背脂男子との間接キスのお味は？

その日の帰りは少し遠回りしてラーメン二郎系に寄る事にした。家に奥さんのお客さんが来てるのと、昼飯抜きだったので腹ペコだったから。

かつて二郎大盛りは１度で懲りた。なのでいつも小サイズ。野菜マシ。

ニンニク入れちゃったので帰宅したら家族から臭いから寄るな攻撃を喰らうのを覚悟して食べ進める。

俺が着席した隣には何故かコップが置き去りだった。前の客がカウンターの上に戻し忘れたのだろう。間違って飲まないように気をつけなくちゃ。

ほどなくして隣席に若い女が着席。サイズは小だが野菜マシマシコールで、「こいつ俺より大喰いだなぁ」とビビリつつ食べ進める。

前任者コップは俺の視野に入っている。

女子の小野菜マシマシが着丼。

女子が少し食べたところで前任者コップに手が伸びた・・・

「うっ、いかん！　それは・・・」

女子は前任者コップに残った水を飲み下す。

うげぇぇ。誰とも知れぬデブが背脂でべっとべとの口をつけたコップと間接キッスが成立してしまったぁー。あまりのおぞましさに隣席で失神しそうになってた俺。

そしたらその女子が背脂水を飲んですぐに気づいたの。背脂デブとの間接キス後なのでもう手遅れなんだけどさ。

女子は背脂コップをカウンターの上に置いて、新しいコップに水を汲んでなに食わぬ様子で小野菜マシマシをパクついてた。

あの女子は今頃呪霊になっていることだろう。

無為転変