2022年10月6日木曜日

【にわかAVマニアの雑音】本気ADC動いたじょ~

本気ADCが(いちおう)動きました.

ADCのPCM1808は16bitなのかと思ってたんですが、24bitでした.よかった~

実は10月5日に一旦投稿したのですが、24bitの下8bitがゼロ固定されてしまっていて実質16bitだったという巨大バグが見つかって、修正後に再投稿しました.

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以下にはスペクトラムを示しますが、スペアナを持っているわけではありません.
作っているADCで取得したサンプルデータをフーリエ変換したスペクトラムを以下で示しています.(スペアナを自作しているようなもんです)

↓まずは本気ADCの入力short=無信号時のノイズフロアを検証します.
特徴的なのは①低域ノイズ、②中高域のノイズ です.
パワー的には①がクソです.①を治さない事には本気ADCとは言えません.
①を拡大すると、あらぁ、判り易い.AC100Vの50Hzを拾ってます.
↓原因は、アンチエイリアシングLPFのこの辺のパターンが50Hzを拾っています.DC12Vからの混入ではないです.一般的な対処としては、アナログ部をシールドケースに入れるってなことになります.
シールドケースに納めるのでなく、4層基板にしてパターンを内層に閉じ込める手もあるのだけど、この回路ではたぶん効かない.なぜなら、パターンよりもフィルムコンが巨大だから.パターンよりもフィルムコンが拾ってるんじゃないかと疑ってる.
↓フィルムコンには無誘導巻きというのがあります.WIMAのフィルムコンのようなaudio用高級パーツが無誘導巻きのはずです.無誘導ってくらいだから50Hzを拾う量も小さくなるんじゃないかなぁ.さすがは高価格パーツ.(中華通販のは偽物かもしれない)

シールドケースに頼らずに対策できるかもしれません.
↓LPFの回路impedanceが100kΩ台と高いので、これを10kΩ台かできれば1kΩ台に下げるという対策です.とあるHiFi Audio回路を見たら、100Ω台の抵抗を使っていて、「まるで高周波回路じゃないかっ!」と驚いた経験があります.
LPF回路において、ブルーの定数は、Rを1/10に、Cをx10にしてあります.これで同じf特でありながら回路impedanceは1/10になり、クロストークに強くなると期待できます.
定数変更しました.
↓無信号ノイズフロアを、高インピー/低インピーで比較しますと、後者は周囲から拾うノイズがかなり減りました.さしあたりシールドケースは不要とします.
高インピー(元)
低インピー(改)

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次は1kHz 0dBの評価です.

先日の投稿で、ES9038Q2Mの出力する1kHz 0dBをPC LINE INで16bitサンプルしたもの.(PC LINE INでハイレゾサンプルできるのかは知らない) これを基準に本気ADCでどれだけ改善したかが注目点です.
↓同信号を本気ADCで24bitサンプルしたスペクトラム.(ブルーは本気ADCの無信号ノイズフロア)
着眼点は2つあります.
①ノイズフロアが120dBに改善した
②信号源ノイズよりも、本気ADCのノイズが10dB下回っている →測定するに十分な性能

だいたい以上で評価終了です.

かしこ

4 件のコメント:

  1. >本気ADC
    私も過去に、「オーディオ系回路設計者」だったので、この記事の凄さはよくわかります。
    ※’80年代後半なので、もう30年以上前の話ですね。当時はCDが出始めの頃で、CDプレーヤーの特性を評価するために、「似たようなことを」やってました。
    「FFTアナライザ」と言う機械(要するに、オーディオ帯域のスペアナです。高周波系のものと違って「デジタル信号処理」でやってたので、こう呼ばれてました。安くても、100万円くらいはしたと思う。やってるのは、↑と全く同じことですが。)
    当時は、「高級(アナログ)アンプ」でも、「S/N 100dBくらい」が、上限で、「CDのダイナミックレンジ」と、大差ありませんでした。
    こんな、「自作測定器」で、「120dB」(この、「20dBの差」は、とても大きいです。デジタル的には、高々「数ビット」ですが、アナログでこれを実現するのは大変です。
    ホントに「やれるもんなら、やってみろよ」と言う感じ。)ができちゃうなんて、凄いとしか言いようが無いです。

    (なんか、こういうの見てると「自分もやりたくなってしまう」のが困る・・・)

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    1. おはよーございます

      いや~便利なICのおかげですねー

      AK4499なんか140dBぐらいあるので、あのSNを邪魔しない周辺回路を作る自信はまるでナッシング

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  2. 津久井街道で相模湖まで2022年10月8日 0:50

    すごいリニアリティだぁ,と思ってたら,シグマ・デルタなんですね。私はいまだに間引きのリクツがわからないですけど。

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    1. そうなんです、シグマデルタADC.シグマデルタが実用化されてその他のADCはあまり売れなくなってしまいました.

      間引きは、デジタル信号処理でごにょごにょやるんですが、計算量はとても多いので、パソコンの内部では軽々と処理してるんだから大したもんだと思います.

      ¥100ぐらいで売られているデルタシグマADCの内部でも鬼のようなフィルタ計算をしてるんですけど、消費電力小さいしなんかエライです.

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