書店で落合莞爾の書籍をチラ見して面白そうかなと思った.といっても、書店のニューエイジコーナーの隣の陰謀論コーナーに、太田龍の書籍に混じって置かれているような扱われ方なんだがね.オカルト・陰謀論は一応わたしの守備範囲なので、へへ.
落合氏が多く書いている書籍は、明治維新の頃に明治天皇が入れ替わった説、それとユダヤ系.
明治天皇入れ替わり説は古くから流布されている都市伝説で、以前からわたしも知っていた.もしも本当だったら巨大インパクトな話である.
明治天皇入れ替わり説とは、、、
幕末、孝明天皇の子供の睦人親王が、孝明天皇の急死に伴って即位したのが明治天皇、というのが通常知られている歴史だ.しかし、即位したのは睦人親王ではなかった.即位したのは入れ替わった大室寅之祐だった.
というのが明治天皇入れ替わり説のミニマム設定といってよいかと思う.(小室圭という男が現れたときに、大室の次は小室かよ、X室に因縁があるねと思った)
このミニマム設定に様々なバリエーションが付加されている.
バリエーションのうちで最大最強のものはフルベッキ写真だろう.同写真の被写体が誰なのかで諸説ある.なので下の写真の名前を信じないように願いたい.下の写真は最もドラマチック仕立てなバージョンだ.そしてこの写真の中央に写っている若い侍こそが大室寅之祐(後の明治天皇)だという説だ.
ひら的にはフルベッキ写真は眉唾程度に考えている.出来すぎじゃない?
ひら的にはフルベッキ写真は眉唾程度に考えている.出来すぎじゃない?
バリエーションはまだまだ在って、孝明天皇と睦人親王は殺されたという説.殺したのは伊藤博文だという説.孝明天皇も睦人親王もこっそり生きていたという説.大室寅之祐は百姓だという説.大室寅之祐は南朝の子孫だという説.などなど、後からなんとでも言えるだろとツッコミたくなる様々な説がある.
この明治天皇入れ替わり説について、旧皇族の子孫の竹田恒泰、第73世武内宿禰 竹内睦泰は、明治天皇入れ替わり説はインチキだと断じ、その理由を異口同音にこう述べている.
・皇族・公家のネットワークは今でも存在する
・自分は皇族・公家ネットワークのインサイダーである
・その自分が、大室家なんか聞いたことがなく、大室家子孫に会ったこともない
・明治大帝の血縁ともなれば何らかの形でネットワークにひっかかるはずだ
・ゆえに大室と皇室は無関係である
ふむ、二人があえて隠しているのでなければ、妥当な観察と思われる.
(大室の子孫を自称する人は居る)
それでは、落合莞爾さんはどのような根拠で明治天皇入れ替え説を信じているのか?
根拠の一つは、枢要な地位にある公家の日記に「奇兵隊天皇」という記述がある事を挙げている.これは現存する文書に基づいているとはいえ小さな状況証拠にすぎないとわたしは思うし、落合莞爾さんもさすがにその程度の根拠だけで何冊もの本を上梓はしない.
最大の根拠は、落合莞爾さんの著作の面白くも胡散臭いところなのだが、「京都皇統代」という天皇家の裏機関が情報ソースなのだ!と言っている.それゆえに書店ではニューエイジコーナーの隣の陰謀論コーナーに、太田龍の書籍に混じって置かれる羽目になっているともいえるが.
落合さんは「京都皇統代」の正体をある程度知っているそうだが秘密なので明かしていない.南北朝時代に分かれた天皇家の子孫(皇統)を支援する機関だったとか、江戸~明治には外交機関だったとからしい.
その京都皇統代の使者が落合さんを訪問し、いろいろなヒントを与えてくれる.そのヒントを元に史料を解釈すると、明治天皇は大室寅之祐であり、孝明天皇と睦人親王は京都に居て裏天皇になった、と落合さんは確信したというのである.
果たして京都皇統代は本当に在るのか? 新興宗教に騙されている可能性は? 正体を書けないのだから検証は難しい.なので読み物としては面白いが、信憑性は不明としかいえない.
幕末~明治初期は写真技術が入ってきた時期なので、数は多くは無いが偉人の写真が残っていたりする.明治天皇の写真なら教科書にも載っているが、睦人親王時代の写真は流通していない.宮内庁の資料庫の中になら在るんじゃないかと期待するが、そういった資料に光が当たる日が来るかどうかは疑問だ.何か不幸な出来事が日本を襲い、日本が共和制になったとき、宮内庁の資料が史学家の手に委ねられるかもしれないが、そんな日が来ないことを願う.
ひら的には京都皇統代には荒唐無稽さを感じざるを得ないが、皇族・公家のネットワークは現存するだろうし侮れないように思う.高円宮家の典子さんと出雲大社宮司の千家国麿さんが結婚したのなんか、ああいう人々同士の縁談があるんだねぇと思ったもん.脇が甘いと小室圭なんかにひっかかっちゃうんだけどさ.また、東宮家に男子のお世継ぎが生まれなかったのが偶然だとはひら的には思っていない.
ハナシがとりとめも無くなってしまったが、明治天皇入れ替え説は相変わらず謎のままだ、わたしにとって.
かしこ
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