2022年6月3日金曜日

【謎の人・組織シリーズ】(9) 命令出来ない人

イーロン・マスクが在宅勤務禁止の御触書を社内に出したらしい.

基本的に賛成.もちろん例外は在って良いが.

本件を讃えたいのは、ダイバーシティや福利厚生や業務効率と絡んで在宅勤務禁止と言いづらい面がありながら、トップがビシッと言い切ったところ.私企業ではトップがこのように決めればいい.従業員への命令形で良いのであって、従業員にご理解いただく必要など無い.

わたしがこの件で逆説的に思い出したのが、命令できない人達だ.

パターン1
昔、こんな上司がいた.
同僚について喋っていたとき、上司がわたしに言った.
「XX君はもっと自分で考えてやってくれないと、命令する形になっちゃうんだよ」
その上司は「命令したらダメ」か「命令するのは必要悪」ぐらいには考えていたようだ.
振り返るとわたしは彼から「これやって」みたいな事を言われたことは少なかった.その上司は人事権限を持ってたので統括課長だったけど、部下にさせるような雑事をよくもまぁ自分で抱えてこつこつとやるもんだとわたしは思ってたし、設計GPの長なのに設計方針を示さない事に不満も感じていた.設計方針を示さないのだから議論にならんし、議論にならないのだから問題認識もスルーされ放置プレイになる.

ま、わたしとしてはこういう弱気上司だと好き勝手やれていいんだけどさ.

ちなみにわたしのスタンスは「いろんな意見があるのは承知していますが、わたしはわたしの権限により皆さんにこうしていただきます」である.命令形だ.

命令できない人にはいくつかの派生パターンがある.

パターン2
業務上の目的地に到達するルートにはABC....様々なルートがある.どのルートでもさほど手間に差はないが、、、初手でAかBかCかを指示しない人がいる.
部下は自己判断でCでやって成果物を提出する.
するとそこで初めて「これはAじゃないからダメだ」と言い出す.
作業のやり直しになるので「だったら最初からAって言えよ」と喧嘩になる.

放任主義ではない.放任主義ならCだったとしても文句は言わないはずだから.

こういう人は部下がどこまで出来るのか、部下が何をするかを慮る神経が無いんだ.マネージャをやらせてはいけない人.トラブルを創り出す達人.ホラー級。

パターン3
命令はするのだが、A以外のやり方(BCD...)があると微塵も知らない人.
部下だってバカじゃないわけで無茶な命令には反発もする.「えぇっBじゃないんですか?」みたいな質問とも抗議とも取れる事を言うとオロオロしだすか質問が悪いなどと態度がおかしくなってしまう人。

パターン4
命令に伴って部下に理解を求める人。
命令をするのは良いのだが、その命令の正当性を部下に理解させるまで諦めない上司。実はこれ、ひら的にかなりウザい。
業務上、ルートABCD...のどれでもさほど手間は変わらない局面がほとんどだ。Aに拘る理由はクライアントの好みだからとかいう些末な理由だったりするので、部下としてもAに特段の異論は無い。
なのだがAであるべき理由を魂レベルで共感しようよと迫って来る。どうでもいいッス。


基本的に業務は命令形でいい。
選択肢が多数の場合は1つに絞る命令は必須。
お気楽な場面では理由や事情説明は不要。
クリチカルな場面では部下の見解を取り入れるなり事情説明は必要。

在宅勤務の是非に事情説明なんか要らんわ。

かしこ

17 件のコメント:

  1. 私も、上司に恵まれない人生を送ってきたので、その気持ち良くわかります。
    ↑のパターンの上司には、見覚えしかないし、あと、

    ・その上司の言うとおりにすると、必ず失敗するので、危険回避のために命令に従わないと、何故か文句を言われる上司。このパターンは、最初はちゃんと従ってるのですが、だんだん部下がみんな「逆張りしたほうがうまくいく」ということを学習するので、誰も上司の言うことを聞かなくなって「空気のような存在」になっていきます。

    ・何をやっても、文句しか言わない上司。別に褒めてくれとは言わないけど、うまくいってんだから、黙ってろ。どーせ何やってんだかわかんないんだろうから。

    みたいな人も、よくいましたね。

    この人の部下で良かったと思うような上司は、一人も居なかったなぁ。。。

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    1. 名古屋を過ぎました。

      その文句上司は現状認識出来てなかったりしませんか。
      上手く行ってるのかヤバいのかを察知できない不治の病。

      あと、ヤバイんだけど上手く行ってると思ってしまう病の人がいました。

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    2. >現状認識出来てなかったり
      私のささやかな経験からすると、
      「正しく現状認識出来る上司/部下」
      なんて、一人もいませんでした。多分これは、日本そのものがそういう状態で、
      「正しく現状認識出来る(権力がある)人」が、一人でもいれば、日本のこの現状には至らなかったんじゃないかと思います。
      ※じゃあ、お前は正しく現状認識してるのか?と言われると、いつもそうとは思いませんが、少なくとも、私が「こうしたほうがいいよな」と、思っていることは、必ずそうなります。(なので、最初からそうやれよ!という話になる)

      ※まぁあと、「正しく現状認識していないほう」が、幸福度は高いかも知れません・・・
      (知らぬが仏、とは、まさにその通り・・・)
      私は「幸福度」が低くても、「正しく現状認識したい」ほうですが。

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    3. 正しい認識、参院選後に炭素税25%。

      それはさておき、ソフト屋さんの場合は我々が第一世代とまでは言わないけど、第1.5世代ぐらいだったように思うんです。そのせいでソフト部隊のマネジメントが長年プアだったという説はいかがなものか?

