Flashメモリのメモリセルは、書き込む度に少しずつ死んでゆくと云われます.電荷を蓄積する絶縁膜が次第に傷んでゆくのだと思います.
Flashの信頼性はそういうものなので、SSDではSATA越しに同じセクタに書き込んでいるつもりでも、SSD controlerが「同じアドレスへの多重書き込みを防ぐ」ように調停してくれています.要するにライトアドレスを自動的に散らしてくれているんです.こういうところは特許です.
SSDは値段が高いだけあってそのような賢いチラシをやってくれていますけど、SDカードやUSBメモリではどうでしょうか?
USBメモリでも、SSDほど賢いかどうかは知りませんがcontrolerにチラシが入っていると聞いたことがあります.
けれどSDはどうかな? SDはむき出しのFlashに近いデバイスと思われ、凝ったチラシをしている気はあまりしません.
つまりFlashデバイスの信頼性は、SSD > USB > SD だと思って生活しているわたしです.
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そういうSDの信頼性の弱みが、ラズパイを使っていて表面化したように思われるトラブルに遭遇しました.
ラズパイのTFコネクタに16GBのSDを挿して、毎日100MBぐらいのデータが蓄積してゆく用途で1年間ぐらい使ったところでSDが死にました.右写真は死んだADATAのSD.
(ほぼ同条件で稼動しているSanDiskの16GBは生存中)
症状はこうです.
・rapsbian OSは正常に起動する
・ファイルアクセスも一見して正常ではある
・だがファイル削除や新規作成などの操作後にrebootすると、元に戻っている
・windowsに同SDを挿すと「書き込み保護されています」と警告が出る
・SDフォーマットツールでもフォーマットできない
SDフォーマットツールとして最強と云われるAOMEI Partition Assistantを使って同SDをフォーマットしようとしましたが、80%のところで進捗が止まり、重篤なエラーが生じているみたいです.やがてAOMEI Partition Assistantは「不能」と言い残して断念してくれました.
同SDはもう使えそうにありません.捨てるしかなさそう.
わたしはこのトラブルは初体験ですが、SDの書き込めないトラブルは広く知られているようですね.
わたしのラズパイにおける故障モードを次のように想像します.
・毎日大量のデータが蓄積される使い方のせいで多くのFlashセルが死んだ
・死にセルがある量を超えた時点で、SD controlerがサーキットブレーカー的にwrite protect modeに移行した
・WP modeから復帰させることは出来ず、もはや捨てるしかない
SDの信頼性はこんなものでしょう.ラズパイがSDをHDDのように使うのに一抹の不安を感じていましたが、悪い予感が当たったようです.
一方で、ストレージが書き込み不能になっていてもOSが動くというのには感心しました.フラッシュするまで馬脚を顕さないのですから、ext4 file systemは優秀なんだなぁ.
かしこ
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