2018年にNVIDIAが出したビデオカードはreal time ray tracingができるらしい.
まだCPUが68040だった頃のMACで一晩かけて計算したレイトレ画像を眺めてうっとりするという変わった嗜好を持っていたわたしとしては、4Kゲームがリアルタイムレイトレで動く時代が遂に来たのかと思い感慨深い.
youtubeにはゲーム「Battlefield 5」の画像がupされていて、RT ray-tracingの威力を垣間見ることができる.
そういうyoutube動画をじーっと見たわけだ.
NVIDIAのデモ動画はとても良く出来ている.金属やプラの反射の再現性が良い.これならレイトレ画像qualityといえる.このqualityでゲームが動いたら凄いなと思った.
https://www.youtube.com/watch?v=KJRZTkttgLw
それではゲーム動画はどうかな?と観ると、これがあまり出来がよろしくない.ポリゴンっぽいんだな.ハイライトの少なさがポリゴンぽい.レイトレの透明さが感じられない.ありゃりゃどうしてだろう?
レイトレON/OFFを解説する動画もあり、例えばこのような優位性があるとされる.つまり、ガラスへの炎の映り込みが再現されますよというわけだ.ふむ~これをレイトレの実力と認めたくはないなぁ.
どういうことかというと、確かにガラスのような高反射率の材質には炎が映りこんでいる.しかし、反射率の低い外壁材が炎のオレンジ色で照らされる様は再現されていない.どうやら、Battlefield 5のraytracingは部分的な採用に留めてあるようだ.だから空間の透明感が少なくて、ポリゴンぽい画像に見えるのではないだろうか?
同様の視点でもうひとつ、この場面では高架下の明度があまりにも低く感じられる.カンカン照りの夏の正午に高架下を撮影したらコントラスト高過ぎの暗部再現性が悪い写真になってしまう.そんな光線の加減に見えてしまう.
太陽や照明を一次光とし、反射光を二次光三次光・・・と呼ぶことにすると、Battlefield 5のraytracingでは、このようにして計算量を軽くしているのではないだろうか?
・一次光の計算は全てする
・二次光は照度がよほど高ければ計算する.弱ければ無視
・炎も一種の一次光だが、二次光として扱う
・三次光以下は無視
だから高架下が暗く潰れてしまうのではないかな?
ヒラサカがray tracing画像に求めたいのは、視覚を通じて人の心に「わぁ奇麗だ」という感情を湧き起こすqualityなんだ.
視界を埋め尽くす紅葉や銀杏を見たときなぜ奇麗に感ずるのかというと、対象物の色が目に映るだけではなくて、自分を含む周囲の物全てが紅葉や銀杏の照り返しで赤や黄に映えるからだと思う.
それこそレイトレの真骨頂のはずだが、どうやらBattlefield 5のraytracingはその域には達していないように感じられる.
ちなみにyoutubeデモ動画はcore-i9の激速マシンを使っている.今日の限界がポリゴン++なレベルなのだろう.
わたしは高いところを期待しすぎたようだ.
今後の進化に期待する.
かしこ
現状のレンダリングでも破綻せずレイトレの良さを引き出すようなマテリアルやライティングのノウハウ蓄積には時間掛かりそうですね。
返信削除有名な映画会社のプロデューサーさんが、解像度を8Kまで上げると画面が実物に見えると言ってたのが印象的でした。
8Kの有機ELだったら窓から外を見てるかと錯覚しそうでよろしそうですね.
削除そしてご家庭での視聴はソースの調達という悩み.