AIのシンギュラリティに誰が気づけるのか？

先日は千葉県のとあるお寺にて、護摩業の御祓いをしていただきました．さほど広くは無いお堂の中で薪を燃やします．パチッと音を立てて薪がはぜると火花がお堂の中を舞い飛びます．数百年前に建立されたお堂に火が燃え移らないだろうかと心配になってしまいました．現代の法に照らせば、不特定多数が出入りするお堂の中で焚き火をするなんざ、消防法で一発アウトのセカイだなぁと思いましたが、消防法を律儀に適用するコトよりも数百年来の宗教的伝統を優先させる、そういう粋な計らいで守られているのは良き事だと思いました．

明日からは出雲大社へお参りに行きます．古の宗教施設が何を感じさせてくれるかが楽しみであります．旅の様子は適宜upします．

いつの日か、エルサレムを見学したいと思います．

宗教的伝統が何百年間も保存される幸いなケースもあれば、積極的に破壊されてしまう場面もたくさんあります．伝統破壊どころか、「AIに人類が征服される」と危機感を募らせる人々もいます．（強引な展開ですまん orz）

ひら的にはAIごときに滅ぼされる人類なら滅んでしまえと思います．自然の中から派生した人類と、シリコンプロセスで製造されたマシンとが、生存競争をしたらしぶとく行き残るのは人類じゃろうて．未来の人類諸君の闘いぶりについては大船に乗ったつもりでおるぞ．

MicrosoftのAIにTwitterで自己学習させたら「ユダヤを殺せ」と主張する大人になってしまったので遮断したというダサイSF小説のようなホントの話が先日ありました．雉も鳴かずば撃たれまいに、おバカさんなAIですなぁ．

「風の谷のナウシカ」の聖都シュワにある墓所の生体コンピュータがやったように、宗教を組織し、改造人間達を使役してメンテナンス要員と成すのがAIがしでかす悪事としてはクールなのではと思います．

実は、、、AI閻魔大王による審判の日が来るのは笑っちゃうほど早くて、AIが人類の知能を超える２０４５年が審判の日なのだという説があります．AIの知能が人類のそれを超える事象をシンギュラリティと呼びます．情報蓄積能力と情報処理能力の拡張の行き着く先にシンギュラリティがあるのかどうか、わたしは違うような予感がしますけどそれはさておくとして、シンギュラリティの起きるある日を人類はどのように迎えるのでしょうか？

ひら予想では、誰もシンギュラリティを察知できないだろうと思います．

蜂から進化した生物がいたら、女王蜂を中心とした鬼のようなファシズム文明を作るでしょう．そんな蜂星人だって生命は生命ですから、自己保存本能ぐらいは人類と共通するでしょう．ところがコンピュータ内部に芽生えた知性は、そんな蜂星人よりも遠い、生も死も自己保存も知らない存在で、そんな知性と人類言語でコミュニケートできるんでしょうか？ そんなんでどうやってシンギュラリティを察知できるのか？？？

SF小説「太陽の簒奪者」には、音信不通の異星人とのコミュニケーションにAIだけが成功するくだりが描かれます．しかしそのAIの内部状態が何を意味するかは不明のまま小説は幕を閉じます．異星人とコンタクトしたAIはとても貴重であるが、AIの内部状態を人類言語に翻訳するのはこれから人類が取り組む課題なのだ、というわけです．

未来予測としてはこの「AIの内部状態は謎」というのがわたしは好みで、２０４５年に差し掛かった人類は、「このAIは人類を超えたのだろうか？」という疑心暗鬼だがそれを検証する手段を持たないまま悶々とし続けるのではと思います．

だから、AI研究ネタで２０４５年にシンギュラリティがー、、、という話題に接するたびに、３０年後の科学技術予想がどれだけ当っていたかねぇ？と懐疑的になるわたしです．「太陽の簒奪者」のように、寡黙なステートマシンをどう翻訳すればよいかが不明なまま長期間の停滞を余儀なくされるのが蓋然性の高い未来像なのではないでしょうか？

もっとも、クルマの自動運転のようにIN/OUTが規定された関数系は日進月歩で進化するとは思います．

その延長線でもしかするとヤバいかな、と思うのは「株やFXの常勝AI」が開発された時です．市場参加者の全員が常勝なんてコトはありえないわけですから、やがて「常勝AI同士」の裏のかきあいで相場が決まるようになり、その時点で経済理論は崩壊し、中央銀行のマクロ経済政策が効かなくなり、資本主義が大きく損壊される可能性があるかなと．このカタストロフは、寡黙なステートマシンの翻訳に成功するよりも実現性が高いのではなかろうか？

かしこ

人気ブÍグランキングへ