小説版は一切読んでいないハリポッターの劇場版全8作品を鑑賞し終えました.
劇場へ足を運んだのは1作目だけ.それ以外の7作のうち3作品はTVで放映されているのを脇見していたのだなと、思い出しました.
まずは良かった点
・小説のジャンルとしては児童文学にカテゴライズされるであろうハリポタですから、シリーズの始まりの頃は甘みたっぷりなファンタジー作品じゃのぅと思っていました.しかし、4作目の「炎のコブレット」でセドリックが殺されて、ありゃ、意外に血なまぐさい話なのかしら?と思い、そのままラストに近づくにつれてアジトが急襲されるわ、マッドアイが殺されるわ、、、黒魔法軍団と白魔法自警団の全面戦争になってしまいました.そんなハードな展開を前向きに受け止めたわたしでした.
・魔法世界のビジュアルはとても良く出来ていました.
・分霊箱と死の秘宝というアイテムは良かった.
・最終作でのスネイプのタネ明かしは良かった.
・8作を一気に観ると、全面戦争における白魔法陣営の追い詰められ方が痛々しく、次第に戦況が悪化してゆく様が良く描写されていました.
物足りなかった点
・フォルデモートが悪役としては物足りなかった.原作者の所属するキリスト教文化圏においては、善悪二元論が誰の脳内にもOSのごとく存在するので、「フォルデモートは悪なのだ」で悪の定義が完結しちゃうのかな? わたしは善悪二元論OSが脳内にインストールされていないので、フォルデモートの悪どさがピンと来なかったです.
・ハリーポッターを観ながらスターウォーズ(SW)を思い出しました.SWではフォースの誤った使い方で暗黒面が出現するカラクリですから、SWの善悪二元論の方が日本人には理解しやすいんだよなぁと.
・黒魔法軍団が寄せ集めっぽくて真実味を感じられませんでした.物語の前半においてフォルデモートを敬愛する勢力のイデオロギー的背景は「魔法使い至上主義者・優生保護思想」のように描かれていたと思います.ですからバッサリと斬ってしまうならば自由主義vsファシズムの善悪二元論が基本構造なのかなという印象でした.ですが、6作目あたりで、「人さらい」のような「ならず者達」が黒魔法軍団の戦闘員として大量採用されているのを見て、黒魔法軍団が仮面ライダーのショッカーに成り下がってしまい、フォルデモートも「ファシズムの首領」ではなくて「死神博士」に堕ちてしまったように思われます.黒魔法軍団と白魔法自警団の全面戦争物語それ自体は楽しいとしても、やっつける相手がショッカーじゃぁ興醒めだったかなぁと.
・黒魔法軍団は表の戦力だけでなく、イギリス政府にも隠然とした権力(や暗殺)を行使でき、その裏のパワーを活用してホグワーツの乗っ取りにも成功しました.教育によって黒魔法の精力増強を図る戦略だったと推察しますが、だとしたらどうしてグリフィンドールの先生と生徒が放逐されずにホグワーツに残っていたのか? フォルデモートさんはナチスの手法をもっと研究すべきだったと思われます.手ぬるいですぞ、フォルデモートさん.
・些末な話ですが、魔法の杖というハリーポッターの世界観で大切なアイテムが、箸を振り回しているように見えてしまってなんか迫力不足に感じました.
かしこ
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