2022年10月22日土曜日

netflixが日本のアニメ制作から撤退!?

「日本でコンテンツ調達を行う」
数年前のnetflixはそう意気込んでいました.
実際に、netflix銘柄のアニメはそれなりに目立つ存在でした.
しかし面白いものが無く、netflix銘柄を「ランク落ち」の意味でわたしは使っていました.

そのnetflixが日本製アニメから撤退気味だという記事があります.
寝る前に読んだ記憶ですが、netflix本体の業績不調、netflixアニメからヒット作が生まれない、この2点が投資を絞っている事情だと書かれていたと思います.

netflixの業績不調はそうらしいね、ということで.
netflixからヒット作が生まれない、については「そんな拙速にヒットを求めちゃいけない」という感想です.

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのANIPLEXですら、2000年頃は酷い企画ばっかりやってました.どう酷かったのかというと、「二番煎じが透けて見える企画」「薄まったくて惰性でやってる企画」ってことです.無能だなぁと思っていました.
その後、2010年代以降は「冴えカノ」を含め、ANIPLEXは良くなって来たように思います.おぼろげな記憶ですが、テロップに登場するチーフPみたいな立場の人が交代してから良くなったように感じています.

何を言いたいのかというと、今をときめくANIPLEXでも長い不毛な時期があったわけですから、netflixも一朝一夕でマーケッターの鼻息が荒くなるような作品を作れるわけがないってことです.焦るなって.

それと、悲しいかな、netflix銘柄に群がるアニメ制作者や製作社は、日本市場であまり売れてない者達が多いです.スタッフリストを見るだに「これじゃぁなぁ」を思う作品ばかりなんだもん.これは何が起きているのかというと、日本市場でどちらかというと食い詰め気味な者達が、金づるのnetflixに我先に飛びついたという図式なのだろうと思います.

優秀なクリエーターは、既に日本市場に根を下ろして喰っていけてる.そういう人々は、講談社、集英社、小学館、KADOKAWA、MAPPA、ufotable あたりに囲い込まれていて、netflixの世話にならずともenjoyできてる.

だから、新参者のnetflixは不利な立場に置かれているわけです.でもそこは時間と人材に投資しなくちゃどーにもならんです.日本でコンテンツを調達するならもっと投資しなさいとしか言えない.
件の記事はnetflixの拙劣さについても触れていました.
 「netflixはグッズのような周辺ビジネス展開が無い」
これではダメですね.日本のヲタク市場で衰亡するのは必至です.TV、劇場、ネット、声優、楽曲、BDCD、イベント、小説、漫画、同人 と世界中のマーケッターが羨望する日本のヲタク市場に積極的に入らないと難しいでしょう.

最後にnetflixを元気づけてあげましょう.
2022年7月期、ANIPLEX子会社のA1-picturesは「Engage Kiss」「リコリス・リコイル」という2つのオリジナルアニメを制作しました.
EngageKissは脚本に丸戸史明を起用、アニメ放映と同期してゲームもリリース、広告にも力を入れて臨みましたが、凡庸な出来でコケました.
リコリス・リコイルは、広告は目立たなかったし、もちろんゲームは無し、グッズも出遅れ.作画畑で演出初体験の足立慎吾を起用した時点で制作委員会の期待値の低さが窺えます.ところが蓋を開けてみれば、BDも小説もAmazon1位、Twitterは大盛り上がり、10年に一度クラスの大ヒット作品が爆誕.

こんな風に、鉄板と思われた企画がコケて、期待してなかった作品が大ヒットする事もあります.しかも同時期の同じ制作会社でこれですからね.
なので、netflixにもチャンスはあります.年間200タイトルのアニメがリリースされているとして、10年に1度のヒット作は、1999本の凡庸な作品の中から、1本だけ登場する計算です.なのでnetflixには、2000タイトルに投資すれば当たりを1本引ける、とアドバイスして今後も日本市場で頑張ってくださいな.

