2023年3月19日日曜日

新潟国際アニメーション映画祭と押井守(アニメには批評がない)

新潟国際アニメーション映画祭というのが現在開催中で、その中核メンバーらしき押井守がやたらとinterview記事に出まくっている.わたしが押井の話題をクリックする頻度が高いのでgoogleのおススメにやたらと押井守が出てくるという事情.

interviewで押井は「もっと批評しようぜ」と言っている.

押井は映画批評の本を何冊も出していて、とても面白い.何冊かは買って読んだ.

実際に作品を生み出す者達がする批評は面白いものだ.たとえ大学の映研レベルの人でも面白い.押井守にせよ映研レベルにせよ、テクニカルな視点が確立した者の批評は、ただの「面白かった」「つまらなかった」ではないから面白いし、傾聴に値する.

わたしは学生時代に映研には所属しておらず、漫研とアニメ研だった.そっちには批評という行為が無かった.批評活動は在ったけど機能してなかった.映研よりも漫研アニ研の知的水準が低いからというわけではなく、ガチで批評すると喧嘩になるから喧嘩を避けていたのだと思う.
ヲタクの感情には、
 1)「面白かった」
 2)「つまらなかった」
の他に、かつてはこういうのがあった.
 3)「あれは許せん」
 4)「あれを好きとか言ってるお前を許さん」

わたしが当ブログで「すずめをサイコー言ってる奴はトチ狂ってる」とクドクド述べているのが4番目だ.昭和時代にはマウント取り目的の3や4が横行していた.漫画アニメの本数が増えるにつれ共通言語が無くなってしまったので34は下火になったのだとわたしは推測している.あと、ヤンキー文化の衰退もあった.
なお、わたしの「アンチすずめ」は宗教活動であって、マウント目的ではない.

要は、漫画アニメ界に批評がないのには事情が在ってな、という話なわけだが、、、押井守は「何を言ったって角が立つ」と承知したうえで、「批評しようぜ」「喧嘩になったっていいじゃん」と言っている.コンペティションの場があれば、いくばくかでも批評を推進したことになると言っている.そのための新潟国際アニメーション映画祭だと.

Amazonを見ると、押井が書いた批評本はざっと10数冊はある.それらの他に雑誌媒体でも連載ページを持っているので、media露出の多さは監督では筆頭格だろう.押井がする批評にそこそこの商業的価値を認めている編集者がそこそこ居るわけだ.それは稀有な例だ.
山本寛みたく、批判の矛先をファンに向けてしまう舌禍な人は論外として、ほとんどの監督さんは黙して語らずだ.いま、中山竜(チェンソー監督)が全人類からフルボッコにされていて気の毒だが、雑誌にドラゴンのinterview記事が載っただけでもアンチが湧く.危なくて自分の作品について語るのすらヤバイ.まして他人の批評など.それが大多数の監督のメンタルじゃないのかね?
だから、押井守のように批評しまくりつつも炎上しないpositionってのを形成するのは天賦の才能だろうねぇ.

なにはともあれ、映画祭のご盛会を祈っております.
できれば写真美術館あたりで巡業してほしいがね.

あと、苦労して映画祭を立ち上げたとしても、変な奴らに乗っ取られたりしないように祈ります.LGBT映画祭や原爆映画祭や韓国映画祭になっちゃったりしませんように.新潟って先代の知事が人外だったりしたもんね(笑)

ーーーー
知らなかったんだけど、新潟国際アニメーション映画祭ってアート系と商業系を両方ともやるらしい.
↓渡辺信一郎がなにか出すんだよ.これはアートなのか商業なのか、どっちだろう?
↓おぉぉっと思ったのがこれ.実写版「童夢」とはシブイ.パイロット版だけどね.これを劇場にかけるところまで持って行けるかどうかは、、、講談社さんのやる気次第か?

#米アカデミー賞の『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がくだらなさすぎると炎上してるらしい.選考委員会アタマ平気?みたいな.誰か人柱になってくれー

かしこ

26 件のコメント:

  1. >中核メンバーらしき押井守
    あれ、押井守って、「中核派」だったっけ?(学生運動に傾倒してたことは有名ですが、「何派」とかは、調べても出て来ないですね。)
    ・・・・ などと言う、「戯言」はさておき、
    >押井は「もっと批評しようぜ」と言っている
    のも、そういう、「生い立ち」から来てるんじゃないか?思わなくはないです。

