2019年5月21日火曜日

【にわかAVマニアの調査】旭化成DAC AKシリーズdatasheetを読んで

平素お世話になります.ま~たまた現実逃避モードにがっつりとはまっているヒラサカです.

逃避先は、旭化成DAC AK4495をモノラル使いする自作プリント基板だ.datasheetを読んで回路図を描いているところ.

AK DACラインナップは、
4490(¥300), 4493(¥1400), 4495(¥1200), 4497(¥6000), 4499(?)
などがある.SNRと値段を考慮していずれかでプリント基板を作ろうとdatasheetをチラ読みしたので感想を書こうと思う.

【お値段】
上に書いた価格は中華通販での最安値だ.
AK4490は極端に安い.にわかAVマニア的にはGOODな音だと思うけどね.
まだサンプル出荷が始まったばかりのflag ship AK4499のお値段は不明である.
それでもAK4497¥6000よりも安いことは無いだろうから、瞳孔全開なお値段になるんだろうね.
というわけで、プリント基板を作るならAK4493かAK4495のどちらかにしようと思う.

【性能、SNR】
4490(120dB), 4495(123dB), 4493(125dB), 4497(131dB), 4499(134dB)
4497と4499のSNRが飛びぬけて優れている.
性能は価格に比例する....

さらに、モノラルモードというのがある.2ch DACをモノラル使いするという仕組みである.(DACは2つ載せる必要がある)
後段のopampでLch+Rchでモノラルにすると正規分布ノイズなら3dB減るっていうあのメカニズムだ.もっともDAC出力ノイズが正規分布ノイズとは考え難いがな.
4490(123dB), 4493(126dB), 4495(126dB), 4497(133dB), 4499(140dB)
これを知ってしまうとモノラルモードで自作したいと思う.

【発売時期】
各々のdatasheetを読むと、ちょっと謎なところがある.型番から推測するとAK4493は古いICのように思われるのだが、電源電圧や機能の豊富さから推測すると発売時期がAK4495の後なのではないか?

datasheetの変更履歴から凡その発売時期を追ってみた.以降は発売順で表記する.
4495(2013.9), 4490(2014.4), 4497(2016.4), 4493(2017.12), 4499(2019.5)
あっと驚く並び順ってことになったよ.4493って新鮮なんだねぇ.またAK4495の古いこと.....

これから旭化成の開発戦略が垣間見える.
4495をベースに廉価版の4490を派生させる.
設計を刷新した4497を開発し、その廉価版として4493を派生させる.
そしていま、最新設計の4499をリリースしたばかり.
てことは、、、4499の廉価版を1年後に出すのかな? 型番は4498かな  >  AKさん

【電源電圧】
電源電圧はプロセスの変化時期を推測するのに有用だ.
  デジタル系  4495(3.3V)4490(3.3V)4497(1.8V), 4493(1.8V), 4499(1.8V)
  アナログ系  4495(7V)   4490(7V),    4497(5V),   4493(5V),    4499(5V)
これらから、4495/4490が古いプロセスを使っているのだと推測される.

datasheetから、4495/4490はアナログ電圧=7VだとSNRが若干改善するらしい.
AKシリーズはいずれも出力レベルが差動片側2.6Vppかそれ以上という巨大さであるが、SNRを稼ぐための高電圧出力なのだという.
今作っているプリント基板はAK4495を7Vで動かすことにしよう.

ただしAK4499は初めて電流出力になった.I-V変換回路に音質が大きく左右されるだろう.

【パッケージ】
パッケージにも歴史が垣間見られる.
4495(QFP44 0.8MM),
4490(QFP48 0.5MM), 4493(QFP48 0.5MM),
4497(QFP64 0.5MM),
4499(QFP128)
最古参の4495は0.8MMピッチなんだよ.自作向けには0.8MMは非常に有り難い.
それ以外は0.5MMピッチになってしまって、半田づけが難しくなる.
わたしは神の手ではないので0.5MMはキツイんだ.
しかも、0.5MMともなると、失敗せずに半田づけできるのは48pinがせいぜいってところだ、わたしの場合は.

【モノラルモードとI2C】
ここで取り挙げたAK DACの全てにモノラルモードが備わっているようだ.ただしかったるい点がある.I2CバスでDACを制御してやる必要があるんだ.
どういうことかというと、、、
大抵の機能はICのピンで制御できるのだけど、モノラルモードにセットするにはピンでは不可能.I2C経由のレジスタ設定でしなくちゃいけない.Arduinoを載せなくちゃいかん.づがーん

【DDCとAK DACの制御系】
前回のにわかAVマニアで、DDCについてレポした.
DDCには様々な種類があるのだが、共通する疑問として「DDCはDACの制御をやってるの?」というのが脳裏から離れない.

現時点でのわたしの結論は、「汎用DDCはDACを一切制御しない」である.

ええっ、そんなんでどうして動くの? サンプリング周波数変えたらDACを設定してやらなくちゃいけないでしょ?

わたしも当初はそう思っていたのだが、サンプリング周波数はDACが自動検出する仕様になっているんだ.AKだけではなくTIのDACでも同様だ.

「汎用DDCはDACを一切制御しない」の傍証を挙げる.
・DDCとDACのIFはMCLK/BCK/LRCK/DATAだけしかない(PCMの場合).ゆえに何らの制御信号もDDCから出力されない.
・PCのDDCデバドラには、DAC選択menu等が存在しない.
・PCのDDCデバドラには、PCM/DSD選択menuが存在しない.さすがにPCM/DSD切り替えにはDACを制御してやらねばならないので、汎用DDCはDSDを放棄していると推測する.

そうゆうことになっている、、、としか云えない.....

【LPF推奨回路】
datasheetの推奨回路を見るだに唸ってしまう.この抵抗値の低さよ.50Ωマイクロストリップラインの高周波回路かっていいたくなるようなlow impedanceさだ.audio回路なんか10kΩでいいじゃんと言いたい.

この低抵抗値には理由があって、SNRが130dBとか140dBともなると、抵抗の熱雑音のうるささを無視できなくなってしまうからだ.熱雑音を小さくするには抵抗値を低くすればいい.その結果このようなlow impedance回路になる.う~ん、、、

値段の高いlow noise opampを使わないとDACの性能を生かせないのはいわヅモ.う~ん、、、


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以上の考察により、価格、性能、パッケージ、を考えてAK4495はお手軽なのだった.
AK4493は4495と性能が近いが0.5MMピッチなのでやめておく.

AK4497? そんな高価なもの、半田づけを失敗したらと思うと怖くて使えないよ.

AK4499? 無料サンプルきぼー、しかし128pinは手半田は無理だな、ぜつぼー

かしこ

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