前回に続き、工具径補正をツールで自動的にやらせたいというハナシです.
G41G42を使わずに工具径補正を自動計算してくれるフリーのツールは、NCVCしか見当たりませんでした.かつてはJMM-TOOLというのが在ったらしいですが、downloadサイトを発見できずでした.
有料なら工具径補正の出来るソフトが在るんですけどね.また、市販のCNCマシンに付属するソフトなら工具径補正も出来るのでしょう.
それでNCVCを使ってみました.
ここでやりたいのは、このような不定形の図柄の黒い部分を掘削するCNC加工です.
NCVCで工具径補正をするまでのワークフローの概要はこうなります.
(inkscape作業)
・pathで文字を描く.ただしレイヤー名称はCAMとすること.
・上記文字をpoly-lineに変換し、dxfで保存 (NCVCがsplineを読めないため)
(NCVC作業)
・dxfを開く
・編集→加工指示→形状認識処理
・NCVCで編集→加工指示→自動輪郭処理 (複雑な形状だと処理できない)
・手動で輪郭処理をチョチョイと行う
↓不定形な図柄をNCVCで自動輪郭処理すると、計算能力の限界のようでうまく出来ませんでした.下図の赤いラインは文字の外形線.黄色いラインは工具径補正されたラインです.
・ブロック体のHirasakaは工具径補正が上手く出来ている
・筆記体および習字体は工具径補正がほとんど出来なかった、残念
すなわち掘削領域が細かったり、尖っていたりすると自動輪郭処理から除外されるようです.
筆記体に在る工具径未満の幅狭部分が失敗するのはやむなしと思います.しかし「久」の文字は太いので工具径補正が成功してもいいんじゃないかと思います.「久」に在る尖った部分の工具径補正計算がうまく処理できてないのだと想像します.
というわけで、G41G42に頼らずに工具径補正が出来るかと期待したNCVCでしたが、あまりにも不定形なワークには力不足というのが使ってみての実感です.削って箱を作るような用途にはNCVCで無問題であろうと思います.
さてさて、困ったぞ.G41G42に頼らずに工具径補正の出来るパワフルなフリーソフトが見当たらない.自分の家の表札を造りたいだけなので、前回やったみたいに手書きで工具径補正をするのでも仕方なしといったところか?
↓ちなみに、このようなピンポイントのブレードは入手済みであり、輪郭トレースとハッチングで諦めるのなら工具径補正は不要ではある...
とりあえず今回は詰みということでした.
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かしこ
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