平坂久門ただいま失業中: 【七夕の願い】中華でもいいのでFLASHメモリが巨大になりますように

2016年7月7日木曜日

【七夕の願い】中華でもいいのでFLASHメモリが巨大になりますように

ハードディスクの大容量化はもう終わりだ．わたしがそう確信してから何年も経ちます．基本的な考えは今でも変わりありませんが、ジリジリと容量を増やして今では３TBで数千円のHDDが売られるようになったのは少々意外でもあります．

↓2010年ごろまでは、数千円の最安値HDDはこのようにDISK１枚の製品でした．

↓同じく2010年ごろまでは、このような複数DISKを内蔵した製品は大容量だけど値段も高い、という棲み分けになっていました．（この写真は３枚DISK）

現在3TBで数千円のHDDはDISKが３枚または４枚内蔵されており、HDDメーカーのコストダウン努力は大したものよのう、と感心しています．

逆に言えば、HDDのDISK１枚で1TBにまで進歩したところで行き詰ったということです．それが５年前ぐらいの出来事であった．

↓値段は高価だけど6TBなんつうHDDもあるわけでして、これはHGSTの資料ですが、なんと７枚のDISKを内蔵することによって6TBを実現しています．HDDメーカーも己の人生がかかっているので死に物狂いというところでしょう．まさかここまで頑張るとは思わなかったにょ．

ゆえに10TBのHDDを実現するには、DISKを１０枚内蔵すりゃOKってことですが、鬼のような生産技術です．
こういうのはやれば出来るの典型ですが、価格はどうなるかと云うと、7DISKや10DISKの製品が数千円まで価格下落するとは考えづらい．2010年ごろまでのHDDは毎年容量単価が半額になるくらいのペースでしたが、現在～未来のHDDはもうそうならないと予想されます．エイメン

そんなHDDを追い上げる宿命のライバルは何かと云うと、FLASHメモリです．

ところがFLASHの価格はごく大雑把に云ってHDD価格の１０倍程度のまま、いまいち低価格化が進みません．だからHDDメーカーがいつまでも生存できているともいえます．

そんな状況の２０１６年ですが、こちらの記事は、３次元FLASHの生産に中国が乗り出すとセカイが変わるかもよ、と耳寄りなハナシを語っています．

中国メーカー参入で3次元NAND市場が爆発か？

３次元FLASHとは何かというと、メモリセルをこのように立体的に積み上げて大容量化を図るLSIプロセス技術です．

右図は４階建てでビルの高さは２ミクロンぐらいかと思う．見るだに量産が難しそうですがそのとおりで、サムソンも東芝もまだガンガン量産するほどではないらしい．東芝が2018年に生産を増やすと云ってます．

そこへ中国が、３次元FLASH生産に割って入ろうとしているらしい．

それは歓迎です．
七夕の短冊に願いを書きました．
「中華FLASHでストレージが巨大化しますように」

メジャープレイヤーがサムソン＋東芝だけってのはちょっと寂しい．３社目のメジャーが参入してFLASH市場に喝を入れてもらいたい．その３社目があのなんでもありな中華様だったとしたら、新たな競争のネタと軋轢が生じそうで、一人の消費豚としてはうれしい気がします．

もっとも、サムソン・東芝ですら量産に手間取っているくらいですから、大雑把さでは定評のある中華メーカーがサクッと３次元FLASHに参入できるとは考えずらいとも思います．

そこで件の記事が指摘しているのは２つ．

１）かつて日本が韓国にやられたように、中国が韓国人技術者から金で技術情報を買い漁っていて、サムソンを真似たfabを中国人が作っている．中国のキャッチアップは想像より早いかもしれない．

２）かつてメインフレーム向け高品質DRAMを生産していた日本が韓国にやられたように、信頼性基準を過激に下げたFLASHを中国が量産し、それが主流になってしまい、一気に市場が中国製FLASHに流れる可能性がある．

なるほど、願望コミコミだけど、ありえるかもしれないと思う．

あたかも価格が数分の一で売られている中華光DISKみたいだと思いました．光DISKは市場が絶賛シュリンク中なので中華光DISKのシェアは伸びてないみたいだけど、FLASHは市場の伸びが期待されるので、安く作れば作っただけ売れるんじゃないだろうか？

七夕の短冊をもう一枚書いとこっと．

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私のストレージ用途は古いアニメのエアチェックデータを記録するのが主で、容量的には10TBは欲しい．しかしながら個人で10TBを保持したがる消費者っていうのは少数派だと思われ、多くの消費者が身にまとっているデータ量は1TB未満ではないかと思います．ゆえに多くの消費者にとってはクラウドストレージで充分なはずです．クラウド便利だし．

だとすると、将来におけるストレージデバイスの需要はご家庭の消費者ではなくて、多くがデータセンターになると予想されます．そのデータセンターがFLASHストレージにシフトする．（消費電力が少ないのですでにFLASHシフトは活発とも言われるが詳しくはしらない）

データセンターは数年で書き込み寿命が尽きるFLASHストレージを数年毎に更新するので、古いFLASHストレージをドカッと捨てると思うんです．実際には捨てるのではなく、ジャンク屋に二束三文で売る．

そうすると、そういう中古品FLASHストレージが大量に秋葉原のジャンク屋に流通する．

すると、そのジャンクFLASHストレージをヒラサカが買う．そういう生態系の中に取り込まれたいと思うヒラサカです．1TBで￥１０００を希望します．

七夕の３枚目の短冊に願いを書きました．

「ジャンクSSDが秋葉に大量流通しますように」

＃データが消えちゃうというと、紫外線消去のEEPROM 2732なんかを思い出します．なつかしー