AI、機械学習フリークの諸君に朗報(?).
新型アナログニューラルプロセッサの情報だっ!
乗算器の構造に特徴があるらしい.
まず従来型の乗算器はどうなっていたかというと、
デジタルニューロチップではデジタル乗算器を使っている.(電気喰う)
アナログニューロチップではギルバート・セルを使っているんだろう.(直線性とか温度とか結構めんどくさいもんです)
ところが新型ニューロチップでは、、、
電気の流れやすさは「陽子」で制御される。電気を流れやすくするには、レジスタのチャネル内に陽子をたくさん押し込んでやればいい。
つまり、FETのP型チャネルのドープ量を自在に変えられるような仕組みっぽい.
こんな風にも書かれている.
このデバイスの動作メカニズムは、最小のイオンであるプロトンを絶縁酸化物に電気化学的に挿入して、その電子伝導性を調節することです
陽子をチャネルに出し入れするには電解質を使うらしいのですが詳細は書かれていません.
Row/Columnで選択したセルに電圧をかけて、電解質を介して陽子を出し入れするのだろうとは思いますが...
バックプロパゲーションを行うには全セルのtableを制御側のRAMに置くんだろうなぁ.
書き込みは容易でも読み出しはめんどくさいように思われるので、新型メモリへの応用は困難かしら.もしも新型メモリへ応用するのならリニアリティの良さを享受して1セルで256分解能の8bit記憶とか.
こうゆうアナログセルの話題には萌えるぜ.なぁ、それが回路屋ってもんだろ?
かしこ
返信削除>カラパイアの記事
というので、また何か「怪しい記事」かと思いきや、結構まともな記事ですね。
まぁでも、割と突っ込みどころが多くて、
>デジタル・プロセッサにとってトランジスタが肝であるように
>アナログのディープラーニングにはプログラム可能な「レジスタ(抵抗器)」が肝になる。
って、そもそも、「トランジスタ(transistor)」の語源は、"transfer - resistor"なので、
要するに「制御可能な抵抗」って意味なんですけどね。
(もっともこれは、元記事自体がそう書いてあるんですが。ちょっと表現は違いますが。)
なんかいろいろ書いてあって、良くわからないところも多いのですが、
(元記事をGoogle翻訳したのを見てみましたが、殆ど内容は同じですね。あと、カラパイアのほうには書いてありませんでしたが、
「この研究の一部は、MIT-IBM Watson AI Lab から資金提供を受けています。」
なんですね。)
恐らくこの研究のキモは、
・10ボルトが加えられても絶対に壊れない
と言うところなんでしょうね。ご存じのとおり、昨今の半導体は、基本的には
「接合電位(約0.5V)」に支配されているので、動作速度(電子の移動速度)もこれで決まってしまいます。
(シリコン結晶半導体の、宿命ですね。)
※基本的に、いわゆる「ニューラルネットワーク」(今のAIも、本質的にこれ)は、ぶっちゃけ「脳のハードウエア的シミュレーター」で、本質的に「アナログ」です。
それを、これまた「デジタルコンピュータ」の上で、シミュレートするという、非常にめんどくさいことをやってます。
で、今回の研究は、
・素子は、アナログそのまま
・しかも、電圧を上げて、高速化した
と、言うことなんでしょうね。
※この、「無機りんけい酸ガラス(PSG)」を使った素子って、「普通のトランジスタの代わり」も出来そうな気がするんだけどな。
というか、原理的には「陽子を使った、真空管」(現在の真空管は「熱電子」を使っているため、いわゆる「N型半導体FET」と同じ。)
つまり「P型半導体FET」に相当する、真空管と同じような動きをする素子が出来た、と言えるのかも知れない。
あとは、「全固体」構成みたいなので、既存の半導体作成の技術は使えるんでしょう。
>書き込みは容易でも読み出しはめんどくさい
というか、恐らくこれ自体は、単なる「抵抗」なので、読み出しとかいうんじゃないと思いますが。
そういう意味では、「能動素子」として、既存の半導体が必要なのかも?
(これ自体は、単に「OPAMPの帰還抵抗」なだけのような気がする。)
>transfer - resistor
削除へーそうなんですか.それは抵抗器だ.