かしこ

13 件のコメント:

  1. >netflix
    netflix も、所詮は「アメリカの会社」なので、始めは、
    「日本でコンテンツ調達を行って、株主に利益を還元します!!」
    と、意気込んでたんだろうけど、フタを開けたら「この体たらく」で、いいかげん株主から、
    「日本への投資は失敗じゃないか!どうしてくれるんだ!?
    カネ返せ!(いや、それやったらマズいでしょ・・・)」
    と、「つるし上げ」でも喰らって、
    「やっぱ、日本でのコンテンツ調達やめるわ。」
    と言う感じなんでしょうかね。単に「儲かりそう」だから、日本に進出したんであって、「それ以上でも、それ以下でもない」と言う感じなのでしょう。
    (私はある意味、この辺の「割り切り感」は、アメリカらしくていいと思います。某日本国のように、「折角投資したんだから、もう少し様子を見よう、なんとかなるさ・・・」と、グズグズしてるウチに、辞め時を見失って(今の中国への投資みたく)「莫大な損失」を、招くよりは、全然マシです。つうか、netflixって「コンテンツ会社」の割には、「コンテンツの育て方」知らないよなー、とも思いました。
    ・案外実は、最初に会社を軌道に乗せた連中(コンテンツのことをわかってる連中)は、「とうの昔に追い出されて(ベンチャーで良くある話。初期メンバーは「投資会社」に、会社を売って「創業者利益」を得た後は、追い出されるパターン)」現在は、「儲けにしか教にが無い」メンバーが運営していて、結局会社は衰退していく、と言うことなのかも知れません。
    個人的には、「日本のコンテンツは、日本に育ててほしい」と思うほうなので、netflix の撤退は、良いことだと思っています。(要するに「ハゲタカファンド」と、同じようなもんだと思ってるので。)
    そういう意味では、同じようなアプローチしてる、dなんとか辺りに、代わりに頑張ってほしいなとも思ってますが。そういう意味では、FOD辺りは「自社コンテンツ」にも力を入れてるし(前期のエスタブライフとかも、その流れに入ってる)こういうのもっとやってほしいですね。

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    1. また、typo ってしまいました。(最近、こんなのばっかり。なんか、Windows 11って、IME系がちょっとおかしいんじゃね?(前も言いましたが、時々反応がなくなるし、勝手に何処かにデータを送ってる(変換ミスデータの送信とかあるのですが、私は許可していない。)っぽい?ような気がしなくもない)

      「儲けにしか教にが無い」 → 「儲けにしか興味が無い」

      ※blogger のコメント欄入力も、前は「全体が見えるように、拡張」とかできたのですが、今は出来なくなりました。(恐らく、スマホ入力に対応したからなのでしょう) なので、入力間違いに気づきにくくなった、とかはありそうです。

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    2. >この辺の「割り切り感」

      そーゆーことなんでしょうね.やーめた、みたいな.
      日本のコンテンツ市場で足場固めするための成功条件があると思うので、ながーい目でお金払ってくれればそれでいい~ > netflix

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    3. >「創業者利益」を得た後は、追い出されるパターン

      それで後から入って来たのは中国資本だったりするわけで.

      Intelが一時期(てか今でも?)プロセスでやたら苦労してたじゃないですか.目先利益至上主義の株主が居てゲルシンガーを追放してとか、中国の誘導だったんじゃね?って、深田もえたんがそんな事を言ってました.うけうりでぇす.

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    4. このコメント欄がPCからだと使いにくくなって散々なんですけど、元に戻してほしいですわ.

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    5. >PCからだと使いにくくなって散々なんですけど、元に戻してほしいです
      「スマホ」と「PC」で、コメント欄を変えるとか、簡単に出来ると思うのですがねぇ・・・
      (というか、私ならそうしますが。正直、blogger のUIは、全体的にあまり出来が良くない。さすがは Made in USA って感じもする。)

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    6. >プロセスでやたら苦労してた >中国の誘導
      そういう観測もあるんですね・・・ たしかに、
      「ちょっと(どころではなく)何かがおかしい」感じはしなくもないです。
      ・そういう意味では、中国は「勝つためには」何でもやる国だからなぁ・・・
      しかも、「100年計画」とか言って、勝利を狙ったり(孫かひ孫の代で、勝利すればいいとか)するし。
      ・実は、tsmcなんて、完全に「中国側」だし(どんなにアメリカが否定しようが、資本も人材も、「大陸」から来ている。根本的なところで「アメリカの力」が及ばない部分がある。)
      どんなに規制掛けても、結局中国は tsmc経由で、半導体を手に入れることは出来ると思います。
      アメリカはアメリカで、「ここを潰したら」iPhone作れなくなるし(笑)それは出来ない。
      なので、アメリカは「tsms潰し」は出来ない。(中国は、それやったら資本も技術者も「大陸に」引き上げるだろうし。多分、その為に「大陸にも、半導体製造会社」作ってるし。

