シン仮面ライダーみた。
良かった。
何故か?
まず主観的理由から説明しよう。
オレは庵野の映画を観に行った。ちゃんと庵野の映画だった。よしっ! 期待通りだった.理由はそれだけだ.
自分の映画を撮らない監督といえばさ、直近で酷い映画が在ったじゃないか。「すずめの戸締まり」だよ。オレがすずめなんかダメって言ってる理由は新海誠が自分の映画を放棄しちゃって堕落したからだ。他人に名義貸ししたのかと疑るほどのひどい出来。
すずめは神話の引用構造が優秀だって? 笑わせるなよ。それは新海を褒めて無いって気づけよ.てか、そんなに凝った設定が好きなら、あまたある虚淵玄脚本作品でも分析してマスかいてりゃいいんだって.すずめ褒めてる奴らは着眼が幼稚なの.
で、庵野だが、庵野も自分の映画を撮らなかったり撮れなかったことがある.
旧劇エバ 100%自分の映画を撮った
エヴァ序 90%自分の映画を撮った
エヴァ破 80%自分の映画を撮った
エヴァQ 80%自分の映画を撮った
シン・エヴァ 自分の映画を撮るのを放棄した
シン・ゴジラ 80%自分の映画を撮った
シン・マン 自分の映画を撮らせてもらえなかった
シン・ライダー 100%自分の映画を撮った
これだから、シンエバとシンマンはひら的にゴミなんだよなぁ.シンエバとシンマンは庵野のフィルモグラフィーの低位存在だ.シンライダーは庵野のフィルモグラフィーの上位存在だ.それは飽くまでも、庵野という作家をマーケティングとは別個に尊重したうえでの評価だ.
ライダーは、庵野フルパワーであんな出来なのかよ?という疑問にもお答えしよう.
お答え:その通りだ
庵野っていうのはああいう映画を撮る奴なんだよ.
画面がけっこうショボイ.近接ショット多い.展開が鬱.それなのに、ラストは人間精神の健全性を信ずるという唐突なENDING.それが庵野が撮るFILMの特徴であり、期待値なんだよ.それを超える期待値を抱えて劇場に行ってしまったらしっぺ返しを喰らう.
庵野を理解するには「
式日」がおすすめだ.あ~こうゆう奴なんだぁと納得できる.
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次に、客観的にシン仮面ライダーを評価する.
もしもこの映画に、仮面ライダーシリーズ、庵野作品、というネームバリューが不在だったら、興行収入は良くて10億円ってとこだろう.
10億円というと、出来は良いがマイナーな劇場アニメが口コミで10億の大台に乗って、関係者ホッと胸をなでおろすっていうレベルの成績だ.
だけれど、庵野ライダーだから30億円ぐらいいくんじゃないかな?
見るべきかどうか?
ここまで読んで納得出来た人なら見てもfuck!とか思わずに済むんじゃないの?
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その他の感想
仮面の後ろから髪がはみ出ているような、低予算特撮の粗雑さをオレはあまり好まない.だが本作では気にならなかった.サイクロン号の変形も面白かったかな.
戦闘員血しぶきブシャーは優れた演出だった.撮り方は素朴だったけど.
初代ライダーオマージュは意外に少ないと思った.特撮にさほど詳しくないオレだから気づかなかっただけなのかもしれないが.
iPhoneで撮影したんじゃないのかと思ってしまうような接近カットは、あんなもんでしょう.あれが庵野の画だ.不満を述べても仕方ない.
画面が暗かった.渋谷TOHOの2階の映写設備がダサいのかな? 黒が沈んでしまって見えやしない.
人類補完計画だった.
ロボット刑事Kが出てたのかな?
遺言ビデオの中で微笑む浜辺美波のかわいさは途方もない.
かしこ