ローマですごかった彫り物について「ポルトナッチョの石棺」

ローマの遺跡から出土した石像は博物館に行けばいろんな場所で見れる．そしていささか飽きる．
上手い彫り師と下手な彫り師がいる．皮膚のしわまで忠実に再現している超リアルな作品は地位の高い皇帝さんなどに多く見られるが、人物不詳な作品にはテキトーな作品が多い．

わたしが見学したのはバチカン博物館とローマ国立博物館であったが、その中でひら的にこれは凄いやと思った作品があった．

ローマ国立博物館はテルミニ駅の近所にある．入館料は10ユーロ．（ガイドブックには７ユーロと書かれているケースもあるが、特別展を含め10ユーロだったらしい）

「ポルトナッチョの石棺」というのがすごかった．制作年代は西暦200年ごろとされている．有名な出土物らしく、専用ブースで展示されていた．

棺なので長辺が2mぐらい．その2mに彫られたレリーフの精緻さがちょっと信じ難いレベル．

角の部分に仮面を被った人がいて、そこを拡大したのが下の写真である．仮面のサイズは10cmぐらい．仮面の内部が空洞になっていて、不吉な印象．

仮面の残存厚は5mmぐらいかと思う．しかも裏から削っている．電動工具やルーターやダイヤモンド刃など無かった西暦200年に、大理石をどうやってこんなに薄く削れたんだろ？

オーパーツというと水晶髑髏が有名だが、ひら的には水晶髑髏よりもこちらの方がよりオーパーツ的に思える．

テルミニ駅で電車の時刻までに時間が余ったらローマ国立博物館を見学したらいいだろう．

かしこ