2013年2月7日木曜日

787のリチウムバッテリーの故障モードを予想

追記2月8日8:30: NTSB曰く、設計では1000万時間に1回の不良想定だったが、10万時間で2回も発火しちゃったので、見直しだと言ってます.30日以内に中間報告をするが、それで調査完了ではないとも言ってます.
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MHVA9J6K50XS01.html

追記2月7日21:50:  boeingが、セル間の仕切りを強化し延焼を防ぐように設計変更したがっているとのニュース. 原因究明を待たずして、推測されるストーリーに基づいて設計変更を進めておくのは通常よくやる行為ではありますが、かといって原因が不明瞭なままで航空当局がそれでOKと言ってくれるわけもなく、やはり原因究明を待たねばならないと思います.
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0700J_X00C13A2000000/

追記2月7日12:50:  NTSBが、今日少し報告し、全容解明は数週間後だと発言した模様
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTJE91501Q20130206

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787のリチウム事故の原因究明で、日本の調査チームから少し情報が出てきたようですので、それを元に故障モードを考えてみようと思います.
http://www.aviationwire.jp/archives/15327

ちなみに、わたしによる787ニュースのまとめはこちら.2月2日を最後にupdateしてません.この記事で、バッテリーの外皮が振動で摩滅してショートを引き起こしたという説を書きました.   http://hirasaka001.blogspot.jp/2013/01/blog-post_27.html

まず、日本の調査チームの情報のキモの部分を抜粋しますと、
↓ケースのアース線が断線している.アース線が断線するような過大電流が流れたことを推測させる
↓断線したアース線
↓バッテリ3と4をつなぐ線が溶けて断線している.ここにも巨大な電流が流れたことを推測させる
 ↓バッテリーの収納状況はこうなっている
↓セルの3と6の損傷が激しい
ここまでが日本の調査チームの情報です.

以下は、バッテリーが燃えるに至ったストーリーをわたしが予想しました.
↓バッテリー回路はこのように描けます
 ↓わたしの仮説では、振動でセルの外皮の絶縁が破れて筐体にショートしたと予想しています.それで、セル4のマイナス側がショートしたと考えてみます
 ↓すると、ショート1を通過して点線の経路で大電流が流れます
↓その大電流によって、アースが断線します.大電流によって、セル123がダメージを受けます
↓セル3が受けたダメージのため、セル3が高温になり、セル3の外皮が溶け、セル3のマイナス側が筐体にショートしたと考えてみる
↓その結果、セル3のみに大電流が流れる
 ↓大電流のため、セル34をつなぐ端子が断線する
↓やがてセル3が耐えきれなくなって発火.まもなくそれがセル6に延焼
 ↓ダメージを受けたセル12も発火
↓最後にはセル78も発火し、リチウム電池が祭り状態になって手がつけられない状態になった
↓その結果このような状態に...

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14 件のコメント:

  1. こんにちは 

    リチューム電池を調べてみますと、相当多品種があるようで特性も大分違うようですが、今回のは何だったんでしょうか?
    ((大分それた話)
    うちのEOSは6Vのマンガン系を使うので電池がめちゃ高です、それにELが逝かれていて(光らない)いつもは電池を外して、使うときだけ入れるようにしていましたが、それでもあっという間になくなります。
    今回ELの線を外したのでその心配はなくなったのですが、
    今度はELの横にLEDでも付けようかとか考えています。
    (軍艦の開け方情報を探しています)

    (本題の話)
    まず第一にセル同士を通気出来ない状態で密着させるのがおかしいように思います。(リードアシド電池ではないのですから)

    以前に、ホンダチームはハイブリッド用に(実用実験ではないが)電池を筒に入れ何列もの空間に平行する立体配置をしてテストしたようですが相当放熱空間を見ていたようです。

    一般用のリチュームは並列充電し、使うときは6個直列が限度と考えられていて、直列充電をする場合は3個が限度のように云われています。
    それ以上は個々の電圧監視回路を入れるものの大きく崩れてしまった場合、回復する手段がないので予備と入れ替える特殊な装置が使われているようですが、それらは地上装置などの余裕のある空間や重量制限の制約を受けません。

