2023年1月23日月曜日

酒について(流行する味へのサヤ寄せ)

新橋ジンアンドトニックのマスターのブログがある.

本日の投稿で、日本の新興蒸留所のモルトウイスキーを試飲した感想を書いている.
「新しい蒸留所だがUKの老舗みたいなそつのない味に仕上がっている.ウイスキーづくりの技術が向上した恩恵だ」
というような主旨だ.
マスターはその先に添加物についても察知しているようだがそこは自粛してお書きにならない.(笑)

これねぇ、酒全般について、わたしも似たような事を考える....

酒のジャンル毎に味は決まっているけれど、それでも銘柄によって味は違う.その違いの幅が広いか狭いか?という着眼だ.
 バーボン: 味のバラエティが少ない
 ウイスキー:味のバラエティが広い
バーボンってどれを飲んでも似たよな味じゃない? ああいう酒をバラエティが狭いと言っている.それに比べるとUKのウイスキーは味のバラエティが豊富で楽しい.

味のバラエティが様々である方が楽しく味わえるが、味のバラエティが様々であるということは、ハズレも多い.失敗作に当たる確率も多い.マスターは、酒造り技術が向上し失敗作が減ったと言っているのである.2010年リリースのウイスキーだと蒸留年は1995年ごろだから、1990年代にウイスキーづくり技術がメキメキ向上したのだと思われる.

失敗作が減るのに同期して、UKのウイスキーが流行の味にサヤ寄せしているのも事実であって、ひら的には少々つまらなさを感じもする.サヤ寄せの行先とは具体的には、マッカラン+クライネリッシュ+ボウモアを混ぜたような方向性かな.そりゃその味なら鉄板だわさ.

当ブログの新年の秋葉原とお酒で書いたが、Tamdhu(タムデュー)ってひら的には神ブランドであって、昔のウイスキーの味がするんだけど、わたしの語彙力では表現できない.あまり流行を追わないかんじ.どっちかというとお手本にされる側かな.
サントリーオールドも、昭和の「特級」とか言ってた頃のボトルと、現在流通しているボトルでは味が違う.昭和時代のボトルは、なるほどUKの蒸留所の原酒を混ぜてやがるなぁという味がする.ところが現在のボトルはやたらと甘くて透明なんだよ.一瞬美味いと思うけどわりとすぐに飽きてしまう.
そんなオールドを飲むと、多少の雑味があった方が飽きず美味いと感じられ、古いウイスキーの味に戻ったらどうだい?と思う.
もっとも、ウイスキーづくりの技術はそういった雑味を添加する方向性もいずれキャッチアップするだろうと思うところだ.マスターのうめき声が聞こえそうだけどね.(笑)

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味のサヤ寄せというと、日本酒はけっこう露骨だと思っている.ちょっとやり過ぎじゃないって思わんでもない.

あれは昭和50年代中ごろだったか、越乃寒梅という新潟のお酒が大流行した.
越乃寒梅が一世を風靡する前は、酒処と言えば灘か伏見だったのが、一気に新潟が酒処になり、お米っぽい味が日本酒のスタンダードに塗り替わった.八海山みたいな味のことだ.

なんつって、わたしは昭和39年生まれなので酒を飲み始めた年齢がちょうど新潟味に切り替わった時期だったので、灘や伏見時代の日本酒の味ってほとんど知らない.
あるとき、わたしが40歳を過ぎてだが、伊勢神宮の内宮をお参りしたとき参道に「お伊勢さんへの奉納酒」を飲ませる店があって、どれどれと飲んでみた.いやはやキツい味だった.お米っぽくなくて、舌にピリッと来るお酒だった.越乃寒梅以前の日本酒のスタンダートってこんな感じだったんだとその時に知った.

わたしの感覚だと2000年以降なんだけど、日本酒にはもう一度大きな味変が生じた.謂わずと知れた「獺祭」だよ.いまじゃぁ、どこもかしこも獺祭みたいな味にサヤ寄せしちゃったじゃん.売れるんだから仕方ないけどさ.獺祭は山口県の酒で、酒処が山口県に移動したというよりも、日本酒の味だけが獺祭風に変わったというかんじかな.