    >ガチで批評すると喧嘩になるから喧嘩を避けていた
    今のひとは、
    ・「ケンカのしかた」
    を、知らないので、ケンカじゃなくて、いきなり、
    ・「いじめ」か「無気力」
    に、なっちゃいますからねぇ・・・ 「ガチで批評する」と、
    ・「批判した側」が、次の日に夜道で刺される か、
    ・「批判されたほう」が、やる気をなくして「作品を封印」(鬱になって、作家廃業、とか)
    に、なってしまうので、うかつに「批判」も出来ない。
    ※この辺は、なぜか「商業主義」とも迎合出来て、いきおい、
    「提灯記事」(よくわからないけど、兎に角「褒めまくる記事」)だけが、
    量産されるようになっています。
    >マウント目的ではない
    つか、「批判=マウント取り」の図式は、何時ごろから出来たのでしょうかね?そんなこと言ってたら「何も言えなく」なってしまう・・・
    (実際、みんな「何も言わなく」なって来ましたが。これじゃぁ、面白くもなんともないです。)

    >押井守のように批評しまくりつつも炎上しない
    まぁ、押井守も、「全員に好かれているワケ」でもないとおもいますが、やはり、
    「年の功」(少なくとも、20世紀から「頭角を現してきた」作家だから)でしょうか?
    ※そういう意味では、幾ら優秀でも「近年、見出された人」は、それだけで不利かもしれません・・・
    (チェンソーマンの人って、そんなに叩かれてるんですか?ちょっと可哀そうですね。生まれた時期が悪かったのか・・・)

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    1. 押井守はあまり政治スタンスを匂わせないけど、保守寄りですね.富野も保守ですね.宮崎高畑は真っ赤.安彦も赤い.

      盛んに批評をする監督は、出資者が使いづらくて敬遠するようになるんだと思うんですが、押井は敬遠されずに業界に棲息してる感じですかね.

      チェンソー中山は、エヴァQが批判されてた頃の庵野に匹敵する叩かれ方といえるかもしれませんw わたしは中山ドラゴンさんを称賛してますけどね.

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    2. >「いじめ」か「無気力」
      >「批判した側」が、次の日に夜道で刺される

      刺された宮台もこのパターンですよね.犯人自殺で笑ったけど.

      Twitterという意図が伝わらない短文mediaの罪悪が大きいように思うのと、今は全員がエコーチャンバーなので、速攻で刺しになりがちですね.

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    3. といいつつ、映画公開された直後のTwitterを見ると、賞賛ばっかです.ある意味で過剰にお行儀が良い奴らだと思っとります.

      といいつつ、Twitterという短文mediaだと、もろ手を挙げての賞賛はしやすいけど、よい部分もあるが悪い部分もある、みたいな文章を打てないのでやっぱTwitterって無能だわ.

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    4. >意図が伝わらない短文mediaの罪悪
      昨日も書きましたが、ホントに今の日本(世界も同じ)は、各所で、
      ・「一々考えていたら」何も出来なくなってきてる
      のは、事実ですね。みんな「頭を使わなく」なって来てる。
      ・指示を出すほう、も、作業をするほう、も、どちらも「のうたりん」に、なって来ている。
      これじゃぁ、上手く行くワケないじゃん! (なので、「不良品の山」ばかりが作られる・・・)
      ※「批判・批評」というのは、思ったよりも「頭を使い」ます。それなくして、
      「面白かった」「つまらなかった」は、それこそ、小学生でも言える。

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    5. >「一々考えていたら」何も出来なくなってきてる
      が、
      「実際の仕事時間がゼロ」で、「成果を出せ」
      に、繋がってくるわけで。もはや、
      ・指示を出す前に、「製品が出来上がっていないと」いけなくなって来てます
      ヲイヲイ、「どんな魔法」だよ(笑)
      ※その割には、上層部は「延々と、会議(参加してないから、内容は不明)」やってんだよな・・・
      これからどーすんだよ、ホントに!

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    6. >「頭を使わなく」なって来てる

      学歴や組織を問わずこの傾向はあると思います.

      ひら理論ではよくマクドナルドを例示するのですが、本部がマニュアルを作り、現場はマニュアルに従うという労働文化です.
      マクドナルドぐらい賢くて、マニュアル作りにリソースを割いてりゃいいろうけど、どの産業もどの企業もそれで廻せると思っちゃ甘いんじゃないのという.

      マニュアルを作ったつもりのショボイ中間管理職が居て、正社員か非正規かアルバイトに仕事させるんだけどマニュアルの出来が悪くちゃ組織は廻りませんぜというオチ.

      構成員全体のボトムアップを求める!
      ↑凹む奴が多数でて、パワハラ呼ばわりされるんだよなぁ.

