ところが、なぜかマスコミの吹く「カケ(加計)モリ(森友)」の笛では浮動票有権者が踊り、都議選における自民党の大敗を招きました.マスコミは久しぶりに世論支配力を発揮できてさぞ喜んでいることでしょう.
でもでも、今まで踊らなかった浮動票有権者はなぜ「カケモリ」の笛で踊ったのでしょうか? ひら的にはそれが不思議でなりません.
一つの仮説として、野党第一党の民進党があまりにも弱体なので、自民党への批判票が向かう先として民進党は役不足なため、自民党支持率が高止まりしていたという、野党自滅説が考えられると思います.都議選には都民ファという代替が在ったので自民批判票が都民ファに向かったのだと演繹されます.
しかしやはりこの仮説は弱いと思うんです.順序は「カケモリ」で浮動票有権者が踊ったのが最初(=原因)であって、都議選の様相は結果なはずだからです.
ここ数年間は、大臣等の不祥事(甘利の収賄や宮崎謙介の不倫辞職)でも内閣支持率はビクともしなかった.ところが直近の1~2ヶ月で浮動票有権者のマインドが「自民へ投票するのは恥ずべきこと」という風に突然変わりました.突然変わったきっかけは「カケモリ」であると見えます.
けれど、果たして本当にカケモリが理由なんでしょうか? なんか違う気がする.なぜかというと、カケモリ > 甘利宮崎 な理由なんかどこにも無いと思うから.
だとすると、現象的にはカケモリがきっかけに見えるけれど、本質的な原因は見えずらい別のところにあるんじゃないかとひら的には思うわけです.
本質的原因とはなんだろう?
ーーーーーーーーひら仮説 ここからーーーーーーーー
直近の1~2ヶ月に生じた、日本人の心に強い負のインパクトを及ぼした事件と云うと、北朝鮮有事の件だったと思うんです.ミサイルが東京にも飛んでくるかもしれない.電車は止まる.空襲警報が鳴る.米朝が戦争を始める寸前だ...70年ぶりの戦争の危険を日本人がリアルに感じた極めて特異な事件だったと思われます.そしてその後、憲法改正宣言がされました.都議選の直前には、テロの危険があるから、という理由で共謀罪法案が成立する流れになりました.
これらの時期は、「有事・テロ・戦争」が眼前に迫っているのだと嫌でも認識させられる情勢でした.有事認識を強要された浮動票有権者の深層意識が大いに傷ついた.浮動票有権者にとっては「有事・テロ・戦争ばかり前面に押し出してくる安倍政権」が怖くて嫌で仕方なく感じられるようになった(深層意識レベルで).テロや戦争を耳にするだけで自分が汚された気分になった(深層意識レベルで).
それはさしずめ、精神汚染されたアスカ・ラングレーみたいです.「お願いだから、これ以上心を侵さないで!」「汚された、私の心が、安倍さんのせいで、汚されちゃったよぉ」という深層意識です.
そんな具合に深層意識で「有事疲れ」していた浮動票有権者の耳に入ってきたのが「カケモリ」でした.「カケモリ」が深層意識を代弁してくれるかのごとく浮動票有権者の心に染み込んだ.その結果、「自民へ投票するのは恥ずべきこと」という風に浮動票有権者の行動が豹変したのではなかったか? つまり、本質は「有事疲れ」であり「カケモリ」は自己正当化の口実であると、ひら的にはそんな風に思うんです.
ーーーーーーーーここまでーーーーーーーー
だとしたら困ったものです.アメリカと北朝鮮の戦争はこれから始まるのですから、まだ始まってもいない戦争について厭戦気分になっているようでは困ってしまいます.
さらに困ったことは、1年後ぐらいに、憲法改正と消費増税延期をテーマに行われる衆議院選挙において、有事疲れな浮動票有権者が離れてしまうと自民党はもうバカ勝ち出来ません.すると自民公明維新こころを合わせても2/3に足りず憲法改正を発議出来なくなってしまいます.
わたしには、都議選の結果から類推すると、憲法改正断念という流れが規定路線化してしまったように思われます.
そこでどんでんがえしの可能性があるとすれば、自民公明維新こころ+都民ファで2/3に達するケースでしょう.
だから、、、わたしだって都民ファの新人都議をTVで観るだに吐き気を催すけれど、小池をdisってばかりいるわけにもいかんだろと思うわけです.マスコミは小池が悪魔なのか天使なのか不明なまま今後も小池を応援し続けるでしょう.なぜなら安倍叩きの道具として小池は使えるから.そうしてまたしても漁夫の利的に都民ファが衆院選で浮動票有権者の支持をかっさらった後に、「我が党は憲法改正に賛成します」と小池が言う.小池にはそういう天使(=別動隊)を演じてもらいたいと切に願います.
臨機応変に頼むよ.
かしこ
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