フリー3D CADオススメはこれだ!みたいなネット記事がよくありますが、ああいうのってメーカーから広告費を貰って書いてるんじゃないのかなぁ?
わたしが試用すると、、、フリー版は使えない! これのどこが使いやすいんだ? みたいな不満を感じます.この心象風景の乖離はなんなのだ?
以下はわたしがフリー3DCADを使ってみた感想(試した順)
着眼点は3DPのCADとして使いやすいかどうかです.
fusion360無償ライセンス状態
Onshapeフリー版
freeCAD
DesignSpark Mechanical
Creo Elements/Direct Modeling Express
Blender
Tinkercad
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fusion360無償ライセンス状態最もストレスなく使えるが、無償ライセンスが間もなく切れます.その後どうなってしまうかよくわからんくて使い続けたくない.ロールバック機能あり.
Onshapeフリー版
フル機能試用期間は2weeksで、その後はフリー版に強制的に移行します.
編集機能の一部に疑問はあるが、ほぼfusion360と同等の使用感で不満はあまりない.
ロールバック機能あり.
freeCAD
わたしの知能を超えている.宇宙人のCADか?
わたしが3D CADに最初に触れたのはCatiaだったと思う.Catiaが原体験で、Catiaに似ているなぁと思ってfusionやOnshapeを使うのがわたしの習性.ところがfreeCADは作法がまるで異なるのでさっぱり判らん.2度トライして2度give-upしました.退散でぇす.
DesignSpark Mechanical
期間無制限でフリー.
インストールサイズが1.1GBもある.
ネット記事だと優秀なCADだとか書かれているけれど、そうかなぁ?
ロールバック機能が無いのにはかなり凹んだ.
こんな部品があるとします.
3DPは成型精度が低いです.テスト印刷してみて、穴径を0.2mm減らす、厚みを0.3mm増やす、などとモデルを調整します.
調整するためにCADを操作するわけですが、CADにロールバック機能があると過去に遡って穴径を8.5→8.2にすればよろしい.
ロールバック機能の無いCADだと、8.5穴を埋め戻して、再度8.2穴を掘らなくちゃいけません.めんどくさいです.
3DPのためのCADにはロールバック機能が切実に欲しいとわたしは思います.通常のメカ設計では、精度管理は工場の役割ですが、3DPでは精度管理を図面の側(.stl)でやるのですから.
Creo Elements/Direct Modeling Express
Expressは期間無制限でフリーらしい.
tutorial動画を見るとかなり癖のある使用感でかったるそう.
ロールバック機能は無いので、これだったらDesignSpark Mechanicalを使った方がマシ.
Blender
キャラをモデリングするCADなのだろうが、メカ設計にも使えるとか.
画面を見ると機能豊富でハードル高そう.
tutorial動画を見た感じでは、ポリゴンをお餅のように伸ばしたりする成型方法が得意みたい.あとは光源とかtexture.
わたしは寸法がカッチリ決まったモデルが目的なのでちょっと違うかな.
ロールバック機能は無いみたい.
2023.10追記: Blenderを使っている方に会いました.フィギュア作りですか?と訊いたら、機構系だそうです.Blenderで機構設計かぁと思いました.
Tinkercad
基本ブロックを置いて変形させてゆくタイプの子供用CAD.
ロールバック機能があり、使える3D CADはfusion360とOnshapeのみ.
それにライセンスを考慮するとフリーで永く使える3D CADは無い.
強いて言えば無償試用期間が長いfusion360が比較優位だがいつライセンス条件が変わってしまうやら不安で仕方ない.
追記: freeCADをかなりマジメに使おうとしたのですが、後述のように不満が多過ぎて却下しました.BOXにちょちょいと穴開けるだけの設計なら使えるとは思いますけどね.
追記2: 1年間の無償ライセンスが切れたfusion360は完全に使えなくなりました.保存ができません.なので、使えるCADが無くなりました.破滅しました.
