屋根裏部屋を整理していたら、失われたテクノロジに属する聖遺物が発見されました.
↓これってわかりますかねー?
DVEなんちゃらっていう商品名でした.買ったのは1990年代でした.
↓リアパネルはこうなっています.3.5mmコネクタは音声入出力です.大きなコネクタは、S端子.S端子とはNTSCビデオ信号の輝度とカラーを独立伝送するコネクタです.
この機械は、VHSダビング時に使うビデオエンハンサなんです.
アナログダビングは画質が劣化するのでエンハンサで回復させようとするもの.
デジタルビデオの登場と共にVHSが退場し、ビデオエンハンサの需要も消滅しました.
実は、この機械にはビデオエンハンサだけでなく、コピーガードキャンセラー機能も備わっていたんです.買った目的はこちらでした.
VHSカセットで販売されるコンテンツのうち半数ぐらいには、VHSダビングを妨げるコピーガードがかかっていました.VHSデッキ同士でダビングするときに、VHSデッキのビデオ信号処理回路を発狂させてダビングを妨げようとする原理でした.
VHSの録画回路の先頭には必ずAGCが設けられます.AGCの基礎的原理としては、水平同期信号の振幅を一定に保つことです.
↓ところがVHSデッキのAGCは、ビデオ信号のカラーバーストの付近(記憶は曖昧)に巨大なパルス(下記黄色)をぶち込んでおくと発狂するんです.それを逆用して、VHS映画等のコピーガードとしていました.発狂すると画面が暗くなってしまいました.
ここで重要なのは、巨大なパルスをぶち込んでも大抵のTVは発狂しないということでした.TVのAGC回路の仕組みはVHSとちょっと違っていたのでしょう.
しかし残念ながら、巨大パルス信号があるとごく一部のTVは発狂するのでした.
そういう事情だからと思うのですが、VHS映画等のコピーガード普及率は50%ぐらいでした.アダルトビデオにはコピーガードはほとんど入ってなかったと記憶しています.
↓これがプリント基板.
意外と真面目な回路になっています.恐らくビデオ信号をAD変換して、簡単なデジタル処理でエンハンスとコピーキャンセルしていたのではないかと、PCBを見て思います.
主要なICチップ3つの商品名は削って消してありますね.
なんにせよ、1985~2010年ごろまでのAVテクノロジの大変革期には多額の投資をして来たわたしです.
VHS → SVHS → レーザーディスク → 8mmビデオ → DVD → HDDレコーダ → BD → youtube
というのが大まかな流れでしたかね?このビデオエンハンサ/コピーガードキャンセラは、AV大変革期の始まった頃の聖遺物なのでした.
エイメン
>>AV大変革期の始まった頃の聖遺物
返信削除そういえばモザイク除去機なるものもありました
当時の広告では定価¥99,800-→売価¥39,800-とかでした
理論的にモザイクは除去出来ないはずなのに買う人がいるのだろうか?と思っていましたがコピーガードもはずせるとかの機能付きだったようです。コピーガードキャンセラの筐体はプラスチックですが、画像検索したモザイク除去機の筐体は板金加工・メラミン焼付塗装・シルク印刷ととてもお金がかかっている筐体のようです。購入された皆様はエロに対してお金に糸目を付けなかったのでしょう
当時のワタシはsony愛好者だったので、ビデオデッキはハイバンドベータマックスSL-HF1000Dだったので、再生用VHSからの信号でコピーガード信号でエラーは全く出ませんでした。
>モザイク除去機
削除信じる者は巣食われる、もとい救われる系の「壷」としか思えないんですがな.
上記コピーキャンセラーはプラスチック筐体でした.
>ベータ
確かに、ベータのAGCはVHSコピーガードには影響されないんでした.
ベータえらい.
しかし2000札を拒否する病院って.....