2023年7月4日火曜日

うがちすぎだろうか? ANIPLEXの企画がおかしくなってないか?

ANIPLEXはソニーのアニメ会社です.

わたしが芝浦TECでDDS3を開発してた頃、少し思ってたんだ.
 「SPEに異動させてもらえないかな?」
1996年ごろだったからまだANIPLEXは存在しませんでした.

ANIPLEXが設立されたのはwikiによると2003年です.
わたしは2010年にリストラでソニーを辞めることになるのですが、その時にも、
 「ANIPLEXに異動させてもらえないかな?」
って思ってました.そしたら平坂プロデューサーの出現だったんだぜ.えへへー

それにしても、2010年ごろには、まさかソニーがアニメ業界のメインプレーヤーになるとは微塵も思ってませんでした.

やがて、残響のテロル(2014)、四月は君の嘘(2014)、冴えカノ(2015) のようなシブイ作品を作るので「なかなかやるもんだね」と思うようになりました.
鬼滅(2019)と呪術(2020)で巨大制作会社に躍り出る.
リコリス・リコイル(2022)は大人気.

リコリコの第一話の放映(2022.7~)はこれを書いているちょうど1年前でした.あの素晴らしい3か月間が懐かしい.

リコリコと同じA1-picturesが同時期に制作し、リコリコと同時期に放映された「engage kiss」を憶えている人は少ないと思います.放映と同時にゲームまでリリースしちゃって、ANIPLEXは相当資本投下したと思われますが不人気でした.

一方のリコリコは、作画監督だった人を監督に初抜擢する時点でやる気の無い企画なのがミエミエで、事前広告も静かなもんでした.ところが放送開始と同時に人気爆発.ところが待てどもグッズが出ない.きっと全然準備してなかったからです.

ANIPLEX的に仕込みたっぷりのengageが不人気で、仕込み無しのリコリコが大人気という皮肉.

ひら的にはengage kissの失敗はかなりショックなんです.なぜかというと、脚本が「WA2」「冴えカノ」の丸戸史明なのですごく期待してたから.しかし、丸戸が実力を発揮できるstoryじゃなかったのでしょう、退屈で凡庸で滑ってました.
WA2も冴えカノも、付き合い始める前の三角関係を描いたstoryでした.ところがengageは過去の3角関係を引き摺ってる男女の人間模様だったので、丸戸の得意分野じゃなかったようです.それとengageはSF actionですから毛色が異なります.

どうして丸戸に「SF action・過去3角関係」をやらせてしまったのか?
ANIPLEXのプロデューサーの「今度は丸戸さんのSF actionを見たいなぁ」という発言がengage制作のきっかけだったそうです.engageの宣伝記事にそう書いてありました.

この采配はプロデューサーとして失敗だったと思います.しかもゲームまで作ってしまって痛かろう.おまけに、やる気のないリコリコが大ヒットしてしまうという皮肉も交じってしまって、ANIPLEXとしてはまったくもーじゃないですかね?

プロデューサーが丸戸に惚れ込みすぎだったのが根本原因ではなかったか.丸戸に高い実績があるのは同意しますけど、「SF action・過去3角関係」でも素晴らしいperformanceを出せるかどうかは冷静に値踏みしなくちゃいけないはず.でも丸戸を好きで信じすぎたんじゃないですかね?

ファンとして丸戸の再起を切望します.

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engageから1年後、似たような失敗をANIPLEXがしでかしたんじゃね?と思ってしまったのが、先日観た「青春ブタ野郎 おでかけシスター」でした.

劇場版には耐えがたい中身の薄さ.悪い話じゃないし、演出が悪いわけじゃないんだけど、とにかく中身が薄いの.
 主人公の妹が高校受験を失敗する.だけど通信制高校でもいいじゃない.
これだけなんだもん.

「ANIPLEXはよくこの企画通したな」がこの映画の感想です.
脚本会議で「もう少し肉付けが欲しいですね」とかいう意見出なかったのかな?

ANIPLEXのプロデューサーは原作者 鴨志田一に惚れ込みすぎだったんじゃね?


まとめ:
「この人の作品を世に出したい(惚れ込みすぎ)」
「雑魚企画なんかテキトーでいいよ、予算ならたくさんある」
「ゲームだって作ってもいいよ、予算ならたくさんある」
「今の観客は知能が低いから薄いstoryしか受け付けないもんだよ」

↑こうゆう臭いをANIPLEXから感じたわたしでした.

そして、こうゆうスタンスで作られた作品は「すずめの戸締り」みたいな、わかるひとにはわかる凡庸臭が漂うものなんですよ.そういや「すずめ」もANIPLEXだわ.

えいめん

6 件のコメント:

  1. 読者 幻の平坂プロデューサーおしい

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  2. カリオストロの城について岡田斗司夫が語っていたのを見ました。
    最初は次元とルパンだけしか出ないように考えられていたけど、
    ルパンの作品には峰不二子、五右衛門は必須と回りに押し切られて
    出したという設定らしいです。
    言われて出すけど、極力最初のコンセプトを崩したくないから
    五右衛門は切った後とか、刀の一部とかしか出ていなかったりしているとか出さないけど、居る感を出したりしているのはすごいと
    演出をほめていました。
    作品が良くなるかは、本人の実力も必要だけど、情熱があれば意外と行ける時もあるかもしれません。
    スターウォーズは最初はそんなに掛けられなかったけど、色々工夫したおかげで名作になったと思っています。
    日本の特撮も少ない予算の中、色々工夫して迫力のある映像にできていたと思います。

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    1. 不二子と五右衛門は登場しなくても問題なさそうですね、カリ城は.
      宮崎駿に情熱があったのはせいぜいトトロまでで、ハウルなんかどんだけやる気があるんだかわけわからんです.
      震災とか環境とか、時事問題に題材を求めた時点で作家の旬の時期はおしまい、と判断してよいでしょう.

      セブンと2001年はどちらも1968年ごろで、スタッフがセブンで力尽きたのと、2001年で特撮のメッカがハリウッドで確定したのと、それらが同時に起きたよな気がします.

      一方アニメは手を変え品を変え生存しました.

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    2. >アニメは手を変え品を変え生存しました
      そろそろ、限界の兆しが・・・

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    3. アニメ限界要因について2つ思うところあります。

      1)カジュアルヲタクの超大量参入によりアニメ企画が低劣化する

      spyfamilyの好評はそれです。すずめも同様。そしてKADOKAWAは転生モノばっかし。

      2)世界市場進出でフェチシズムに自己規制がかかる

      要するにdisneyっぽく堕落するという事です。

      カジュアルヲタクも世界市場も金だけ落としてくれるならいいんだけど、変な口出しまでされると、日本のアニメはフェチを封印して高転びする可能性があります。

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