アニメの回り込みの極致「みなみけ」ここまでやるか？

小学４年生のわたしの子供が、「旧ルパンのサントラ」をCDラジカセで寝る前に聞くというタイムマシンで４０年ぐらい時間を遡ったような曲を聞いていたのですが、今日はCDを変えたというのでなんのCDだったかというと「ガルデモ」のCDでした．いずれにせよ眠れそうにない曲です．ガルデモの正式名称はgirls dead monsterでしたっけ？

さて、皆さんはアニメ表現における桃源郷、「回り込み」というおバカな技法をご存知でしょうか？

たいていは、というかもれなく演出上の意味がほとんどない「回り込み」ですが、アニメーターの若さの発露とでもいいましょうか、観ていて不愉快になることは決してありません．それが「回り込み」です．

まずは、「みなみけ」より回り込みの実例をご覧ください．

このシーンは、ラブレターをもらったのが大変なんだということだけを表現したかったらしいのですが、「回り込み」が見事です．ただし、ラブレターをもらったことの大変さを表現するために「回り込み」が必要だったのかというとそれは謎としかいいようがありませんが．．．．．．

「回り込み」というと、「さすがの猿飛」が毎回のようにグリグリと３回転ぐらい意味不明の回り込みをこれでもかとやっていたのが鮮明に記憶に残っています．

ところがこの「回り込み」は、キャラクターを360度描かなくちゃイケナイのに加えて、背景も動かさなくちゃいけませんので、メチャクチャ作画が大変なんです．だから若い原画マンが遊びで回り込ませちゃえと考えて勝手にやるようなハチャメチャな制作体制でなければ「回り込み」なんかフツーはやらないというキチガイ技法と言えるんです．

しかし、この「みなみけ」の「回り込み」はマジメにやってますねえ．背景はCGで回しています．キャラは手描きでしょう．よくぞここまで手間をかけて回したもんだと感心してしまうわたしです．「みなみけ」で唯一このシーンだけは編集して永久保存版にしてありますから．

大御所アニメーターはまず「回り込み」なんかやりません．大塚、宮崎駿、安彦、湖川、貞本、、、、これらが「回り込み」をやったシーンを一つも知りません．

宮崎駿がまだ２０歳台だったころ、このルパン三世のシーンは回り込みじゃないけどわざわざ背景動画で描いためんどくさーいことをやってしまったシーンらしいです．机と花瓶が背景動画で動いています．「回り込み」とまでは言えませんが宮崎駿ですら遊んでもこのくらいまでっていうことでした．


どんどん回り込んでもらってOKです．

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