、、この1bit信号をデジタルFIRフィルタでLPFします.FIRフィルタ演算の過程で小数点以下がボロボロ出てきます.それを16bitで丸めると、16bitのデジタル信号になります.またFsの1MHzを48kHzに変換するのはデシメーターというデジタルフィルタの一種でサンプリング周波数を変換します.
これらのデジタル変換を解説すると日が暮れてしまいますので解説は割愛します.ここでは1bitストリームを得たところまでとします.
↓イエローが回路図におけるVDIFFの波形です.1bitストリームを引き算してますから、こんな感じで納得できる波形です.
↓回路図におけるVCMPの波形がピンクです.VDIFFを積分したらこんなギザギザな波形になってしまいましたとさ.これをゼロクロスコンパレートすると1bitストリームを得られるのですが、ギザギザが激しくて意味を理解するのは断念しました.こんなもんだということで.
【ノイズシェーピングの定性的説明】
まとめです.どうして量子化ノイズだけをノイズシェーピングできるのか?
量子化ノイズが入り込む場所は上で述べたADCの場所ですから、ADCの代わりに量子化ノイズを加算する回路を描きました.量子化ノイズをN(n)とします.このN(n)はノイズシェーピングされていない帯域フラットなノイズです.
↓このN(n)がこのループをグルグルと廻ってVoutにポンッと飛び出てくるわけですから、N(n)に着目してループの各部の信号を計算してみます.赤字のX(n)とN(n)から計算を始めます.各部の信号を時計回りに計算しますと、1bitストリームが含む量子化ノイズであるところのNout=N(n)-N(n-1)と最終的に計算されます.この、一つ前のNとの差分という点が重要でありまして、差分=微分=HPF=低域抑圧=高域強調=ノイズシェーピング、という連想になるわけです.
つまり、デルタシグマ回路にはラッキーな性質が2つあると言えます.
1)VinはVoutへ素通りする (上で述べたとおり)
2)N(n)の位置で注入された信号(=量子化ノイズ)は微分される=ノイズシェーピング
異様に上手く考えられた回路ですね.こんな特許を書きたいものです.
ここだけは数式を使わざるを得なかったです.orz
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以上の説明は、遅延=1Tの1次デルタシグマ回路のみでした.遅延=2Tや3Tや、実用化されたすごい回路では7Tのもあるみたいです.遅延が大きくなるほどノイズシェーピングがキツくなるので高性能になるのだと思います.
というわけでデルタシグマ回路の解説はおしまいです.ネット界最強の平易な解説になったかと思うのですが、いかがなものか?
次回はUcd方式D級アンプ
かしこ
ちょっちD級アンプを作ろうかな~と思いつつ、アナログ信号→ビットストリーム変換をどうやっているのだろう?という疑問が生じ、調べました.
まさかまさか、アナログ信号と三角波を比較してビットストリームを取り出すなんていう粗雑なやり方だったとしたら怒るよ.だってそんなのまさかのモータドライバクオリティですから.しかしそれは杞憂でありまして、デルタシグマ方式DACと同じ方法でビットストリームに変換しているらしいので安心しました.なんてったってキモの部分ですからね.
追記: 三角波タイプのD級アンプICっていろいろあるらしいdeath
デルタシグマ方式、デルタシグマ変調、ΔΣDAC、、、いろいろな名前で呼ばれますが、つまるところ量子化誤差を高周波帯域に追い出してしまえる(ノイズシェーピング)というメリット追求のために使われる回路です.どうしてノイズシェーピングできるのか? そこら辺をサルでもわかるように数式を一切使わずに解説してみようと思います.
【ノイズシェーピングとは?】
通常のADCで生じてしまう量子化ノイズは左図のように全帯域にまったりと生じます.こんなのフィルタで除去なんかできません.
デルタシグマ方式ADCでは右図のように量子化ノイズを高域寄りにシェーピングできるので、LPFで除去しやすいというのがメリットです.カラクリは後述します.
