電流源っていうのは、コンデンサと組み合わせると結構遊べるものなのじゃ.後の連載で説明する.今日のところはそういう応用までは説明しない.
電流源の簡単な回路はこんな風にエミッタ接地回路のコレクタを剥き出しにした形になる.
電流計算は、いつもの手順と同じだ.
1)ベースが3V
2)エミッタはベースよりも0.7Vぐらい低いので2.3V
3)エミッタ抵抗が100Ωなので23mAがコレクタに流れる
だけど上の電流源は23mAの電流源になるように設計してあるけれど、コレクタに何も繋がなかったら電流は0のままだ.電流源として動作していない.
それではコレクタにどんな物を繋げば電流源として活動を始めるのだろうか?
コレクタに+電源を繋げばよいのである.+電源から電流が出てコレクタに流れ込む.
ただ電流を浪費しててもつまらないのでLEDを光らせようとするならこの回路になる.
電源が10Vだとする.白色LEDなら3Vぐらい電圧降下するのでコレクタは7Vになる.LEDに23mAが流れる.23mAも流せば結構明るく光るだろう.
ここで10V電源は、どのくらいの高電圧~低電圧の範囲が許されるのかを考えてみたい.
まず高い方であるが、トランジスタのVceの最大値が30Vなのだとしたら30Vぐらいが上限だと思えばいい.
電圧が低い方は少し考える必要がある.
まずエミッタ電圧が2.3Vと決まっている.
つぎにVce=0ではトランジスタが動かないので、最低でもVce=1Vぐらいの電圧をかけないといけない.なのでコレクタ電圧は最低でも3.3Vと考えておく.
その上にLEDの電圧降下3Vを乗せると、電源の最低電圧は6.3Vということになる.
ここで覚えて欲しいのは「電流源には適切な電圧の負荷を接続する必要がある」ということだ.
もしも負荷電圧=0Vでも動くような電流源を設計したければこんな風にする必要がある.全体的に電圧を5V下げてあるところがミソ.マイナス電源を用意するのは面倒なんだけどね.この回路ならば負荷電圧が-1Vぐらいまで低くなっても動いてくれるだろう.
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ベース→エミッタ電圧降下が温度で変化するのに応じて電流も変化してしまう.それが嫌な人はオペアンプと組み合わせて使う.イマジナリショートが云々の説明は割愛する.
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ここまでは、高電圧から電流を流し落とす方向の電流源だった.
逆向き電流の電流源も設計できる.
すなわち、低電圧へ向けて電流を流し込む方向の電流源である.PNPトランジスタを使う.この回路だと負荷電圧は約6V以下なら動く.
次回は電流源を使った応用回路を説明するのでお楽しみに.
かしこ
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