2019年7月1日月曜日

【にわかAVマニアのAK4495】 自作基板を試聴してみました → GOOD

海外に出ずっぱりから再びドメスティックに戻ったヒラサカです.しかしまだ時差ボケと帯状疱疹の後遺症に苦しんでいます.

旭化成のDAC AK4495の自作プリント基板を試聴しました.

AK4490の市販プリント基板と比較し、AK4495の方がGOODでした.

設計情報は後日公開しますんで、今日は試聴した感想を書きます.

------
↓これがAK4495 DACシステムの全体.
① AK4495基板 Lch (自作)    →基板について     →Datasheetについて
② AK4495基板 Rch (自作)
③ XMOS DDC基板(市販品)   →こちら
④ Arduino Nano (市販品) 裏側
システムの骨子としては、
1)USB DACである
2)SNRを良くするためにAK4495はモノラル使いとする(DAC基板が2枚なのはそのせい)
3)モノラルに設定するにはAK4495をI2Cバスでレジスタ制御する必要あり →Arduinoを利用する(めんどくさ~)

↓音質の比較対象は、市販のUSB DAC基板である.AK4490が載っている.
こちらの基板はXMOS ICとAK4490が一体型になっている.
OPAMPは、以前比較してみて良好だったMUSE8920に換装した.
LPFのコンデンサはWIMAのフィルムコンに換装した.

↓4490/4495両基板とも、DAC外付けのLPFはカットオフ周波数約100kHzにしてある.ただしCR定数は異なる.4495では熱雑音を考慮して低抵抗にしてみた.
←LPF for AK4490
←LPF for AK4495

XMOSのドライバ設定で24bit/192kHzにした.CDファイルであっても24bit/192kHzに変換してDACへ流し込む設定である.

パワーアンプはTA2020である.  →こちら

------
さてさて、おもむろに試聴.

4490と4495のSPECの差は、第一にSNRである.
  4490=120dB  (ステレオモード)
  4495=126dB  (モノラルモード)
この6dBのノイズフロア差が音質の差として顕在化するかどうかに着目する.

まず、2000年以降に録音されたPOPs系音楽ソースだと、わたしの耳ではノイズフロアの差はわからなかった.新しい録音だと全帯域にミチミチに音を詰め込む録音になっているので、ノイズフロアに隠れた音を聞き分けようとするには不適なのだと思った.
ここで正統なAVマニアであればクラッシックで比較するのだろうが、あいにくわたしはクラシックには全く興味がない.

というわけで、70年代とか80年代の古めのCDをいろいろ聴いてみて、ノイズフロアによる差異を聞き分け易かった曲は、宇宙戦艦ヤマトシンフォニーの中の「イスカンダル」だった.HiResファイルである.
イスカンダルの前半部分ではフルートがあのメロディを奏でる.そのバックグラウンドにヴィブラフォン(だと思う)が弱い音量で被っている.
4495の音の方がバックグラウンドのヴィブラフォンを3dBぐらい明瞭に聴取できる.
さすがは4495優秀.

もう一点差異を感じたのは、10kHz以上ぐらいの高音域の感度だった.ハイハットのチッチッという音やvocalのハスキーさが4495は優れている.本物っぽい音に聴こえる.
ただしこれはノイズフロアの性能差によるのではなく、プリント基板の設計に原因があるのかもしれない.
というのは、4490市販基板の電源パターンを虫眼鏡で観察すると、いまいちなんだよ.
  「え~っどうしてパスコンが離れているの? もっと近接できるじゃん fuck!」
  「なぜここにviaを打たんのだ! fuck!」
  「B面をもっと有効に使え!」
などとイライラするんだ.
それで自分でプリント基板を起こそうと思ったのだった.ついでに4495を導入.

AK4495自作基板のアートワークはこんな感じにした.パスコンをギチギチに近接させ、同じnetに複数個のviaを打つ.もちろん4層基板の内層ベタGNDである.まぁセオリー通りの処置なのではあるが.....
高音域の感度問題はこういった電源設計の賜物だったのかもしれない.切り分け検討まではしていないから推測ということで.

なお、聴感上の位相特性には4490/4495で違いは感じられなかった.兄弟ICだから基礎性能は同じなのだろう.

------
音質レポは以上である.AK4495基板を作ってよかったという結論だった.もう4490には戻りたくない.ましてPCのaudio端子になぞ.

ちなみにどのくらいお金がかかったか?
  AK4495       ¥2500    (2ヶ)
  プリント基板    ¥900     (2枚)
  Arduino Nano     ¥200
  XMOS DDC    ¥2800
  MUSES8920    ¥1000     (2ヶ)
  REGとかコンデンサ     ¥1000
中華通販や秋月で部品調達したので安く調達できているはずだがそれでも¥8400もかかっている計算だ.後日ケースを追加するので最終的に1万円ぐらいになるだろう.
AK4495ですらこれなのだから、AK4499やES9038proを載せた市販のHiRes DAC製品が30~50万円もするのは仕方なしといったところか....  非情だ.

さて、2台目を作ろうっと.

かしこ

0 件のコメント:

コメントを投稿