2018年1月15日月曜日

アニメ「マジンガーZ infinity」で考えたこと (1979.4.7革命)

劇場アニメ「マジンガーZ infinity」を観ました.

いやはや、アッパラパーのパープリン作品でした.
まぁでも70年代にはこういうアニメを美味しい美味しいって皆で観ていたんだから、マジンガーZに苦情を言う筋合いはないわなぁ.そういう物なのだと思うしかない.

作品に対する感想は以上でオシマイ.

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【あらすじ】
Dr.ヘルが再び現れ、兜甲児が迎え撃つ.
Dr.ヘルは、多元宇宙理論における並行宇宙を移動できる超技術を手中にする.Dr.ヘルの目的は、彼の好む並行宇宙に移動=世界を改変することだ.
光子力研究所の面々も、全世界の人類も、世界を改変されたくはない.
マジンガーZと人類全ての心が一つになり、Dr.ヘルの野望は潰える.

以上があらすじで単純なお話なのだが、最後の方は「ぐぬぬ、、、」とうめきながら観ていたわたしであった.
Dr.ヘルは世界を改変しようとした.
人類は世界の改変を阻止した.
だがDr.ヘルによらずとも実在の人物に世界は改変されてしまったではないか?と.

マジンガーZ infinityは、永井豪の活動50周年を記念して作られたそうだ.永井へのリスペクトゆえか、マジンガーZ infinityの作品世界は、1970年代当時のテイストで作られている.
永井豪が絶好調だった1970年代の中盤までは、日本のアニメシーンは梶原一騎と永井豪に支配された世界であった.名作と云われるアニメは他にも多々在ったが、まだヲタクという言葉すら無かった当時のアニメ業界のビジネスの雄は梶原と永井だった、という意味である.

1970年代テイストの下品なロボットプロレス(言うまでも無く本作品のコト)を観ながらわたしは思ったのだ...
マジンガーZ infinityでDr.ヘルが壊そうとしたのは梶原一騎と永井豪に支配されたアニメシーンだったのだ.
マジンガーZ infinityの人類は、梶原一騎と永井豪に支配されたアニメシーンを壊す事を拒絶したのだ.そして人類は勝った.
すなわち、マジンガーZ infinityの物語構造は、梶原一騎と永井豪に支配された1970年代のアニメシーンを肯定的に懐かしむというコトなのだ.

マジンガーZ infinityの物語構造に気付いたところで、次の疑問だ.
梶原と永井に支配された1970年代のアニメシーンはどうして終わったのか?
年配のアニヲタならこの問いの答えを知っているであろう.

そう、機動戦士ガンダムの放映開始日1979年4月7日に、梶原一騎と永井豪に支配された1970年代のアニメシーンは終わった.アニメシーンは富野喜幸というアニメ演出家によって改変されたのだった.(Dr.ヘルの超技術によらずとも)
だからさ、2018年に永井豪リスペクトで、今更な感じのする1970年代テイストのマジンガーZ infinityを作ったはいいが、その物語構造が永井豪支配時代を懐かしむstoryだったというのは、悲しいかな永井豪に対する強烈な皮肉でしかなかった気がするんだよ.なぜなら我々は1979.4.7革命後のセカイに生きているのだから.

終わったコンテンツを蘇らせる意味を定義するのは難しい.本作はそれに成功した企画だとは云えないだろう.

かしこ

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