追記3: 窮余の策としてBlenderを使いこなすのが逃げ道かと思ったのですが、Blenderにはロフト機能が無いらしく、わたしの目的には使えません.
追記4: 仕方がないのでDesignSpark Mechを使う事にしました.ロールバックできないのは耐え難い不満なのですが、こまめにfile saveすることで使ってゆこうと思います.イジケ虫の心境です.最初にスマホスタンドを作りました.
追記5: 2023年1月
DesignSparkMechを結構円満に使えています.fusion360なんかに手出しするんじゃなかったと後悔しています.fusion360で描いた3D fileは無駄になってしまいましたから.
↓このホーンはDSMで描いたものです.曲がった平面を定義してその面に図形を描き、ブレンドする、という手順で描けました.
追記6:2023.6月
DesignSparkMechは、2023.5末でver5が使えなくなりver6に移行し、無料プランの他に有料プランが2つ設定されました.これからver6の無料プランを使ってみます.de-gradeされてないといいな.
ver6を使い始めました.使用感は少し変わったけどすぐに慣れそうです.機能は変わらないか、微妙に増えたのかもしれません.ホッとしました.
ーーーーfreeCADのお勉強ーーーー
sketch面をoffsetさせてsketchし、ロフトするコツを掴めてきました.ホーン設計に必須のテクです.
freeCADの理解困難さは、モデリングを遂行する方法が数通りあるところだと気づきました.どうしてそんなイミフな仕様なのでしょうか?
fusionなどはsketch→押し出しonlyです.
freeCADにはその他にブロックを並べてモデリングする方法もあります.
それだけでなく、sketch機能がモードによって異なります.
モデル操作機能も、partモードとpart designモードで異なります.
こういう統一感の無さは、元々別だったCAD softを無理やり1つに統合したかのような雰囲気なので理解しづらい.
↓加算立方体/減算立方体という機能があります.これを活用するのはfreeCADを使い勝手良く使うコツのようです.
freeCADで最凶に使いにくいポイントを発表します.
↓一見すると複雑な形状ですが、押し出しますと、、、
↓なのですが、中心に円を描きます.つまり、複数の図形が重なった状況です.しまった旭日旗だ....
↓旭日旗は押し出しできません.エラーになります.少しでも面同士が重なると押し出しできなくなります.これはとてもかったるい.fusion等で出来る、押し出し図形選択がfreeCADでは出来ないんですね.鬼の様にfuckでぇす.
↓ホーンを設計するためにはこのような捻じれた空間に描画する必要があります.これをロフトで接続するとホーンが出来るのですが、捻じれた平面のsketchをロフトするところでerrorが出まくりです.どういう条件ならロフト可能なのかを見切れていません.やっぱ複雑な事をやろうとするとfreeCADはダメかなぁ.ったくやる気が失せるわ.
↓ロフトエラーはさておき、捻じれた空間へのsketchをどうやるか? freeCADにはoffset平面を設ける機能はあるのですが、角度違い平面を設ける機能は無いみたい.回避するため、このような同心円状に多角形を描きます.
↓余分な線を削除して一筆書きの旭日旗にします.
↓ここまでお膳立てすれば押し出しできます.freeCADは一筆書きじゃないと押し出しできないみたいです.あぁめんどくせぇ
↓旭日旗の側面にsketchできます.ゆえに捻じれた空間にsketchできます.
ただ、こんなに苦労してもロフトが上手く動かないんです.ダレダレ~
四角い箱に穴を開けてちょちょいのちょいってな設計ならばfreeCADでもいいと思いますが、ホーンスピーカーの設計にはfreeCADは使えません.さよなら.
【おしらせ】
当ブログで書き散らかした3DPの投稿をまとめたノウハウ集を作りました.ダウンロード販売しています.¥660です. pdfをダウンロードしていただけます.全36ページ.
3DP印刷部品のstlファイルを無料ダウンロードできます.
Marlinのvscode project folder詰め合わせも無料ダウンロードできます.
よろしくでーす.