2022年4月10日日曜日

【フリエネ】ロディンコイル、眉唾だろう

中華通販で、Free Energy Rodin coil という商品が出てきてなんだこれは?と気付きました.そんなフリエネネタは初耳です.海外では流行しているみたいよ.

ロディンコイルを検索すると日本語pageはスピリチュアルグッズが1件ヒットするのみで技術解説pageはヒットしません.もしかするとこの投稿が日本初Rodin coil解説なのかもしんない.

Rodin coilはこのような民芸品の手毬みたいな巻形状のコイルです.→こちらのページ
コイルと言ってるけど製作動画によると1次2次構造のあるトランスです.
リンクの謳い文句によると、
Rodin Coilトランスが50ワットの入力を受け取ると、250ワットの出力が生成
だそうです.そりゃすげぇ.

提唱者はMarko Rodinという人で、「Vortex Based Mathematics」を唱えています.「渦流理論」とでも訳すのでしょうか? 「内破理論」というのが昔ありましたが、そちらは液体の渦流でどうたらこうたらでした.Vortex Based Mathematicsは電磁気学ベースなので電子の流れを扱うようです.

Rodin coilは巻き方が特徴的ですが、製作動画を見ると、巻きが戻る事はなくて、巻き進むだけです.写真を見ると判るように巻きピッチが粗いのでトロイドを一周するのに3ターンぐらい.それを数層重ねてる感じ.いずれにせよトロイダル型の空芯トランスに他ならないように思われます.
こんな形状のもあります.こちらの方が巻形状を推察しやすい.

どんな原理?
さっぱりわかん.まるで数秘術みたい.→こちら
イランのバハイ教からインスピレーションを受けたとか、マヤ歴から来る64の倍数だとか、そんなんばっかり.
それでこの図形が神の指紋なのだそうです.Rodin coilの巻き線構造と類似しています.
宇宙エネルギーがトロイドの穴に流入し発電します.そりゃすげぇ.
こちらの製作動画によるとLEDアレイを点灯させてる.ふむ~

Rodin coilの回路について.
まずこの巻き線引き出し状態から判ることは、世の中にはバイファイラー巻きというのがあるけど、これは謂わば24ファイラー巻きになってるみたいです
この後で24個のコイルを結線するのですが、その結線手順はこうらしい.
  1)12コイル+12コイルに2分割する
  2)12コイルを直列接続   (channel A)
  3)12コイルを直列接続     (channel B)
結果として、巻き数≒3Tx3層x12個≒100かそこらの1:1トランスが出来上がります.
↓動画にこんな回路図が写ります.謎のトランス結線です.(回路図1)
↓通常見かけるトランスの使い方ですとこのような同相信号除去トランスがあります.これは有線LANにも入ってるお馴染みの回路です.
↓なのですが、Rodin coilの場合は回路図1を書き換えるとこうです.これだと原理的にアンプの電力がRodin coilに堰き止められて通過しません.ゆえにLEDも点灯しません.
しかしながら、動画の妙齢女性の実験条件をさらに考察する必要があります.
オシレータの周波数はいくつなのかを知るために動画を拡大してみたら、画面が汚れているのですが、10,000.000kHzらしい.すなわち10MHzと思われます.
このRodin coilは10MHzで動作する代物なのでしょうか?
このRodin coilはサイズが20cmぐらいあるかなり巨大なものです.経験的に、そんな巨大で100ターンかそこら巻いたコイルの自己共振周波数はせいぜい良くても1MHzかそこらであって、10MHzの信号を扱えるトランス足り得ません.
↓すなわちこの実験系の等価回路はこうだと考えます.トランスは存在せず、代わりに浮遊容量が在るこんな回路であって、アンプ電力で直接LEDを駆動しているに過ぎない状況.
もしもOSCが500kHzだったら自己共振の疑念はスルーしたけれど、今度は周波数が低すぎてインダクタンスが足りない疑念が湧きます.見た目だけでチャチャを入れたくなります.

いかん、これは眉唾だ.

だいたい、エレキでフリエネを達成したとか言うクセに、回路も実験条件も明かさないとか有り得ない手抜きです.再現実験をやらせないように攪乱しているとしか思えない.
このくらいは開示せんかーい.
回路図、OSC周波数、1次電圧/電流/電力、2次電力、1次インダクタンス、相互インダクタンス、巻き線抵抗、巻き線直径、自己共振周波数、おおまかな寸法、、、

かしこ

9 件のコメント:

  1. どうでもいいことですが、海外の工作系動画で、
    「電動ドリル」が出てくるときは、必ず
    「makita」か「RYOBI」
    なのが、笑ってしまいます。(絶対的に、makitaが多い。)
    ・BLACK&DECKER とか見たことない(笑)

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    1. つかこれ、
      「ハニカム巻き」(これも、いまだによく理解してないのですが)
      と、どう違うんでしょうか?

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    2. ※ちなみに「ハニカム巻き」は、オカルトとは関係ない、
      「電磁気学の教科書にも載ってる」
      巻き方です。(浮遊容量が少ない巻き方として有名です。)

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    3. >「makita」か「RYOBI」

      たしかに.ホンモノなのかしら?
      BLACK&DECKERはホームセンターの安売りで見かけますがパッとしないですね.

      ハニカム巻きって、トランジスタラジオだったの頃の淡い記憶.

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    4. もとい、真空管の頃の淡い記憶...

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  2. 効率の計算方法が知りたいですね。10MHzまで共振せずに、(空芯なので)飽和もしないなら、使い道ありそうですね。私はシューマン共振波が電力大きそうなので、なんとかしてエネルギー取り出せないもんかな、と考えたことがあります。これはコモンモードで電力を取り出す必要があると思うので、平坂さんの回路図を見て思い出しました。

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    1. シューマン共振波、テスラが地球システムと呼んで巨大なアンテナを建てたのもそれだったりするのかしら? これはもう日本のテスラになってエネルギー革命をするっきゃないです.やっちゃえNISSAN.

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  3. エネルギーは自然に増える
     → https://youtu.be/3J6yWKme3Jc
     
     無反動材推進機
     (消費電力一定で一方向力Fを発生させる装置)
     → https://youtu.be/mSsZBFn0rY8
     前後の遠心力差で推進力を得る装置

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    1. 後者はわざわざ作ったところが泣ける

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