獺祭風じゃない酒を飲みたい場合は新潟の酒を買えばいいかと思ったら甘くて、新潟の酒であっても獺祭風の味になってたりするのでなんだかなー.

似たような味を出したければ、麹菌と酵母を同じ株にすれば似た傾向になるらしいけど詳細は知らない.

さ、今夜はジンアンドトニックに行こうっと.

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24:00
ジンアンドトニックの帰り。
冒頭で書いた日本のモルトを試飲させてもらった。
なにこれめっちゃ美味いじゃん
UKウイスキーには無い不思議な雑味が在るんだ。
これは侮れませんぞ。洋酒専業商社とマスターがこれならイイかと判断しただけの事はある。
ジンアンドトニックを訪問されたモルトラヴァーにおかれてはトライしてみてもらいたい。

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わたしがエロ小説を書いたり、アニメ女子キャラに萌えるのは、女子の雑味が好きだからなんだ。女子の雑味って何かという話題はほとんどエロ小説レベルなので控えるが、素人女子とHする面倒くささと表現すればほぼ合っている。
加藤恵なんか面倒くさそうじゃんwww
脚本家丸戸史明は面倒な女子のフレーバー表現が巧みだから好きなんだ。

かしこ

4 件のコメント:

  1. 日本酒が劇的に変わったのは、吟醸酒を売り始めた時からだと思います。
    理由のひとつは日本酒離れが進んで、二級酒が売れなくなったから。
    そりゃそうです。高度経済成長の時代には作った分だけ売れるので、混ぜ物をしてかさ増しして売られていたんですから。
    酒の分類も二級、一級、特級、違いは税務署への申請分類(税金だったかな?)の違いだけ。(まずければ売れないので、混ぜ物が減る感じです)
    品質向上(元に戻っただけ)の純米酒、吟醸酒と進化して美味しくなった。
    漫画では「夏子の酒」で日本酒ブームがやってきた感じですかね?
    酒蔵も仕込みも樽からホウロウやステンレスに変わったおかげで腐醸(漢字間違えてるかも知れないけど、醗酵の失敗)がなくなったので、美味しいお酒を造る事ができるようになったともやしもんに書いてありました。
    味の調整をするのに、活性炭というすばらしいアイテムも出てきました。
    これを通すと透き通った癖のないお酒になります。
    獺祭のすごいところは一年中お酒を造れるところと、米の水分量の変化や醗酵の進み方をデータ化したので、杜氏でなくても美味しいお酒が作れるようになったところですね。

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    1. 吟醸酒は酒蔵の収益改善への貢献大だと思いますね.
      「夏子の酒」なつかしー
      「もやしもん」は読んでないけど

      越乃寒梅は偽物のせいでブランド化がとん挫した気がしてます
      獺祭は大量供給を可能にして偽物の出現を食い止めたのがブランド維持に貢献したかんじ.

      ま、わたしは獺祭を自腹で飲む気はありません.同じような味でもっと安くてうまーな銘柄があるので.酒蔵に行って試飲するぐらいの人はみんなそう思ってるんじゃないかな.ブランドで選びたい人はお好きにどうぞどうぞ.

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  2. 獺祭はそんなに高いお酒ではないですよ。
    定価であれば4合瓶が1800円くらいので美味しくいただけます。
    販売するルートが限られているので、プレミアがつくと値段が跳ね上がります。
    山田錦は高いけど、この米で作るとお酒が美味しいので、買いあさった時があって、おかげで価格が高騰して恨みを買ったという話があります。
    今はアジアのどこかで栽培するようになったので、供給不足はなくなったとい言われていたはずです。
    磨き3割台のめちゃ高いのを飲んだ事がありますが、あまり違い味わえませんでした。
    それよりも、酒蔵で飲む生酒は吟醸酒を越えると思います。
    お酒は火入れすれば味が落ちます。
    もろみから絞りたての日本酒に勝る酒はないと思います。
    今は新酒が出回っていて、それなりに美味しいですが、秋に売られるひやおろしとか秋あがりといわれるお酒はまろやかで美味しいです。

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    1. そうですか?
      4号瓶が¥5000とかしてません?

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