2024年3月2日土曜日

【回路】入力オフセットに久しぶりにハマる

opampの入力オフセットにハマるとは、俺もヤキがまわったもんだぜ.でへへ

とある奇妙なSPECのアンプを作っているところ.
超高ゲインDCアンプなので、ちょっとしたDC offsetでもマッハの速度で電源電圧までサチッて死んでしまう.逆電圧でちょいちょいとDCサーボを掛けるというのがその回路の主旨.なお、極めてlow noiseでなければならないという制約もある.帯域は音声ぐらい.

満足ではないが、3.5nV/√Hzのbipola opampでnoise的にはまぁなんとかってとこ. →NJM8068 秋月で@¥35なのでというのもある.

そのアンプにこんな部位がある.
↓DAC等で発生させた任意波形(赤)よりも、20mVぐらい低いトラッキング波形をつくる.20mVはアバウトで良いが、温度等で動くのは禁止.
↓こんな原理でつつがなく動いた.opampで20mVを減算する.抵抗誤差はあるだろうが、Vrefのおかげで温度ドリフトは少なく抑えるという主旨.

ここまでは無問題だったのだが、DCサーボの分解能を上げるため、同様の回路をもう1段追加する必要が新たに生じた.
↓高分解能化のため、2段目は-100uVのトラッキングと1段目よりも小さくなる.
↓抵抗分圧を100uVに小さくして同じ回路を踏襲.
↓ところが、この回路の出力が減算でなく加算で出てきちゃうんだよ.なんじゃこりゃ?
↓問題は減算回路にある.★を減算したブルーが-100uVのトラッキング信号である.いろいろと微妙なことしてるけどsimulationではちゃんと動く.
問題はブルーが高電位になってしまうことだ.減算が加算に逆転してる.

読者的には、★にバッファを入れないのが原因と思うかもしれないが、opampの出力Zは1Ωぐらいあるのでわざわざバッファする意味は薄い.

抵抗の誤差1%の累積だろうか? →ちがうみたい

opamp NJM8068のoffset SPECを見る → 0.3mVtyp 3mVmax
これが原因だろう.100uVの計算をするのにoffsetが300uVも在ったら逆転もするだろうさ.

というわけで低offsetのopampをゴソゴソ探したけど手持ちは無し.オーディオopampなら持ってるのだけど...

秋月で探したら、優秀なのがあった.
 ADA4522 @340円
 offset 0.7uVtyp 5uVmax  ←これなら良さそう
 noise 5.8 nV/√Hz
これで価格が1/10だったらいいんだけどな.

他にも買うものがあるので通販を発注した.

#続いてDAC基板の火入れを行う

かしこ

8 件のコメント:

  1. オフセットだけは初段トランジスタのマッチングに頼らないとならないのでOPアンプ選びになりますね。こんな仕様のアンプが340円で買えるとはすごい(80年代の感覚です)。しかもLtspiceにモデルがある。ADに買収されてよかった(ユーザーの感覚です)。

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    1. 入力端子にVRつけてoffset調整しちゃうという強引方式もあるのですがやめときました.

      たしかに性能いいですよね.秋月だから340円で帰るけど、digikeyとかだと小量買いだと500円ぐらい.高いなぁ.

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    2. うっ、帰る→買える

      MAXIMとLTもADになっちゃってADが生き残るとは思ってませんでした.

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    3. >MAXIMとLTもADになっちゃって
      あれ、じゃぁ、
      ・「LTSpice」は「ADSpice」になっちゃったの!?
      と、思ったら、そんなことはありませんでした(笑)
      ※こうやって、未来の人が
      ・「LTSpice」って、なんで「LTSpice」なの・・・?
      と、ワケも無く悩むようになるのだろうな・・・

      ところで、
      ・「超高ゲイン」かつ「超ローノイズ」しかも「DCAMP」
      って、
      ・脳波でも測定する
      のでしょうか???
      ※ヒラサカ氏は、イメージ的にはこういうのやりそうにないんですが。メディカル系は「クローズド」で、あんまり「新規参入」が無い感じがする。というか、
      ・医療機器が「秋月のパーツ」で作られてたりしたら、怖すぎる(完全に偏見ですが(笑))
      ※そう言えば、「チョッパーアンプ」って、「脳波測定の為に開発された」って、聞いたことある気がする。

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    4. >脳波でも測定

      う~む、またしても的確な想像.
      必ずしも生体信号には限らないとはいえ、中心的応用先みたいです.
      あの界隈はいろいろと回路の未解決問題が山積していてお困りのようです.

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    5. >あの界隈はいろいろと回路の未解決問題が山積
      まーねぇ~、「メディカルエレクトロニクス」って言うと聞こえはいいですが、確かに、未だに
      ・よくわからないことだらけ
      らしいですからねぇ。。。
      ※あの、「脳波」にしても、未だに「何でああいう波形が出るのか?」と言うのは、「ちゃんと解明されてない」みたいですし。
      (経験的に「こういうときは、こういう波形」と言うことしかわかっていないらしい。)
      最近流行りの「EMS(外部から電圧を加えて、筋肉を動かすやつ)」も、実は、
      ・何処からどういう電圧を何ボルト加えればいいか?
      というのは、あくまで「経験値」であって、理論になって無いらしいです。
      (これも結構怖くて、ピークで「数百ボルト」くらい加えるらしくて、一部で「やけど」とかの事故もあるらしい。取説にも「長時間使うな」って、ちゃんと書いてあるし。)

      私のイメージでは、ヒラサカ氏は、「高エネ研向けの、陽子検出センサの回路」とかを設計してるイメージがあるのですが。こっちはこっちで、「超微弱電界センサ」とか、使ってるんだろうけど。

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    6. >「脳波」にしても、未だに「何でああいう波形が出るのか?」

      ほんそれ.
      そもそも、
      2点間の電位差で検出した脳波と、
      1点から湧きだす磁界で検出した脳波と、
      これって全然違うとかいうハナシでそのレベルかよという.
      生体はよくわからんみたいです.

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    7. KEK方面は知人がやってるけど、あのセカイの回路を請けても商売になるのかなという別の心配を感じるところです.こわー

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