すずめ如き失格作品が100億売り上げる不健全さに比べたら、かがみが10億売り上げる方が遥かに健全です。歓迎します.
storyの破綻一切無し。
ジュブナイルですから先読み出来る平易なstory。
それなりにハラハラもする。
ここまでやるか、ってな伏線回収の気分の良さ。
大衆作品向け合格点満載。
日テレ作品なので、もしも金ローで放映されたら、その晩のTwitterトレンドには余裕で上がるだろうレベル。
ハリウッド的カタルシスがデートカップルには必要なのだとすると、それには及ばないが、作品の良し悪しを1900円支払って確認したいというマジメなカップルには悪くない選択です。
わたしは、なるべく大勢に観てもらいたいと思う作品はネタバレしませんので、ここまではネタバレ無しです。
もっと踏み込んだネタバレ感想については下の方へスクロールして読んで下さいね〜 (今電車なので後でupdateします)
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以下はネタバレです.
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以下はネタバレです.
一言でいえば虐められっ子が脱皮する物語.
京アニが作ったアニメ「聲の形」も虐められっ子が脱皮する物語でしたが、あれはあざとくて受け入れられなかったわたしでしたが、かがみの孤城は受け入れることが出来ました.
あらすじ:
不登校児各々には、恨むクラスメートや大人がいて、恨みを晴らすのが各々の願望だったりする.
しかし願望達成keyの探索は何か月間経っても上手く行かず、次第にお互いの事情も明らかになってゆく.7名のほぼ全員が同じ中学校の不登校児だったと判って、リアル世界で会う計画を立てた.しかし誰も会えなかった.同じ土地に住んではいたが、各々の時間が1980~2030年に渡ってズレていたからである.
各々の、レイプされそうになった経験とか、クラスメートに虐められた経験などが7名に共有される.
最もハードなトラウマの女子を救うために6人が団結し救済に成功する.
その経験を通して各々は世間と対峙してなんとかやっていけるようになる.
簡単には以上でおしまい.
世間の風圧に負けてしまってアップアップな状態の中学生が、仲間を救済する胆力を発揮するというstoryは成長物語として納得できるものがありました.
本作を観終えて良好な印象が残るのは、ハートウォーミングな後日談なんです.7名はリアル世界では全然年齢が違います.40歳ぐらい違う.だから先に産まれた者は大人になっていて、後から産まれた不登校児を担当するケースワーカーになって救済の手を差し伸べたりします.
ま、よかったです.
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以下は軽く批判含みで.
ジュブナイル小説というのは、思春期の子供が読んで、ちょっぴり背伸びできた気持ちになれるフレーバーが在ってこそだと思います.
そう考えると、本作に登場する中学生は幼いように感じます.
わたしは昭和39年生まれで、その前後3年ぐらいの読者には判って頂けると思うのですが、中学生の時に「狙われた学園」「時をかける処女」「わがセクソイド」「100億の昼と1000億の夜」「那由他」ぐらいの軽い哲学性や社会性を含む小説や漫画ぐらいは読んでませんでしたか? わたしは伊勢原市立山王中学校の友達の間で回し読みとかしてましたけどね.
つまり、中学生ならそのくらいの知性を獲得しているはずで、ならばreal worldで連絡しようぜ、お前の住所教えろよ、同時性の検証、パラレルワールド仮説、そのくらいの考察には中学生でも速やかに辿り着けただろうと思います.しかし本作でそうなるまでにやたらとてこずったのにはズレた印象がしました.
あと、作劇論として、主人公が成長する物語を正統とするべきなのはその通りだと思うんですが、、、
1)フツーの人がより上に行く
2)虐められっ子がフツーに辿り着く
この2番目はわたしにはあまり興味がないです.
「ぼっち・ざ・ろっく」がそんなには楽しくなかったのも2番目だからです.
現代っ子は2が好きなのかな?
わたしは所詮昭和のイケイケ世代だからね.
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映画の初見だけで理解が追い付かないこともありました.小説読めばわかるのかも.
・孤城での記憶をkeepしたまま現実に戻れた人と、記憶を失った人とに分かれたように見えたんだけど、その分かれ目はわかりませんでした.
・「狼と7匹の羊」が設定された必然性は察知できませんでした.そこに必然性が在ったらもっと良かったかも.
・同時性/異時性について.9時5時の同時性は7人中6人が満たしていました.それなのに年単位で時間がズレていました.ミクロな同時性があるのに、マクロには異時だという点が「時間SF」としてはちょっとキツかったかなぁ.
かしこ
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