前回の図の再掲がこれ.これにコレクタ抵抗をつけると電圧増幅回路の出来上がりだ.
これが電圧増幅回路.ゲインは10倍である.
エミッタ抵抗両端電圧は1Vである.
コレクタ抵抗両端電圧は10Vである.なぜなら電流が10mA流れているから10mAx1kΩ=10Vと計算されるからだ.
1V→10Vだから10倍増幅になっている.
ちなみに、コレクタの電源電圧は最低でも11V以上必要なのはわかるよね? 既に見えているのが1V+10Vだからだ.
これらに加えて、コレクタ-エミッタ電圧Vceを追加する必要がある.コレクタ抵抗電圧降下が10VなのでVceもそれと同じぐらいにしとくのがよい.(理由の説明は後日)
なので、コレクタ電源電圧を21V=10+10+1Vにしよう.
ここまでで、電圧増幅度は1k/100=10倍になっている.つまりこういう式だ.
電圧増幅度 = コレクタ抵抗 ÷ エミッタ抵抗
だから、コレクタ抵抗を2kにすれば20倍にできるよ.(副作用はあるけどさておく)エミッタ抵抗を50Ωにしても高増幅度にできる. (副作用はあるけどさておく)
これでひとまず電圧増幅回路の説明は完了である.
だけどさ、直流電圧を観測しててもいまいち増幅している気がしなくなくない?
そんなアナタのためにもうちっと増幅を味わえる回路にしてあげよう.
SPICE SIMを使う.
この回路はベース回路に1Vppのsin波が追加されている.つまり1.65Vを中心に1Vppのsin波が乗っている.交流増幅波形を観測することで増幅していることを実感しようというわけだ.
緑色の振幅の小さな波形がベース電圧である.黄色の巨大な波形がコレクタ電圧である.交流増幅されているねぇ.嬉しいねぇ.
コレクタ電圧の拡大.sin波のピーク電圧が9.5Vppになっている.1Vppを10倍増幅する定数設定なので10Vppになって欲しかったが-5%下回ってしまって面目ない.
ここら辺で今回はおしまいにしたいのだけれど、もう少し具体的な回路に近づけてみよう.この回路でもほぼ同じ増幅度を得られる.
改造ポイントはベース電源を廃止したこと.
その代わりに21Vを抵抗分圧しで約1.65Vを作り出している.
さらに10uFでDCカットしてその先に1Vpp sin波を接続している.
交流電圧増幅回路の出来上がりだ!
今日の学習ポイント:
電圧増幅度 = コレクタ抵抗 ÷ エミッタ抵抗
かしこ
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