それでもなんでこれを読みたかったのかというと、2017年7月期アニメが従来のアニメ業界における「定番ジャンル」と「クオリティ志向」をついに逸脱したように思えたからである.
数年前から日本のアニメ制作体制は崩壊すると云われてきた.いよいよ今期はカタストロフの具体形が顕わになったのではないかと思っている.もしかしたらカタストロフではなく、発展への胎動なのかもしれないが、、、そう願いたいが...
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「定番ジャンル」というと、ロボット・ラブコメ・少女マンガ、、、といったジャンルは毎クール何かしらの作品が放映されていたものだったが、今期はそういった定番ジャンルすら希薄になっているように思う.
「鉄血ガンダム」みたいなのがロボット物の王道路線だとすると、今期はロボット物が不在になってしまう.(ナイツ&マジックはどっちかというとfantasyかと)
「エロマンガ先生」みたいなのがラブコメの王道路線だとすると、今期はめぼしいラブコメは不在になってしまう.(恋と嘘があるじゃないかって?ぁぁ高崎さんエロい)
企画に困っているアニメ業界の姿がチラつく.
「クオリティ志向」からの逸脱とは、ひら直感で今期作品がこのように分類される.今期は1があまりにも少なく、234があまりにも多い.
分類1)高品質路線を堅持した作品 5%
分類2)高品質を志向するが諸般の事情で力足らずな作品 60%
分類3)中華企画の低品質作品 15%
分類4)インディーズアニメかと思うほどの低品質作品 20%
分類1、クオリティインフレを堅持しているのは、「プリンセス・プリンシパル」のみ. (左の女子はゼイラムですか)
分類2を観ていると、「北斗の拳」のヘナチョコ作画ですらマシに感じられる.
今期驚かされた「クリオネの灯り」は、全編作画崩壊レベルの分類4だ.なんだこのパースはw
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「逸脱」以前、日本のアニメ制作会社はおしなべて「高品質な作品を創れば高評価を得られるはず」というマインドセットだった.それに対し、2017年7月に露呈したアニメ制作マインドセットは「3Dを低廉化にフル活用し、高品質を追い求めない作品でもOK」というものだろう.「けもフレ」で意識が変わったかな?
崩壊が危惧されていたが、制作本数が減るという崩壊の仕方をせずに、低品質に振れるという対処で生き延びたアニメ制作業界、というのが2017年7月期に表面化したのだと思う.ヒラサカ個人的には低品質マインドセットで製作された作品に惚れ込む可能性は低かろうが、日本のアニメ制作業界はもはや高品質狙い一辺倒では無くなったと覚悟するしかあるまい.
そんなわけで、「アニメビジネスの今」を読んでみたのである.
同書からヒラサカの心の琴線に触れたポイントを抜き出すと、
・netflix,amazonがアニメコンテンツに投資している.しかも制作費の半額ぐらいをポンと出すくらい気前よく.
・netflixは、日本を消費地としては捉えていない、日本をコンテンツの調達地として捉えている.すなわち、日本のアニメ・ドラマは海外に売れると見込んでいる.
・日本のヲタクマーケットにおける、放送・配信・DISK・物販・ライブ を一気通貫したモデルは、世界的に圧倒的に先進的だ.
・上手いアニメーターは劇場作品に取られてしまっている.
ちなみに今日のニュースが「Netflixがアニメ注力宣言」だって.
やはり外資が流入し始めたのが一因だったか...
易々とクオリティインフレを捨てたのは別の金づるを見つけたからじゃないのかと思ってたんだ。
日本の一部のアイドルグループが海外市場でモテモテなように、日本のアニメ業界も海外市場にアクセスする時が来たようだ.残念ながら、TIGER&BUNNYやID-0のような海外向けアニメを面白いと思わないわたしだが、アニメ業界の金回りが良くなることは何はともあれ好ましい.
今後は、日本人向けアニメと、海外向けアニメの比率がどんどん後者優勢になってゆくだろう.わたしはたぶん後者を観ないので、全体本数は増えてもチェックすべき本数は減ってゆくだろうなぁと思った2017年7月期であった.
#話は逸れるけど、講談社ってメディアミックスが異様に下手糞だよね.
#これから「生徒会役員共・劇場版」を観ま~す.全国発射!
かしこ
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