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    7. >構成員全体のボトムアップ
      いや、その必要は多分なくて、いわゆる、
      ・ボトルネック
      の箇所を、「最適化」すればいいんですよ。
      ※ここで多分、一番のボトルネックは、「マネージャー」だったりするから困る。
      一番のボトルネックである「マネージャー」が、自分を棚に上げて、
      「会社の業績が伸びないのは、社員が働かないから悪い」(某、有名なエラい人の言葉)
      に、なったりするんだよな・・・
      (これが、ホントの「パワハラ」です。)

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    8. >マニュアルを作ったつもり
      時間がある時に、「XXX の、業務をマニュアル化しましょうか?」と、マネージャーに聞いたら、
      「そんなことより、***の仕事をさきにやってくれ。」と、いつも言われて、「業務マニュアル」なぞ、出来たためしがない。
      (こういう話は、いろんな所で聞きます。日本の会社は、皆「自転車操業」だから、「そんな時間は無い」)
      ※「マニュアルがある職場」なんて、ぜんぜん良いほうです。日本では、たいがい、仕事は、
      「見よう見まねで覚えるモノ」(業種問わず)ですね。

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    9. >ボトルネック

      ここがボトルネックだ!と示せるマネージャーを求む!(笑)

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    10. いまやってる仕事が自転車です.
      業務要件が伝わってなくて頭イタイ.
      マニュアルとまではいわんでも、箇条書きでいいからやることリストを文書で流せばあとで徹夜する日数が減ると思うぞ.
      と思いつつ.

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  2. >押井守はあまり政治スタンスを匂わせない
    「学生運動」系統だから、現在で言う「民主系」のハズですがね。
    ※もっとも、かれは「学生運動の衰退を目の当たりにしている」という観測もあるので、実は「反民主系」かもしれない。
    いずれにしても、現時点では、当時の自民・民主(社会)はいずれも、
    「保守」としか言いようが無いんだよな・・・ 根っこが同じだから。
    ※現代で、真の意味で「革新」と言えるのは、旧NHK党くらいですかね(あと、「よくわからない」泡沫政党の一部(UFO党とかありましたが)くらいか。)

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    1. パトレーバー2 the movieなんかは保守思想が描かれています.
      お花畑が戦争反対ゆうてても無駄じゃろみたいな、そんな映画です.

      高野誠鮮というUFO有名人がいるんですが、UFO党の創立者だったようです.さすが....

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    2. 読者 パトーレイバーもそうだけど動力ユニットは、現代の技術では、小型原子力しかないはずだけど、ふれてはならない話らしい

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    3. パトレイバーはディーゼルかと思ってましたー

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    4. ザブングルは、「ガソリンエンジン」でしたね(笑)

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    5. ガソリンがぶ飲みしそうです.貴重なのにー

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    6. 読者 有鉛ガソリンだけど 無鉛でも動くみたいな 自動車修理ビデオのエンジンばらし整備で「この部品に変えましたので無鉛ガソリンで動きます」は、お得感あって好き

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    7. ありましたねぇ、有鉛ガソリン.鉛燃やしてるんだからなんだかなー.ま、わたしは鉛とスズの蒸気を長年吸ってるわけですが.無鉛はんだは好きじゃない.

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  3. 読者 潜水艦のエンジン?水冷だとラジエター穴空くよ。空冷は、冷えないから馬力でない、環境規制厳しいすぎて原付では、エンジン回らない。もしかして13B.ロータリーの4ローターとか?ないない

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    1. スターリングエンジンも

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    2. 読者 海上の潜水艦のディーゼルエンジン優秀らしい 原潜でないやつ 海上くらいしかないらしい 電池だけでそんなに潜っていられるのが不思議 燃料電池でもあるのかいな 海水から酸素と水素とり放題とか 調理のにおいが充満するらしい 電気コンロだよね 通路にばなな

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    3. Uボートは空気取り入れの長いパイプを海上に突き出してディーゼル走行してたらしいです.バッテリーは戦闘時だけですかね?

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  4. 食堂のシートの中には野菜を保存。
    潜水していない時意外はディーゼルのはずです。
    カレーが出たら金曜日でしたっけ?
    食事の質は潜水艦乗りは良いらしいです。
    原潜はがんばればずーと潜水できるけど、人間が持たないので通常時は
    時々浮上するらしいです。
    呉にいくと退役した潜水艦に乗ることができます。
    残念ながら、見られるルートは決まっているので、エンジンルームとか魚雷室とかには入れません。(ガラス越しに見る事はできたような記憶が・・・。)
    司令室では写真撮影禁止だったはずですが、ネットを探すと写真を見る事ができます。

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    1. カレーライスが嫌いな人は海自には務められないなぁと思いますが、カレーが嫌いで食えない人を見たことはありません.

      タイのカレーにはココナツが入っているのであまり好きじゃないんですね、わたしとしては、カレーに申し訳ないー

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    2. 30年近く前、呉~松山までフェリーに乗りました.呉の大和ドックはよくわかりませんでした.そんなの残ってるわけないか.

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