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    4. 私が思うに「ソフトウエア」と言うのは「a kind of art」なので、「工場で量産できない」んですよね。なのでやるとすれば、工場ではなく、
      「工房」
      で、作るものだと思います。
      それに、用語の定義からしておかしくて、
      ・ハードの量産に相当するのは、「ソフトの頒布」であって、単なるコピー
      ・ソフトの量産(開発)と言うのは(人によって若干定義が違うとは思いますが)ハードでいうと、「設計」の話しで、要するに「回路図とか、図面書いてる」段階の話なので、一夜にして出来上がるはずもなく、その辺のマネージメントを「同様にとらえる」こと自体がどうかしてます。
      ※ハードの量産は「人を増やせば」何とかなるのですが、ソフトの量産は「人を増やしても」どうにもなりません。この辺を「勘違い」してるマネージャばっかりだから、うまくいかないのですよ。
      そもそも、「9-5勤務」で、まともなソフトなど設計できるわけないです。時間で縛っても意味ない。ここからして「まったく間違ってる」
      美術作品の工房などで「乗ってくると」何日でも徹夜して名作が出来たりしますが、ソフトも同様な傾向があると思います。(全てがそうとは言いませんが)

      まぁ、日本には「art」を理解する人も少ないので、何を言っても通用しないんだろうなとは思いますが・・・

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    5. ソフトの生産性を頭数で見積もるのは建築で言う人工(にんく)の考えに似てますね。建築では割と正確な見積もりが出来ます。

      開発部隊も量産工場も事業計画は人数x賃率で計算されるのでそこからして技術者の能力倍数値を無視してるんですよね。

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    6. あと、電通で女子が過労自殺して残業規制が強まったのは良くなくて、働きたい人には働いてたもらって良いのであって、全リーマンに残業規制を課すのはおかしいと思うんです。
      残業抑制の正しい手段は残業手当を鬼のように累進型にする事で経営者を牽制するのが好きだわ。

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    7. >建築で言う人工(にんく)の考えに似てます
      ソフト業界でも、まさに「人工」って言いますが、調べると「元々、建築用語だった」と、ありますね。
      >建築では割と正確な見積もりが出来ます。
      そりゃぁ、それは「作業」だからですよ。建築だって「設計計画」まで、人工は使わないでしょ?というか、使っても「正確にならない」はず。
      ※そういえば、東京オリンピックの為の新国立競技場は「全く計画通りに」作れなかったことを思い出しました。設計期間まで入れたら、そんな正確に見積もれるわけないじゃん。「無から有」を、作るんだから。
      ※「既存の工法を組み合わせるだけ」なら、見積もれると思いますが、そんなの「設計」じゃないです。

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    8. ソフト(コンピュータ)業界で使われる用語は、建築業界からの借り物が多いですね。
      「CPUアーキテクチャ」とかもそうですね。

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    9. >残業抑制の正しい手段
      そもそも残業って、
      「計画ミスの尻ぬぐい」
      なんだから、本来は悪いのは
      「計画を立てた人」
      何ですけどね・・・ 時間がかかるのは、作業者の能力を見抜けなかった
      「上の人」のハズなんだけどな・・・
      ※ちなみに、「生活残業」なんてのがありますが、これも、
      「給与を決めた人」が悪いんで、一種の「計画ミス」ですね。予算の取り方を間違えてる。

      ※よく言われる「能力がないから云々」と言うのもおかしくて、これも、「上が無能」(その人の能力を見抜けなかったという意味で)なのを、下に責任転嫁してるだけ、だと思います。(日本では、奴隷洗脳が行き届いているので、こういう視点で見る人があまりいない。)

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    10. >ソフト業界でも、まさに「人工」

      そうですか。意外に建築な。

      >それは「作業」だからですよ

      そうです。現場は見積もり通りで進行。
      それに騒音対策などもあり残業は難しいですし。

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  2. ソニーOB:佐藤2022年6月3日 22:24

    職業訓練では指導員と訓練生だから上司と部下の関係ではないですがしっかり指示しないと駄目です。動かない人に限って最後のアンケートではもう少し積極的に支援して欲しかったと書いてきます。
    ソニーにいたら出会うことがないだろう人種の方がたくさんいます。
    ある意味平坂さんは部下に恵まれていたのかも知れませんよ。

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    1. お久しぶりです。

      >動かない人に限って最後のアンケートではもう少し積極的に支援して欲しかったと書いてきます。

      なんと、厄介なw
      見て覚えろは通用しませんね。

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  3. murasaki
    命令とか指示ということを学校でも日常生活でも経験しないので、難しいですね。
    簡単にできる人もいますが、そういうのは才能とか特殊スキルかもですー。
    日本語に関する本を読んだ時に、日本語は徹頭徹尾相手に判断や動機を委ねることに特化しているという感じのことが書いてありました。こちらから発信せずに相手の内面から物事が起動する様に配慮しまくっているみたいです。
    なぜそうなったのかは書いてありませんでしたが。
    たしか、その言い方が相手を怒らせるとかいう題名の本で、手軽なハウツー本かと思って買ったら学術書みたいな内容でとても面白かったです。

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    1. 部下は上司のために、上司は部下のために。
      いかんこれでは宗教だ。

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    2. ちなみにわたくしはパターン4でした。指示というよりお願いみたいな。弱い・・。

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    3. 個々逐次命令というのは現実的にはあまり無くて、kickoff時点での妥当な目標設定とルート指示ですかね。
      あとは自走させる。躓いたら前言撤回で変更する。
      あまりにも自走できない人にはお引取りいただきます。

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