【デルタシグマ? シグマデルタ?】
↓デルタシグマの名前の由来は、このような、微分回路=差分=デルタが一段目に在り、二段目は積分回路=加算=シグマになっている回路だからです.
この回路自体には意味はありません.だって入力=出力になりますから.
どうしてVin=Voutになるのか判りますでしょうか? 遅延素子が2つあります.どちらも中央部の同じ信号を遅延させていますから、同じ遅延信号なわけです.同じ信号を、1段目では引き算し、2段目では足し算する、そうすると引いて足しているのですから、チャラになります.だからVin=Voutになるわけです.
この、「同じ信号を引き足ししてチャラになる」という考え方が、デルタシグマを理解するために後々重要になるので覚えておきましょう.
というわけで両者は理論的には同じなのですが、現実はさにあらず.1段目が積分回路というのは回路実装上の問題があるので通常は嫌がられます.DC成分を含む入力信号を積分するとマッハの速度で電源電圧まで達してアンプが電源飽和して死んでしまうからです.そんな回路はいやだわ.
【デルタシグマ回路の波形】
まず遅延回路はどういう回路なのか? → いわゆるサンプルホールド回路です.FS発振器はビットストリームのサンプル周波数です.ここでは450kHzに設定しています.
spice sim回路はこうしました.
各部の波形はこうなっています.
↓入力信号Vinは50kHz正弦波に設定しました.
↓遅延回路出力はこのようなサンプルホールド波形になっています.S/H周波数は450kHzに設定しました.これがVinから引き算されます.
↓減算回路出力=微分波形=デルタ波形はこのようになります.↓Vout=加算回路出力=積分波形=シグマ波形はこのようになります.SW点でのグリッチは無視してもらうとして、入力と同じ1Vの正弦波が出てきます.遅延回路出力を引き足ししたのですから当然です.
【シグマデルタ回路の波形】
結果は同じだと判っているのですが、途中経過がアレなので確認しておきます.
spice sim回路はこうしました.一段目が加算回路、2段目が減算回路になってます.
入力信号は上と同じなので省くとして、各部の波形です.
↓加算回路出力=積分波形=シグマ波形はこのようになります.動いていますけど、振幅が3.6Vまで上昇してアンプ飽和の萌芽が垣間見られてイヤ~な予感がします.
↓それでもってサンプルホールド出力はこのように3.0Vになってしまっています.
↓Vout=減算回路出力=微分波形=デルタ波形は入力と同じになります.(グリッチは無視してくれ)
というわけで、デルタシグマとシグマデルタは同じ結果を得られるが、アンプが飽和するかもしれないシグマデルタはやめておきましょう.
【デルタシグマ その2】
上で2つの知見を得ました.
1)同じ信号を引いて足してたらチャラになる
2)1段目はデルタが良い
それならば、というわけで、こんなひねくれ回路にしたらどうでしょうか? 1段目=デルタで、2段目=シグマで、同じ信号を引き足ししているからチャラであり、Vin=Voutになるという点で同類と言えます.この構成はデルタシグマDACの形状に近づきました.
↓入力信号Vinは、20kHzの正弦波にしました.
↓出力信号Voutは、入力と同じ波形が出てきます.(グリッチを除くとして)
↓途中の波形です.グリーンはサンプルホールド波形です.S/H周波数は1MHzに設定しました.VoutをS/Hしたのですから階段波形になります.
ブルーは減算回路出力=デルタ波形です.
【思考実験】
ここで、デルタシグマDACにより近づけるために、この回路を変更する思考実験をしてみます.
