以下、批判的に書いてますけど、好きなんですよ.
初週があれだけ混んでいたわりには、すでに今朝の渋谷TOHOは満席ではなく、80%ぐらいに客が減っていました.勢いは持続するんだろうか? Qの公開から10日間で興行収入が30億円になったそうなので、破の40億円は超えそうですからひとまず安心しました.
Qのメカの狙いどころは?
破は、メカ好きでマジンガーZが大好きだったぐらいにはアニメ嗜好のある一般客の心を掴んだようです.barで飲んでる一般客がエヴァ破かっこいいよーと語ってるのを何人も見ましたからね、あの光景には驚きました.箱根の街がミサイル要塞になっているところなんかがウケてたみたいです.
Qはメカ好き一般人の心の琴線に触れる作り方をもはやしてません.冒頭の宇宙のシーンは近未来っぽかったけど、ヴンターの起動シーンはもはやどこか知らないSF世界のメカになっていましたので、メカ好き一般人の趣向にはマッチしてないように思います.
序と破がエヴァにしてはずいぶんと一般人寄りの作り方をしていたので、わたしはQに不自然さは感じませんが、Qを観てガッカリした人の気持ちは求める物が違うという意味で理解できます.
4thインパクトを起こしかけた13号機にヴンターが体当たり攻撃をしたのには弱りました.マクロスのダイタロスアタックじゃないんだし、キャプテンハーロックのアルカディア号じゃないんだし、ガッチャマンの火の鳥じゃないんだから..... エヴァは基本的にメカをソリッドで華奢な物体として捉える演出で作られてきたのに、戦艦の体当たりという大技を繰り出すのは興醒めを禁じ得ませんでした.
実はシンの予告にもっとも驚いた
実はQを観て一番驚いたのは、予告があまりにもつまらないことでした.2号機と8号機が阿修羅男爵のように合体したエヴァで、ネルフ製の量産型エヴァとプロレス的に闘っているという平板な予告でした.
いままで、TV版~破に至るまで、エヴァの予告はどれも短いカットがバチッと決まって格好良かったじゃないですか? それがQの予告ではいったいどんな変調が生じてあんな手抜き予告になってしまったというのでしょう? もしかしたら、制作者の熱意が冷めてしまったのではないかと、かな~り寒い思いをしました. ヤバイかもしれぬ.
Qの戦闘シーンはイケてるか?
使徒との戦闘のほうがおもしろかった.エヴァ同士の戦闘はおもしろくない.
使徒ってどういう属性なのかが全然わからない敵で、しかもNERVの命綱はたまに暴走するエヴァ3体と14歳の子供達で、ミサトさんの作戦計画の成功確率が0.000001%なんつう、切羽詰まった感漂う設定が真実味のある戦闘シーンへと我々を誘っていたと思います.
Qではもはや使徒との闘いはなく、エヴァを使役したNERVとWILLEの闘いであって、お互いに手の内を知り尽くした者同士が同じ兵器で闘うという設定に様変わりしています.この設定で切羽詰まった感を演出するのはかなりハードルが高い.そして、Qはそれを上手に制御できたとは言えないでしょう.
Qでは戦闘シーンから作戦指揮という要素がほぼほぼ欠落し、代わりにエヴァパイロット同士の戦闘中の会話で戦闘シーンのロジックが紡がれてゆくという演出.この手法ですと戦闘シーンが一次元的に進行するので面白くするのが難しい.
複数の戦闘参加者が各々の局面で展開する事象の集積が生死を分けるという戦闘シーンのほうが構造的で面白くなります.使徒との闘いはモロにこの構造でした.ゲンドウ+ミサト+シンジ+加治+ゼーレ(+戦自)が戦闘参加者でした.
最終作の「シン」が、あの予告のようにエヴァ同士の闘いがメインだったとしたら、面白くなさそうで心配になります.
4thインパクトはインパクトがあったか?
3rdインパクトは途中で止まった.4thインパクトも途中で止まった.5thインパクトがフィナーレになるだろうという進み方です.ストーリー構成的に、4thインパクトは正解だったのかしら? 4thがフィナーレでもよかったのでは?
たかがカヲルを殺すことなぞ、NERV+ゲンドウの諜報能力を持ってすれば簡単だ、という物語構成の方がゲンドウという重要なキャラクターの重さが生きて良かったと思われます.けれどQで感じたのは、たかがカヲルを殺すために4thインパクトを起こさなくちゃいけないほどNERVの裏の能力は弱っているのか~でした.
NERVといえば、廃墟のNERVにゲンドウと冬月先生が住んでいて、設備は自動制御で稼働しているという設定にも違和感を禁じ得ません.まるで未来少年コナンのインダストリアみたいです.
エヴァという物語がカッコ良い要素の一つが、NERVという巨大組織を運営する人々の気配を感じられるところでしたが、自動制御でエヴァを運用できてしまうのなら、一国のエヴァの保有台数を2に制限する条約とか、使徒との戦闘の復旧費用で国が傾くというハナシは何だったのかと首をかしげてしまいます.
Qのシンジは真実味があったか?
これは好み次第かもしれませんが、わたし的には、TV版あるいは旧劇でカヲル君を殺してしまったことで心が折れてしまったシンジ君のほうに納得できます.
Qでは、3rdインパクトでセカイを滅ぼしたことで心が折れたシンジ君でしたが、カヲル君に「僕と一緒ならセカイを造りかえることができるさ」で前向きな意欲にチェンジしてしまいました.こういう場面では、たとえセカイを救う提案を受けたとしても、「そもそも僕はもうそんな大それた力なんか要らないよ」と思ってしまうのが14歳なりのリアリティだと思いますので、いまいち納得しづらいところです.
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このようなことを考えると、旧劇のストーリーが次のように一気に進んだのがオーソドックスな構成で正解だったと思います.
カヲル殺し→シンジ心折れ→戦自の殺戮→ゲンドウ脱落→
→リリス発動→エヴァ発動→3rd失敗→人類滅亡
→リリス発動→エヴァ発動→3rd失敗→人類滅亡
それに較べてQは、14年後でも続いている人間同士の小競り合いという難しい設定に自らを追い込んでしまったエヴァ制作スタッフという、つらい情況が窺えます.
「シン」でどんなエヴァを魅せてくれるか? アニメファンはドキドキしながらその時を待たねばならないと思われます. (庵野がショボイしくじりをするとは思ってないけれど....)
Zガンダム、ZZガンダムにはなるなヨ. > スタッフ殿
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かしこ
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ネタばれページを読むために、会社を休んでQ見てきました。アスカは働き者だなあ、というのがワタシの感想です。
返信削除ところで、将棋は打つものではなく、指すものだよねえ。
お久しぶりです.
削除アダムやリリスの心が混ざるとみなさん従順かつ前向きになるのでしょうか?
ところでマリは昭和の歌を歌いますけど、あれはまさにあの年代の生まれだからだという説があります.つまりマリはゲンドウ達の元同僚で、エヴァ搭乗により14歳の外見に若返ってしまったという説.彼女はとても謎のキャラのようです.