2018年1月2日火曜日

宮崎正弘 「AIが文明を衰滅させる」読了

本を調達するとき、Amazonで古本を買うか、図書館で借りるかで済ませてしまうケースが多くなったのは、新刊本を定価で買ってまで読みたいという渇望が弱いからです.

そんなわたしが珍しく新刊本を買ったのが、
宮崎正弘 「AIが文明を衰滅させる ガラパゴスで考えた人工知能の未来」
という本でした.

AIが登場・普及したらいろいろと悪いことが起きるんじゃないかなと思っているわたしとしては、宮崎正弘さんの独自視点によるヒントが書かれているのではないかと期待して買いました.

さっき小田急線に往復2時間ぐらい乗ったので、読みかけだったのを読了しました.

がっ、タイトルはAIについてだけど、AIが人類文明に与えるインパクトについて縦横無尽に分析した書籍ではないなぁ.感覚的にはAIについて書かれた分量は1%ぐらいではないか?

この本の論理構造としては、1)古今東西の人類の営みを挙げることと、2)それはAIでは不可能だと述べることとの2段論法になっていて、1の分量が99%で2の分量が1%しかないのが読後感です.いわゆるAI文明論としては良書とは云えないでしょう.

あまりヒントは得られませんでした.

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2017年11月14日に、「AIは人類を幸せにするのか?」という記事を書きました.

わたしが、AIが普及した未来は暗いんじゃねと予想する理由は、雇用を通じた分配という産業革命以来培われてきた経済政策が停止してしまうからです.AIに仕事を奪われて人間は雇用されなくなりますからね.

楽観的な人は、単純労働はAIに任せておいて、人類はよりクリエイティヴな仕事に就けばよいのだ、と言います.

だけど、製造業にいるとそれはまやかしだと判ります.¥80の円高に負けて、宮城県に現地雇用を生んでいた電子デバイス製造工場が閉鎖されました.中国の工場で中国人を雇用して中国人に作らせるようにしたからです.それで解雇された宮城県のパートのおばさんはクリエイティヴな仕事に就けたのかというと、そんなクリエイティヴな奴はいねぇっての.
もしもその工場が閉鎖ではなくAI化されて宮城県に在り続ければ、日本国にマネーが還流するのでマクロには無問題だと云えます.けれどミクロには、雇用を通じた分配が停止するコトに変わりありません.宮城県のパートのおばさんに給料が支払われるコトはありませんから.

それに工員さんがAIならば労働組合なんか無いので、経営者が雇用を守る動機が喪失します.宮城県の工場を畳んで中国に引越しするのを躊躇する理由が雲散霧消します.企業は法人税の安い国に無制限に流動してゆき、無国籍化してゆきます.日本国に法人税を支払ってくれる企業は鬼のようなスピードで消滅してゆくでしょう.

労働者の減少と、事業所の減少で日本国の税収は鬼のように減るでしょう.失業者への手当ての原資なんかありません.

工員さんが人間であった時は、賃金の下方硬直性のためむやみに製造原価を下げられず、製品価格が底なし的に下落する場面は起こりにくいものでしたが、工員さんがAIになったら工賃はゼロに収斂してゆき、製品価格は底が割れたように下落してゆくと予想されます.モノやサービスの価格が下がる現象をデフレと呼びます.

雇用減、法人の無国籍化、税収減、デフレ、、、まったくロクな未来じゃない.


パーマンに、ダミーロボットがでてきます.鼻を押すと自分に化けて働いてくれます.ダミーに仕事させといて自分はクリエイティヴなコトだけやってたいなぁと思います.けれど、AIが普及した世の中では、あらゆる産業の賃金・工賃がゼロに収斂するので、ダミーはちっともお金を稼いでくれません.困ったなぁ.

誰かミライを変えてくれ.

ネクサスよしっ、、、

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