    よく似た装置に スーパーキャパシタ 直列電源がありますが、同じ問題を抱えているようです。
    最近は昇圧、降圧を複合した回路があり、そんなのですと
    元の電圧は関係が無くなりますが、大電流対応と成るとそれだけででっかいものになりそうです。

    リチュームの次はマグネシューム電池が有望とか。

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    1. バッテリモジュールの写真を見ておやっと思うのは、リチウム電池をまるでHDDであるかのごとく物理的に優しく扱ってやろうという気遣いが欠けていることです.ほとんど密着して実装されてますからね.

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  2. 私はこの道の専門家ではないんですが、仕事でリチウム100W~1Kwの充放電マネジメントシステムをさわっています。6個程度の直列で充電も放電もやってます。
    充電時にバランス(各セルの電圧)を監視していて、電圧が他のセルより上昇したら、そのセルだけ充電せず、もったいないですが放電します。こうして全セルのバランスを見ながら直列のまま充電しています。一般に市場に売れれているバッテリマネジメントチップはほとんどすべてこういう動作を行います。

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    1. ひら的には、そういう事前に想定されてシステムに実装されたフェイルセーフはちゃんと動いていたんだろうと想像していまして、全然別の要因で発火したんじゃないかしらと想像しています.

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  3. 電池直列の場合、そこまでやっているのですか、関心しました。でも発火してしまいました
    残念では済まされないのですが、残念です。
    バランスは何の件でも重要ですが、そこには、想定外の事(この言葉は、使用したくありませんが)平坂氏の言う様に別の原因も考える必要が有るのかなとも思います。

    私が前に良く見た故障ですが、Ni-Cd Battery(1.2x6=7.2V?)の電池の-電極のリ-ドの
    心線が白く腐食しているのを10台くらい見た事が有ります。

    どうして、マイナスリ-ドの心線が腐食するのでしょうか?何か、ガスが出てきて酸化しているのではと考えますが、わかりません?関係の無い事を記述しました、SkipRead下さい。

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  4. 電池の電極リ-ドは、金属片がスポット溶接されている事と、比較的丈夫な金属で被覆されていますので、液漏れでは無いと思っていますが?+側の電線は取り替えた事は有りません。?
    ありえない考えですが、電池から酸化性のガス、イオンが出てきたのではとアブノ-マルな
    考えを持ってしまいました。

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    1. Ni-Cdなどでは、内部圧力が高くなったときに排気するベントが付いていると思います.小さな穴が+極の脇に付いてるのがそれじゃないかと思います.

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  5. 作図が大変上手ですね。炎の絵など分かり易く、リアルに感じます。どんなソフトを使用しているのですか?また、サンプル絵等も有るのですか?
    アニメ製作をされているようなので、静止絵など簡単なのでしょうが、私には、手におえない
    感じがします。

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    1. お絵かきソフトは「Open Office」というフリーのオフィスソフトで描いています.炎の画はネットで拾ってきた画像を「透明png」というソフトで背景を透明に変換しました.そしてPC画面を切り取る「winshot」というソフトでjpgにしてブログに掲載しています.そういえば全部フリーソフトです.最近はフリーソフトでも高機能なので、買ったソフトというと会計ソフトぐらいですかね.

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  6. マイナス側の腐食、これと関係あるかは知らないのですが、通信系のシステムでは電源はマイナスが常識らしいです。腐食を考慮してそうしているそうです。今、通信系のリチウム電源を検討していますがマイナスなのでチト面倒、、、。

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    1. へーっそうなんですか? トランジスタがPNPとかPchだとか...

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    2. 電話もそうじゃないかな?
      マイナス48Vってのが電源バスとしてよく出てくるよ。

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    3. AIDDを受験して、うざったいなぁと思ったのが、電話のロジックレベルが、GND(地気という)と、マイナス21Vとかなのでした.なんともう忘れてたのを思い出しました.

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