↓まずこの回路について考えてみます.Voutの直前に16bitADCとDACを挿入してあります.(レイテンシ=0とする) AD/DAのサンプリング周期は遅延時間と同じとします.こうしても、Vin=Voutという点は同じですよね? (量子化誤差はさておくとして)
↓次はもう少し変形してこの回路を考えます.DACの位置を変えました.出力は16bitデジタルになります.これでデルタシグマ形DACがほぼ完成です.16bitデジタルをアナログに戻すとVinと同じ波形が得られるはずです.(量子化誤差はさておくとして)
↓さらに変形します.AD/DAを1bitタイプに変えました.ゼロクロスコンパレータの後段に遅延回路=サンプルホールドを配置することによって、サンプル周期で駆動される1bitADCを形成します.これでデルタシグマ方式の1bitDACの完成形となります.
アナログ回路に2値信号をフィードバックするというところがデルタシグマ方式1bitDACを理解しずらいところですが、1つ前の16bitAD/DAを想像すると理解し易いのではと思います.
【1bitデルタシグマDACのスパイスsim】
↓実際のデルタシグマ回路はスイッチトキャパシタ回路で実装されると思いますが、ここでは無理やりオペアンプで構成した下記の回路でsimりました.
入力は1kHzの正弦波.Fs=1MHzにしてあります.
コンパレータの電源電圧は±1.2Vにしてあります.これがアナログ入力レンジ=±1.2Vに規定します.
円満に動かすために重要な小技があります.積分回路のS/H駆動発振器FSは、システムのFsの逆位相で駆動しています.PULSE()の中の0.5uが180度位相ずらしパラメータです.これをケアしないとグリッチがループを回って波形が死にまくりますので要注意です.
↓そんなこんなで、2Vppの正弦波を1bitDAC変換した波形(=回路図のBS)がこのように美しく出ました.
あれれ? 通常のADCは16bit/48kHzで出てくるけど? と思った貴方は正しいです.
デジタル信号処理でこの1bitストリームを16bit/48kHzに変換するんです.
やり方は、、、この1bit信号をデジタルFIRフィルタでLPFします.FIRフィルタ演算の過程で小数点以下がボロボロ出てきます.それを16bitで丸めると、16bitのデジタル信号になります.またFsの1MHzを48kHzに変換するのはデシメーターというデジタルフィルタの一種でサンプリング周波数を変換します.
これらのデジタル変換を解説すると日が暮れてしまいますので解説は割愛します.ここでは1bitストリームを得たところまでとします.
↓イエローが回路図におけるVDIFFの波形です.1bitストリームを引き算してますから、こんな感じで納得できる波形です.
↓回路図におけるVCMPの波形がピンクです.VDIFFを積分したらこんなギザギザな波形になってしまいましたとさ.これをゼロクロスコンパレートすると1bitストリームを得られるのですが、ギザギザが激しくて意味を理解するのは断念しました.こんなもんだということで.
【ノイズシェーピングの定性的説明】
まとめです.どうして量子化ノイズだけをノイズシェーピングできるのか?
量子化ノイズが入り込む場所は上で述べたADCの場所ですから、ADCの代わりに量子化ノイズを加算する回路を描きました.量子化ノイズをN(n)とします.このN(n)はノイズシェーピングされていない帯域フラットなノイズです.
つまり、デルタシグマ回路にはラッキーな性質が2つあると言えます.
1)VinはVoutへ素通りする (上で述べたとおり)
2)N(n)の位置で注入された信号(=量子化ノイズ)は微分される=ノイズシェーピング
異様に上手く考えられた回路ですね.こんな特許を書きたいものです.
ここだけは数式を使わざるを得なかったです.orz
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以上の説明は、遅延=1Tの1次デルタシグマ回路のみでした.遅延=2Tや3Tや、実用化されたすごい回路では7Tのもあるみたいです.遅延が大きくなるほどノイズシェーピングがキツくなるので高性能になるのだと思います.
というわけでデルタシグマ回路の解説はおしまいです.ネット界最強の平易な解説になったかと思うのですが、いかがなものか?
次回はUcd方式D級アンプ
かしこ
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