>無機りんけい酸ガラス(PSG)
PSG+電解液とか、ケミカルっぽくもあり、つかってみたい.
電解液交換とかするんでしょか?
>「能動素子」として、既存の半導体が必要なのかも?
各セルにセンスアンプを形成してTFTみたいにするんですかね.
>「デジタルコンピュータ」の上で、シミュレートするという、非常にめんどくさいことをやってます
そうなんですよね.デバイスレベルで脱皮してもらいたいです.
ありがとうございます。貴ブログの知識で知ったかぶりしたいと思います。トランジスタ回路を作っていて,抵抗値を変化させたいと思う時が何度かありました。遅い一次遅れ要素を作ろうとして,MΩオーダーの抵抗とか,1uFとかICで作れないので,エミッタからの電流ディバイダをたくさん繋げてIC基板上容量に電流を注ぎ込んで遅延を作った覚えがあります。一次ではなくて,ゼロ次ですね。
返信削除トランジスタって地味にいろんな用途の物があり、例えばAGC用トランジスタというのが、イメージ的には可変抵抗っぽかったりして、味わい深かったです.
削除40年ぐらい前に、オーディオ用のFETで縦型FET(V-FET)というのをソニーが発売して、それは真空管の3極管の特性と似てたのだそうです.素朴な音が出そう.
昔はデバイスの素性で遊べたので楽しかったですが、今じゃスイッチング特性ばっかですかね.
トランジスタの個性があって,CQ出版社のトランジスタ規格表(横長)なんて見てると飽きなかったですね。オタクの一種だったです。トランジスタ回路設計に最初に取り組んだ人たち(真空管差別主義者)がhFEにこだわってgm(バイポーラの場合エミッタ抵抗の逆数)で考える人がいなくなってしまったので,真空管との関係がみんなしてワカらなくなりました。
削除TR規格表よかったですね.
削除TVバラしてトランジスタを採取してました.
ひし形のパワトラをkey holderにしたりして.
わたしは真空管にはかすりもしなかったので、gmの考え方にはいまいち馴染みがない世代です.
>hFEにこだわって
削除いわゆる「バイポーラトランジスタ(PNPとかNPN型)」は、
電流入力/電流出力(その比率が、hFE)なので、素直に考えるとそうなります。
対して、真空管やFET(構造は問わない)は、
電圧入力/電流出力(その比率が、gm)なので、素直に考えるとそうなります。
※ちなみに、hFEは、電流/電流なので、単位はありません(単なる比率)
gmは、電流/電圧なので、「抵抗の逆数」(コンダクタンスとも言われる。
抵抗の単位[Ω](ohm)の反対で、[℧](mho)と言う単位がある。
これ最初、冗談かと思ってた。)最近は、これじゃ紛らわしいと思ったのか、
ジーメンス[S] と言う単位になった。(値は同じ)(でも、これだと逆に [秒](Second) と紛らわしいよな・・・)
「バイポーラトランジスタ」の世界と「FETの世界」は、原理も動きも違うから、「同じ単位」じゃ測れませんね。仕方ないことです。(まぁ、それでは困るので、無理やり変換することはありますが。)
↑で言ってる「新素子」は、「陽子が伝導単体」になるみたいなので、今までの素子(いずれも「電子の流れ」を制御してる)とは
「全く別世界」
だと思うのですが、なぜか皆さん、そういう所には反応してないみたいですね。
(ノーベル賞モノの発明、と言う気もするが、誰もそういう指摘をしませんね。
まぁ、まだ研究段階で「上手くいくかどうか」わかんないからでしょうか?
ちなみに「トランジスタの発明者たち」は、ノーベル賞受けてます。)
ホール伝導じゃなくて陽子伝導の固体イオンデバイスという点ですね.陽子密度を不揮発にセットできると面白いです.
削除>CQ出版社のトランジスタ規格表(横長
返信削除私も持ってますよ。押し入れの段ボールの中に、昔の本と一緒にあるはず。
最近は、トランジスタの規格なんて「ネットで検索する」と、簡単にわかるので使わなくなりましたね。
小学生のころ、70年代に本厚木の有隣堂で見たのが初めてでした.
削除だんだんと分厚くなってゆきました.
トランジスタ互換表というのもありました.