      中国vsアメリカの、半導体戦争と言う意味では、アメリカ側は「AMD」を、温存してて、良かったと思いますよ。
      (日本は・・・? 日本は、どこ行っちゃったんでしょうね?円安で、日本の半導体も復活しないかな?と、妄想してみる。)

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    7. おはよーございます.ねむー

      USは日本に半導体はもうやらせないんじゃないですかね.TSMC日本誘致なんか、USに言われてやってると思うです.
      台湾進攻で台湾TSMCがボカーンとなって、日本TSMCが頼みの綱になる場面はあるかも.

      中国の台湾進攻は必ず起きると思います.
      尖閣上陸占拠の可能性は減ったようにも思います.余計なちょっかい出して経済制裁喰らうのは嫌だろうし、台湾進攻の前に日本を本気にさせたって利益ないし.

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  2. >ゲルシンガーを追放して
    この辺ちょっと調べてみましたが、もう一人、当時
    「ブライアン・クルザニッチ」と言うCEOが居たのですが、
    2018年に、「従業員と、不適切な関係になった」ということで、CEOを辞職しています。
    (インテルには、「経営者が社員と関係を持つことを禁ずる」社内規定があるらしい。何でか知らんけど。)
    ・彼は、「プロセスの専門家」だったらしくて、当時、各所で「新プロセスの立ち上げ」に関与していたらしい。
    ・そして、その次のCEOは「半導体ではなく経営の専門家」だったために、「Intelはチャンスを失ってしまった」と言われているらしい。
    ※つうか、こんなの、もろ「ハニートラップ」以外の何物でもないじゃないですか。(ハニートラップは、中国のお家芸だし。相手は中国人だったりして。ちょっとそこまでは調べられませんでしたが。

    インテル不振の裏に、こんな話があったなんて、知らなかった・・・

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    1. 一時期、インテルからは、
      「技術の分かる経営陣」
      が、ことごとく、「引き剝がされていた」んですね・・・
      (そりゃ、技術的に「低迷」もしますわな。これも、某国の陰謀?だったのか。)

      さいきんになって、漸く、経営陣に
      「技術の分かる人間」
      が、戻ってきて、色々と、これからの「ロードマップ」とか、発表してるみたいですが。

      どうなることやら・・・ですね。

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    2. ブライアン・クルザニッチって知りませんでしたが、怪しい辞任ですね.Intelの経営陣がマトモになってきたのはUS政府が安全保障に本気になったからかなと、思うんです.

      自民党にもハニートラップ議員がたくさんですね.林とか林とか林とか.

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  3. 最近のアニメは転生系、エロ系、バトル系、学園系、原作あり系と売れそうなアイテムをちりばめてとりあえず作っているような気がしています。
    あ、あと、過去作品を知らないといけない作品もありますね。
    昔のスポンサーに縛られて制限があったりしながら苦労して作っていた時のほうが良い作品があったかも?

    売れる作品は愛がないと生まれないと思っています。
    モブシーンを書くと単価的には割に合わないから遣りたくない。
    でも、愛があればコスト度外視で書き込む、結果、なんか知らんけど
    勢いを感じる作品が生まれる。
    10年後に見ても面白いと思える作品・・・・・を作ってもらいたいものです。

    でも、その愛を要求して、美味しいところを自分の懐に入れるプロデューサーの様な輩が増えているのかも?

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    1. 昔というと、巨人の星、あしたのジョー、1stルパン、1stエースをねらえ、ガッチャマン とかは頑張ってました.

      >転生系、エロ系、バトル系、学園系、原作あり系
      ヲタクアイテムの組み合わせですね.なのでPVを見ればたいていの作品はパターニングでわかってしまいます.たま~にパターンを超えた作品があります.

      >10年後に見ても面白いと思える作品
      10年後でも感動を憶えているアニメファンでありたいものであります.

      >自分の懐に入れるプロデューサー
      西崎義展ww

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