2018年1月27日土曜日

相撲協会はへっちゃらなのに、はれのひやコインチェックは身ぐるみ剥がされるのだろう

何処に雲隠れしてたのか知らないが、はれのひの社長は詐欺で立件されて臭い飯を食う羽目にまで墜とされるだろう.

コインチェックは倒産しただけでは済まず、管理が甘いだのと民事裁判で負けて社長は身ぐるみ剥がされる羽目にまで墜とされるだろう.

目に余る不正や目に余る怠慢をしでかしたら、刑事か民事で裁かれる.我々は普段からそれが当然だと、日本という法治国家では当然だと、思っている.

だが、何をやっても絶対に倒産しない組織もそこかしこにある.

あごを骨折する暴行事件を隠蔽しても、高い地位の者がホモセクハラでクビになっても、存続が絶対に揺るがないのが何かと話題の尽きない日本相撲協会だ.どんなに顰蹙買っても、それを無視して動揺しないふてぶてしさがあれば体制に影響しない.
談合の引責で社長が何回辞任しても倒産しないゼネコンも同様だ.彼らの客は役人と政治家と企業であって、国民の冷ややかな目線では彼らは動じないからな.
あまたある宗教法人も町内会も同様だ.

苦情を無視できれば組織は倒れない.

かつて、自民党に田中派とその後を襲った竹下派というのが居て、彼らも顰蹙を買ってもどこ吹く風のように強かった.有権者の意見を無視できたからだ.
いま、自民党には、かつての田中派や竹下派のような強豪派閥はもう居ない.それは何故そうなったのかというと、小選挙区制になったからだと思う.小選挙区だといくら派閥の親分が強くても当落には無関係だから.これが中選挙区制だったら、田中角栄の子分なら当選確実だったので、強い親分と強い派閥が生じ得た.長い目で見れば小選挙区制にもいいところが在るじゃん.

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コインチェックの話題に戻る.

コインチェックは管理サーバをネットに接続していたそうで、「バカメ」としか言いようがないパープリン経営である.600億円を野積みしてたようなもんさね.だけどひら的には、コインチェックの管理体制の甘さって、今時のITベンチャーの内情からしてありそうな事だと思う.

昨今は理系の大学でベンチャー支援が盛んで、優秀で金持ちの大学ならなおのこと研究成果をベンチャー企業化してこそ教授陣の業務評価に繋がるような組織体制になっていたりするようだ.それは自分が学生だった昭和の終わり頃とは随分異なる風景に見える.

だけどベンチャー起業って、真面目に考えたら大変だよ.
もしも先端技術製造業を立ち上げようとするならば、資金集めは? 生産は? 資材は? 知財は? 品質保証は? 法務は? サービス体制は? 営業は? 広報は?
体制を一揃えするために、どんだけ初期投資が掛かるのやら...

ところが、大学のベンチャー支援ってどんな物なのかをちょっと聞きかじった程度の知識なんだけど、わたしが知ったところでは、はっきりいってとてもプアだった.そんなんで支援と言えるのかねと思った.
具体的な支援として、金の出資と、場所貸しはしてくれる.だけど、ヘビーな事をやろうとしたら金なんかすぐに使い果たしちゃうからね.
出資は当然として、大学なんだから知財・法務の支援ぐらいしてくれてもいいんじゃないかと思うんだけど、そういう支援すら無いらしい.
わたしだったら、ベンチャー支援と名乗るなら、出資・法務・知財・経理・財務・EMCS・サービス・CEO派遣 ぐらい手厚くしてやれよと思う.
なぜなら理系の学生やマスターやドクターの連中は、経営知識なんか全く知らないのが当たり前であって、そういう奴らにベンチャーやれよと促すのなら、パープリンを世に放たないよう配慮するのが周囲の大人の責任だと思うから.だからこそ、様々な経営リソースを学生やマスターやドクター連中に提供してこそベンチャー支援と云えるのではないかと思うのだ.

それでだ、「今時のITベンチャーはなっとらん」と年寄りの「今時の若者は論」になってゆくわけなんだけど、製造業のベンチャー起業は大変なんだが、ITのベンチャー起業なら敷居はかなり低いと言える.
たとえばホリエモンは、ライブドアの前身のオンザエッジという会社を起業して社長をやっていた.業務内容は企業のホームページ作成およびメンテ・運用だったそうだ.こういう程度のIT企業だったら、経営リソースなんかとても軽くて済む.
業務内容っていえばサーバ建てて、HTML編集してりゃいいわけで、法務や知財でシビアな問題なんか起こるわけがない.EMCSだって不要.経理も財務もアウトソーシングしてりゃいい.調達先の与信で悩む心配もない.在庫抱えて冷や汗かく可能性も皆無.
どうよ、ITベンチャーなら貴方にもできそうでしょ???

つまり、ITベンチャーなんてのは、経営リソースをかき集めて綱渡りするようなのっぴきならない場面に直面することなく、なんとなく起業してなんとなく事業継続できてしまう、お手軽経営入門編みたいなやり方でも死なずに済む(事もある)セカイだったりするんだよ.
恐らく、わたしが聞きかじった大学のベンチャー支援も、あのプアな支援内容から推測するに、軌道に乗れるのはITベンチャーしかあり得ないんじゃないかと思っている.さもなくば知財を売るだけの企業とか.

ハッキング喰らって野積みの600億円が消えたというコインチェックの件からは、ITベンチャーの経営体質なんかそんな程度だってコトなんだと、改めてわたしは思った.

エイメン

4 件のコメント:

  1. おっしゃる通り法律、特許、財務、資材、総務などのハードルがベンチャー企業の立ち上げにつきものです。しかし現状を見ると、クラウドファンディングという仕組みは集金のみに特化しており、ハイリスク・ハイリターンです。この場合出資者個人の損失は限定的なので、大学ベンチャー支援の存在価値はもはや無いですね。

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    1. 夢と経営は違いますからねぇ.
      コインチェックのいう返金なんかできる気がしませんけどどうするんでしょ?

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  2. 今時のスタートアップ企業は、元気のある若者をサイコロ代わりにして、おっちゃん達が上場双六している感じですね。
    昔で言うベンチャー企業みたいなのはあまり見かけなくなりました。
    そうでない真面目な人達ももちろん知っていますが。
    今回のコインチェックのお子様達も、もう少しまともな大人と巡り会っていたらよかったのかなと。本人達も頭に血が上っていたのかもしれませんが。

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    1. ベンチャーキャピタルから出資を受けると、たとえ非上場企業であっても、収支報告やらを求められてスゲー大変だと聞きました.上場双六の掛け主は厳しいぞと.

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